8月の時候の挨拶》上旬・中旬・下旬の挨拶文 書き出しと結びの例文

8月の時候の挨拶、季節の挨拶のページ。季節の言葉/季節の挨拶の言葉とは、手紙やはがきの書き出しや、メールの冒頭に使われる時候の挨拶をさしており、ビジネス文書の冒頭などにも用います。8月の季節の言葉の例・文例集(初旬/上旬・中旬・下旬・8月末)を掲載します。
なお、合わせて季語も紹介します。(季語は俳句の中でその季節を表す言葉として用いられるもので、俳句には必ず盛り込むこととされています)

1.「8月」の時期について(旧暦と新暦)

 現在、日本では新暦(グレゴリオ暦)が使われていますが、季節の挨拶には、旧暦から来るものや二十四節気から来るものがあります。
 ここでは、現在の8月が旧暦のいつにあたるのか、また二十四節気の中ではどれが8月に該当するのかについて説明します。
(1)8月とはどんな季節?
・二十四節気では
(※二十四節気をすべて見る>>
立秋(りっしゅう)…二十四節気のひとつ。現在の8月7日〜8月8日頃のこと(※その年によって異なる)。
この頃から本格的に暑くなるとされる。
処暑(しょしょ)…二十四節気のひとつ。現在の8月23日頃のこと(※その年によって異なる)。
この頃から暑さが落ち着く時期とされる。
・旧暦では新暦2023年の8月1日は…旧暦では6月15日頃となる。
新暦2023年の9月15日が、旧暦では8月1日
新暦2024年の8月1日は…旧暦では6月27日頃となる。
新暦2024年の9月03日が、旧暦では8月1日
新暦2025年の8月1日は…旧暦では閏6月8日頃となる。
新暦2025年の9月22日が、旧暦では8月1日
(2)8月にまつわる言葉
土用(どよう)……本来、土用は年に4回あるが、特に立秋の前18日間が暑さが厳しい時期として知られる。
また、夏の土用の丑の日には鰻を食べる風習がある。
葉月(はづき)………陰暦の8月のこと。

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2.8月の時候の挨拶/季節の挨拶の文例・例文
(「立秋の候」などのように、〜の候をつけて使えます)

・それでは、手紙やはがきをはじめメール、ビジネス文書などに使える季節の挨拶/時候の挨拶を紹介します。
 年によって暑さ寒さなどの気候が異なります。冷夏の8月もあれば猛暑の8月もあります。その時の季節感、実際の感覚に応じて季節の挨拶を使い分けて下さい。
8月に使う時候の挨拶
8月を表わす言葉解説挨拶文 書き出しの文例・例文

[はみだし情報]
◆8月の初旬を表す言葉は?
8月7日頃は立秋です。それでは8月1日から8月7日(立秋)までの間を表す季節の言葉は?
(なお、手紙などでは先方に届くまでの日程をふまえ、「立秋」を数日前倒しで使っても構わないとされます。)
→暦の上では8月初旬の時期は基本的にはまだ夏です。手紙などでは

「暑中お見舞い申し上げます」これは立秋の前まで使え、夏の便りの代表的な挨拶文ですが、立秋を過ぎると暑中見舞いはNGで残暑見舞いとなります。
「葉月に入り蝉の声も一層賑わしい感があります」(注意:旧暦の8月は葉月となります。)などのように夏の風物詩に触れるほか、
「葉月に入り尚更秋が待たれます」
「晩夏の声も尚秋が待たれます」などと立秋前であることに触れるのも良いでしょう。
◆8月末を表す言葉は?>>>

8月を表わす言葉解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・立秋
 ・8月7日〜8日頃をさします。立秋は、二十四節気のひとつ。
この日を過ぎると秋になるとされます。
[個人あて文例]
・立秋とは名ばかりの厳しい暑さが続いています。
・暦の上では秋となりましたが、毎日暑い日が続いております。
[ビジネス文書では]
・拝啓 立秋の候 貴社におかれましては益々御清祥のこととお慶び申し上げます。
・残暑
 ・立秋を過ぎてから用いられることが多い言葉です。[8中旬、下旬]
[個人あての例文]

・拝啓 厳しい残暑が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
・拝啓 厳しい残暑が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
[ビジネス文書では]
・残暑の候 平素は格別なご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
8月に使う時候の挨拶(つづき)
8月を表わす言葉解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・土用
 ・「土用過ぎ」「土用明け」等の言葉は、立秋(8月7日頃)以降をさします。
・土用というと、立秋前の18日間をさします。
[8上旬]
・土用の頃特有のねっとりした暑さが続いています。
[8中旬、下旬]
[個人あての例文]

・土用過ぎの暑い日が続いていますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
【手紙に使う場合の結び・結語について】頭語と結語はセットになっています。「拝啓」を用いた場合の結語は「敬具」となります。
親しい間柄の相手に対する手紙で挨拶文の書き出しに[「拝啓」などの頭語を用いない場合には結び・結語も決まった語を用いません。
親しい相手への結びの例としては
「取り急ぎ近況報告まで。」
「取り急ぎお知らせまで。」
「取り急ぎお見舞い申し上げます。」
「またお会いしましょう。お元気で。」など
・晩夏
 ・8月全般に用いられる言葉ですが、暦の上では立秋を過ぎると「秋」とされるので、使い方が難しいところです。[個人あて文例]
・拝啓 ゆく夏を惜しむように花火が美しい花を咲かせています。
[ビジネス文書では]
・晩夏の候 貴社におかれましては益々ご清栄の段 心よりお慶び申し上げます。

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8月に使う時候の挨拶(つづき)
8月を表わす言葉解説挨拶文 書き出しの文例・例文
・処暑
 ・8月23日頃をさします。処暑は、二十四節気のひとつ。
この頃になると暑さが落ち着くとされます。
[8月下旬の文例]
[個人あて文例]

・拝啓 処暑を過ぎ、朝夕はいくぶん過ごしやすくなってまいりました。お変わりなくお過ごしでしょうか。
[ビジネス文書では]
・拝啓 処暑の候 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
・盆踊り
・盆
 ・昔は旧暦の7月15日が盆であった。
(※旧暦の7月15日は新暦の9月1日(2012年)、8月22日(2013年)、8月10日(2014年)
現代では、お盆の時期は、地方によって異なり、7月15日または8月15日の地方がある。
・ 盆の行事や盆踊りは立秋を過ぎてから行われるため、俳句の季語として使う場合には秋の季語。
[8月下旬の文例]
[個人あて文例]

・お盆を過ぎても蒸し暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
・盆明けからいくぶんしのぎやすくなりました。お変わりなくお過ごしでしょうか。
・朝顔
・ひまわり
 ・朝顔もひまわりもどちらも夏のイメージがある花ですが、俳句の場合の季語として使う場合には旧暦に対応するため、ひまわりは夏、朝顔は立秋過ぎの秋となります。
 もし、手紙を書く場合に、俳句の世界の季節感を大切にしたい場合には、「ひまわり」は立秋前に、「朝顔」は立秋以降に使うと良いでしょう。
 なお、「朝顔市」なら7月(夏)です。
[8月上旬の文例]
[個人あて文例]

・ひまわりが今を盛りと咲き誇っています。お元気でお過ごしでしょうか?
[8月中旬・下旬の文例]
[個人あて文例]

・朝顔の花にも名残惜しさが感じられる頃となりました。お変わりなくお過ごしでしょうか。

[はみだし情報]
◆8月末を表す言葉は?
8月23日頃は処暑です。それでは8月23日から8月31日(8月末)までの間を表す季節の言葉は?
→暦の上では8月末の時期は基本的には秋です。手紙などでは
「残暑お見舞い申し上げます」(この挨拶文は8月末まで使えます)

「処暑を過ぎても今年の暑さはひときわ厳しいようです」などのようにまだ残る暑さに触れるほか、
「葉月も残りわずかとなりました。」。
「処暑の候 」これだけでも季節を表します。
「赤とんぼが飛び始めました。気づかないうちに季節が進んでいるのでしょう。」
のように秋の季語の赤とんぼを取り上げるのも良いでしょう。


◆ちなみに8月の初旬を表す言葉は?>>>

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3.参考情報「季語」について
(「立秋の候」などのように、〜の候をつけて使えます)

下記に季語についてご説明いたします。
ちなみに旧暦の8月は、ほぼ新暦の9月にあたり(その年によって少しずつ異なりますが)秋の季語となります。
1.・季語とは、俳句の中で、その季節を表わすことばとして用いられるものをさします。俳句を作る際には、必ずもり込むこととされています。季題と呼ばれることもあります。
 
2. ・季語は1つの俳句に1つだけしか用いません。季語を2つ以上用いることを、季語を重ねる、季重ね、季語重ねなどと言います。
3.・季語をもりこまない俳句のことを、無季俳句と呼びます。また、川柳のように、世相を風刺的に表わしたり批評したりするものには、季語は不要とされています。
4.連歌や俳諧でも季の詞(きのことば)、四季の詞という形で用いられることばがあります。
※なお、手紙の冒頭部分に用いられる季節の言葉は「時候の挨拶」と言い、季語とは区別されます。
季語の一部を下記に紹介します。
(新暦と旧暦とがありますがどちらもほぼ秋の季節に該当するため、秋の季語の一部を掲載します)
手紙の中で使う時候の挨拶でも、新暦の8/7頃(立秋)以降には秋の挨拶語を使います。同等のことが俳句の季語でも言えます。なお季語については、別ページでもっと詳しく紹介しています>>
分類秋の季語の例
(秋の季語を紹介します。8月以外のものも含まれますので注意して下さい。)
時候初秋、仲秋、秋深し、秋の夜、白露、長月、行く秋、文月、稲刈時、残暑、秋惜しむ、晩秋、秋の暮、秋の夜、など
天文菊日和、秋時雨、星月夜、流星、稲妻、十六夜、鰯雲(いわしぐも)、秋雨、秋時雨、天高し、天の川、名月、秋風、など
地理山粧う、秋の野、野山の錦、不知火、枯野の色、秋の田、刈田、秋の川、盆波、秋出水、落し水、秋の浜、など
人事秋の服、灯火親しむ、秋の宿、秋団扇、菊枕、菊人形、夜なべ、月見、紅葉狩、芋煮会、牽牛、織女、稲刈、など
行事風の盆、おくんち、赤い羽、時代祭、万聖節、敬老の日、運動会、盆踊り、墓参り、七夕、十五夜、、迎え火、秋彼岸、など
忌日乃木祭、道元忌、太閤忌、広重忌、芭蕉忌、紅葉忌、など
動物雁、蛇穴に入る、蜻蛉(とんぼ)、白鳥渡る、百舌、鹿、猪、落鮎、秋刀魚、太刀魚、初鮭、秋鯖、など
植物紅葉、落葉、彼岸花、桔梗、コスモス、鶏頭、菊、栗、萩、芋、彼岸花、など
食物山葡萄、里芋、秋茄子、柚子味噌、松茸飯、林檎、薩摩芋、西瓜、とうもろこし、柿、など

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