10月の時候の挨拶》上旬・中旬・下旬の挨拶文 書き出しと結びの例文

10月の時候の挨拶、季節の挨拶のページ。季節の言葉/季節の挨拶の言葉とは、手紙やはがきの書き出しや、メールの冒頭に使われる時候の挨拶をさし、ビジネス文書の冒頭などにも用います。10月の季節の言葉の例・文例集(初旬/上旬・中旬・下旬/10月末)を掲載します。
なお、合わせて季語も紹介します。(季語は俳句の中でその季節を表す言葉として用いられるもので、俳句には必ず盛り込むこととされています)

1.「10月」の時期について(旧暦と新暦)

 現在、日本では新暦(グレゴリオ暦)が使われていますが、季節の挨拶には、旧暦から来るものや二十四節気から来るものがあります。
 ここでは、現在の10月が旧暦のいつにあたるのか、また二十四節気の中ではどれが10月に該当するのかについて説明します。
(1)10月とはどんな季節?
・二十四節気では
(※二十四節気をすべて見る>>
寒露(かんろ)…二十四節気のひとつ。現在の10月8日頃のこと(※その年によって異なる)。
この頃は草木の露も霜になりそうなほど冷たい とされる。
霜降(そうこう)…二十四節気のひとつ。現在の10月23日頃のこと(※その年によって異なる)。
この頃になると霜が宿るとされる。
・旧暦では新暦2023年の10月1日は…旧暦では8月17日頃となる。
新暦2023年の11月13日が、旧暦では10月1日
新暦2024年の10月1日は…旧暦では8月29日頃となる。
新暦2024年の11月1日が、旧暦では10月1日
新暦2025年の10月1日は…旧暦では8月10日頃となる。
新暦2025年の11月20日が、旧暦では10月1日
(2)10月にまつわる言葉
衣替え(ころもがえ)…現代では制服、学生服について、6月と10月に衣替えが行われる。
陰暦の頃には、平安、江戸など各時代によって衣替えの時期が異なった。
神無月(かんなづき)………陰暦の10月のこと。
仲秋(ちゅうしゅう)………陰暦の8月のこと。現代では白露の頃から寒露(10月8日)の前日の頃まで。
体育の日………10月の第2月曜日にある祝日。この言葉を手紙に用いることにより、時候と同時にスポーツの秋を連想させることもできる。

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2.10月の時候の挨拶/季節の挨拶の文例・例文
(「寒露の候」などのように、〜の候をつけて使えます)

・それでは、手紙やはがきをはじめメール、ビジネス文書などに使える季節の挨拶/時候の挨拶を紹介します。
 年によって暑さ寒さなどの気候が異なります。朝晩の冷え込みが日増しに感じられる10月もあれば、温暖で木々の紅葉が遅い10月もあります。その時の季節感、実際の感覚に応じて季節の挨拶を使い分けて下さい。
10月に使う時候の挨拶
10月を表わす言葉解説挨拶文 書き出しの文例・例文

[はみだし情報]
◆10月の初旬を表す言葉は?
11月8日は寒露(かんろ)です。それでは10月1日から10月8日(寒露)までの間を表す季節の言葉は?
(なお、手紙などでは先方に届くまでの日程をふまえ、「寒露」を数日前倒しで使っても構わないとされます。)
→暦の上では白露〜寒露の間の期間は仲秋とされ、まさに秋の真ん中の頃です。手紙などでは

「仲秋の候」のようにこの時期の挨拶語を使うのもおすすめです。他には
「学生たちが衣替えすると一気に街が秋づきます」などのようにこの季節の行事「衣替え」に触れるほか、
「いよいよ神無月。高い空が旅心を誘います。」いよいよ〜で、始まりを告げ、秋の高い空や、旧暦10月の呼称に触れたり、
「寒露を控え、紅葉の季節が近づいて来ました」のように「寒露」が近いことや秋の季語の紅葉をを取り上げるのも良いでしょう。
◆10月末を表す言葉は?>>>

10月を表わす言葉解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・仲秋
 ・陰暦8月の異称だが、意味は秋のなかば、あるいは秋の真ん中の頃という意味。現代では白露(9月8日)の頃から寒露(10月8日)の前日の頃までの頃とされます。[10月上旬に]
[個人あての例文]

・拝啓 仲秋の候 お変わりなくお過ごしでしょうか。
[ビジネス文書では]
・拝啓 仲秋の候 貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
【手紙に使う場合の結び・結語について】頭語と結語はセットになっています。「拝啓」を用いた場合の結語は「敬具」となります。
親しい間柄の相手に対する手紙で挨拶文の書き出しに[「拝啓」などの頭語を用いない場合には結び・結語も決まった語を用いません。
親しい相手への結びの例としては
「取り急ぎ近況報告まで。」
「取り急ぎお知らせまで。」
「取り急ぎお見舞い申し上げます。」
「またお会いしましょう。お元気で。」など
・寒露
 ・10月8日頃をさします。寒露は、二十四節気のひとつ。
この頃になると草木にたまる露も霜になりそうなほど冷たいとされます。
[10月8日頃に]
[個人あての例文]

・拝啓 寒露を過ぎ秋も深まって参りました。お変わりなくお過ごしでしょうか。
[ビジネス文書では]
・寒露の候 貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
・紅葉
 ・10月全般に用いられる言葉です。
季語にもなっていますが、手紙の書き出しにも良く用いられます。、紅葉狩り、草紅葉などの言葉もあります。
[10月上旬、中旬、下旬]
・拝啓 紅葉の候 いかがおすごしでしょうか。
・紅葉の候 貴社におかれましては益々ご清祥の段 心よりお慶び申し上げます。
【手紙に使う場合の結び・結語について】頭語と結語はセットになっています。「拝啓」を用いた場合の結語は「敬具」となります。
親しい間柄の相手に対する手紙で挨拶文の書き出しに[「拝啓」などの頭語を用いない場合には結び・結語も決まった語を用いません。
親しい相手への結びの例としては
「取り急ぎ近況報告まで。」
「取り急ぎお知らせまで。」
「取り急ぎお見舞い申し上げます。」
「またお会いしましょう。お元気で。」など

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10月に使う時候の挨拶(つづき)
10月を表わす言葉解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・霜降
 ・10月23日頃をさします。霜降は、二十四節気のひとつ。
この頃になると霜が降りるとされます。
[個人あて文例]
・拝啓 霜降の頃となりました。お変わりなくお過ごしでしょうか。
・霜降の候 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
・実りの秋
・読書の秋
・芸術の秋 など
 ・秋の形容詞として秋のシーズン全般に使えます。[10月全般に使える文例]
[個人あて文例]

・拝啓 実りの秋となりました。お元気でお過ごしでしょうか。
・前略 お元気でお過ごしでしょうか。早速ですが芸術の秋にふさわしいお誘いのお知らせです。
・錦秋
 ・木々が色付く頃に使われる言葉です。10月頃の全般に使えますが、実際の木々の色付きに合わせて下さい。

[10月上旬、中旬、下旬]
・拝啓 錦秋の候 いかがおすごしでしょうか。
・拝啓 錦秋の候 貴社におかれましては益々ご清祥の段 心よりお慶び申し上げます。

 

・衣替え
 ・現代では制服は10月1日に夏服から冬服にかわります。[10月初旬の文例]
・拝啓 衣替えも過ぎ、秋の装いが目につくようになりました。
・早いもので今年も衣替えの季節となりました。お元気でお過ごしでしょうか。
【手紙に使う場合の結び・結語について】頭語と結語はセットになっています。「拝啓」を用いた場合の結語は「敬具」となります。
親しい間柄の相手に対する手紙で挨拶文の書き出しに[「拝啓」などの頭語を用いない場合には結び・結語も決まった語を用いません。
親しい相手への結びの例としては
「取り急ぎ近況報告まで。」
「取り急ぎお知らせまで。」
「取り急ぎお見舞い申し上げます。」
「またお会いしましょう。お元気で。」など

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10月に使う時候の挨拶(つづき)
10月を表わす言葉解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・秋冷
 ・10月全般に使えます。[10月上旬、中旬、下旬]
[個人あて文例]

・拝啓 秋冷の候 お変わりなくお過ごしでしょうか。
[ビジネス文書では]
・秋冷の候 貴社におかれましては益々御清祥のこととお慶び申し上げます。
※参考ページ…手紙の書き出しと結び「頭語・結語」>>>

[はみだし情報]
◆10月末を表す言葉は?
10月23日頃は霜降(そうこう)です。それでは10月23日から10月31日(10月末)までの間を表す季節の言葉は?
→暦の上では10月末の時期は基本的には秋です。手紙などでは

「霜降を過ぎ、紅葉も鮮やかさを増しています」や
「錦秋の候」紅葉の季節を表しています。

「神無月も終盤。黄金色に輝くススキは神様への捧げ物のようです」神無月は旧暦10月の呼称です。神にこだわってみました。下記も神無月を取り上げています。
「神無月も残りわずか。神様の帰還に備え山々も一層鮮やかに色づいています」


◆ちなみに10月の初旬を表す言葉は?>>>

3.参考情報「季語」について
(「寒露の候」などのように、〜の候をつけて使えます)

下記に季語についてご説明いたします。
ちなみに旧暦の10月は、ほぼ新暦の11月にあたり(その年によって少しずつ異なりますが)秋の季語となります。
1.季語とは、俳句の中で、その季節を表わすことばとして用いられるものをさします。俳句を作る際には、必ずもり込むこととされています。季題と呼ばれることもあります。
 
2.季語は1つの俳句に1つだけしか用いません。季語を2つ以上用いることを、季語を重ねる、季重ね、季語重ねなどと言います。
3.・季語をもりこまない俳句のことを、無季俳句と呼びます。また、川柳のように、世相を風刺的に表わしたり批評したりするものには、季語は不要とされています。
4.連歌や俳諧でも季の詞(きのことば)、四季の詞という形で用いられることばがあります。
※なお、手紙の冒頭部分に用いられる季節の言葉は「時候の挨拶」と言い、季語とは区別されます。
季語の一部を下記に紹介します。
(新暦と旧暦とがありますので、秋と冬の季語の一部を掲載します)
なお季語については、別ページでもっと詳しく紹介しています>>
分類秋の季語の例
(秋の季語ですが10月以外のものも含まれますので注意して下さい。)
時候初秋、仲秋、秋深し、秋の夜、白露、長月、行く秋、文月、稲刈時、残暑、秋惜しむ、晩秋、秋の暮、秋の夜、など
天文菊日和、秋時雨、星月夜、流星、稲妻、十六夜、鰯雲(いわしぐも)、秋雨、秋時雨、天高し、天の川、名月、秋風、など
地理山粧う、秋の野、野山の錦、不知火、枯野の色、秋の田、刈田、秋の川、盆波、秋出水、落し水、秋の浜、など
人事秋の服、灯火親しむ、秋の宿、秋団扇、菊枕、菊人形、夜なべ、月見、紅葉狩、芋煮会、牽牛、織女、稲刈、など
行事風の盆、おくんち、赤い羽、時代祭、万聖節、敬老の日、運動会、盆踊り、墓参り、七夕、十五夜、、迎え火、秋彼岸、など
忌日乃木祭、道元忌、太閤忌、広重忌、芭蕉忌、紅葉忌、など
動物雁、蛇穴に入る、蜻蛉(とんぼ)、白鳥渡る、百舌、鹿、猪、落鮎、秋刀魚、太刀魚、初鮭、秋鯖、など
植物紅葉、落葉、彼岸花、桔梗、コスモス、鶏頭、菊、栗、萩、芋、彼岸花、など
食物山葡萄、里芋、秋茄子、柚子味噌、松茸飯、林檎、薩摩芋、西瓜、とうもろこし、柿、など

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分類冬の季語の場合の例
(冬の季語ですが10月以外のものも含まれますので注意して下さい。)
時候師走、年の瀬、年越し、節分、小寒、霜月、大晦日、年の暮れ、霜夜、年の内、神無月、節分、など
天文小春日和、初雪、雪、樹氷、北風、冬の雨、霧氷、霜、冬凪、雪晴、風花、オリオン、木枯らし、流氷、など
地理冬の山、山眠る、枯れ野、冬の海、冬の川、冬の波、冬田、時雨、など
人事炭、炭俵、ストーブ、炬燵(こたつ)、火鉢、家事、スキー、スケート、雪見、暖房、湯田んぼ、風、竹馬、火の番、雪だるま、など
行事針供養、柚子湯、節分、除夜、クリスマス、降誕祭、酉の市、羽子板市、豆撒き、社会鍋、など
忌日一茶忌、漱石忌、芭蕉忌、近松忌、など
動物鶴、白鳥、狐、熊、熊穴に入る、冬の雁、ウサギ、鯨、鱈、鰤(ぶり)、千鳥、寒雀、鴨、ふぐ、など
植物枯れ木、枯葉、枯れ尾花、水仙、寒椿、さざんかなど
食物鴨鍋、鯛焼き、鱈場蟹、ちり鍋、寒餅、人参、大根、白菜、みかん、葱(ねぎ)、など