略式結納とは?正式な結納との違いは?流れ・やり方・手順など

略式結納のページです。
結納とは、結婚が決まり婚約が成立した証しとして両家が取り交わす儀式です。最近では仲人をたてずに行う結納や、結納飾りについても品数が少ないものを用いる等の略式結納が多くなってきています。このページでは略式結納の仕方・やり方(準備、飾り付け、当日の席順)、結納の際に述べる口上(=「こうじょう」と読む。口頭で事柄を伝えることをさす)、略式結納の目録と受書、結納をしない場合の会食などについて説明します。
[関連ページ]
3. 略式結納の結納飾り・結納セット 次のページへ
4. 略式結納の目録と受書  次のページへ
5. 食事会 次のページへ
[参考ページ]
結納のマナー
結納の服装
結納の目録と受書
結納金
お祝いののしの書き方
仲人のマナー
結婚式の準備

1.略式結納とは(正式な結納と略式結納の違いは)

●結納とは、婚約が成立したしるしとして両家が取り交わす儀式です。結納の儀式を作法通りに行うご家庭もある一方、最近は、さまざまな面を簡略化し、略式結納を行うご家庭も増えてきています。地域によってもしきたりに大きな違いがありますので、結婚が決まった両家の間で良く相談して下さい。
最も多くなってきているのが仲人なしの結納です。本来は仲人をたてて行う儀式であり、仲人は両家の間を行き来し、結納品を納めるのですが、最近では女性宅に両家が一堂に会して仲人なしで行う略式結納が増えてきています。また会場も女性宅ではなく外の会場(ホテルなど)を利用するケースもあります。
 さらに、結納自体を行わず、両家が揃う席を設けて婚約の報告と顔合わせを行うお食事会などの自由な形式もあります。
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正式な結納と略式結納の比較表

ここでは正式な結納と、略式結納を比較してご紹介します。
(1)〜(4) の項目の中でどれか1つでも簡略化したものは略式結納です

(1)仲人

正式な結納略式結納
正式な結納では仲人をたてる
縁談やお見合いの時点から仲人にお世話になっている場合には、基本的に仲人ありで結納を行います。
恋愛結婚の場合で、仲人を依頼するなら、結納、結婚式、披露宴の3ステップの仲人を依頼する場合もあり「頼まれ仲人」と呼びます。
結納は両家だけで行い、結婚式、披露宴の2ステップのみ仲人を依頼する場合は下欄↓。
仲人をたてない
恋愛結婚の場合、結婚式、披露宴の2ステップの仲人を依頼する場合もあり「媒酌人」と呼びます。
最近では、挙式披露宴まで含めてすべてのプロセスを仲人・媒酌人なしで行うカップルもいます。  

(2)場所・会場

正式な結納
正式な結納では仲人が男性宅と女性宅を行き来して行う。
男性宅と女性宅が遠距離であるというカップルも多く、女性宅に両家が(仲人をたてる場合には両家および仲人が)一堂に会して行うケースが多くなっています。その場合は下欄を参照↓
略式結納
現代では女性宅に両家(仲人をたてる場合には両家および仲人)が一堂に会して行うケースが多くなっています。
 結納の儀式のあとの食事会は、母親や女性がキッチンに立たなくても良いように、結納膳などの仕出し料理を手配することもあります。
ホテルなどの結納プラン、結納パックを利用する例もあります。ホテルによりプランの内容が大きく異なります。
「 個室での結納の儀式+お食事会」がセットになったものと、「お食事会だけのもの」がありますので、予約の際に必ず内容を確認し希望のプランのものを予約しましょう。
 結納だけを女性宅で済ませて、そのあと全員でホテルや料亭に移動し、食事会だけを外で行うこともあります。
結納という形をとらずに、ホテル、料亭、レストランなどで、両家の顔合わせとお食事会だけを行うこともあります。
さらに結納とは別ですが参考情報として掲載します。
  両家の親族や親しい人だけで、婚約式のようなオリジナルの形式をとることもあります。
 またキリスト教では誓約書に署名する婚約式の後に婚約披露パーティーを行うこともあります。
正式な結納と略式結納(つづき)
ここでは正式な結納と、略式結納を比較してご紹介します。
(1)〜(4) の項目の中でどれか1つでも簡略化したものは略式結納です

(3)結納飾り・結納品・家族書

※結納飾り・結納品については、地域によって大きく異なります。
◎例えば関西では各品目が別々の高台に飾られますが、関東では結納品すべてが一つの台に載せて飾られる事が多くなります。
 
◎地方によってしきたりが異なるので、男性と女性の出身地が離れている場合は、本人たちを中心にし、両家で相 談します。一般的に男性側が結納飾りを用意するために、男性の住まいの地域の風習を優先するケースが多いのですが、東西間で「結納飾り」自体の価格もかなり異なるため、良く相談して決めると良いでしょう。
↓ 主なものを紹介します ↓
正式な結納略式結納
結納品・結納飾りは7品を中心に、5品もしくは9品というように奇数の組み合わせで用意する。
主に関西と関東では結納飾りの縁起の品の大きさや飾り方などが異なる。
 
例えば、以下の7品
 ・目録(もくろく)
 ・長熨斗(ながのし)
 ・金宝包(おたからつつみ)
 ・寿留女(するめ)
 ・子生婦(こんぶ)
 ・友志良賀(ともしらが)
 ・末広(すえひろ)
上記に以下を加えて9品。
 ・勝男節(かつおぶし)
 ・家内喜多留(やなぎだる)
※補足
・金宝包(おたからづつみ、きんぽうづつみ、とも読む)
・友志良賀(「友白髪」とも書く)
・末広(「末廣」とも書く)

結納時に「家族書」「親族書」(三親等くらいまでの親族の名を記したもの)
 を取り交わす場合もあります。
※結納飾りについては「結納」のページで詳細に説明しています>>>
結納品・結納飾りを使わないこともある。
最近は、左欄にあるような結納品の代りに下記で済ませる場合もあります。
結納金のみ、または
結納金と指輪のみ、または
指輪やネクタイピンなどの記念品の交換のみ など。
また、結納の儀式を行わずに、両家が一堂に会して食事会だけを行う場合もあります。食事会だけの場合については
最近は、家族書や親族書を省略するケースも増えていますが、挙式のことを考えるとこれらに代わる情報は最終的には必要になります。
※略式結納の結納飾りについては、次のページの(3. 略式結納の結納飾り・結納セット)で詳細に説明します。>>>
正式な結納略式結納
結納品・結納飾りの目録(もくろく)と受書(うけしょ)を用意する。
目録と受書の宛名、差出人名の欄は、本来は双方の父親の氏名を記載しますが最近は結婚する本人の氏名をそれぞれ記すケースが増えて来ています。
目録、受書を用意しない、または使わない。
※結納金の相場、包み方などは「結納金」のページで詳細に説明しています>>>
※結納品の目録と受書の書き方例は「結納の目録と受書」のページへ>>>
正式な結納と略式結納(つづき)
ここでは正式な結納と、略式結納を比較してご紹介します。
(1)〜(4) の項目の中でどれか1つでも簡略化したものは略式結納です

(4)結納の服装

※ 結納の服装・衣装は両家のバランスが大切です。
正式な結納略式結納
結婚する男性・女性、仲人、両家の両親のいずれも正装
※正装・正礼装については「結納の服装」へ>>>
現代では、正式な結納であっても準礼装のこともあります。会場(場所)に合わせることや、両家のバランスをそろえることも必要です。
結婚する男性・女性、仲人、両家の両親のいずれも準礼装、略礼装その他の服装
※準礼装、略礼装については「結納の服装」へ>>>
正装・正礼装以外の準礼装、略礼装での結納が一般的です。両家で話し合って服装は礼装にすることもあります。会場(場所)に合わせることや、両家のバランスをそろえることも必要です。

2.略式結納のやり方・進め方・流れ
  (結納の挨拶・口上など)

古来の正式な結納では、仲人が男性側と女性側の両家を行き来して、結納品を納めます。略式結納の場合はどのように行うのでしょうか?
●現代では、例えば女性側の自宅(もしくはホテルなど)などに、両家が一堂に会して行う略式結納が多くなっています。
●ホテルなどで結納パック、結納プランなどいう名前のプランを用意している場合には、先方のスタッフが結納飾りのセッティングや進行のサポートをしてくれるところもあります。但し、名前が結納プランであっても、「個室で食事をするプラン」と「個室で結納の儀式を行い、そのあとで食事をするプラン」のどちらであるのかを必ず確認して下さい。事務局で調べたところ、食事だけしかないプランがある一方で、結納飾りまで用意してくれるプランもあるようです。
●略式結納の流れを説明するために、正式結納との比較で説明したいと思います。下記をご覧下さい
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▼結納の流れ・やり方・進め方・流れ

※略式結納の流れを説明するために、正式結納との比較で説明します。
ただし「略式結納」にする場合には、★の欄をすべて満たす必要はなく、両家で相談して項目ごとに取り入れてください。

[前日までに]

結納の流れ・やり方
結納飾り・結納品は男性側が持参し飾ります。
関東用はシンプルですが、特に関西用(および九州用など)の場合には飾り付けも大変ですので当日あわてないように、前日の夜には、結納品の飾り方をおさらいしておきましょう。
床の間のすぐ前の畳の上に毛氈(もうせん)を敷き、その上に結納品を飾ります。
関東式よりも関西式の結納飾りは場所をとります。会場となる部屋が狭い場合には床の間に飾るよう段取りをおさらいしましょう。
毛氈は結納品店や百貨店などで購入でき、1500円〜5000円くらいです(お手頃な価格です)。
目録も準備しておきます。
女性側は受書を用意します(但し右の欄の[受け書について]の箇所参照)。
両家とも家族書・親族書を用意します。
当日手渡す手土産や、仲人への謝礼を用意しておきましょう。
◎女性の自宅で結納を行なう場合は、儀式が終わったあとで男性の両親に(仲人が同席する場合は仲人にも)持ち帰って頂く引出物を用意します(※引き出物を用意するかどうかは地方によっても異なります)。
いずれの場合も、 のしは紅白の結び切りで、上段は「寿」下段に姓を書きます。
◎仲人への謝礼は、両家それぞれが「寿」の熨斗袋を、そして、女性側は「お車代」も含めた2つを用意します。のしの水引きは結び切りを用います。
お車代は仲人宅から結納会場までの交通費プラスアルファで、キリの良い額を。
寿の熨斗袋の方は、ご祝儀として結納金の1〜2割を包みます。
結納後、祝い膳を囲まない場合は、女性側が仲人に「酒肴料」も別 途お渡しします。
略式結納へつづく
結納の流れ・やり方・進め方・流れ つづき
※略式結納の流れを説明するために、正式結納との比較で説明します。
ただし「略式結納」にする場合には、★の欄をすべて満たす必要はなく、両家で相談して項目ごとに取り入れてください。
★略式結納なら
結納をしない、または結納飾り・結納品を用いないこともあります。
ホテルなど、外の会場を利用する場合には、前日までに段取りをホテル側と打ち合わせておきましょう。
家族書や親族書を省略するカップルも増えていますが、挙式や、その後のおつきあいに備えて、正式な書式でなくても家族書に代わるものを交わしておくことをおすすめします。
ホテルで結納を行なう場合には、最近は「結納パック」のようなサービスプランもあります。両家および仲人への引出物もプランに入っている場合もあるので、予約の際に良く確認しましょう。
解説
●関東では結納品を男性側と女性側の両方が用意します。
目録、受書についても男性側、女性側のそれぞれが用意します。
●目録は結納飾りを買うとセットになっている場合もあります。

★[受書について]
◎女性側が男性側に渡す受書は、結納品を列挙するため、男性側が用意する方がスムーズに式が運びます。
最もスムーズに式を進行させるためには、男性側が用意した受け書を結納前日までに女性に渡しますが、当日結納品と一緒に持参し、目録と共に女性の父に手渡して内容を確認してもらうという手もあります。
◎もし結納の内容が全くわからずに、女性側で受け書を用意する場合には、結納の品名を列挙する代わりに
「御目録のとおり 幾久敷御受納致しました」
などと書きます。
結納の流れ・やり方・進め方・流れ(つづき)
※略式結納の流れを説明するために、正式結納との比較で説明します。
「略式結納」にする場合には、★の欄をすべて満たす必要はなく、両家で相談して項目ごとに取り入れてください。

[当日]

玄関で

結納の流れ・やり方★略式結納なら
女性側は全員で玄関で男性側をお迎えします。
挨拶
女性の父が
「お早うございます。本日は御苦労様でございます。どうぞお上がりください。」
「こちらの部屋へどうぞ」
などとご挨拶の上、部屋に案内をします。
男性側は、 仲人→男性の父→男性の母→男性本人の順で玄関を上がります。
お迎えのしかたは左記と同じです。ただし仲人なしの場合は、
男性の父→男性の母→男性本人の順で玄関を上がります。
解説
●結納の儀式の最中は、決まった口上以外はほとんど口をきかないのが本来のならわしだそうです。
玄関口では、女性の母、女性本人は、おじぎをしてお迎えします。

結納品の飾り付け

結納の流れ・やり方★略式結納なら
玄関を上がったら、仲人、男性の父、男性の母は手に扇子を持ち、男性本人は手土産と結納品を持ちます。会場に入ったところで一礼し、男性の父が
「本日は床の間をお借りいたします。」と述べます。
女性側は。一旦、全員控えの間にひきます。
仲人、男性の両親、男性本人が、結納の飾り付けをします。この作業は無言で行ないます。
用意ができたら、 仲人が女性側に声をかけます。
仲人無しの場合
男性の父、男性の母は手に扇子を持ち、も男性本人が手土産と結納品を持ちます。男性側が会場に入ったところで一礼し、男性の父が「本日は床の間をお借りします」と述べます。
女性側は一旦、全員控えの間にひきます。
男性の両親と男性本人が結納の飾り付けをします。この作業は無言で行ないます。
仲人無しの場合は、用意ができたら男性の父が女性側に声をかけます。
解説
※結納の流れにはもう一つのやり方があります。
上記では、冒頭に結納飾りを飾りますが、もう一つのやり方では、このタイミングでは飾らず、結納品と、目録を受け取ったあとで、女性側の母親が席を立って飾るという流れもあります。
例えば、関東式の結納飾りなどの場合にはすぐに飾ることができるため、儀の途中で飾ることもあります。
●参照>>
結納の流れ・やり方・進め方・流れ(つづき)
※略式結納の流れを説明するために、正式結納との比較で説明します。
「略式結納」にする場合には、★の欄をすべて満たす必要はなく、両家で相談して項目ごとに取り入れてください。

当日の席順

結納の流れ・やり方
[女性宅での結納]
上座(床の間に最も近い場所)には、男性側の父、男性側の母、男性の順で座ります。
手前側には、奥から女性側の父、女性側の母、本人の順で座ります。
座ぶとんは使用せず、各自のひざの前に扇子を置きます。
床の間押し入れ他
結納品  
(上座)  (下座)
男性側父  女性側父
男性側母  女性側母
男性本人  女性本人
 仲人男仲人女(入口)
[結納後に祝い膳を囲む際の席順 ]
仲人は結納の儀式が終了してから、祝い膳を囲む際に、上座側に移動していただきます。
もし、祝い膳の席を設けない場合は、儀式終了後、お礼を述べ、謝礼として手土産、ご祝儀、お車代をお渡しします。
床の間押し入れ他
結納品  
(上座)仲人男仲人女(下座)
男性側父  女性側父
男性側母  女性側母
男性本人  女性本人
   (入口)
★略式結納なら
[女性宅での結納]
仲人なしの場合も席順も基本的には「仲人あり」のときと同じです。
床の間押し入れ他
結納品  
(上座)  (下座)
男性側父  女性側父
男性側母  女性側母
男性本人  女性本人
   (入口)

[ホテル等での結納]
基本的には、男性側が上座に、女性側が下座に座りますので、上の図と同様となります。
但し、会場が床の間の無い個室の場合で、結納品に背を向ける必要の無い会場なら、仲人は最初から上座に座ります。
結納の流れ・やり方・進め方・流れ(つづき)
※略式結納の流れを説明するために、正式結納との比較で説明します。
「略式結納」にする場合には、★の欄をすべて満たす必要はなく、両家で相談して項目ごとに取り入れてください。

結納の儀

結納の流れ・やり方★略式結納なら
[仲人が口上を述べる]
決まった言い回しがありますが、無理に決まり通りに言う必要はありません。メモを見ながらでも構いません。
参考までに下記に口上(挨拶)の例を書きます。
仲人 一礼。そのあと一同礼。
仲人口上
「本日はお日柄も良く、この度は◯◯家御子息◯◯様と◯◯家ご息女◯◯様のご良縁が相ととのいまして、まことにおめでたく心よりお祝い申し上げます。未熟ではございますが、私がご両家のご良縁の仲立ちをさせて頂きます。」
男性の父が仲人に目録を渡す
(目録は広蓋(ひろぶた)に載せて差し出すのが正式な形です。広蓋は結納品店、百貨店などで購入できます)
仲人口上
「ご婚約の印として、◯◯家からの結納の品を持参致しました。いく久しくお納め下さい」
仲人は、仲人女性に目録を渡し、仲人女性が女性の父に目録を渡す
女性の父は目録の内容を確認し、女性の母、女性本人の順で回覧する
女性の父がお礼の口上を述べる
女性の父口上
「大変結構な品々をありがとうございます。いく久しくお受けします。」
女性一同礼
女性の父は「こちらが結納の受け書でございます」と述べ、仲人女性に受け書を渡します
仲人女性は、仲人に受け書を渡します
仲人は、「◯◯様からの結納の受け書でございます。どうぞお改め下さい」と、男性父に受け書を渡します
男性の父は内容を確認し、「相違ございません」と述べます。
仲人は結びの挨拶(結びの口上)を述べます
「これで滞り無く両家のご縁組みが整いました。おめでとうございます。」などと述べます。
それぞれ挨拶を交わします
・男性の父「お仲人様(◯◯様)まことにありがとうございました。◯◯様(女性の家に対して)幾久しくよろしくお願い申し上げます。
・女性の父「こちらこそ、幾久しくよろしくお願い致します」
・一同礼。
[仲人無しの場合は、男性の父親が口上(挨拶)を述べる]
男性の父口上
「この度は◯◯(男性の名前を敬称なしで)と◯◯さん(女性の名前を敬称付きで)の結婚をお許し頂きまして、まことにありがとうございました。 本日はお日柄も良いので、結納の品を持参いたしました。いく久しくお納めください」
男性の父は女性の父に目録を渡し、女性の父、女性の母、女性本人の順で回覧する
女性の父がお礼の口上を述べる
女性の父口上
「大変結構な品々をありがとうございます。いく久しくお受けします。」
(これ以降の進行は、仲人がいる場合と同様となります)
仲人を立てない場合の結びの挨拶(結びの口上)の例
男性父親
「本日はどうもありがとうございました。おかげさまで無事に結納の品を納めることができました。これからも幾久しく宜しくお願いします。
女性父親
「こちらこそ有難うございました。幾久しく宜しくお願いします」」など。
解説
●結納の儀式自体を省略し、こうした結納品や結納飾りのやり取りを省略することもあります。会食だけを行う場合には、▼へ>>
結納の儀 補足説明
[結納飾りについて]
※結納の流れにはもう一つのやり方があります。
上記では、冒頭に結納飾りを飾った上での進行ですが、もう一つのやり方では、結納品と、目録を受け取ったあとで、女性側の母親が席を立って飾ります。
例えば、関東式の結納飾りなどの場合にはすぐに飾ることができるため、儀式の儀式の途中で飾ることもあります。
床の間には女性の家で用意した結納品が飾ってあるので、まずはそれを床の間から下げ、男性側から受け取った結納品を飾ります。
そのあとで、女性の母親が仲人に受け書を渡します。

結納が終わったら

結納の流れ・やり方

結納の儀式が一旦終了したら、新郎新婦から仲人にお礼を述べます。
口上
「本日はお忙しい中を、私たちのためにご足労を賜りましてありがとうございました。未熟な私たちですがこれからもご指導の程よろしくお願い申し上げます。」
一同で祝いの膳を囲む場合は、このあと、女性の父が以下のような挨拶を述べたのち、仲人に上座に移動していただきます。座ぶとんをすすめ、女性と女性の母は食事の用意をします。
・同じ部屋で会食する場合には…

「それではささやかですがお祝いの席をご用意しておりますので、こちらでしばらくお待ち下さい◯◯様、恐れ入りますがこちら側の席にお願いします(席を「変わる」「移る」という言葉は使わない。)」
・ 別室の場合には…
「ささやかですがお祝いの席をご用意しております。ご案内いたしますのでどうぞこちらにおこしください」
・「ささやかですがお祝いの席をご用意しております。支度が整いますまでこちらでしばらくおくつろぎください(支度が「終わる」は使わない。「支度が整う」を使う)」
●仲人は 結納の儀式が終了してから、祝い膳を囲む際に、以下の図のように上座側に移動していただきます。
[結納後に祝い膳を囲む際の席順 ]

床の間押し入れ他
結納品  
(上座)仲人男仲人女(下座)
男性側父  女性側父
男性側母  女性側母
男性本人  女性本人
   (入口)

すべてが終了してから、仲人に謝礼と引出物(手土産)をお渡しします。
引出物(手土産)は女性側が用意し、仲人だけでなく男性側にも差し上げます。
★略式結納なら
もし、祝い膳の席を設けない場合は、儀式終了後、お礼を述べ、謝礼として手土産、ご祝儀、お車代をお渡しします。
仲人なしの場合には、新郎新婦から両家の両親にお礼を述べます。
口上
「本日はお忙しい中を、私たちのためにご足労を賜りましてありがとうございました。未熟な私たちですがこれからもご指導の程よろしくお願い申し上げます。」

▼会食のみの場合のやり方・進め方・流れ

※結納の儀式を行わず、男性側と女性側の家族が一堂に会して会食だけを行う、というケースもあります。婚約したことを両家に認めてもらうための会です。
●結納の儀式がない場合の会食
結納をしない場合の会食の流れ・やり方
始まりの挨拶
男性の父または男性本人が口上を述べます。
[男性の父が挨拶をする場合の口上の一例]
「このたびは、長男の(次男の等)太朗に良いご縁を頂きまして本当にありがとうございます。
本来であれば結納を交わすところではございますが、本人たちのたっての希望で、結納を交わす代わりに両家の家族に婚約を発表する会を設けたいとのことでございます。
花子さんのご両親からもご承認を頂きましたので、二人の婚約発表と両家の顔合わせの会とさせていただきます。」
[男性本人が挨拶をする場合の口上の一例]
「本日は、お忙しい中、私たち二人のためにお集まり頂きましてありがとうございます。
このたび、私こと鈴木小太朗と、佐藤実花子は婚約いたしました。本来であれば結納を交わすところではございますが、二人で相談し、両家の両親の承認を得た上で、お互いの家族に婚約を発表し、顔合わせをするための食事会を計画しました。
これから結婚に向けて力を合わせて準備をすすめていいきたいと思います。どうかご指導のほど宜しくお願いします。」
食事会のみの場合に行う主な内容は以下のとおり
●男性本人が自分の家族を女性側に対して紹介します。
…紹介する順番は、父、母、祖父、祖母、自分の兄弟姉妹(年長から)の順。
●次に、女性本人が自分の家族を男性側に対して紹介します。
…紹介する順番は、父、母、祖父、祖母、自分の兄弟姉妹(年長から)の順。
●婚約記念品の交換をするカップルもいます。
解説
結納の儀式自体を省略し、両家でこうした会食だけをするカップルもあります。
食事会の中で、婚約記念品を交換したり、婚約の誓約書を交わすカップルもいます。
 婚約記念品の主な例は、男性→女性[婚約指輪など]、女性→男性[時計、ネクタイピンとカフス、礼服スーツなど。金額は半返し〜1/3程度]
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