ビジネスの手紙やビジネス文書に使う1月の時候の挨拶・1月の季節の挨拶のページ。
時候の挨拶は季節をあらわす挨拶の言葉として、手紙やはがきの書き出しや、メールの冒頭に使われ、ビジネス文書の冒頭などにも用います。季節感を表す言葉を書くことにより、相手の心に情景を呼び覚まし、季節の移り変わりを共に感じることができます。
ビジネスの手紙やビジネス文書で用いる一月の季節の言葉の例・文例集(初旬/上旬・中旬・下旬/月末)を掲載します。
目次
1.1月のビジネスの手紙・1月のビジネス文書 |
ビジネスの手紙やビジネス文書のうち、1月に書かれる可能性があるものをリストにしてみました。 手紙では時候の挨拶をやや前倒しで使います。 |
1月に書かれるビジネスの手紙・ビジネス文書 一覧表 | |
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就職イベントの案内 | |
・学生の就職を想定した企業紹介やPR活動を行うことがあります。 | |
転職イベントの案内 | |
・2月〜3月も転職イベントが多く開催される時期です。そのため2月の会社説明会や転職イベントの案内を1月に出します。手紙での案内のこともありますが、メールでの案内も増えています。 | |
新年の挨拶状 | |
・取引先などに対し新年の挨拶状を送ることがあります。 | |
イベントの案内・通知 | |
セール、冬物バーゲン、新春パーティーなどのイベントの案内を手紙で出すこともあります。メールでの案内も増えています。 | |
新年会の案内・通知 | |
・新年会の案内状や通知状を手紙で出すこともあります。メールでの案内も増えています。 ・ビジネスの飲み会や親睦会の場合には、主に社内や取引先に対して案内や通知を出します。 | |
通常のビジネス文書、案内状、通知状 | |
・取引先や顧客に対してビジネス文書や、案内状、通知状を出すことがあります。 個人あてと、法人・企業・職場・団体・自治体・機関あてのケースがあります。 | |
退職の挨拶状・退職のお礼状 | |
・12月、3月に退職する人が多いと言われます。仕事でお世話になった相手への退職の挨拶状はビジネスの文体で書きます。 12月に退職した場合の挨拶状は1月に出すことも多いようです。 |
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2.1月の時候の挨拶 ビジネス文例(初旬・上旬) |
1月初旬・上旬のビジネスの手紙やビジネスの案内状・通知状の書き出しの例文と結びを紹介します。
手紙では時候の挨拶をやや前倒しで使います。 |
(2-1)1月初旬・上旬の時候の挨拶 | |
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・小寒(しょうかん) | 小寒は1/5、1/6頃(年によって異なります)なので、1/1〜1/5の手紙や文書に使える。一年で最も寒い時期に入る。 |
・寒の入り、寒入り | 小寒から立春までの期間が一年で最も寒い期間とされ、この日から「一年で最も寒い期間」に突入する小寒の日を寒の入りと言う。1/5頃に使える。 |
・七草(ななくさ) | 一年の健康を祈り1月7日に七草粥を食べる風習がある。1/7頃に使える。 七草のひとつ、芹(せり)はこの時期の七十二候にも登場するほど、この時期を象徴するもののひとつ。(「芹乃栄」=せりすなわちさかう、と読む) |
・人日の節句(じんじつのせっく) | 1月7日は人日の節句。七草粥を食べるなど、地方によって様々な風習がある。1/7頃に使える |
・松の内 | 1月元日から7日までの期間をさす。この時期に使える |
・新春、初春 | 正月をあらわす際に用いられることば。一般的には1/7の松の内の頃まで。ビジネスシーンでは1/15頃まで使える。 |
・雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる) | 雪下出麦は七十二候のひとつで、12/31〜1/4の頃をさす。秋に蒔いた麦の種が雪の下で目を出す頃という意味。1月初旬に使える。 |
・芹乃栄(せりすなわちさかう) | 芹乃栄は七十二候のひとつで、1/5〜1/9の頃をさす。この時期に芹(せり)が旬を迎えるという意味。1月初旬に使える。 |
・萌月(もゆつき) | 萌月は陰暦1月の異名。1月全般に使える。 |
・子の日月(ねのひづき) | 子の日月は陰暦1月の異名。1月全般に使える。 |
・厳寒(げんかん)、厳冬(げんとう) | 寒さが厳しい時期をあらわす。1年で最も寒さが厳しい立春までの時期に使える。 |
・睦月(むつき) | 睦月は1月の異名。初旬・上旬に限らず、1月全般に使える |
(2-2)1月初旬・上旬のビジネス文例 |
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・個人あてのビジネスの手紙 書き出し |
拝啓 小寒の候 ◯◯様におかれましては益々ご清祥のことと心よりお慶び申し上げます。 |
拝啓 寒の入りを迎え ◯◯様におかれましては益々ご健勝のことと心よりお慶び申し上げます。 |
謹啓 厳寒の候 平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。 |
拝啓 七草の砌 皆様におかれましては益々ご清祥のことと心よりお喜び申し上げます。 注)みぎりを漢字で書く場合には「砌」=みぎりと読みます。候と同じく「〜の頃、〜の時期」という意味です。 |
拝啓 七草も過ぎ、寒さも本格的になって参りました。皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。 |
・企業・法人・取引先あてのビジネスの手紙 書き出し |
拝啓 小寒の候 貴社におかれましては益々ご清栄の段 心よりお慶び申し上げます。 |
拝啓 初春の候 貴社におかれましては益々ご清栄のことと 心よりお慶び申し上げます。 |
拝啓 寒入りの候 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。 |
・結びの例(「敬具」は結語です。頭語の「拝啓」とペアで使います。) |
厳冬の寒さこたえる折柄、くれぐれもご自愛ください。 敬具 |
寒さも本格的になってまいりました。ご自愛専一にお過ごしください。敬具 |
寒さがいっそう厳しくなる時期です。どうかご自愛くださいますよう、皆様のご健康をお祈り申し上げます。 敬具 |
時節柄、皆様のご健康をお祈り申し上げます。 敬具 |
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3.1月の時候の挨拶 ビジネス文例(中旬) |
1月中旬のビジネスの手紙やビジネスの案内状・通知状の書き出しの例文と結びを紹介します。 時候のあいさつは、その言葉が指す日よりも前に使うのが慣例です。 |
(3-1)1月中旬の時候の挨拶 | |
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・大寒(だいかん) | 大寒は二十四節気のひとつで、現在の1/20、1/21頃(年によって異なります)とされ、中旬に使える。 |
・寒(かん)の時期 | 小寒(1/5頃)から立春(2/4頃)までの期間が一年で最も寒い期間とされ、この時期に使える。 |
・新春、初春 | 正月をあらわす際に用いられることば。一般的には1/7の松の内の頃まで。ビジネスシーンでは1/15頃まで使える。 |
・小正月(こしょうがつ) | 小正月は1月15日頃をさす。地方によっては小豆粥(あずきがゆ)を食べたり、餅花を飾る地域もある。1月中旬に使える。 |
・花正月(はなしょうがつ) | 花正月は1月15日頃をさす。小正月(上記)に餅花を飾る風習からきている。1月中旬に使える。 |
・水泉動(しみずあたたかをふくむ) | 水泉動は七十二候のひとつで、1/10〜1/14の頃をさす。最も寒い季節だが地面の上では湧水が少しずつぬるみはじめるという意味。1月中旬に使える。 |
・雉始雊(きじはじめてなく) | 雉始雊は七十二候のひとつで、1/15〜1/19の頃をさす。雄のキジがメスを求めて鳴き始める頃という意味。1月中旬に使える。 |
・萌月(もゆつき) | 萌月は陰暦1月の異名。1月全般に使える。 |
・子の日月(ねのひづき) | 子の日月は陰暦1月の異名。1月全般に使える。 |
・厳寒(げんかん)、厳冬(げんとう) | 寒さが厳しい時期をあらわす。1年で最も寒さが厳しい立春までの時期に使える。 |
・睦月(むつき) | 睦月は1月の異名。初旬・上旬に限らず、1月全般に使える |
(3-2)1月中旬のビジネス文例 |
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・個人あてのビジネスの手紙 書き出し |
拝啓 小正月の候 ◯◯様におかれましては益々ご清祥のことと心よりお慶び申し上げます。 |
拝啓 大寒の候 皆様におかれましてはお変わりなくお過ごしでしょうか。 |
拝啓 厳寒の候 皆様におかれましてはお変わりなくお過ごしでしょうか。 |
・企業・法人・取引先あてのビジネスの手紙 書き出し |
拝啓 厳冬の候 貴社におかれましては益々ご清栄の段 心よりお慶び申し上げます。 |
拝啓 睦月も半ばとなり、貴社におかれましては益々ご多忙のことと存じます。 |
拝啓 寒の最も厳しい頃となりました。貴社におかれましては益々ご清栄のことと 心よりお慶び申し上げます。 |
・結びの例(「敬具」は結語です。頭語の「拝啓」とペアで使います。) |
寒さ厳しき折柄、くれぐれもご自愛ください。 敬具 |
年の始めのご多忙な時期につきどうかご自愛くださいますよう、皆様のご健康をお祈り申し上げます。 敬具 |
寒さが最も厳しく体調を崩しやすい時期です。ご自愛専一にお過ごしください。敬具 |
時節柄、皆様のご健康をお祈り申し上げます。 敬具 |
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4.1月の時候の挨拶 ビジネス文例(下旬) |
1月下旬のビジネスの手紙やビジネスの案内状・通知状の書き出しの例文と結びを紹介します。 手紙では時候の挨拶をやや前倒しで使います。 |
(4-1)1月下旬の時候の挨拶 | |
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・大寒(だいかん) | 大寒は二十四節気のひとつで、現在の1/20、1/21頃(年によって異なります)とされる。 |
・款冬華(ふきのはなさく) | 款冬華 は七十二候のひとつで、1/20~1/24頃をさす。ここでふきの花と言っているのは「ふきのとう」のこと。 |
・水沢腹堅(さわみずこおりつめる) | 水沢腹堅は七十二候のひとつで、1/25〜1/29頃をさす。沢の水も厚く凍るという意味。厳寒期であるこの季節をあらわす。 |
・寒(かん)の時期 | 小寒(1/5頃)から立春(2/4頃)までの期間が一年で最も寒い期間とされ、この時期に使える。 |
・萌月(もゆつき) | 萌月は陰暦1月の異名。1月全般に使える。 |
・子の日月(ねのひづき) | 子の日月は陰暦1月の異名。1月全般に使える。 |
・厳寒(げんかん)、厳冬(げんとう) | 寒さが厳しい時期をあらわす。1年で最も寒さが厳しい立春までの時期に使える。 |
・睦月(むつき) | 睦月は1月の異名。初旬・上旬に限らず、1月全般に使える |
(4-2)1月下旬のビジネス文例 |
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・個人あてのビジネスの手紙 書き出し |
拝啓 大寒の候 ◯◯様におかれましては益々ご清祥のことと心よりお慶び申し上げます。 |
謹啓 睦月の候 皆様におかれましてはお変わりなくお過ごしでしょうか。 |
拝啓 ふきのとうが出る頃となりました。◯◯様におかれましてはお忙しくお過ごしのことと存じます。 |
拝啓 大寒の寒さが一層厳しい頃となりました。平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。 |
・企業・法人・取引先あてのビジネスの手紙 書き出し |
拝啓 睦月の候 貴社におかれましては益々ご清栄の段 心よりお慶び申し上げます。 |
拝啓 大寒の候 皆様におかれましてはお忙しくご活躍のことと拝察申し上げます。 |
拝啓 厳寒の候 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。 |
・結びの例(「敬具」は結語です。頭語の「拝啓」とペアで使います。) |
寒さが最も厳しい時期です。くれぐれもご自愛ください。 敬具 |
寒気厳しき折柄、くれぐれもご自愛ください。 敬具 |
寒中かつご多忙につき体調を崩しやすい時期です。ご自愛専一にお過ごしください。敬具 |
時節柄、皆様のご健康をお祈り申し上げます。 敬具 |