4月の時候の挨拶、季節の挨拶のページ。季節の言葉/季節の挨拶の言葉とは、手紙やはがきの書き出しや、メールの冒頭に使われる時候の挨拶をさし、ビジネス文書の冒頭などにも用います。4月の季節の言葉の例・文例集(初旬/上旬・中旬・下旬/4月末)を掲載します。
なお、合わせて参考情報として4月の季語(きご=俳句に用いる。季節を表す言葉)も紹介します。
目次
1.「4月」の時期について(旧暦と新暦)
現在、日本では新暦(グレゴリオ暦)が使われていますが、季節の挨拶には、旧暦から来るものや二十四節気から来るものがあります。ここでは、現在の4月が旧暦のいつにあたるのか、また二十四節気の中ではどれが4月に該当するのかについて説明します。
(1)4月とはどんな季節? | |
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・二十四節気では (※二十四節気をすべて見る>>) | 清明(せいめい)…二十四節気のひとつ。現在の4月5日頃のこと(※その年によって異なる)。 この頃になると大地も空も清々しい空気があふれているとされる。 |
穀雨(こくう)…二十四節気のひとつ。現在の4月20日頃のこと(※その年によって異なる)。 この頃の雨は大地を潤し穀物を育てるとされる。 | |
・旧暦では | 新暦2023年の4月1日は…旧暦では閏2月11日頃となる。 新暦2023年の5月20日が、旧暦では4月1日 |
新暦2024年の4月1日は…旧暦では2月23日頃となる。 新暦2024年の5月8日が、旧暦では4月1日 | |
新暦2025年の4月1日は…旧暦では3月4日頃となる。 新暦2024年の4月28日が、旧暦では4月1日 |
(2)4月にまつわる言葉 |
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卯月(うづき)…陰暦の4月のこと。 |
菜種梅雨(なたねづゆ)…3月の終わり頃から4月初旬頃の、季節の変わり目に降る梅雨のような長雨のことをさす。 |
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2.4月の時候の挨拶/季節の挨拶の文例・例文
(「穀雨の候」などのように、〜の候をつけて使えます)
・それでは、手紙やはがきをはじめメール、ビジネス文書などに使える季節の挨拶/時候の挨拶を紹介します。年によって暑さ寒さなどの気候が異なります。花冷えが続く4月もあれば、穏やかな4月もあります。その時の季節感、実際の感覚に応じて季節の挨拶を使い分けて下さい。
4月に使う時候の挨拶 | ||
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[はみだし情報] 「清明前の花冷えの日が続いています」間もなく訪れる清明(せいめい)に触れるほか、 | ||
4月を表わす言葉 | 解説 | 挨拶文 書き出しの文例・例文 |
・陽春 | ||
解説 | 挨拶文 書き出しの文例・例文 | |
・あたたかい春という意味です。 | [4月上旬、中旬、下旬] [個人あての例文] ・拝啓 陽春の候 いかがお過ごしでしょうか。 [ビジネス文書では] ・拝啓 陽春の候 貴社におかれましては益々御清祥のこととお慶び申し上げます。 【手紙に使う場合の結び・結語について】頭語と結語はセットになっています。「拝啓」を用いた場合の結語は「敬具」となります。 親しい間柄の相手に対する手紙で挨拶文の書き出しに[「拝啓」などの頭語を用いない場合には結び・結語も決まった語を用いません。親しい相手への結びの例としては 「取り急ぎ近況報告まで。」 「取り急ぎお知らせまで。」 「取り急ぎお見舞い申し上げます。」 「またお会いしましょう。お元気で。」など | |
・惜春 | ||
解説 | 挨拶文 書き出しの文例・例文 | |
・ゆく春を惜しむという意味です。 | [4月中旬、下旬] [個人あて文例] ・惜春の候 お変わりなくお過ごしでしょうか。 | |
・菜種梅雨 | ||
解説 | 挨拶文 書き出しの文例・例文 | |
・季節の変わり目に降る、梅雨のような長雨をさします。 | [4月上旬、中旬くらいまでの文例] [個人あて文例] ・菜種梅雨も明け、日増しに暖かくなってまいりました。 |
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4月に使う時候の挨拶(つづき) | ||
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4月を表わす言葉 | 解説 | 挨拶文 書き出しの文例・例文 |
・花冷え | ||
解説 | 挨拶文 書き出しの文例・例文 | |
・4月上旬の肌寒い頃をさします。 | [4月上旬の文例] ・ここ数日、花冷えの日が続いておりますがお元気でお過ごしでしょうか。 | |
・花の便り | ||
解説 | 挨拶文 書き出しの文例・例文 | |
・「花」という言葉は桜を中心とした春を象徴しています。 | ・各地で花の便りが聞かれる頃となりました。お元気でお過ごしでしょうか。 | |
・桜花 ・桜 | ||
解説 | 挨拶文 書き出しの文例・例文 | |
・4月を象徴する花として桜の花が用いられます。 | [4月上旬くらいまでの文例] ・各地から桜の便りが聞かれる頃となりました。 [4月上旬、中旬くらいまでの文例] [個人あて文例] ・桜の花も盛りを過ぎ、吹く風も暖かく感じられる季節となりました。 [ビジネス文例] ・拝啓 桜端の候 貴社におかれましては益々御清祥のこととお慶び申し上げます 【手紙に使う場合の結び・結語について】頭語と結語はセットになっています。「拝啓」を用いた場合の結語は「敬具」となります。 親しい間柄の相手に対する手紙で挨拶文の書き出しに[「拝啓」などの頭語を用いない場合には結び・結語も決まった語を用いません。親しい相手への結びの例としては 「取り急ぎ近況報告まで。」 「取り急ぎお知らせまで。」 「取り急ぎお見舞い申し上げます。」 「またお会いしましょう。お元気で。」など |
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4月に使う時候の挨拶(つづき) | ||
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4月を表わす言葉 | 解説 | 挨拶文 書き出しの文例・例文 |
穀雨 | ||
解説 | 挨拶文 書き出しの文例・例文 | |
・4月20日頃に用います。 | [4月下旬の文例] [ビジネス文例] ・穀雨の候 貴社におかれましては益々御清祥のこととお慶び申し上げます | |
春眠 | ||
解説 | 挨拶文 書き出しの文例・例文 | |
・「春眠暁を覚えず」からきています。3月中旬頃から4月上旬頃に用います。 | [4月上旬の文例] [個人あて文例] ・春眠が心地良い季節となりました。お元気でお過ごしでしょうか。 【手紙に使う場合の結び・結語について】頭語と結語はセットになっています。「拝啓」を用いた場合の結語は「敬具」となります。 親しい間柄の相手に対する手紙で挨拶文の書き出しに[「拝啓」などの頭語を用いない場合には結び・結語も決まった語を用いません。親しい相手への結びの例としては 「取り急ぎ近況報告まで。」 「取り急ぎお知らせまで。」 「取り急ぎお見舞い申し上げます。」 「またお会いしましょう。お元気で。」など | |
春風 | ||
解説 | 挨拶文 書き出しの文例・例文 | |
・4月全般に使えます。 | [個人あて文例] ・春風が頬に心地よい季節となりました。 [ビジネス文書では] ・春風の候 貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。 | |
[はみだし情報] 「穀雨過ぎの晩春の風が生暖かく感じられます」あるいは
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3.参考情報「季語」について
(「穀雨の候」などのように、〜の候をつけて使えます)
下記に季語についてご説明いたします。 ちなみに旧暦の4月は現在の5月頃にあたります(年によって少しずつずれます。詳細はこのページの項目1をご参照下さい) | |
1. | 季語とは、俳句の中で、その季節を表わすことばとして用いられるものをさします。俳句を作る際には、必ずもり込むこととされています。季題と呼ばれることもあります。 |
2. | 季語は1つの俳句に1つだけしか用いません。季語を2つ以上用いることを、季語を重ねる、季重ね、季語重ねなどと言います。 |
3. | 季語をもりこまない俳句のことを、無季俳句と呼びます。また、川柳のように、世相を風刺的に表わしたり批評したりするものには、季語は不要とされています。 |
4. | 連歌や俳諧でも季の詞(きのことば)、四季の詞という形で用いられることばがあります。 |
※なお、手紙の冒頭部分に用いられる季節の言葉は「時候の挨拶」と言い、季語とは区別されます。 季語の一部を下記に紹介します。 (新暦と旧暦とがありますので、春と夏の季語の一部を掲載します) なお季語については、別ページでもっと詳しく紹介しています>>> |
分類 | 春の季語の例 |
時候 | 初春(はつはる)、春寒し、木の芽時、春の宵、春深し、仲春、彼岸、啓蟄、など |
天文 | 春風、春雨、菜種梅雨、蜃気楼、花曇(はなぐもり)、おぼろ月、かすみ、花冷え、余寒、春一番、など |
地理 | 焼山、雪解、春の田、水温む、春の川、春の波、菫野、雪崩、山笑う、残雪、水温む(みずぬるむ)、など |
人事 | 針供養、卒業、入学、雛遊(ひなあそび)、花見、梅見、雛流し、朝寝、新入社員、潮干狩り、朝寝、野焼き、など |
宗教 | 靖国祭、十三詣り、御水取、義士祭、神武天皇祭、伊勢参、薪能、聖母祭、西行忌、兼好忌、春祭、など |
動物 | 燕(つばめ)、春の駒、蛙(かわず)、鰆(さわら)、蛤、うぐいす、蝶、蜂、ひばり、若鮎、桜貝、たにし、蛇穴を出ず、馬の仔、など |
植物 | 梅、桃の花、桜、椿、ライラック、林檎の花、藤、たんぽぽ、土筆(つくし)、若草、菜の花、よもぎ、草の芽、芽吹く、木の芽、など |
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分類 | 夏の季語の例 |
時候 | 立夏、小暑、晩夏、夏の夕、秋近し、土用、卯月、入梅、梅雨寒、梅雨明け、半夏生、夏の宵、麦の秋、など |
天文 | 五月雲、風薫る、土用東風、夏の雲、梅雨空、朝凪、炎天、日陰、南風、逃げ水、遠雷、白南風(しらはえ)、虹、梅雨、など |
地理 | 山滴る、夏野、赤富士、植田、土用波、清水、五月山、夏の海、青田、卯月野、など |
人事 | 行水、鯉のぼり、衣替え、花火、日傘、風鈴、吹き流し、虫干し、菖蒲湯、暑中見舞い、林間学校、浴衣、水玉、蜜柑水、麦刈り、金魚鉢、夏帽子、団扇、サンダル、帰省、など |
行事 | 母の日、葵祭、夏場所、子どもの日、武者人形、山開き、川開き、富士詣、など |
忌日 | 桜桃忌、晶子忌、朔太郎忌、扶美子忌、鴎外忌、など |
動物 | 初鰹、ほととぎす、金魚、かぶと虫、鮎、うなぎ、蝉(せみ)、雨蛙、ががんぼ、蛍、蝸牛(かたつむり)、蟻、など |
植物 | 青葉、若葉、若竹、夏草、朝顔、向日葵、葉桜、菖蒲、若葉、早苗、あやめ、百合、牡丹、筍、など |
食物 | 夏大根、ビール、氷水、ラムネ、鮎、鰹、さくらんぼ、土用鰻、トマト、など |