6月の時候の挨拶》上旬・中旬・下旬の挨拶文 書き出しと結びの例文

6月の時候の挨拶、季節の挨拶のページ。季節の言葉/季節の挨拶の言葉とは、手紙やはがきの書き出しや、メールの冒頭に使われる時候の挨拶をさし、ビジネス文書の冒頭などにも用います。
季節感を表す言葉を書くことにより、相手の心に情景を呼び覚まし、季節の移り変わりを共に感じることができます。
6月の季節の言葉の例・文例集(初旬/上旬・中旬・下旬/6月末)を掲載します。

1.「6月」の時期について(旧暦と新暦)

 現在、日本では新暦(グレゴリオ暦)が使われていますが、季節の挨拶には、旧暦から来るものや二十四節気から来るものがあります。
 ここでは、現在の6月が旧暦のいつにあたるのか、また二十四節気の中ではどれが6月に該当するのかについて説明します。
(1)6月とはどんな季節?
・二十四節気では
(※二十四節気をすべて見る>>
忙種(ぼうしゅ)…二十四節気のひとつ。現在の6月6日頃のこと(※その年によって異なる)。
この日が米や麦などの穀物の種をまく時期とされる。
夏至(げし)…二十四節気のひとつ。現在の6月21日頃のこと(※その年によって異なる)。
この日は昼が最も長い日である。
・旧暦では新暦2024年の6月1日は…旧暦では4月25日頃となる。
新暦2024年の7月06日が、旧暦では6月1日
新暦2025年の6月1日は…旧暦では5月6日頃となる。
新暦2025年の6月25日が、旧暦では6月1日
新暦2026年の6月1日は…旧暦では4月16日頃となる。
新暦2026年の7月14日が、旧暦では6月1日
(2)6月にまつわる言葉
水無月(みなづき)…陰暦の6月のこと。田植えに沢山の水が必要な月という意味。
陰暦の6月は現在の7月頃にあたので、文中に用いる際には注意が必要。
梅雨(つゆ)…6月頃に日本でみられる長雨の時期のこと。但し北海道には梅雨がない。また、日本以外には中国や朝鮮半島でも梅雨がみられる。
なお、梅雨入りすることを入梅という。
衣替え(ころもがえ)…現代では制服、学生服について、6月と10月に衣替えが行われる。
陰暦の頃には、平安、江戸など各時代によって衣替えの時期が異なった。

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2.6月の時候の挨拶/季節の挨拶の文例・例文
(「入梅の候」などのように、〜の候をつけて使えます)

・それでは、手紙やはがきをはじめメール、ビジネス文書などに使える季節の挨拶/時候の挨拶を紹介します。
 年によって暑さ寒さなどの気候が異なります。主に6月は梅雨の時期だとされますが、その年や地域によってはカラ梅雨のこともあります。その時の季節感、実際の感覚に応じて季節の挨拶を使い分けて下さい。
6月に使う時候の挨拶
6月を表わす言葉解説挨拶文 書き出しの文例・例文

[はみだし情報]
◆6月の初旬を表す言葉は?
6月6日頃は芒種(芒種)です。それでは6月1日から6月6日(芒種)までの間を表す季節の言葉は?
(なお、手紙などでは先方に届くまでの日程をふまえ、「芒種」を数日前倒しで使っても構わないとされます。)
→暦の上では6月初旬の時期は夏です。手紙などでは

「水無月に入り、蒸し暑い日が多くなりました」
「梅雨時のはっきりしない天気が続いています」
「6月に入り紫陽花が見頃を迎えています」
(紫陽花=あじさいは夏の季語です。紫陽花の開花時期は地方にもよりますが5月中旬から6月下旬です)
「芒種の季節。我が家ではニガウリを植えグリーンカーテンを目論んでいます。」
(芒種とは、稲や小麦のような穀物の種をまくことをさし、転じて、この時期に作物を植えることを表します。ちなみにニガウリには芒はありません。「芒=ぼう。穂の先端に伸びる棘状の部分」)
などの表現が使えます。
◆6月末を表す言葉は?>>>

6月を表わす言葉解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・梅雨 ・入梅
 解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・6月の長雨の頃に用います。
梅雨入りすることを「入梅」と言います。
[6月上旬、中旬、下旬]
[個人あての例文]

・拝啓 梅雨空が続く毎日ですがいかがお過ごしでしょうか。
・梅雨の晴れ間の久しぶりの青空です。
[ビジネス文書では]
・拝啓 梅雨の候 平素は格別なご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
・拝啓 入梅の候 貴社におかれましては益々ご清栄の段 心よりお慶び申し上げます。
【手紙に使う場合の結び・結語について】頭語と結語はセットになっています。「拝啓」を用いた場合の結語は「敬具」となります。
親しい間柄の相手に対する手紙で挨拶文の書き出しに[「拝啓」などの頭語を用いない場合には結び・結語も決まった語を用いません。
親しい相手への結びの例としては
「取り急ぎ近況報告まで。」
「取り急ぎお知らせまで。」
「取り急ぎお見舞い申し上げます。」
「またお会いしましょう。お元気で。」など
・梅雨寒 ・梅雨冷え
 解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・6月の梅雨の時期、気温が上がらず肌寒い時に用います。[6月中旬、下旬]
[個人あて文例]

・拝啓 このところ梅雨寒の日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか。
・拝啓 梅雨寒の候 お変わりなくおすごしでしょうか。
・梅雨明けが待たれる毎日ですが、お元気でいらっしゃいますでしょうか。
・忙種 (ぼうしゅ)
 解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・6月6日頃をさします。忙種は、二十四節気のひとつ。
米や麦などの穀物の種を蒔く時期とされます。
[6月上旬]
[ビジネス文書では]

・拝啓 忙種の候 貴社におかれましては益々御清祥の段、心よりお慶び申し上げます。

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6月に使う時候の挨拶(つづき)
6月を表わす言葉解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・あじさい ・紫陽花
 解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・6月を象徴する花として紫陽花が用いられます。[6月上旬、中旬、下旬の文例]
[個人あて文例]

・雨に濡れたあじさいの青がひときわ美しいこの頃です。
・連日の雨にせっかくの紫陽花もやや寂しそうです。
[ビジネス文例]
・拝啓 紫陽花の候 貴社におかれましては益々御清祥のこととお慶び申し上げます
【手紙に使う場合の結び・結語について】頭語と結語はセットになっています。「拝啓」を用いた場合の結語は「敬具」となります。
親しい間柄の相手に対する手紙で挨拶文の書き出しに[「拝啓」などの頭語を用いない場合には結び・結語も決まった語を用いません。
親しい相手への結びの例としては
「取り急ぎ近況報告まで。」
「取り急ぎお知らせまで。」
「取り急ぎお見舞い申し上げます。」
「またお会いしましょう。お元気で。」など
・初夏
 解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・6月は暦の上ではすでに夏です。
但し梅雨空が続く時にはあまりそぐわない表現です。
[6月上旬、中旬、下旬の文例]
[ビジネス文例]

・初夏の候 貴社におかれましては益々御清祥のこととお慶び申し上げます
・向暑
 解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・6月は暦の上ではすでに夏ですので「向夏」は使えませんが、次第に暑くなるという意味の「向暑」は用いることができます。[6月上旬、中旬、下旬の文例]
[ビジネス文例]

・向暑の候 貴社におかれましては益々御清祥のこととお慶び申し上げます

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6月に使う時候の挨拶(つづき)
6月を表わす言葉解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・衣替え
 解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・現代では制服は6月1日に冬服から夏服にかわります。[6月初旬の文例]
・拝啓 
衣替えも終え、夏の装いが目につくようになりました。
・衣替えの季節となりました。お元気でお過ごしでしょうか。
・霖雨 (りんう)
 解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・霖雨という言葉は「長雨」「幾日も降り続く雨」という意味です。
本来の意味では6月に時期を限定するものではありませんが、雨が続く時に手紙の挨拶文として用いられることがあります。
(※注意。左記参照のこと)
・霖雨の候 お変わりなくお過ごしでしょうか。
【手紙に使う場合の結び・結語について】頭語と結語はセットになっています。「拝啓」を用いた場合の結語は「敬具」となります。
親しい間柄の相手に対する手紙で挨拶文の書き出しに[「拝啓」などの頭語を用いない場合には結び・結語も決まった語を用いません。
親しい相手への結びの例としては
「取り急ぎ近況報告まで。」
「取り急ぎお知らせまで。」
「取り急ぎお見舞い申し上げます。」
「またお会いしましょう。お元気で。」など

[はみだし情報]
◆6月末を表す言葉は?
6月21日頃は夏至です。それでは6月21日から6月30日(6月末)までの間を表す季節の言葉は?
→暦の上では6月末の時期は基本的には夏です。手紙などでは

「夏至を過ぎ、これからますます暑くなります」
「夏至が過ぎ、陽射しが厳しく感じられます」などのように、さらに厳しくなる暑さにふれるほか、
「夏至も過ぎ、間もなく富士山の山開きです。」

(富士山の山開きは7月1日(もしくは10日)です)
「水無月も残りわずか。各地で海開きの声が聞かれる頃です。」のように夏の季語である海開きを取り上げるのも良いでしょう。


◆ちなみに6月の初旬を表す言葉は?>>>

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3.参考情報「季語」について
(「入梅の候」などのように、〜の候をつけて使えます)

下記に季語についてご説明いたします。
ちなみに旧暦の6月は現在の7月頃にあたります(年によって少しずつずれます。詳細はこのページの項目1をご参照下さい)
1.季語とは、俳句の中で、その季節を表わすことばとして用いられるものをさします。俳句を作る際には、必ずもり込むこととされています。季題と呼ばれることもあります。
 
2. 季語は1つの俳句に1つだけしか用いません。季語を2つ以上用いることを、季語を重ねる、季重ね、季語重ねなどと言います。
3.季語をもりこまない俳句のことを、無季俳句と呼びます。また、川柳のように、世相を風刺的に表わしたり批評したりするものには、季語は不要とされています。
4.連歌や俳諧でも季の詞(きのことば)、四季の詞という形で用いられることばがあります。
※なお、手紙の冒頭部分に用いられる季節の言葉は「時候の挨拶」と言い、季語とは区別されます。
季語の一部を下記に紹介します。
(新暦と旧暦とがありますが、夏の季語の一部を掲載します)
なお季語については、別ページでもっと詳しく紹介しています>>>
分類夏の季語の例

(夏の季語ですが、6月以外の季語も含まれているため注意して使って下さい)

時候小暑、晩夏、夏の夕、秋近し、土用、卯月、入梅、梅雨寒、梅雨明け、半夏生、夏の宵、麦の秋、など
天文土用東風、夏の雲、梅雨空、朝凪、炎天、日陰、南風、逃げ水、遠雷、白南風(しらはえ)、虹、梅雨、など
地理山滴る、夏野、赤富士、植田、土用波、清水、五月山、夏の海、青田、卯月野、など
人事行水、衣替え、花火、日傘、風鈴、虫干し、菖蒲湯、暑中見舞い、林間学校、浴衣、水玉、蜜柑水、麦刈り、金魚鉢、夏帽子、団扇、サンダル、帰省、など
行事葵祭、夏場所、山開き、川開き、富士詣、など
忌日桜桃忌、晶子忌、朔太郎忌、扶美子忌、鴎外忌、など
動物初鰹、ほととぎす、金魚、かぶと虫、鮎、うなぎ、蝉(せみ)、雨蛙、ががんぼ、蛍、蝸牛(かたつむり)、蟻、など
植物青葉、若葉、若竹、夏草、朝顔、向日葵、葉桜、菖蒲、若葉、早苗、あやめ、百合、牡丹、筍、など
食物夏大根、ビール、氷水、ラムネ、鮎、鰹、さくらんぼ、土用鰻、トマト、など

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