結納》結納とは・意味・流れ・結婚・挨拶/結納金/相場/結納返し/口上/目録

 結納とは、結婚が決まった両家の縁組みの儀式です。基本的には新郎の家から新婦の家へ、婚礼の用意(衣装、嫁入り道具など)のための費用や贈り物を贈るのがならわしとなっており、新婦の側からは結納返しを渡します。結納という儀式自体は、もともとは仲人をたてて行なわれるものでしたが、最近は仲人をたてず、両家の両親と、新郎新婦だけで行なわれる結納も多くなっています。
 このページでは結納の準備のしかたや費用の目安、儀式の流れなどについてご説明します。

1.結婚が決まってから挙式まで(結婚式まで)

結婚が決まったら、まずはお二人でそれぞれのご両親にご挨拶に伺います。
結婚が決まってから挙式までのだいたいのスケジュールをご説明しましょう。
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結婚式までの流れ
順序とポイント説明

1.ご両親への挨拶

●ご都合を確認してから伺う。
 ●女性宅に伺う際は女性が、男性宅に伺う際には男性が、それぞれ自分の両親の都合を聞きます。 ご両親の都合をきちんと確認した上で挨拶に伺います。
●服装はきちんと
 ●相手方のご両親にご挨拶する場合は、男性はスーツ、女性もスーツかワンピースなどが望ましいと思います。
● 自分の両親のところに相手が挨拶に来る際も、同席する際のバランスを考え、あまりカジュアルになりすぎないようにしましょう。
●手土産を持参する
 ●先方のご両親が好きなものが良いと思います。事前に二人で情報交換をしましょう。
●のしは不要ですが、もしつける場合は、お二人のご縁が二度とほどけないように紅白の結び切りののしを用います。蝶結びはダメ。 お店の人には「外のし」で包装を依頼しましょう。下段に姓を書きます。
●話題
 ●男性なら、家庭環境、仕事、収入、趣味、結婚後の生活設計などについて、聞かれたら答えられるようにしておきましょう。
●女性なら、家庭環境、仕事、趣味や習い事、結婚後の仕事のことなどについて、 聞かれたら答えられるようにしておきましょう。
●結婚についてのご挨拶
 ●「今日はお願いがあって参りました。私は○○さんと結婚をしたいと考えています。先日、ご本人からは承諾を頂きました。今はまだ未熟ですが、○○さんとなら幸せな家庭を築いていけると思っています。どうか結婚をお許し下さい」
●その他の話題
 ●男性なら、家庭環境、仕事、収入、趣味、結婚後の生活設計、どこに住むかなどについて、聞かれたら答えられるようにしておきましょう。
●女性なら、家庭環境、仕事、趣味や習い事、結婚後の仕事のことなどについて、 聞かれたら答えられるようにしておきましょう。
結婚式までの流れ(つづき)
順序とポイント説明

2.両家の両親の顔合わせ

●場所、時間の設定
 ●ホテルやレストランなどを予約して行うほか、どちらかのお宅で行う場合も多いようです。
●通常は、新郎側から新婦側のご両親に声をかけます。
●お見合いの場合は、仲人にも状況を申告します。両家の顔合わせには仲人も同席します。
●食事を一緒に取る場合は、嫌いな食 べ物がある場合を考慮し、双方にあらかじめ尋ねて和食か洋食かを決めると良いでしょう。
●手土産を持参する
 ●両家の初対面の日です。できれば手土産を持参しましょう。遠方の方とのご縁の場合は、地元の銘品でも良いでしょう。
●のしは、お二人のご縁が二度とほどけないように紅白の結び切りののしを用います。蝶結びはダメ。お店の人には「外のし」で包装を依頼しましょう。下段に姓を書きます。
●話題
 ●男性側がご自分の家族を紹介してから、女性側がご自分の家族を紹介します。お見合いによるご縁の場合でお仲人さんが同席する場合は紹介はお仲人さんが両家の紹介を行ないます。
●家庭環境、両人の趣味や人柄、結婚後の仕事や生活、結婚後の住まいについてなど相談をします。
●できればこのときに結納についても打合せをしましょう
1)結納の日取りを決めます。
お日柄の良い土日の午前中が良いでしょう。仏滅はさけるのが普通です。
・仲人をたてる、たてないはご両家およびご本人の自由です。会社の上司、恩師、お世話になった方などに依頼します。仲人と新夫婦とのおつき合いは原則として一生続くものです。良く考えて相談して決めましょう。
2)結納の形式を決めます。
結納の形式は地方によって異なります(一般的に関東よりも関西の結納品が高額です)し、それぞれに正式なもの、略式なものがあります。
なお、もしも例えば関西の男性と関東の女性が結婚するといった場合、男性の側のしきたりに習うのが普通です。但しこれも決まりがあるわけではありませんので、両家で良く相談して決めましょう。
3)結納のあと、祝い膳を囲むかどうかを決めます。
ホテルなどを会場とする場合には、祝い膳つきのパックもあります。
[はみだし情報]世話人と仲人と媒酌人
…結納の儀式に仲人をたてるかどうか、迷いますよね。
皆さんが耳にしたことのある世話人、仲人、媒酌人という呼び名についてですが、厳密にはそれぞれ異なる任を担うようです。
世話人とは?…お見合いの縁を結ぶ人。結婚を考えている2人を引きあわせ、二人の縁をとりもつ人が世話人です。
仲人とは?…結婚が決まった2人、および両家の縁組みをするのが仲人です。
媒酌人とは?…披露宴で新郎新婦の仲立ちをする人が媒酌人です。
しかしもちろん「仲人」が「お見合い」「結納」「結婚式」「披露宴」の、すべての場を担うこともあります。
本来のしきたりでは「転勤」「昇進」「出産」と、仲人と新夫婦のお付き合いは続いてゆきます。結納に仲人をたてるかどうかで、新夫婦の今後のおつきあいも決まってくるわけです。こうしたこともふまえて、きちんとした作法やマナーはひととおり頭に入れておきましょう。

2.結納の準備

結納品には縁起の良い品を揃えた「結納飾り」を用意します。結納飾りは関東風・関西風をはじめ、地方によって形式も価格も異なります。
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結婚式までの流れ(結納 その1)
順序とポイント説明

1 結納の前日までにする準備

「結納」とは、結婚が決まった両家の縁組みの儀式です。
基本的には新郎の家から新婦の家へ、婚礼の用意(衣装、嫁入り道具など)のための費用や贈り物を贈るならわしとなっており、新婦の側からは結納返しを渡します。
 結納という儀式自体は、もともとは仲人をたてて行なわれるものでしたが、最近は仲人をたてず、両家の両親と、新郎新婦だけで行なわれる結納が多くなっています。 同居の兄弟姉妹も同席のうえで行われることもあるようです。要は新郎新婦の末長い幸せを祈り、両家が縁組みをするための儀式ですから、あまり堅苦しく考えず、仲人の有無、場所、日取りなどについて、両家で良く相談して決めましょう。
●結納の場所を予約する
 ●結納の儀式は本来は女性のご自宅でするものですが、他に、ホテルや結婚式場の個室などで行なう場合もあります。
自宅以外の場所で行なう場合には、結納品(結納飾)のセッティングが必要な場合に備え、予約の際に「結納のための予約です」と、目的をきちんと伝えます。
なお、ホテルなどで結納パックを利用することもできます。個室での結納プラスお食事会がセットになったプランもあります。予約の際に確認してください。
●結納品(結納飾り)を準備(購入)する
 ●結納品として両家の縁を結ぶ、縁起の良い品が決まっています。
地方色が非常に豊かな儀式です。別の項【結納品一式】を参照してください。
●婚約指輪や結納返し(記念品)を準備する
 ●別の項【結納品一式】を参照してください。
●結納の日の衣装を用意する
 ●結納当日の衣装は、両家のバランスが大切です。
一方が正装で、他方が略礼装というわけにはいきません。また、仲人だけが正装というのも失礼にあたります。正装〜略礼服というのが一般的です。
[結納の日の服装]
服装の格男性女性
正装[洋装]
モーニングコート、
タキシード
[和装]
紋付袴
[洋装]
アフタヌーンドレス
[和装]
母・仲人…黒留袖、色留袖、
娘…大振袖、中振袖
準礼装[洋装]
ディレクターズスーツ、
サックコート、
タキシード
[洋装]
アフタヌーンドレス、カクテルドレス
[和装]
ミセス・ミス区別なし…色無地紋付。訪問着染抜の三つ紋または一つ紋。
略礼服[洋装]
ブラックスーツ
[洋装]
セミアフタヌーンドレス、カクテルドレス
[和装]
付下げ。色無地(背紋1つ)。上品で華やかな小紋。
略装・略服[洋装]
ブラックスーツ、 ダークスーツ
[洋装]
スーツ、ワンピース
結婚式までの流れ(結納 その2)
順序とポイント説明

2 結納当日

●手土産、謝礼
 ●当日手渡す手土産や、仲人への謝礼を用意しておきましょう。
●女性の自宅で結納を行なう場合は、男性は手土産を持参します。女性の側も儀式が終わったあとで男性の両親に(仲人が同席する場合は仲人にも)持ち帰って頂く引出物を用意します。
いずれの場合も、 のしは紅白の結び切りで、上段は「寿」下段に姓を書きます。
●ホテルで結納を行なう場合には、最近は「結納パック」のようなサービスプランもあります。両家および仲人への引出物もプランに入っている場合もあるので、予約の際に良く確認しましょう。
●仲人への謝礼は、両家それぞれが「寿」の熨斗袋を、そして、女性側は「お車代」も含めた2つを用意します。のしの水引きは結び切りを用います。
お車代は仲人宅から結納会場までの交通費プラスアルファで、キリの良い額を。
寿の熨斗袋の方は、ご祝儀として結納金の1〜2割を包みます。
結納後、祝い膳を囲まない場合は、女性側が仲人に「酒肴料」を別途お渡しします。
●結納品(結納飾り)
 ●結納の前日までに内容を点検し、飾り方をおさらいしておきましょう。
●手土産
 ●女性の自宅で結納を行なう場合は、男性は手土産を持参します。女性の側も儀式が終わったあとで男性の両親に(仲人が同席する場合は仲人にも)持ち帰って頂く引出物を用意します。
いずれの場合も、 のしは紅白の結び切りで、上段は「寿」下段に姓を書きます。
●ホテルで結納を行なう場合には、最近は「結納パック」のようなサービスプランもあります。両家および仲人への引出物もプランに入っている場合もあるので、予約の際に良く確認しましょう。
●服装
 ●服装は、両家で事前に相談し、バランスをとりましょう。【結納時の服装】
●結納の儀
 ●事前に儀式進行を確認しておきましょう。【結納の儀式の流れ】
●お開き
 ●結納が終了したら、仲人に謝礼を渡します。事前に用意した「お車代」、「寿」の熨斗袋のご祝儀(両家より1つづつ)、祝い膳を囲まない場合は「酒肴料」を手土産と一緒にお渡しします。
のしの水引きは「結び切り」のものを用います。基本的に仲人に渡すお車代、酒肴料は女性側が負担します。
結婚式までの流れ(その3)
順序とポイント説明

3 荷送りおよび結婚式の準備

●結婚式の相談をする
 ●結婚式の形式を決める
神前結婚、教会式、人前結婚等、どんな結婚式にするのか相談をする。
●結婚式場、披露宴会場の予約をする
 ●実際に神社や教会で挙式するのか、ホテル内のチャペル等で挙式するのかを決める。
●現住所や職場の近くで挙式するのか、実家の近くで挙式するのかを決める。
 同様に、披露宴は職場や現住所で行うのか、実家の近くで行うのかを決める。
●挙式と披露宴を同日に行うのか、日を改めて行うのかを決める。
●招待客の人数を確認し、式場の場所(両家の中間、新郎の職場の近郊など)を決める
●披露宴のスタイルを決め、会場を予約する。
●婚礼の荷物を整える
 ●住まい、家具、家電品などを整える。
 
●荷送りの儀
 ●婚礼の2〜3週間前の、お日柄の良い日に「荷送り」の儀式を執り行います。
※結納返しをこの時に行なう場合もあります。 ●婚礼のために女性側が整えた家具などの嫁入り道具の目録を作成し、新居に搬入します。
●披露宴の準備をする。
 ●招待状の宛名書き、返信のとりまとめ。
●引出物の用意
●披露宴の式進行の打合せなど。
●新婚旅行の手配
 ●旅行用のカバン、パスポートなどの準備も忘れずに。
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3.結納の費用の相場・目安

大きく分けると結納には以下の費用が必要です。

結納にかかるそれぞれの費用の相場

1. 会場費(ホテルなどで行なう場合)
ホテルの場合、結納パックなど、結納後の祝い膳も含むプランもあります(結納プラスお食事会となります)。費用は折半または女性側が負担します。
2. 結納金(男性側が用意します)
金宝包、小袖料、京都では「御帯料・帯地料」、神戸では「宝金」とも言われます。
男性側の家が女性側の家に対し、嫁入りのための支度金を渡すものです。
50万円、70万円、100万円、150万円、200万円といったキリのよい金額が一般的です。
地域により金額が異なりますが、最も多いのは100万円
だそうです(東海地区)
なお、結納金と婚約指輪は別です。
3. 結納飾り(男性側が用意します)
結納飾りの費用の目安は、3万円〜10万円程度。もっと高価なものもあります。地域により、結納飾りの形式や金額に差があります。
一般的に西日本のほうが、 東日本よりも高価な飾りを用います。
男性と女性の家が遠方の場合は、男性の側の地域のしきたりに従うケースが多いようです。
4. 衣装代
結婚を予定している女性は、振袖を持っていれは、振袖を着用することができますが、それ以外に、男性の略礼服や親族の礼装が必要です。【結納の日の服装】
5. 酒肴代
酒肴代のめやすは、結納金の10%程度です。
結納を女性宅で行なう場合には、結納の儀式のあと女性宅で祝い膳を囲むことがあります。祝い膳は、女性側がお料理を用意します。
女性宅では準備が大変ですが、 仕出し屋さんを利用する等、賢い切り抜け策もあります。
基本的にこのときに必要な費用は、女性が負担しますが、男性側では結納品の一部の「家内喜多留」「清酒料」という名目で、結納金の10%程度の額をお渡しします。
6. 仲人への謝礼
引出物(または手土産)とご祝儀をお渡しします。
まず、ご祝儀については両家がそれぞれ結納金の1〜2割を包みます。つまり仲人へは両家からそれぞれ手渡します。
その他に引出物または手土産を用意します。
結納会場へのお車代および、祝い膳を囲まない場合の「酒肴料」、「引出物(または手土産)」は女性側が負担する場合が多いようです。
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6. 結納返し 次のページ
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