香典を郵送するときのマナーと、同封する手紙の短い例文を紹介

香典を郵送するときの手紙 短い例文
 香典を郵送するときの手紙の、短い例文のページ。訃報を知り親戚や友人へ香典を送る際に添える手紙の例文を紹介します。
 通夜・葬儀に参列できないとき、または喪中はがきなどで後日になって訃報を知ったときなどは、香典を郵送します。香典だけを送るよりも、短い手紙や一筆箋を同封しお悔やみの気持ちを伝えるのがおすすめです。
 ここでは香典に添える短いお悔やみの手紙の例文、文例を紹介します。

1.香典を郵送するときの手紙のマナー

 親戚や友人またはその家族が亡くなった際に、遠方などのやむを得ない理由で通夜や葬儀に参列できない場合や、亡くなったことを後日になって知った場合などに、香典を郵送することがあります。
 香典を郵送するときの手紙とは、遺族にお悔やみの気持ちを伝えるとともに香典を(本来であれば持参したいが)郵送すると伝えるものです。

香典を郵送するときの手紙のマナー
(1)通夜や葬儀に参列できないときには、喪主あてに送ります。ただし、友人の家族が亡くなった場合には喪主あてではなく友人あてに送ることもあります。
(2)亡くなったことを後日になって知ったときには、香典が遅くなったことのお詫びを忘れずに書きます。
(3)故人が親戚であれば、手紙の文中で生前の呼び方を使ってもOK。ただし故人が友人やその家族の場合など(親族以外の相手に手紙を書く際)は、故人を表す敬語を使います。
【故人をあらわす敬称の例(手紙の宛先が親族ではない場合に用います)】
・故人が他人の場合(一般的なお悔やみの手紙を書くとき)には、故人を表す言葉に敬称を用います。

[喪主の父親が亡くなった場合]
ご尊父様のご逝去を悼み、心からお悔やみを申し上げます。
[喪主の兄が亡くなった場合]
御兄様のご逝去を悼み、心からお悔やみを申し上げます。
【手紙の宛先が親戚・親族の場合】
・親しくお付き合いがあった親戚あてのお悔やみ状の場合には、堅苦しい表現よりも、今まで使っていた呼び方を使うこともあります。 例えば以下のような形です。
おばあちゃんにもう会えないと思うととても寂しいです。心からお悔やみを申し上げます。
以下のように名前を使うこともあります。
良子伯母様のご逝去を悼み、心からお悔やみを申し上げます。
(4)忌み言葉は避けましょう。
「重ね重ね」「くれぐれも」などの繰り返し言葉は、不幸が繰り返すとされて避けられてきました。これを忌み言葉と言い(=いみことば、と読みます)、文中には用いないように注意します。
(5)香典を送る際は普通郵便ではなく、現金書留を利用しましょう。

香典袋については下記で紹介します。>>>

2.香典を送るときのお悔やみの手紙 短い例文、簡単な文例

香典に同封するお悔やみの手紙の短い例文をご紹介します。
訃報の連絡を受けたら、(もし弔問に伺うのが難しい場合には)お悔やみの手紙はなるべく早く送りましょう。全体の構成は以下の通りです。

お悔やみの手紙の構成

普通の手紙とは違い、冒頭に時候の挨拶を書いたり自分の近況を述べたりするのはNGです。用件だけ(お悔やみの言葉や遺族をいたわる言葉だけ)を書きます。
 他の用件や、追伸文などは一切書きません。
1)書き出しはお悔やみの言葉を書く
・頭語は書かない拝啓、謹啓などの頭語は書かない
・時候の挨拶文は書かない季節をあらわす挨拶の言葉は書かない
2)弔問に伺えないお詫びを述べる
・弔問に伺えない理由は詳細に書く必要はないごく簡単にお詫びを述べる。
例えばもし結婚式などの“お祝い事”と重なる時には具体的な理由は述べずに「やむを得ない事情で」などと書く
3)遺族に対し、励ましや気づかう言葉
・心をいたわり、身体を気づかう「お力をお落としのことと存じますが、どうぞお気を強くお持ちになり、くれぐれもご自愛下さい」など
4)もし香典を同封する場合には、そのことに触れる
・香典を入れたのし袋を同封します。香典を入れる場合には「同封のものは心ばかりですが、おばあ様がお好きだったお花などお供えください。」などと書く
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(2-1)香典を郵送するときの手紙の短い例文(親戚)

▼親戚の人が亡くなった場合の、短いお悔やみの手紙の例文です。
故人が親族なので、例文中の(かっこ)には、名前やふだんの呼び方、あるいは後述の「お悔やみの手紙で用いられる敬称」を参考に故人の敬称を入れてください。

 このたびの訃報に接し、心からお悔やみを申し上げます。お世話になった(秀明おじさんの)思い出やお人柄を思うにつけ、もう一度お会いしたかったという思いばかりが募り、本当に残念でなりません。

 本来であれば弔問に伺うべきところ相叶わず、本当に申し訳ありません。同封のものはほんの心ばかりですが故人の霊前にお供えください。

 故人のご冥福を衷心からお祈り申し上げます。

 このたびの突然の訃報に接し、驚きと悲しみを深くしています。
私にとって本当に優しいおばあちゃんでした。いつも美味しい料理を沢山作って笑顔で迎えてくれた思い出を手繰り人柄を思うにつけ、寂しさが募ります。
 本来であればご葬儀に伺うべきところままならず、略儀ながら書中にてお悔やみを申し上げます。同封のものは心ばかりですが、おばあちゃんが好きだったお花などお供えいただければと思います。
 ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 (雅彦おじ様)の訃報に接し、心からお悔やみを申し上げます。
おじ様の気さくなお人柄が大好きでした。子供の頃からかわいがって頂いた思い出が次々と浮かんできます。闘病叶わずご逝去されたとのこと、本当に残念でなりません。
 本来であればご葬儀に伺うべきところ遠方のため失礼させていただきます。同封のものは心ばかりですが、故人のご霊前にお供えください。
 初盆には改めて伺うつもりです。故人のご冥福をお祈り申し上げます。

(2-2)香典を郵送するときの手紙の短い例文(友人)

▼友人または、友人の家族が亡くなった場合の、短いお悔やみの手紙を想定しています。
一筆箋に書いて香典を添えて送ることもあります。
例文中の(かっこ)には、後述の「お悔やみの手紙で用いられる敬称」を参考に故人の敬称を入れてください。

 (御母堂)様のご逝去を悼み謹んでお悔やみを申し上げます。子供の頃にお世話になった思い出やお人柄を思うにつけ、本当に残念でなりません。

 本来であればご弔問に伺うべきところ、略儀ながら書中にてお悔やみを申し上げます。
 同封のものはほんの心ばかりですが、よろしければ故人のご霊前にお供えください。
ご冥福をお祈り申し上げます。

 (御尊父)様ご逝去の報に接し、大変驚いています。まだお若いのに本当に残念でなりません。謹んでお悔やみを申し上げます。
 
 同封のものはほんの心ばかりですが、故人のご霊前にお供えいただければ幸いです。ご遺族の皆様に改めてお悔やみを申し上げますとともに、故人のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 このたびの突然の訃報に接し、大変驚いています。◯◯様には学生の頃から大変仲良くしていただき、本当にお世話になりました。まだお若いご逝去を知り、残念でなりません。心からお悔やみを申し上げます。
 ご遺族の皆様の心中をお察ししおかけする言葉も見つからず、ささやかではございますが御花料をお送りします。よろしければ故人のご霊前にお供えいただければと存じます。
 本来であればご弔問に伺うべきところ、略儀ではございますが書中にてお悔やみを申し上げます。心より故人のご冥福をお祈り申し上げます。

[喪中はがきが届いたら]
訃報を知らずにいた場合や、葬儀に参列しなかった場合を想定しています。通夜や葬儀に参列した場合には削除してください。

 このたびはご丁寧なご挨拶状をありがとうございました。
[お悔やみも申し上げず大変失礼いたしました。(もしくは)ご葬儀にも伺えず本当に申し訳ありませんでした。]
 同封のものはほんの心ばかりですが、故人のご霊前にお供えいただければ幸いです。
 改めて心からお悔やみを申し上げますとともに、来る年がご遺族の皆様にとりまして心穏やかなものとなりますようお祈り申し上げます。

(2-3)香典を郵送するときの手紙の短い例文(会社・ビジネス)

▼会社、職場の上司、部下、同僚などの家族が亡くなった場合、あるいはビジネス上でお付き合いのある相手の家族が亡くなった場合の、短いお悔やみの手紙を想定しています。 例文中の(かっこ)には、上述の「お悔やみの手紙で用いられる敬称」を参考に故人の敬称を入れてください。

 突然の訃報に接し、謹んでお悔やみを申し上げます。
 ◯◯様をはじめ、残されたご遺族の皆様のお悲しみを思い、衷心より哀悼の意を表します。

 同封のものはほんの心ばかりではございますが故人の御霊前にお供えいただければと存じます。ご冥福をお祈り申し上げます。

 (御尊父)様ご逝去の報に接し大変驚いております。ご遺族の皆様のご心痛はいかばかりかと存じます。
 故人のご冥福を心よりお祈りし、衷心よりお悔やみを申し上げます。

 些少ながら職場一同よりの御花料を同封させていただきます。御霊前にお供えいただければ幸いです。
 ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 このたびの訃報に接し、心からお悔やみを申し上げます。
 ◯◯様はじめご遺族の皆様のお悲しみはいか程かと拝察申し上げます。
 本来であればご弔問に伺うべきところ、略儀ではございますが書中にてお悔やみを申し上げます。
 同封のものは心ばかりではございますが、故人のお好きだったものなどを御霊前にお供えいただければ幸いです。
 故人のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 (貴社代表取締役 ◯◯◯◯様)ご逝去のお知らせを承り、驚きと悲しみを深くしております。ご遺族の皆様をはじめ、社内の皆様のご心痛はいかばかりかと拝察いたします。私共もご生前より格別のご厚情を賜りながら、さしたるお礼も叶わずご逝去の由、まことに残念でなりません。
 本来であればすぐにでも弔問にお伺いすべきところですが、略儀ながら書中をもちましてお悔やみを申し上げる次第でございます。また甚だ些少ではございますが故人の御霊前にお供え頂きたく御香料を同封させていただきます。
 改めて故人のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

3.香典を郵送するときのポイント

お悔やみの手紙と香典を同封するときに役に立つ情報を紹介します。

(3-1)一般的なお悔やみの言葉や手紙で用いられる敬称

故人との続柄敬称
相手の父ご尊父様[ごそんぷさま]、御尊父様、お父様、お父上(様)
相手の母ご母堂様[ごぼどうさま]、御母堂様、お母様、お母上(様) 、ご北堂様[ごほくどうさま]、御北堂様

ちなみに、ご萱堂様[ごけんどうさま]は他人の母には使えません。
相手の
妻の父
ご岳父様[岳父=がくふ]、御岳父様、御岳丈様[岳丈=がくじょう]、御岳翁様[岳翁=がくおう]、御義父様[義父=ぎふ]、御外父様[外父=がいふ]、お舅様
相手の
妻の母
御岳母[がくぼ]様、 御丈母[じょうぼ]様、御義母様[義母=ぎぼ]、御外母様[外母=がいぼ]、お姑様
相手の
夫の父
御義父様、お舅様
(ただし弔電では夫の父についてもご尊父様を使うこともある)
相手の
夫の母
御義母様、お姑様
(ただし弔電では夫の母についてもご母堂様を使うこともある)
相手の
義兄弟の母
御丈母[じょうぼ]様
相手の祖父お祖父様、御祖父様[おじいさま]、おじい様、ご祖父様
相手の祖母お祖母様、御祖母様[おばあさま]、おばあ様、ご祖母様
相手の夫ご主人様、ご夫君様、御主人様、御夫君(様)
相手の妻ご令室様[れいしつ]、御令室様、ご令閨様[れいけい]、御令閨様、奥様
相手の息子ご子息(様)、ご令息(様)、お子様
相手の婿ご令婿[れいせい](様)、御令婿(様)
相手の娘ご息女(様)、ご令嬢(様)、お嬢様、お子様
相手の兄,姉御兄様、おにい様、御姉様、おねえ様、または名前「◯◯様」
相手の弟,妹御弟様、御妹様、または名前「◯◯様」
相手の義兄、義姉御義兄様、御義姉様、または名前「◯◯様」
相手の義弟、義妹御義弟様、御義妹様、または名前「◯◯様」

(3-2)香典袋(のし袋)

香典の書き方

香典を送る際は普通郵便ではなく、現金書留を利用しましょう。

香典は香典袋(のし袋)に入れて同封します。黒白の結び切りの水引の香典袋を選びます(地域や宗教によって水引きの色も黄白や双銀などを用いることもありますが、わからないときには黒白の水引きのついた結び切りのものを用意するのが無難です)。ただし蓮の花がついている香典袋は仏教にしか使えないので注意してください。

 香典袋の表書きは、四十九日を過ぎていないときには、「御霊前」という表書きになります。「御霊前」は宗教や宗派がわからないときに使える表書きです。  

★香典の表書き… 宗教がわからないときには「御霊前」「御供物料」など
★参考ページ「香典の書き方」「香典の金額相場

4. 一筆箋を同封使うときのマナー

香典を送る際に、便箋に代わって一筆箋を使うこともあります。一筆箋は100円ショップでも売られていて気軽に手に入ります。

(4-1)一筆箋で香典を郵送するときの手紙の短い例文

▼短いお悔やみの手紙を想定しています。一筆箋に書いて香典を添えて送ることもあります。
例文中の(かっこ)には、上述の「お悔やみの手紙で用いられる敬称」を参考に故人の敬称を入れてください。
一筆箋でも使える短い文例です。

 (ご尊父様)のご逝去を悼み、謹んでお悔やみを申し上げます。
 同封のものは心ばかりですが、ご霊前にお供えいただければ幸いです。
故人のご冥福をお祈り申し上げます。

 (御母堂様)のご逝去を悼み、謹んでお悔やみを申し上げます。
 本来であればご葬儀に伺うべきところ相叶わず申し訳ありません。心ばかりのものを同封いたします。ご霊前にお供えいただければと存じます。
 故人のご冥福を心からお祈り申し上げます。

(4-2)一筆箋で香典を郵送するときのポイント

・一筆箋は封筒に入れる?

A. 一筆箋は封筒に入れずにそのまま現金書留封筒に入れても大丈夫です。むしろ「封筒が二重になる」として、不幸が重なる…と嫌う人もいます。一筆箋を現金書留封筒に入れるときには折らずにそのまま入れましょう。
一筆箋の文字を書いた面がおもてに来るようにし、現金封筒の宛名の面、一筆箋のおもての面、香典袋の表の面がすべて一致するようにします。
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