【時候の挨拶・季節の挨拶】1月から12月 一覧と結びの言葉

 手紙やはがきでは、冒頭に「時候の挨拶」という、季節をあらわす言葉を用います。ふだんの会話の中で「暑い日が続いていますね」「朝晩は肌寒くなりましたね」というのと同じで、天気や気候や季節の移り変わりや寒暖を表わす挨拶の言葉であるのと同時に、相手の健康を気づかう意味もあります。
 俳句で用いられる季節を表わす言葉は「季語」と言いますが、季語と同様に、手紙やハガキで用いられる「時候のあいさつ」にも、ある程度決まったフレーズや言葉があります。このページでは、ビジネスでもプライベートでもすぐに使える時候の挨拶の言い回しの例と手紙の書き方をご紹介します。

1.二十四節気とは

旧暦で、季節を表わすめやすとして考案されたのが二十四節気だと言われています。冬至を中心として、1太陽年を24等分しています。この二十四節気も、手紙やはがきで時候の挨拶を書く際に参考になります。

二十四節気 一覧表

※この表中の日付けは年によって異なります。めやすとしてご覧ください。
※日付は新暦のいつ頃かを示す

冬至

…12/22頃。およびこの日〜小寒まで
12/7頃。およびこの日〜冬至まで…

大雪

 

小寒

…1/5頃。およびこの日〜大寒まで
11/22頃。およびこの日〜大雪まで…

小雪

 

大寒

…1/20頃。およびこの日〜立春まで
11/7頃。およびこの日〜小雪まで…

立冬

 

立春

…2/4頃。およびこの日〜雨水まで

10/23頃。および〜立冬まで…

霜降

 

雨水

…2/19頃。および〜啓蟄まで
10/8頃。および〜霜降まで…

寒露

 

啓蟄

…3/6頃。および〜春分まで
9/23頃。および〜寒露まで…

秋分

 

春分

…3/21頃。および〜清明まで
9/8頃。および〜秋分まで…白露 清明…4/5頃。および〜穀雨まで
8/23頃。および〜白露まで…処暑 穀雨…4/20頃。および〜立夏まで
8/7頃。およびこの日〜処暑まで…

立秋

 

立夏

…5/6頃。およびこの日〜小満まで
7/23頃。およびこの日〜立秋まで…

大暑

 

小満

…5/21頃。およびこの日〜芒種まで
7/7頃。およびこの日〜大暑まで…

小暑

 

芒種

…6/6頃。およびこの日〜夏至まで
 

夏至

…6/21頃。およびこの日〜小暑まで
●これらの言葉は季節を表わす言葉として、手紙の挨拶文に用いることができます。また、「〜の候」というように、候の字をつければそのまま時候の挨拶として使えます。
【手紙の挨拶言葉への使用例1】
拝啓 立春とは名ばかりの厳しい寒さが続いています。
【手紙の挨拶言葉への使用例2】
謹啓 白露の候 皆様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

2.時候の挨拶とは

日本には四季を表わす美しい言葉があります。
手紙の冒頭の「時候の挨拶」は、天気や気候や季節の移り変わりや寒暖を表わす挨拶の言葉であるのと同時に、相手の健康を気づかう意味もあります。
 以下に、季節の言葉(季節言葉、季節のあいさつ)を月別に一覧表にしてご紹介します。 
【はみだし知識】
このページは時候の挨拶のページです。
季語は、俳句で用いられるものです。よく手紙季語と思っている方がいらっしゃいますが、
季語については別ページで紹介しています。※季語のページへ>>

時候の挨拶・季節の挨拶 一覧(春・夏)

4月 (4月)
陽春の侯、桜花の候、春暖の候、惜春の候(せきしゅん)
桜の花のたよりが聞かれる頃になりました。
花の色が美しい季節になりました。
春もたけなわの頃となりました。
葉桜の季節となりました。
新入生のランドセルが春光に踊る季節となりました。
今年も燕(つばめ)が飛来する季節になりました。
5月 (5月)
新緑の侯、薫風の候(くんぷう)、立夏の候、晩春の候、
鯉のぼりが気持ちよさそうに泳いでいます。
新緑の香りがすがすがしい季節になりました。
五月の空が気持ちよく晴れわたっています。
風薫る季節となりました。
田んぼの蛙が鳴きはじめました。
緑芽が日増しにその色を増しています。
田を渡る風が気持ちの良い季節となりました。
6月 (6月)
梅雨の侯、入梅の候、紫陽花の候、向暑の候、
梅雨に入り、うっとうしい毎日が続いています。
あじさいの色が美しく映えるころとなりました。
長雨に紫陽花の花も濡れています。
長かった梅雨もあけ、初夏の風が爽やかな季節となりました。
一日の長さがずいぶん長く感じられる頃になりました。
清流に鮎が踊る頃となりました。
7月(7月)
盛夏の侯、猛暑の候、大暑の候、炎暑の候、夏祭の候
暑中お見舞い申し上げます。
降りしきる蝉の声に夏の盛りを感じる頃になりました。
天の川がひときわ美しい季節となりました。
七夕の笹がわずかな風に揺れています。
連日厳しい暑さが続いています。
海開きの便りが聞かれる頃になりました。
海山が恋しい季節になりました。
空の青さが真夏の到来を告げています。
入道雲が空に映え、まぶしい夏の到来を告げています。
暑さ厳しき折
8月(8月)
残暑の侯、秋暑の候、晩夏の候、立秋の候、処暑の候
立秋とは名ばかりの厳しい暑さが続いています。
土用あけの暑さひとしおの侯
残暑お見舞い申し上げます
連日厳しい残暑が続いています。
秋まだ遠く、厳しい残暑が続いています。
立秋を過ぎ、暑さもようやく峠を越したようです。
吹く風に、ゆく夏の気配を感じる頃となりました。
9月 (9月)
初秋の侯、野分の候、白露の候、秋分の候、秋桜の候、
コスモスが風に揺れ、朝夕はしのぎやすくなって参りました。
秋祭りの子供達が楽しそうに駆けてゆきます。
朝の空気に爽秋の気配が感じられる頃となりました。
燕(つばめ)が南の空に帰ってゆきます。
朝夕はめっきりしのぎやすくなりました。
秋涼の風が野山を吹き渡ってゆきます。

時候の挨拶・季節の挨拶 一覧(秋・冬)

10月 (10月)
秋冷の侯、菊花の候、霜降の候、紅葉の候、仲秋の候、灯火親しむ候、
菊の花が香る季節となりました。
さわやかな秋晴れの日が続いております。
今年も田畑の実りがおいしい季節になりました。
灯火親しむ頃となりました。
(燈火親しむ頃となりました。)
スポーツの秋、味覚の秋となりました。
芸術の秋となりました。
天高く馬肥ゆる季節となりました。
いよいよ秋も深まって参りました。
11月(11月)
晩秋の侯、向寒の候、立冬の候、落葉の候、深秋の候
朝晩はめっきり寒くなって参りました。
吐く息の白さに、秋の終わりを感じる頃となりました。
街路樹もすっかり葉を落とし、ゆく秋の気配に寂しさを感じる季節となりました。
鋪道の落ち葉が冷たい雨に濡れています。
庭の紅葉も終わりを告げ、すぐ近くに冬の気配を感じる頃となりました。
向寒のみぎり
12月 (12月)
初冬の侯、師走の候、歳末の候、冬至の候、大雪の候、
今年もおしつまって参りました。
師走に入り、あわただしい毎日が続いております。
師走に入り何かと多忙な日々が続いております。
年の瀬の、寒さの身にしみる季節となりました。
年の瀬の、寒気いよいよ厳しい季節となりました。
一年で最もあわただしい季節になりました。
師走に入り寒さも本格的になりました。
今年の師走は一段と冷え込むようです。
1月 (1月)
厳寒の侯、初春の候、大寒の候、新春の候、小寒の候、
お正月気分も抜けてますます寒さが厳しくなってきました。
松もとれましたが、あいかわらず寒い日が続いています。
松もとれ、厳しい寒さが続いています。
松の内も過ぎ、寒気ことのほか厳しく感じられます。
年が明け、まだ来ぬ春が待ち遠しく感じられます。
新年早々ではございますが、
寒中お見舞い申し上げます。
2月 (2月)
余寒の侯、立春の候、春寒の候、節分の候、春浅の候
立春とは名ばかりでまだまだ寒い日が続いております
節分を過ぎましたのに、あいかわらず寒い日が続いています。
春とは名ばかりの厳しい寒さが続いています。
梅のつぼみも膨らみ、日中はいくらか寒さもゆるんで参りました。
余寒厳しい毎日が続いています
立春を過ぎ、本格的な春の訪れが待たれる頃となりました。
雪深い当地では、立春とは言え真冬の寒さが続いています。
3月 (3月)
早春の侯、春暖の候、浅春の候、春寒ゆるむ候、
桃の節句を過ぎ、ようやく春めいて参りました。
寒さの中に春の気配を感じる頃となりました。
旅立ちの春を迎え、日増しにあたたかさを感じています。
ひな祭りを終え、縁側の陽射しにも暖かさを感じる頃となりました。
桃の節句を過ぎ、今年の春は例年になく穏やかです。
啓蟄を過ぎ、小川の水もぬるんで参りました。
春分を過ぎ、桜の開花が待たれる頃となりました。

3.手紙の構成と手紙の書き方(頭語と結語 結びの言葉)

手紙の構成には、およその決まりがあります。
頭語、時候の挨拶、相手の健康を気づかう言葉、本文、変わらぬおつきあいをお願いする言葉、相手の健康や発展を祈る言葉、結語、日付け、宛名、差出人となります。
※はがき、絵葉書の書き方もこれに準じます。このページでご紹介している手紙の季節の言葉はそのままお使いいただけます。
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手紙の構成と書き方

御礼の文章例
季節言葉
順序解説
1-1.頭語
 ●頭語と結語を用いる。
 頭語「拝啓」で書きはじめる場合は、結語「敬具」で結びます。
 頭語と、結語のペアは、決まった組み合わせがあります。
 ◎頭語「拝啓」−結語「敬具」
 ◎頭語「謹啓」−結語「敬具」
●このような頭語と結語は、堅苦しくなるので、親しい間柄なら省略してもよいでしょう。
1-2.時候の挨拶 季節の挨拶言葉
 ●頭語のあと、自分の言葉で季節感を述べる文が続きます。
 春夏秋冬それぞれの季節の時候の挨拶を述べます。
2. につづく
手紙の構成と書き方 つづき
順序解説
2.健康状態や安否を尋ねる
 ●良く使われるあいさつ文例(例文・例)
「◯◯様におかれましてはお元気でお過ごしのこととお慶び申し上げます」
「皆様お健やかにおすごしのことと心よりお慶び申し上げます」
「ご無沙汰いたしておりますがお変わり無くお過ごしでしょうか」
など。
3.4.本文
 3.●この例はお礼状なので、まずはお礼の言葉を述べる
4.●用件や気持ちを伝える部分。なるべく具体的に書くのがおすすめ
 
5.おつき合いや支援をお願いする言葉
 ●おつき合いや支援をお願いする言葉を入れます。
【例文】
「今後ともよろしくお願いします」
「これからも御指導のほどよろしくお願いします」
「変わらぬご交誼のほどよろしくお願い申し上げます」
など。
6.結びの挨拶・結びの言葉・結びの文1
(相手の健康を気づかい、幸せを祈る言葉)
 ●相手の健康を気づかう場合が多い。「ご自愛ください」は代表的な文例。
●あるいは「ご健勝とご活躍(ご発展)をお祈り申し上げます」なども加える。
7.結びの挨拶・結びの言葉・結びの文2
(お礼まで)
 ●本例は礼状のため、この言葉を入れました。
お礼状だけでお返しの品はありませんという意味です。 通常の手紙なら、不要です。
似たような文章に「取り急ぎお礼まで」がありますが、「取り急ぎ」がつくと、相手によってはより一層略式であることが強調されてしまう印象になります。目上の相手には使わない方が無難です。
[結びの言葉・結びの文ワンポイント]
目上の相手あての場合や丁寧な文章にする場合には…「略儀ながら書面にて失礼申し上げます」などと書き添えると丁寧です。「略儀ながら」は、「礼儀としては略式になりますので、まことに恐縮ながら」という意味です。そのような場合には「お礼まで」や「取り急ぎお礼まで」などの一文は書きません。
8. につづく
手紙の構成と書き方 つづき
順序解説
8 日付
 ●本文よりも少し下げて漢字で書きます。
 
9 差出人名
 ●縦書きなら 行の一番下のほうに。
 横書きなら 行の一番右のほうに。
●妻が夫の名で手紙を書くときは、
  縦書きでは 夫の名の横、
  横書きでは 夫の名の下に、
 小さく「内」と書きます。
 
10 相手の名
 ●本文の高さと合わせます。
●便箋の最後の行は一行あまるように
 日付や差し出し人名の行を調整します。
 
※参考…季節の手紙の書き方と、出す時期>>>
※参考…季節の挨拶文(月別 ) >>>

4.参考情報「季語」について

下記に季語についてご説明いたします。
1.季語とは、俳句の中で、その季節を表わすことばとして用いられるものをさします。俳句を作る際には、必ずもり込むこととされています。季題と呼ばれることもあります。
2.季語は1つの俳句に1つだけしか用いません。季語を2つ以上用いることを、季語を重ねる、季重ね、季語重ねなどと言います。
3.季語をもりこまない俳句のことを、無季俳句と呼びます。また、川柳のように、世相を風刺的に表わしたり批評したりするものには、季語は不要とされています。
4.連歌や俳諧でも季の詞(きのことば)、四季の詞という形で用いられることばがあります。

※手紙の季語について
手紙の冒頭部分に用いられる季節の言葉は「時候の挨拶」と言い、季語とは区別されますが、季節感を表す言葉として手紙の冒頭に季語が用いられることはあります。
なお季語については、別ページ「季語』でもっと詳しく紹介しています>>>

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