始末書と反省文の違いは?始末書は不始末やトラブルを詫びる反省文的な色あいが濃いため両者はとても良く似ているのですが、始末書は「始末」という語のとおりトラブルやミスが発生した際に、その始まりから終わりまでの事情・経緯を記載した上で詫びる文書です。これに対し反省文は失敗やトラブルについて自分の良くなかった点をかえりみて改める気持ちを述べる文書です。一般的には、反省文は始末書よりも軽微なミスや失敗をおこした際に提出します。
もうひとつ、良く似た言葉に顛末書がありますが、顛末書はトラブルやミスの際に社内あて報告書として作成されます。
1.始末書と反省文の違いとは? |
[始末書と反省文の違い]●始末書とは、反省や謝罪の気持ちを表す文書 始末書は一言で言えば「反省文」でしょう。ただし反省文との若干の違いは仕事上、ミスや不始末、あるいはトラブルが発生したときに、「始末」という言葉の通り「はじめからおわりまで」つまり問題やトラブルの一部始終を会社(社内)に対して報告した上で、同時に反省や謝罪・お詫びの意を表わすという点です。 特に始末書は、社内処分を伴うような場合に反省文として多く用いられます(例えば、懲戒、訓告、戒告その他)。
●反省文とは、自分の良くなかった点をかえりみて改める気持ちを述べる文書 反省文は失敗やトラブルについて自分の良くなかった点をかえりみて改める気持ちを述べる文書です。みずからの行動や心に向き合う割合が多いとも言えます。
●始末書と反省文、どちらが重い?反省文は始末書よりも軽微な失敗やミスを引き起こした際に提出します。提出先は直属の上司であるケースがほとんどでしょう。 もし上司に反省文の提出を求められた場合には「始末書」よりは軽い、教育指導の一つと思われます。 具体的には、 金銭的な損害が発生しないものや、全社的に共有する必要のないミスの報告であり、原因となる本人が反省することで明らかに改善が見込めるものなどです。 そのため、始末書は企業・職場などのビジネスシーンで処分の一つとして科されるのに対し、反省文は学生や生徒、児童に対しても科されることがあるものです。
●社内用?社外用?始末書は一般的には社内用です。 反省文は社会人の場合には社内用、あるいは職場内などが大半でしょう。学生、生徒、児童が反省文を書く場合には、大半が担任の教師や校長あてですが、特に相手先を限定するものではありません。
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2.始末書と顛末書と反省文の違いは? 比較表 |
それでは始末書と顛末書と反省文の違いを比較してみましょう。 |
始末書と顛末書と反省文の違い 比較表 |
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1)社内文書?社外文書? |
始末書 | 顛末書 | 反省文 |
始末書は、基本的には社内文書 | 顛末書も基本的には社内文書だが、役所や公的機関に提出する文書の中には顛末書という名称がつく書類もある。 | 社内文書として使われるほか、学生、生徒、児童が書くこともある。 |
2)手書き?パソコン作成? |
始末書 | 顛末書 | 反省文 |
始末書は、原則として反省文であるため、便箋に手書きすることもある。 パソコンで作成することもある。 | 顛末書は基本的にはパソコンで作成する。 | 便箋に手書きすることもあるほか、学生や生徒の場合には原稿用紙に書くこともある。 厳密な決まりはないのでパソコンで作成しても良い。 |
3)誰が書く?誰が作成する? |
始末書 | 顛末書 | 反省文 |
始末書は、ミスや不始末をした当人・本人が書く(または作成する)。 | 顛末書は客観的で公平な立場からの視点で書くことが求められるため、必ずしもトラブルの当事者本人でなくても構わない。最も適任と思われる立場の人が作成する。 場合によっては提出時にも、作成者だけでなく関連部署長や責任者の氏名、印を上下等に並べて記載する。 | 反省文は、ミスや不始末をした当人・本人が書く(または作成する)。 |
つづく |
始末書と顛末書と反省文の違い 比較表(つづき) |
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4)書式は? |
始末書 |
| 始末書は必ずしもビジネス文書の体裁で作成するとは限らない。便箋に手書きするのが正式とされるが、会社によってはパソコンでの作成が認められているケースもある。 便箋に手書きの場合には縦書き。まずは表題を書き、行を変えて本文を。最後に日付と本人の所属部署、氏名を書く。 パソコンで作成する場合にはレイアウトをビジネス文書の体裁にすることもある。 ビジネス文書の体裁とは左上に宛名、右上に日付を書いたのち、中央にタイトル「始末書」、更に右に作成者の所属部署、作成者の氏名を書くもの(ビジネス文書のレイアウトとは下の顛末書の見本画像のような書式)。 |
顛末書 |
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顛末書はビジネス文書の体裁で作成する。 ビジネス文書の体裁とは、左上に宛名、右上に日付を書いたのち、中央にタイトル「顛末書」、更に右に作成者の所属部署、作成者の氏名を書くもの。 (レイアウトは見本画像のような書式) |
反省文 |
| 反省文は必ずしもビジネス文書の体裁で作成するとは限らない。便箋に手書きするほか、学生の場合には原稿用紙に書くよう指示されることもある。 職場の場合、会社によってはパソコンでの作成が認められているケースもある。 便箋に手書きの場合には縦書き。まずは表題を書き、行を変えて本文を。最後に日付と本人の所属部署、氏名を書く。 パソコンで作成する場合にはレイアウトをビジネス文書の体裁にすることもある。 (ビジネス文書のレイアウトとは上の顛末書の見本画像のような書式)。 ※ 反省文の書き方>>> |
つづく |
始末書と顛末書と反省文の違い 比較表(つづき) |
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5)主な使用シーン。どんな時に使う? |
始末書 |
1会社に金銭的損失を負わせた場合など(1)金銭の紛失、 (2)帳簿の不一致 (3)什器・備品やデータなどの紛失、 (4)物品や機材・什器・建物の破損(器物破損) (5)在庫データ、出荷データ、納品データの不一致 など。 直接的に金銭にかかわるものだけでなく、データなどの間接的なものも含む。
2.社内規定に違反した場合など(1)就業規則、服務規程に違反した場合 (2)社会通念、一般常識にてらして明らかにNGとみなされるものなど。 法律、法規に違反した場合も始末書の提出を求められるケースがある。但し重篤な社会規律違反の場合は、始末書の提出無しで、解雇などの重い処分になることもある。
3.会社の社会的イメージを著しく傷つけた場合など(1)商品の不具合、サービスの不備 (2)顧客や取引先に迷惑をかけた (3)許可無く会社の名前を使用した (4)近隣の住民や、周辺団体への迷惑行為 など。 これも直接的なものだけでなく、損害賠償などの間接的なものも含む。 |
顛末書 | 反省文 |
・商品やサービスに不備、不具合があった場合 ・事務処理や手続き上のミスがあった場合 ・事故や不祥事があった場合 | ・就業規則違反のうち軽微なもの(例えば遅刻など) ・酒の席での大失敗 ・安価な備品の紛失や破損 ・リカバリーが可能な、業務上の報告漏れや報告の遅れなど。
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始末書と顛末書と反省文の違い 比較表(つづき) |
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6)記載する内容は? |
始末書 | 顛末書 | 反省文 |
始末書は、二度と同じ過ちは繰り返さないという反省文・謝罪文。
日付、宛名、タイトル 、所属と氏名を入れる。本文にはトラブルやミスの内容と、原因、対策を示す文章を必ず入れる。
| 顛末書は問題やトラブルの一部始終を報告するための文書。トラブル報告書。 (1)いつ、どこで、どのようなことがおこったのか (2)被害や損害の程度はどのくらいか (3)現状の対応はどうなっているか (4)今後の対策はどうするのか (5)担当者としての意見 などを記載して提出。
| 日付、宛名、タイトル 、所属と氏名を入れる。 本文には、自らのミスや失敗をかえりみて改める気持ちを述べる。 |
7)提出のしかた |
始末書 | 顛末書 | 反省文 |
始末書は正式には封筒に入れて提出する。 封筒は白無地の二重封筒。宛名は不要で、正面中央に「始末書」と黒字(筆またはペン)で書く。 封筒の裏面には所属部署と氏名を書く。 | 顛末書の提出の際は封筒は不要。ただし公的機関に提出する特殊な顛末書の場合にはその指示に従う。 | 白い無地の封蝋に入れるのが丁寧な形だが、会社店職場によっては封筒に入れずそのまま反省文を書いた紙のみを提出する。
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8)いつ提出する? |
始末書 | 顛末書 | 反省文 |
始末書は、不始末やミスやトラブルがわかったらすぐに、あるいは、処分が下されたらすぐに、なるべく早く提出する。 但し、事態が終息してから提出するのが原則でありため、もし、不具合や欠陥などにより継続した調査が必要な場合には、まずは迅速な報告を心掛け、始末書はあとにまわすことになる。 いずれにしてもできるだけ早く上司に申告、報告、および謝罪をし、改めて書面でお詫びの気持ちを述べるのが良い。 | 顛末書は、事故やトラブルがわかったらすぐに、あるいは、対応を終えたらすぐに、なるべく早く提出する。 但し「顛末」という言葉のとおり、ある程度事態が終息してから提出するのが原則であり、もし、何らかの継続した調査が必要な場合には、まずは別の形での迅速な報告を心掛け、顛末書はあとにまわすことになる。 いずれにしてもできるだけ早く上司に申告、報告をし、全社的に再発防止と改善に努めることが重要。 | 反省文はミスや失敗をしてしまったらすぐに、あるいは提出するように指示されたらなるべく早く提出する。 |
9)その他 |
始末書 | 顛末書 | 反省文 |
始末書をパソコンで作成することを認める会社も増えてきているが、氏名の部分だけは手書き・自著としたい。 | 顛末書は報告書なので、データや図面、画像などの添付資料、書類などを一緒に提出することが多い。 | 反省文は手書きが基本。パソコンで作成することが認められている場合でも氏名の部分だけは手書き・自著としたい。 |
【参考ページ】下記は別ページ |
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事故の始末書>>> | 始末書 社内規定違反, 紛失>>> |
始末書の書き方>>> | 始末書 会社の鍵 紛失 >>> |
始末書 遅刻>>> | 始末書 社員証 紛失>>> |
始末書 交通事故>>> | 始末書 スマホ,携帯紛失>>> |
始末書 営業車損傷, 納品ミス>>> | 始末書 金銭紛失 >>> |
始末書 パワハラ>>> | 始末書 封筒>>> |
始末書 ミス、レジミス>>> | 始末書 用紙>>> |
始末書 社外(特例)>>> | 始末書 縦書き>>> |
始末書 車両破損,商品,物品破損>>> |
始末書 部下の不祥事・不始末>>> |
始末書 書き方、文例テンプレート・フォーマット(ワード・エクセル)>>> |
始末書のテンプレート(就業規則違反)>>> |
始末書のテンプレート(金銭紛失)>>> |
始末書のテンプレートExcel(備品破損, 社用車無断使用)>>> |
始末書のテンプレートWord(社用車損傷, 残業時間超過)>>> |
▼ 反省文の書き方>>>(反省文の用紙・封筒) |
▼ 始末書と顛末書の違い 別のページ |