時候の挨拶のやわらかい表現》1月から12月の季節の挨拶と例文

時候の挨拶イメージ
時候の挨拶イメージ

時候の挨拶とは、季節を表わす挨拶の言葉や挨拶文で、手紙の書き出しなどに使います。ふだんの会話の中で「暑い日が続いていますね」「朝晩は肌寒くなりましたね」というのと同じで、天気や気候や季節の移り変わりや寒暖を表わす挨拶の言葉であるのと同時に、相手の健康を気づかう意味もあります。また、俳句の季語と同様に春・夏・秋・冬の季節ごとにあります。

ここでは、よく使われるやわらかい表現の時候の挨拶を1〜12月の月別に紹介します。堅苦しくない言葉で親しい人に季節の挨拶を送りましょう。

1.時候の挨拶(やわらかい表現)の使い方

手紙の書き出しには時候の挨拶がよく用いられますが、ビジネスの手紙や、目上の相手あての手紙、あるいは招待状などのような礼儀を重視する書状にも使える「堅苦しい表現」を使う場合と、友人あての手紙などにも使える「やわらかい表現」を使う場合があります。

(1-1)時候の挨拶(やわらかい表現)

どんなときに使う?
①友人への手紙
②家族や親族あての手紙
③親しい同僚や部下あての手紙
④教え子あての手紙
⑤恋人あての手紙
書き出しの例文

「前略 長梅雨が明け、汗ばむ季節になりました。お変わりなくお過ごしでしょうか。」

「拝啓 庭の紫陽花がひときわ美しい季節となりました。ご無沙汰していますが、お元気でお過ごしでしょうか?」

(1-2)時候の挨拶(かたい表現)

どんなときに使う?
①ビジネス上の手紙(会社あて、取引先あて、お客様あてなど)
②目上の相手あての手紙(上司あて、恩師あてなど)
③一般の人あての手紙や親しくない相手あての手紙や通知
書き出しの例文

「拝啓 錦秋の候 貴社におかれましては益々ご清栄のことと心よりお慶び申し上げます。」

「拝啓 新緑の候 ◯◯様におかれましてはますますご清祥のことと心よりお慶び申し上げます。」

2.時候の挨拶(やわらかい表現)例文・文例

 手紙を書く場合には、旧暦から来る二十四節気を引用することがよくありますので、参考までに旧暦と新暦を対応表にしてみました。
 例えば2月に入って書く手紙に
「立春とは名ばかりの肌寒い日が続いています」
などと書きます。これは、暦(こよみ)の上では2/4頃に立春を迎え、この日から「春」のはずなのに肌寒いですね、という意味です。
 下記の(2-1)の季節の対応表を頭に入れて、時候の挨拶を手紙に使ってみましょう。

(2-1)新暦と旧暦の「四季・季節の対応表」

2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月
新暦
旧暦
春は新暦の2/4頃〜
=立春から
夏は新暦の5/6頃〜
=立夏から
秋は新暦の8/7頃〜
=立秋から
冬は新暦の11/7頃〜
=立冬から
 

1月の時候の挨拶(やわらかい表現)

お正月気分も抜け、ますます寒さが厳しくなってきました。
松もとれましたが、あいかわらず寒い日が続いています。
お屠蘇気分も抜け、寒さがことのほか厳しく感じられます。
孫と書いた書き初めを眺め、こたつで悦に入るこの頃です。
年初の降雪に、寒気ことのほか厳しく感じられます。
松の内も過ぎ、我が家の受験生も最後の追い込みをする時期を迎えています。
年が明け、春がひときわ待ち遠しく感じられます。
楽しかった冬休みもあっという間に終わり、寒さが現実に引き戻してくれます。
寒中お見舞い申し上げます。

(※ 寒中見舞いは、松の内(1月1日〜1月7日)があけてから立春(2月4日頃)までの間に出します)

2月の時候の挨拶(やわらかい表現)

立春とは名ばかりの肌寒い日が続いております
節分を過ぎても、あいかわらず寒い日が続いています。
春とは名ばかりの厳しい寒さが続いています。
梅のつぼみも膨らみ、日中はいくらか寒さも緩んできたようです。
余寒厳しい毎日が続いています
立春を過ぎ、本格的な春の訪れが待たれる頃となりました。
ここ◯◯では、立春とは言え真冬の寒さが続いています。
余寒お見舞い申し上げます。
この時期になるとバレンタインのときめきを懐かしく思い出します。

(※暦(こよみ)の上では2/4頃に立春を迎え、この日から「春」のはずなのに寒いという意味です。節分も「季“節”の“分”かれ目」を意味し、翌日から春という意味です。立春をすぎると寒中見舞いではなく余寒見舞いを出します。)

3月の時候の挨拶(やわらかい表現)

桃の節句を過ぎ、ようやく春めいて参りました。
寒さの中に春の気配を感じる頃となりました。
旅立ちの春を迎え、日増しにあたたかさを感じています。
ひな祭りを終え、縁側の陽射しにも暖かさを感じる頃となりました。
桃の節句を過ぎ、今年の春は例年になく穏やかです。
啓蟄を過ぎ、小川の水もぬるんで参りました。
春分を過ぎ、桜の開花が待たれる頃となりました。
いよいよ旅立ちの春、早咲きの桜に気持ちも明るくなります。
吹く風に少しずつ春の気配を感じる頃となりました。
卒業式の袴姿を見かける季節となりました。気持ちも華やぐ時期です。
道行く卒業式の親子連れに、昔を懐かしく思い出します。

(※啓蟄は3月5日頃です。暖かくなって虫などの生き物が土から這い出してくる時期です。)

4月の時候の挨拶(やわらかい表現)

真新しいランドセルの子どもたちが駆け抜けて行きます。
新入生のランドセルが春光に踊る季節となりました。
桜の花のたよりが聞かれる頃になりました。
桜の花が満開を迎えています。
今年の桜は例年より早咲きのようです。
春もたけなわの頃となりました。
この季節、日課の散歩は桜の花巡りのようです。
散り始めの桜がお堀の水面に美しく広がっています。
花の色が美しい季節になりました。
葉桜の季節となりました。
今年も燕(つばめ)が飛来する季節になりました。

5月の時候の挨拶(やわらかい表現)

鯉のぼりが気持ちよさそうに泳いでいます。
新緑の香りがすがすがしい季節になりました。
五月の空が気持ちよく晴れわたっています。
風薫る季節となりました。

風薫る5月。私が一年で一番好きな季節になりました。
田んぼの蛙が鳴きはじめました。
緑芽が日増しにその色を増しています。
田を渡る風が気持ちの良い季節となりました。
緑が美しい季節になりました。
五月らしいよく晴れた空が広がっています。

6月の時候の挨拶(やわらかい表現)

梅雨に入り、うっとうしい毎日が続いています。
あじさいの色が美しく映えるころとなりました。
長雨に紫陽花の花も濡れています。
長かった梅雨もあけ、初夏の風が爽やかな季節となりました。
一日の長さがずいぶん長く感じられる頃になりました。
清流に鮎が踊る頃となりました。
梅雨明けが待ち遠しい毎日です。
青紫のあじさいが満開を迎えています。
洗濯物がなかなか乾かない日々です。

7月の時候の挨拶(やわらかい表現)

子どもたちが大好きな水遊びをする季節となりました。
降りしきる蝉の声に夏の盛りを感じる頃になりました。
天の川がひときわ美しい季節となりました。
七夕の笹がわずかな風に揺れています。
梅雨末期の長雨がようやく明けました。
連日厳しい暑さが続いています。
海開きの便りが聞かれる頃になりました。
海山が恋しい季節になりました。
空の青さが真夏の到来を告げています。
入道雲が空に映え、まぶしい夏の到来を告げています。
暑さ厳しき折
暑中お見舞い申し上げます。
(※暑中見舞いは梅雨明けの7月初旬から立秋(8月7日頃)までの期間に出します)

8月の時候の挨拶(やわらかい表現)

立秋とは名ばかりの厳しい暑さが続いています。
暦の上では秋とはいえ、まだまだ暑さが続きますね。
八月もなかばとなり、暑さももうひと我慢です。
土用あけの暑さひとしおです。
連日厳しい残暑が続いています。
秋まだ遠く、厳しい残暑が続いています。
ひまわりが満開を迎えています。
今年のお盆休みは満喫されましたか?
立秋を過ぎ、暑さもようやく峠を越したようです。
吹く風に、ゆく夏の気配を感じる頃となりました。
今年2度めの土用の丑の日、わが家は今宵もうなぎ無しです(泣)。
(※年によっては約18日間の土用の期間中に丑の日が2回あります)
残暑お見舞い申し上げます
(※残暑見舞いは立秋(8月7日)を過ぎてから8月いっぱいくらいまでの期間に出します)

9月の時候の挨拶(やわらかい表現)

コスモスが風に揺れ、朝夕はしのぎやすくなって参りました。
秋祭りの子供達が楽しそうに駆けてゆきます。
朝の空気に爽秋の気配が感じられる頃となりました。
燕(つばめ)が南の空に帰ってゆきます。
朝夕はめっきりしのぎやすくなりました。
秋涼の風が野山を吹き渡ってゆきます。
9月も半ばを過ぎ、ようやく過ごしやすくなって参りました。
灯火親しむ頃となりました。(燈火親しむ頃となりました。)
(涼しくなって読書がしやすくなる時期に使える。9月末〜10月いっぱいくらい)

10月の時候の挨拶(やわらかい表現)

灯火親しむ頃となりました。(燈火親しむ頃となりました。)
(涼しくなって読書がしやすくなる時期に使える。9月末〜10月いっぱいくらい)
菊の花が香る季節となりました。
さわやかな秋晴れの日が続いております。
今年も田畑の実りがおいしい季節になりました。
スポーツの秋、味覚の秋となりました。
芸術の秋となりました。
天高く馬肥ゆる季節となりました。
いよいよ秋も深まって参りました。
読書の秋となりました。
秋たけなわ、なにもかもが美味しい季節となりました。
出雲に神々が集まる時期になりました。
制服も衣替えが終わり、息子の男っぷりもほんの少し上がったように見えます。
今年もハロウィンが近づいて来ました。

11月の時候の挨拶(やわらかい表現)

朝晩はめっきり寒くなって参りました。
吐く息の白さに、秋の終わりを感じる頃となりました。
街路樹もすっかり葉を落とし、ゆく秋の気配に寂しさを感じる季節となりました。
鋪道の落ち葉が冷たい雨に濡れています。
庭の紅葉も終わりを告げ、すぐ近くに冬の気配を感じる頃となりました。
新嘗祭も近づき、穏やかな気候が続いています。
向寒のみぎり
各地のもみじも見頃を迎えています。
買ったばかりのトレンチコートが活躍する時期になりました。
七五三の親子連れが嬉しそうに歩いて行きます。
暦の上では冬となり、朝夕はだいぶ肌寒くなってきました。
(11月7日頃は立冬(りっとう)で、この日から冬とされます)
今年も紅葉狩りのサイクリングが楽しみな時期となりました。

12月の時候の挨拶(やわらかい表現)

今年もおしつまって参りました。
各地で初雪の便りが聞かれる頃となりました。
今年も残りわずかとなりました。
今年は文字通りのホワイト・クリスマスです。
師走に入り、あわただしい毎日が続いております。
師走に入り何かと多忙な日々が続いております。
年の瀬の、寒さの身にしみる季節となりました。
年の瀬の、寒気いよいよ厳しい季節となりました。
一年で最もあわただしい季節になりました。
師走に入り寒さも本格的になりました。
今年の師走は一段と冷え込むようです。