1月の時候の挨拶》上旬・中旬・下旬の挨拶文 書き出しと結びの例文

1月の時候の挨拶、季節の挨拶のページ。季節の言葉/季節の挨拶の言葉とは、手紙やはがきの書き出しや、メールの冒頭に使われる時候の挨拶をさし、ビジネス文書の冒頭などにも用います。1月の季節の言葉の例・文例集(初旬/上旬・中旬・下旬/1月末)を掲載します。
なお、合わせて参考情報として1月の季語(きご=俳句に用いる。季節を表す言葉)も紹介します。

1.「1月」の時期について(旧暦と新暦)

現在、日本では新暦(グレゴリオ暦)が使われていますが、季節の挨拶には、旧暦から来るものや二十四節気から来るものがあります。
 ここでは、現在の1月が旧暦のいつにあたるのか、また二十四節気ではどれが1月に該当するのかについて説明します。

(1)1月とはどんな季節?
・二十四節気では
(※二十四節気をすべて見る>>
小寒(しょうかん)…二十四節気のひとつ。現在の1月5日頃のこと(※その年によって異なる)。
この頃から寒さが厳しくなる。
大寒(だいかん)…二十四節気のひとつ。現在の1月20日頃のこと(※その年によって異なる)。
この頃が一年のうちで最も寒さが厳しい。
・旧暦では新暦2023年の1月1日は…旧暦では前年の12月10日頃となる。
新暦2023年の1月22日が、旧暦では1月1日
新暦2024年の1月1日は…旧暦では前年の11月20日頃となる。
新暦2024年の2月10日が、旧暦では1月1日
新暦2025年の1月1日は…旧暦では前年の12月2日頃となる。
新暦2025年の1月29日が、旧暦では1月1日
(2)1月にまつわる言葉
正月元旦(がんたん)…元日の朝のこと。現代では元日(1月1日)の意味でも使われる。
正月(しょうがつ)…1月のこと。
松の内(まつのうち)…新年を祝う期間。1月1日から1月7日(または1月15日まで)。(※地域によって異なる)

この期間は門松などの正月飾りを飾っておく。
松の内があける日に合わせて鏡開きをする地域もある。
(※鏡開きの時期も地域によって異なります。主に1月7日、1月11日、1月15日、1月20日の4つに分けられます)

小正月(こしょうがつ)…もともとは旧暦の1月15日に行われた行事のことであったが、現代では新暦の1月15日に行うこともある。
その他睦月(むつき)…陰暦の1月のこと。
人日(じんじつ)…1月7日のこと。五節句のうちのひとつ。

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2.1月の時候の挨拶/季節の挨拶の文例・例文
(「初春の候」などのように、〜の候をつけて使えます)

それでは、手紙やはがきをはじめメール、ビジネス文書などに使える季節の挨拶/時候の挨拶を紹介します。
 年によって暑さ寒さなどの気候が異なります。太平洋側と日本海側では天候も大きく異なりますし、地方によっては積雪の度合いも異なるでしょう。その時の季節感、実際の感覚に応じて季節の挨拶を使い分けて下さい。
【手紙に使う場合の結び・結語について】頭語と結語はセットになっています。書き出しに「拝啓}を用いた場合には結び・結語は{敬具}です。

1月に使う時候の挨拶
1月を表わす言葉解説挨拶文 書き出しの文例・例文

[はみだし情報]
◆1月の初旬を表す言葉は?
1月5日頃にあるのが小寒(しょうかん)です。それでは1月1日から1月5日(小寒)までの間を表す季節の言葉は?
(なお、手紙などでは先方に届くまでの日程をふまえ、「小寒」を数日前倒しで使っても構わないとされます。)

→暦の上では1月初旬の時期は冬です。手紙などでは冬にまつわるもの以外に、年明けにまつわる表現が多く使われます。いくつかご紹介しますので年賀状以外の用途に役立てて下さい。

「松の内の鮮やかな門飾りが陽に映えています」
(松の内は元旦から1月7日までです。ただし地方によっては1月15日まで)
「小寒を迎え 穏やかな三が日です」
(三が日とは元旦から1月3日までです。太平洋側の正月三が日は意外に穏やかな日が多いようです。)
「初春の候」新年にからむ表現は、1月上旬に使うことができます。
「寒の入りを控え 寒さも本格的になってきました」これはまさに「小寒」を控えている時期に使いやすい表現です。喪中とは知らずに年賀はがきを出してしまった相手などにお悔やみ状をだす時などに使いやすい表現です。

◆1月末を表す言葉は?>>>

1月を表わす言葉解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・初春
・新春
 ・初春や新春は正月を表わす言葉として用います。[個人あてに]
・拝啓 新春の候 皆様におかれましてはお健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます

[ビジネス文書に]
・拝啓 初春の候 貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます

【手紙に使う場合の結び・結語について】頭語と結語はセットになっています。書き出しに頭語の「拝啓}を用いた場合には結び・結語は{敬具}です。

・年明け
・新年
 ・新年や年明けは1月の初旬に用います。・年明けの忙しい時期ではございますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。

・新年の声が聞こえてはや十日、当地の雪もかなり深くなって参りました。

【手紙に使う場合の結び・結語について】頭語と結語はセットになっています。親しい間柄の相手に対して書き出しに頭語を用いない場合には結び・結語も決まった語を用いません。親しい相手への結びの例としては
「取り急ぎ近況報告まで。」
「取り急ぎお知らせまで。」
「取り急ぎお見舞い申し上げます。」
「またお会いしましょう。お元気で。」など

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1月に使う時候の挨拶(つづき)
1月を表わす言葉解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・松の内
 ・松飾りを飾る期間を表わすものとして用います。・松の内のおだやかな天気が続いています。

[1月中旬には]
・松も明け、寒さが一段と厳しくなってまいりました。

・松の内を過ぎ、寒さも本格的になって参りました。

・松の内を過ぎ、○○○○もようやくエンジンがかかってきました。

【手紙に使う場合の結び・結語について】頭語と結語はセットになっています。親しい間柄の相手に対して書き出しに頭語を用いない場合には結び・結語も決まった語を用いません。親しい相手への結びの例としては「取り急ぎ近況報告まで。」「取り急ぎお知らせまで。」「取り急ぎお見舞い申し上げます。」「またお会いしましょう。お元気で。」など

・七草
・七草粥
・人日
 ・人日の節句(1月7日頃)をさします。七種とも書きます。・拝啓 七草の候 お変わりなくお過ごしでしょうか。

【手紙に使う場合の結び・結語について】頭語と結語はセットになっています。書き出しに頭語の「拝啓}を用いた場合には結び・結語は{敬具}です。

・寒の入り
・小寒
 ・1月5日頃をさします。

[1月上旬に]
・拝啓 小寒を過ぎ、寒さも本格的となって参りました。

・寒の入りを迎え、寒さもひときわ厳しくなりました。

【手紙に使う場合の結び・結語について】頭語と結語はセットになっています。「拝啓」を用いた場合の結語は「敬具」となります。
親しい間柄の相手に対する手紙で挨拶文の書き出しに[「拝啓」などの頭語を用いない場合には結び・結語も決まった語を用いません。
親しい相手への結びの例としては
「取り急ぎ近況報告まで。」
「取り急ぎお知らせまで。」
「取り急ぎお見舞い申し上げます。」
「またお会いしましょう。お元気で。」など

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1月に使う時候の挨拶(つづき)
1月を表わす言葉解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・大寒
 ・1月20日頃をさします。

・最も寒さが厳しい時期となります。

[1月下旬に]
・大寒の厳しい寒さが身にしみる季節となりました。

・拝啓 大寒の候 いかがおすごしでしょうか。

【手紙に使う場合の結び・結語について】頭語と結語はセットになっています。「拝啓」を用いた場合の結語は「敬具」親しい間柄の相手に対して書き出しに[「拝啓」などの頭語を用いない場合には結び・結語も決まった語を用いません。親しい相手への結びの例としては
「取り急ぎ近況報告まで。」
「取り急ぎお知らせまで。」
「取り急ぎお見舞い申し上げます。」
「またお会いしましょう。お元気で。」など

・厳冬
・厳寒
 ・ 1月20日頃過ぎに。
・最も寒さが厳しい時期に用います。
[1月下旬に]
・拝啓 厳寒の候 いかがおすごしでしょうか。

・厳冬の候 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

[はみだし情報]
◆1月末を表す言葉は?
1月20日頃は大寒(だいかん)です。それでは1月20日から1月31日(1月末)までの間を表す季節の言葉は?
→暦の上では1月末の時期は最も寒さが厳しい時期です。手紙などでは

「厳寒の候」(上述)1月下旬全般に使えるほか、
「大寒を過ぎ 寒さが一層厳しくなりました」
「大寒ぎの 芯から冷えるような夜です」などのように大寒を過ぎてからの厳しい寒さや冷え込みに触れるほか、
「睦月(むつき)も残りわずか。冬田の川は動くことを忘れたように凍っています」冬田は冬の季語です。

◆ちなみに1月の初旬を表す言葉は?>>>

3.参考情報「季語」について
(「初富士の候」などのように、〜の候をつけて使えます)

下記に季語についてご説明いたします。
1.季語とは、俳句の中で、その季節を表わすことばとして用いられるものをさします。俳句を作る際には、必ずもり込むこととされています。季題と呼ばれることもあります。
2.季語は1つの俳句に1つだけしか用いません。季語を2つ以上用いることを、季語を重ねる、季重ね、季語重ねなどと言います。
3.季語をもりこまない俳句のことを、無季俳句と呼びます。また、川柳のように、世相を風刺的に表わしたり批評したりするものには、季語は不要とされています。
4.連歌や俳諧でも季の詞(きのことば)、四季の詞という形で用いられることばがあります。
※なお、手紙の冒頭部分に用いられる季節の言葉は「時候の挨拶」と言い、季語とは区別されます。

季語の一部を下記に紹介します。
(新暦と旧暦とがありますので、正月と春の季語の一部を掲載します)
なお季語については、別ページでもっと詳しく紹介しています>>
分類新年の季語の場合の例
時候正月、元日、元旦、松の内、松過ぎ、初春、小正月、三が日、七日、小正月、閏正月(うるうしょうがつ)、など
天文初日、初風、初日の出、初空、初晴、初霞、初凪(はつなぎ)、初東雲(はつしののめ)、など
地理初富士、初景色、若菜野、など
人事晴御膳、御用始め、書き初め、羽子板、白馬節会(あおうまのせちえ)、朝賀、年賀、年賀状、年玉、初夢、初茶の湯、鏡開き、双六、鏡開き、書初め、など
宗教上辰の祓(じょうしんのはらえ)、頼朝忌、十日戎(とおかえびす)、初子、初丑、初寅、初卯、初○○(干支)…、など
動物初鴬(はつうぐいす)、伊勢海老、新玉鷹、初雀(はつすずめ)、初鶏(はつとり)、など
植物若菜、なずな、福寿草、佛の座、すずな、すずしろ、蓬(よもぎ)、など
食物雑煮、おせち、数の子、餅、屠蘇、鏡餅、年酒、など

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分類の季語の場合の例
(春の季語ですが1月以外のものも含まれますので注意して下さい。)
時候初春(はつはる)、春寒し、木の芽時、春の宵、春深し、如月、弥生、仲春、彼岸、啓蟄、など
天文春風、春雨、菜種梅雨、蜃気楼、花曇(はなぐもり)、おぼろ月、かすみ、花冷え、余寒、春一番、など
地理焼山、雪解、春の田、水温む、春の川、春の波、菫野、雪崩、山笑う、残雪、水温む(みずぬるむ)、など
人事針供養、卒業、入学、雛遊(ひなあそび)、花見、梅見、雛流し、朝寝、新入社員、潮干狩り、朝寝、野焼き、など
宗教靖国祭、十三詣り、御水取、義士祭、神武天皇祭、伊勢参、薪能、聖母祭、西行忌、兼好忌、春祭、など
動物燕(つばめ)、春の駒、蛙(かわず)、鰆(さわら)、蛤、うぐいす、蝶、蜂、ひばり、若鮎、桜貝、たにし、蛇穴を出ず、馬の仔、など
植物梅、桃の花、桜、椿、ライラック、林檎の花、藤、たんぽぽ、土筆(つくし)、若草、菜の花、よもぎ、草の芽、芽吹く、木の芽、など