5月 時候の挨拶 ビジネス》上旬・中旬・下旬・書き出しと結び

5月の時候の挨拶ビジネス

ビジネスの手紙やビジネス文書に使う5月の時候の挨拶・5月の季節の挨拶のページ。

時候の挨拶は季節をあらわす挨拶の言葉として、手紙やはがきの書き出しや、メールの冒頭に使われ、ビジネス文書の冒頭などにも用います。季節感を表す言葉を書くことにより、相手の心に情景を呼び覚まし、季節の移り変わりを共に感じることができます。

ビジネスの手紙やビジネス文書で用いる五月の季節の言葉の例・文例集(初旬/上旬・中旬・下旬/月末)を掲載します

1.5月のビジネスの手紙・5月のビジネス文書

ビジネスの手紙やビジネス文書のうち、5月に書かれる可能性があるものをリストにしてみました。
手紙では時候の挨拶をやや前倒しで使います。

5月に書かれるビジネスの手紙・ビジネス文書 一覧表

就職イベントの案内
 ・学生の就職を想定した企業紹介やPR活動を行うことがあります。
転職イベントの案内
 ・5月も転職イベントが多く開催される時期です。手紙での案内のこともありますが、メールでの案内も増えています。
展示会、イベントの案内・通知
 展示会、イベントの案内を手紙で出すこともあります。メールでの案内も増えています。
株主総会の案内・通知
 決算の時期によっても異なりますが、年度末決算(決算期が3月)の場合には3ヶ月以内の5月や6月に株主総会が開催されます。公開会社なら2週間前までに、非公開会社なら1週間前までに株主総会の案内状を送ります。
親睦会、懇親会の案内・通知
  ・ビジネスの飲み会や親睦会、懇親会の場合には、主に社内や取引先に対して案内や通知を出します。

・ゴルフコンペなどのイベントも活発に行われる時期です。
お中元売り場開設の案内、お中元の案内
  ・お中元の特設売り場はほとんどの地域で6月に開設されます。お中元売り場の開設案内は5月下旬〜6月上旬に送ります。
通常のビジネス文書、案内状、通知状
 ・取引先や顧客に対してビジネス文書や、案内状、通知状を出すことがあります。
個人あてと、法人・企業・職場・団体・自治体・機関あてのケースがあります。

2.5月の時候の挨拶 ビジネス文例(初旬・上旬)

5月初旬・上旬のビジネスの手紙やビジネスの案内状・通知状の書き出しの例文と結びを紹介します。
手紙では時候の挨拶をやや前倒しで使います。

(2-1)5月初旬・上旬の時候の挨拶

・立夏(りっか)

二十四節気の一つ。立夏は5/6頃(年によって異なります)なので、5月初旬に使える。この日から夏が始まるとされる。
・初夏(しょか)初夏は夏のはじめの頃という意味。二十四節気の立夏(5/6頃)から芒種(6/6頃)までの時期とも言われる。
・新緑の季節(4月下旬から5月末まで使われるが)主に5月に使われる。木々の枝の若芽が新しい葉となる頃という意味。
・若葉の季節4月下旬から5月中旬まで使える。木々の枝の若芽が若い葉となる頃という意味。
・皐月・早月(さつき)皐月、早月は5月の旧暦名。初旬・上旬に限らず、5月全般に使える
・早苗月(さなえづき)早苗月は5月の旧暦名。初旬・上旬に限らず、5月全般に使える

・牡丹華(ぼたんはなさく)

牡丹華は七十二候の一つで、4/30〜5/4の頃をさす。牡丹の花が咲く頃という意味で、5月初旬に使える。
・二十日草(はつかぐさ)二十日草は牡丹のこと。牡丹の花は二十日間ほど咲いていることから牡丹の別名とされる。開花する時期は5月初旬。
・蛙始鳴(かわずはじめてなく)蛙始鳴は七十二候の一つで、5/5〜5/9の頃をさす。蛙はご存じのとおりカエルのこと。田んぼでカエルが鳴く頃という意味で、5月上旬に使える。
・春の嵐3月〜5月に吹く強い風。南からの温かい風と北からの冷たい空気がぶつかり低気圧が発達して発生する。
(春の嵐は別名メイストームと言われるため5月の時候の挨拶のひとつとしてこのページにて紹介することにしました)
・端午の節句、子どもの日端午の節句は5月5日。子どもの健やかな成長を祈る節句。5月上旬に使える。
・菖蒲湯菖蒲湯は端午の節句に湯船に菖蒲の葉を浮かべたりして入る風習。厄除け、邪気を祓うなどの言われがある。5月上旬に使える。
・鯉のぼり、こいのぼり鯉のぼりは、端午の節句に鯉の形の幟(のぼり)を空にあげ、子供の健やかな成長や出世を願う風習。5月上旬に使える。
・皐幟(さつきのぼり)、五月幟(さつきのぼり)皐幟、五月幟は鯉のぼりの別称。5月上旬に使える。
・藤花(とうか)

藤花は藤の花のこと。藤の花の開花時期は4月下旬から5月中旬とされ、5月上旬、中旬に使える。

・薫風(くんぷう)、風薫る(かぜかおる)爽やかな風が吹く季節、若葉の香りも風にのって香る頃という意味。5月全般に使える。
・八十八夜(はちじゅうはちや)立春から数えて88日目で、5月2日頃となる。茶摘みをする時期とされる。
・仲夏(ちゅうか)仲夏は陰暦5月の別名。5月全般に使われる。

(2-2)5月初旬・上旬のビジネス文例

・個人あてのビジネスの手紙 書き出し

拝啓 立夏の候 ◯◯様におかれましては益々ご清祥のことと心よりお慶び申し上げます。

拝啓 薫風の候 ◯◯様におかれましては益々ご健勝のことと心よりお慶び申し上げます。

謹啓 若葉の候 平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
拝啓 新緑の砌 皆様におかれましては益々ご清祥のことと心よりお喜び申し上げます。

注)みぎりを漢字で書く場合には「砌」=みぎりと読みます。候と同じく「〜の頃、〜の時期」という意味です。
拝啓 端午の節句も過ぎ、少しずつ初夏の気配が感じられる頃となりました。皆様におかれましてはお変わりなくお過ごしでしょうか。

・企業・法人・取引先あてのビジネスの手紙 書き出し

拝啓 新緑の候 貴社におかれましては益々ご清栄の段 心よりお慶び申し上げます。

拝啓 皐月の候 貴社におかれましては益々ご清栄のことと 心よりお慶び申し上げます。
拝啓 若葉の砌 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

・結びの例

(「敬具」は結語です。頭語の「拝啓」とペアで使います。)
今年は遅霜の予報も出ているようです。くれぐれもご自愛ください。 敬具
本格的な暑さの前の体調を崩しやすい時期です。ご自愛専一にお過ごしください。敬具
季節の変わり目につきどうかご自愛くださいますよう、皆様のご健康をお祈り申し上げます。 敬具
時節柄、皆様のご健康をお祈り申し上げます。 敬具

3.5月の時候の挨拶 ビジネス文例(中旬)

5月中旬のビジネスの手紙やビジネスの案内状・通知状の書き出しの例文と結びを紹介します。
時候のあいさつは、その言葉が指す日よりも前に使うのが慣例です。

(3-1)5月中旬の時候の挨拶

・初夏(しょか)初夏は夏のはじめの頃という意味。二十四節気の立夏(5/6頃)から芒種(6/6頃)までの時期とも言われる。
・新緑の季節(4月下旬から5月末まで使われるが)主に5月に使われる。木々の枝の若芽が新しい葉となる頃という意味。
・若葉の季節4月下旬から5月中旬まで使える。木々の枝の若芽が若い葉となる頃という意味。
・皐月・早月(さつき)皐月、早月は5月の旧暦名。初旬・上旬に限らず、5月全般に使える
・早苗月(さなえづき)早苗月は5月の旧暦名。初旬・上旬に限らず、5月全般に使える
・仲夏(ちゅうか)仲夏は陰暦5月の別名。5月全般に使われる。
・藤花(とうか)

藤花は藤の花のこと。藤の花の開花時期は4月下旬から5月中旬とされ、5月上旬、中旬に使える。

・薫風(くんぷう)、風薫る(かぜかおる)爽やかな風が吹く季節になり、若葉の香りも風にのって香る頃という意味。5月全般に使える。
・蚯蚓出(みみずいずる)蚯蚓出は七十二候のひとつで、5/10〜5/14の頃をさす。土中も温まり、ミミズが顔を出す頃という意味。ミミズが活発に活動するようになると土も栄養豊富となる。5月中旬に使える。
・竹笋生(たけのこしょうず)竹笋生は七十二候のひとつで、5/15〜5/20の頃をさす。竹笋生 は筍のことで、筍が地面から顔を出す頃という意味。筍はこの時期に旬を迎える食べ物のひとつ。旬の時期は短い。5月中旬まで使える。
・小満(しょうまん)

二十四節気の一つ。小満は5/21頃(年によって異なります)なので、5月中旬〜下旬に使える。万物が成長し満ちる頃、あるいは生き物が所定の大きさに達する頃という意味。この説は植物だと仮定するとわかりやすいが小満については諸説あり、麦の穂が実る頃という説もある。

(3-2)5月中旬のビジネス文例

・個人あてのビジネスの手紙 書き出し

拝啓 薫風の候 ◯◯様におかれましては益々ご清祥のことと心よりお慶び申し上げます。

拝啓 初夏の候 皆様におかれましてはお変わりなくお過ごしでしょうか。
拝啓 藤の花が咲く頃となりました。皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
拝啓 新緑の候 皆様におかれましてはお変わりなくお過ごしでしょうか。

・企業・法人・取引先あてのビジネスの手紙 書き出し

拝啓 皐月の候 貴社におかれましては益々ご清栄の段 心よりお慶び申し上げます。

拝啓 新緑の候 貴社におかれましては益々ご多忙のことと存じます。
拝啓 風薫る砌 貴社におかれましては益々ご清栄のことと 心よりお慶び申し上げます。

※砌(みぎり)と読みます。「〜の頃」という意味。

・結びの例

(「敬具」は結語です。頭語の「拝啓」とペアで使います。)
天候不順の折柄、くれぐれもご自愛ください。 敬具
朝夕の気温差が大きい時期につきどうかご自愛くださいますよう、皆様のご健康をお祈り申し上げます。 敬具
季節の変わり目の体調を崩しやすい時期です。ご自愛専一にお過ごしください。敬具
時節柄、皆様のご健康をお祈り申し上げます。 敬具

4.5月の時候の挨拶 ビジネス文例(下旬)

5月下旬のビジネスの手紙やビジネスの案内状・通知状の書き出しの例文と結びを紹介します。
手紙では時候の挨拶をやや前倒しで使います。

(4-1)5月下旬の時候の挨拶

・小満(しょうまん)

二十四節気の一つ。小満は5/21頃(年によって異なります)なので、5月中旬〜下旬に使える。万物が成長し満ちる頃、あるいは生き物が所定の大きさに達する頃という意味。この説は植物だと仮定するとわかりやすいが小満については諸説あり、麦の穂が実る頃という説もある。

・初夏(しょか)初夏は夏のはじめの頃という意味。二十四節気の立夏(5/6頃)から芒種(6/6頃)までの時期とも言われる。
・新緑の季節(4月下旬から5月末まで使われるが)主に5月に使われる。木々の枝の若芽が新しい葉となる頃という意味。
・皐月・早月(さつき)皐月、早月は5月の旧暦名。初旬・上旬に限らず、5月全般に使える
・早苗月(さなえづき)早苗月は5月の旧暦名。初旬・上旬に限らず、5月全般に使える
・仲夏(ちゅうか)仲夏は陰暦5月の別名。5月全般に使われる。
・薫風(くんぷう)、風薫る(かぜかおる)爽やかな風が吹く季節になり、若葉の香りも風にのって香る頃という意味。5月全般に使える。
・蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)蚕起食桑は七十二候のひとつで、5/21〜5/25の頃をさす。蚕が桑の葉を食べる頃という意味。5月下旬に使える。
・紅花栄(べにばなさかう)紅花栄は七十二候のひとつで、5/26〜5/30の頃をさす。紅花が盛んに咲く頃という意味。5月下旬に使える。紅花(べにばな)は末摘花とも言われる。
[ワンポイント]

五月晴れとは

五月晴れ(さつきばれ)は、現代では一般的に「気持ちよく晴れた五月の日」をさして使われがちだが、本来の「五月晴れ」は梅雨の晴れ間を意味し、今の新暦では6月の時期にあたる。本来の意味を考えると気軽に5月の手紙に用いるのは避けたほうが無難。

(4-2)5月下旬のビジネス文例

・個人あてのビジネスの手紙 書き出し

拝啓 初夏の候 ◯◯様におかれましては益々ご清祥のことと心よりお慶び申し上げます。

謹啓 皐月の候 皆様におかれましてはお変わりなくお過ごしでしょうか。
拝啓 末摘花が咲く頃となりました。◯◯様におかれましてはお忙しくお過ごしのことと存じます。
拝啓 仲夏の候 平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。

・企業・法人・取引先あてのビジネスの手紙 書き出し

拝啓 薫風の候 貴社におかれましては益々ご清栄の段 心よりお慶び申し上げます。

拝啓 小満の候 皆様におかれましてはお忙しくご活躍のことと拝察申し上げます。
拝啓 仲夏の候 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

・結びの例

(「敬具」は結語です。頭語の「拝啓」とペアで使います。)

初夏の日差しに身体が慣れていない時期です。くれぐれもご自愛ください。 敬具

入梅を来月に控えた折柄、くれぐれもご自愛ください。 敬具
入梅前の体調を崩しやすい時期です。ご自愛専一にお過ごしください。敬具
時節柄、皆様のご健康をお祈り申し上げます。 敬具