5月の時候の挨拶》上旬・中旬・下旬の挨拶文 書き出しと結びの例文

5月の時候の挨拶、季節の挨拶のページ。季節の言葉/季節の挨拶の言葉とは、手紙やはがきの書き出しや、メールの冒頭に使われる時候の挨拶をさし、ビジネス文書の冒頭などにも用います。5月の季節の言葉の例・文例集(初旬/上旬・中旬・下旬・5月末)を掲載します。

なお、旧暦の5月と新暦の5月では時期が若干異なります。両方の時期についても合わせて解説します。

1.「5月」の時期について(旧暦と新暦)

 現在、日本では新暦(グレゴリオ暦)が使われていますが、季節の挨拶には、旧暦から来るものや二十四節気から来るものがあります。
 ここでは、現在の5月が旧暦のいつにあたるのか、また二十四節気の中ではどれが5月に該当するのかについて説明します。
(1)5月とはどんな季節?
・二十四節気では
(※二十四節気をすべて見る>>
立夏(りっか)…二十四節気のひとつ。現在の5月6日頃のこと(※その年によって異なる)。
この日から暦の上では夏が始まるとされる。
小満(しょうまん)…二十四節気のひとつ。現在の5月21日頃のこと(※その年によって異なる)。
この頃になると草木をはじめ万物が満ちあふれるとされる。
・旧暦では新暦2024年の5月1日は…旧暦では3月23日頃となる。
新暦2024年の6月6日が、旧暦では5月1日
新暦2025年の5月1日は…旧暦では4月4日頃となる。
新暦2025年の5月27日が、旧暦では5月1日
新暦2026年の5月1日は…旧暦では3月15日頃となる。
新暦2026年の6月15日が、旧暦では5月1日

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2.5月の時候の挨拶/季節の挨拶の文例・例文
(「新緑の候」などのように、〜の候をつけて使えます)

・それでは、手紙やはがきをはじめメール、ビジネス文書などに使える季節の挨拶/時候の挨拶を紹介します。
 年によって暑さ寒さなどの気候が異なります。晴天が続く連休の頃の天候、あるいは涼しくしのぎやすい5月もあれば、蒸し暑い5月もあります。その時の季節感、実際の感覚に応じて季節の挨拶を使い分けて下さい。
5月に使う時候の挨拶
5月を表わす言葉解説挨拶文 書き出しの文例・例文

[はみだし情報]
◆5月の初旬を表す言葉は?
5月6日は立夏です。それでは5月1日から5月6日(立夏)までの間を表す季節の言葉は?
(なお、手紙などでは先方に届くまでの日程をふまえ、「立夏」を数日前倒しで使っても構わないとされます。)
→暦の上では5月初旬の「立夏」を過ぎると夏となります。手紙などでは

「まもなく立夏。日増しに陽射しも濃くなってきました」
「立夏前の爽やかな空です」などのように間もなく訪れる立夏に触れるほか、
「鯉のぼりが気持ちよさそうに泳いでいます」などと5月5日の端午の節句の行事に触れたり、
「新茶の美味しい季節になりました」新茶は5月初旬から出回りますね。立春から数えて八十八夜めが5月2日頃であることが知られています。
「連休があけると、はや、立夏を迎えます」のように5月を代表する出来事であるゴールデンウィークを取り上げるのも良いでしょう。ここでは「はや」を副詞として使いましたが、聞き慣れないなど、もし気になる場合には「早くも」と変えて使って下さい。
◆5月末を表す言葉は?>>>

5月を表わす言葉解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・新緑
 解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・草木の芽が芽吹く季節として用います。[5月上旬、中旬、下旬]
[個人あての例文]

・拝啓 新緑がまぶしい季節となりました。いかがお過ごしでしょうか。
[ビジネス文書では]
・拝啓 新緑の候 貴社におかれましては益々御清祥のこととお慶び申し上げます。
【手紙に使う場合の結び・結語について】頭語と結語はセットになっています。「拝啓」を用いた場合の結語は「敬具」となります。
親しい間柄の相手に対する手紙で挨拶文の書き出しに[「拝啓」などの頭語を用いない場合には結び・結語も決まった語を用いません。
親しい相手への結びの例としては
「取り急ぎ近況報告まで。」
「取り急ぎお知らせまで。」
「取り急ぎお見舞い申し上げます。」
「またお会いしましょう。お元気で。」など
・薫風 ・風香る ・風薫る
 解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・そよ風も若葉や花々の香りに満ちあふれる季節であることを表わします。[5月上旬、中旬、下旬]
[個人あての例文]

・拝啓 風薫る季節となりました。いかがお過ごしでしょうか。
[ビジネス文書では]
・拝啓 薫風の候 貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
【手紙に使う場合の結び・結語について】頭語と結語はセットになっています。「拝啓」を用いた場合の結語は「敬具」となります。
親しい間柄の相手に対する手紙で挨拶文の書き出しに[「拝啓」などの頭語を用いない場合には結び・結語も決まった語を用いません。
親しい相手への結びの例としては
「取り急ぎ近況報告まで。」
「取り急ぎお知らせまで。」
「取り急ぎお見舞い申し上げます。」
「またお会いしましょう。お元気で。」など
・青葉 ・若葉
 解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・草木の芽が芽吹く季節として用います。[5月上旬、中旬、下旬]
[個人あての例文]

・拝啓 青葉が美しい季節となりました。お元気でお過ごしでしょうか。
[ビジネス文書では]
・青葉の候 貴社におかれましては益々御清祥の段、心よりお慶び申し上げます。
・若葉の候 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

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5月に使う時候の挨拶(つづき)
5月を表わす言葉解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・立夏
 解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・5月6日頃をさします。立夏は、二十四節気のひとつ。
この日から夏になることを意味します。
[5月6日頃に]
[個人あて文例]

・暦の上では夏となりました。お変わりなくお過ごしでしょうか。
・立夏を過ぎ 陽射しの中にも夏の気配が感じられます。
[ビジネス文書では]
・立夏の候 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
・新茶
 解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・ちょうど5月の上旬が新茶の季節です。・各地で新茶の便りが聞かれる頃となりました。お元気でお過ごしでしょうか。
・八十八夜
 解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・八十八夜もこの時期です。立春を1日目として88日目とされます(年によって異なりますが5月2日頃です)
この日に摘んだお茶を飲むと長生きするといういわれがあります。
・八十八夜も過ぎ、穏やかな陽射しの日が続いています。
・八十八夜過ぎの遅霜に季節も足踏みをしているようです。お変わりなくお過ごしでしょうか。
【手紙に使う場合の結び・結語について】頭語と結語はセットになっています。「拝啓」を用いた場合の結語は「敬具」となります。
親しい間柄の相手に対する手紙で挨拶文の書き出しに[「拝啓」などの頭語を用いない場合には結び・結語も決まった語を用いません。
親しい相手への結びの例としては
「取り急ぎ近況報告まで。」
「取り急ぎお知らせまで。」
「取り急ぎお見舞い申し上げます。」
「またお会いしましょう。お元気で。」など

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5月に使う時候の挨拶(つづき)

5月を表わす言葉

解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・端午 ・鯉幟 ・鯉のぼり
 解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・5月5日頃に用います。[5月初旬の文例]
・青空に鯉のぼりが気持ち良さそうに泳いでいます。お元気でお過ごしでしょうか。
・五月晴れ
 解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・陰暦の5月の晴天をさします。本来、陰暦の5月は現在の6月頃にあたので注意が必要。例えば梅雨の合い間の晴天などもさす言葉である。
だが、現代では新暦の5月においても用いられることも多くなっている。
(※注意。左記参照のこと)
・五月晴れの空に木々の緑が美しい季節となりました。お変わりなくお過ごしでしょうか。
・小満
 解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・5月21日頃をさします。小満は、二十四節気のひとつ。
この頃から草木をはじめ、万物が天地に溢れることをさします。
[個人あて文例]
・小満を迎えいよいよ夏が近く感じられる頃となりました。お元気でいらっしゃいますでしょうか。

[はみだし情報]
◆5月末を表す言葉は?
5月21日頃は小満(しょうまん)です。それでは5月21日から5月31日(5月末)までの間を表す季節の言葉は?
→暦の上では5月末の時期は夏です。手紙などでは

「小満を過ぎ、梅雨入り前の貴重な晴天です」
(梅雨入りは平年5月下旬から6月中旬です。地域によって異なります。)
「5月もあと数日。今年の新茶は格別に美味しく感じられます」
(新茶は5月初旬から収穫されます。立春から数えて八十八夜が5月2日頃にあたることが知られています)。
「皐月の花も盛りを過ぎ山の緑も濃くなって参りました」
(皐月は夏の季語です。)
「白桜忌(はくおうき)。今年もまもなく折り返しとなります。」
(白桜忌は5月29日です。与謝野晶子の命日/忌日。)


◆ちなみに5月の初旬を表す言葉は?>>>

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3.参考情報「季語」について
(「新緑の候」などのように、〜の候をつけて使えます)

下記に季語についてご説明いたします。
ちなみに旧暦の5月は、ほぼ新暦の6月にあたり(その年によって少しずつ異なりますが)季語は夏のものになります。
1.季語とは、俳句の中で、その季節を表わすことばとして用いられるものをさします。俳句を作る際には、必ずもり込むこととされています。季題と呼ばれることもあります。
 
2.季語は1つの俳句に1つだけしか用いません。季語を2つ以上用いることを、季語を重ねる、季重ね、季語重ねなどと言います。
3.季語をもりこまない俳句のことを、無季俳句と呼びます。また、川柳のように、世相を風刺的に表わしたり批評したりするものには、季語は不要とされています。
4.連歌や俳諧でも季の詞(きのことば)、四季の詞という形で用いられることばがあります。
※なお、手紙の冒頭部分に用いられる季節の言葉は「時候の挨拶」と言い、季語とは区別されます。
季語の一部を下記に紹介します。
(新暦と旧暦とがあり、新暦では春、旧暦では夏の季節に該当するため、春と夏の季語の一部を掲載します)
なお季語については、別ページでもっと詳しく紹介しています>>
分類春の季語の例
時候春寒し、木の芽時、春の宵、春深し、弥生、仲春、彼岸、啓蟄、など
天文春風、春雨、菜種梅雨、蜃気楼、花曇(はなぐもり)、おぼろ月、かすみ、花冷え、余寒、春一番、など
地理焼山、雪解、春の田、水温む、春の川、春の波、菫野、雪崩、山笑う、残雪、水温む(みずぬるむ)、など
人事針供養、卒業、入学、雛遊(ひなあそび)、花見、梅見、雛流し、朝寝、新入社員、潮干狩り、朝寝、野焼き、など
宗教靖国祭、十三詣り、御水取、義士祭、神武天皇祭、伊勢参、薪能、聖母祭、西行忌、兼好忌、春祭、など
動物燕(つばめ)、春の駒、蛙(かわず)、鰆(さわら)、蛤、うぐいす、蝶、蜂、ひばり、若鮎、桜貝、たにし、蛇穴を出ず、馬の仔、など
植物梅、桃の花、桜、椿、ライラック、林檎の花、藤、たんぽぽ、土筆(つくし)、若草、菜の花、よもぎ、草の芽、芽吹く、木の芽、など

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分類夏の季語の例
時候立夏、小暑、晩夏、夏の夕、秋近し、土用、卯月、入梅、梅雨寒、梅雨明け、半夏生、夏の宵、麦の秋、など
天文五月雲、風薫る、土用東風、夏の雲、梅雨空、朝凪、炎天、日陰、南風、逃げ水、遠雷、白南風(しらはえ)、虹、梅雨、など
地理山滴る、夏野、赤富士、植田、土用波、清水、五月山、夏の海、青田、卯月野、など
人事行水、鯉のぼり、衣替え、花火、日傘、風鈴、吹き流し、虫干し、菖蒲湯、暑中見舞い、林間学校、浴衣、水玉、蜜柑水、麦刈り、金魚鉢、夏帽子、団扇、サンダル、帰省、など
行事母の日、葵祭、夏場所、子どもの日、武者人形、山開き、川開き、富士詣、など
忌日桜桃忌、晶子忌、朔太郎忌、扶美子忌、鴎外忌、など
動物初鰹、ほととぎす、金魚、かぶと虫、鮎、うなぎ、蝉(せみ)、雨蛙、ががんぼ、蛍、蝸牛(かたつむり)、蟻、など
植物青葉、若葉、若竹、夏草、朝顔、向日葵、葉桜、菖蒲、若葉、早苗、あやめ、百合、牡丹、筍、など
食物夏大根、ビール、氷水、ラムネ、鮎、鰹、さくらんぼ、土用鰻、トマト、など