仲人》仲人とは・意味・お見合い・結婚式仲人・仲人挨拶・結納・仲人お礼

仲人のページ。結婚において、両者の仲立ちをする人を「仲人(=なこうど)」と言います。厳密に言うと、「仲人」とは結婚が決まった2人および両家の縁組みをするのが本来の役割です。 しかし「仲人」が「お見合い」「結納」「結婚式」「披露宴」のすべての場を担うこともあるため、仲人と媒酌人は同じように理解されていることが多いようです。このページでは仲人さんについて、その役割とおつき合いのしかたの基本作法やマナーをご紹介します。

1.仲人の役割

仲人さんについて、結婚披露宴の媒酌人のことだと思っていらっしゃる方が多いと思います。またもうひとつ仲人と混同されやすいもう一つの言葉に、世話人という言葉もあります。じつは厳密に言うと、世話人、仲人、媒酌人はそれぞれ別の役割を担う人をさす言葉です。
それぞれの役割を簡単にご説明しますと、

「世話人とは」

二人の縁をとりもつ人(結婚を考えている男女を引きあわせる人)が世話人。

「仲人とは」

結婚が決まった2人および両家の縁組みをするのが仲人。
そして披露宴では「媒酌人」が2人の仲立ちをします。
しかし「仲人」が「お見合い」「結納」「結婚式」「披露宴」のすべての場を担うことも、もちろんあります。こうしたことから、仲人と媒酌人は同じように理解されることが多いようです。
さて。
本来のしきたりでは「転勤」「昇進」「出産」と、新夫婦と仲人のお付き合いは結婚後も長く続いてゆきます。
これから長いおつきあいになるかもしれない仲人さんの役割について、きちんとした作法やマナーはひととおり頭に入れておきましょう。
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2.お見合いのセッティング

生涯の縁を取り持つのがお仲人さんの仕事です。
まず初めは条件の合った人達のお見合いのセッティングから始まります。
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お見合いのスケジュール

順序解説補足
1 お見合い写真を双方に渡す
 解説補足
●身上書をそえる
 【身上書について…
 『お見合い』のページへ】
●最近はきちんとしたお見合い写真よりも「普段の姿がわかるように」ということで、スナップ写真を交すことも多いようです。
2 お見合い日時と場所の設定
 解説補足
●ホテルやレストランなどを予約して行うほかお仲人さんのお宅で行う場合も多い。
●できれば仏滅以外の、土日の昼が良い。
●食事を一緒に取る場合は、嫌いな食べ物がある場合を考慮し、双方にあらかじめ尋ねて和食か洋食かを決めると良いでしょう。
●日時や場所の打ち合わせをするなかで、事前に「身上書」には現われないような両人の情報を少しでもヒヤリングしておくようにします。
3 当日のおよその流れ につづく
お見合いのスケジュール つづき
順序解説補足
3 当日のおよその流れ
 解説補足
●男性側を紹介してから女性側を紹介する。
●趣味や仕事について、両人の共通の話題や関心時を引き出すように話題を進める。
●最後に当人同士だけで話をする時間を作ってあげると良い。
●紹介が終わったら「どうぞリラックスしてください」の一言を。
●当人同士は初対面で聞きにくいことも、代わりに聞いてあげるようなつもりで会話を取り持ってあげるようにします。
●「それではこのへんで…」と、終了時に話を切り上げるのはお仲人さんの役目です

3.服装

お見合い、結納、結婚式…シーンに応じてお仲人さんの服装が変わってきます。
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仲人の服装

●お見合い
ポイント参考
●堅苦しくない見合いの場合は、仲人も夫婦ともに洋装でもかまわない。
●華美にならぬよう注意。
●仲人の自宅での見合いでは、必ずしもネクタイは必要ないがカジュアルになりすぎぬよう、注意。
●結納
ポイント参考
●正式には女性は黒留め袖、男性は背広にネクタイを。
女性は準正装として色留め袖もアリ。
●最近は、仲人、両親ともに洋服の場合も多い。
●仲人が普通の服装で結納に伺う場合は、両家の両親がきちんとした服装のときにバランスを欠くことになるので事前に打ち合わせを。
●結婚式
ポイント参考
●正式には女性は黒留め袖、男性はモーニングまたは礼服に祝事用ネクタイを。
 女性は準正装として色留め袖もある
●教会での挙式の場合でも、基本的に礼装は同じ。

4.結納   

結納に関しては「関東式」「関西式」など、地方によりさまざまな習慣があります。男性と女性の出身地が離れている場合には、どのような方式で行うのかについて本人たちを含め、両家でよく相談して決めましょう。
本来は女性の実家で行うものですが、ホテルや結婚式場の個室を借りて行うこともあります。
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結納のしきたりと流れ

●結納品の数
ポイント
●7品を中心に5品、9品と奇数の組み合わせで用意する。
●主として関西と関東では縁起の品の大きさや飾り方などが異なる。
 
参考
●例えば関西では各品目が別々の高台に盛られるが、関東では7品すべてが一つの台に盛られる事が多い。
 地方によってしきたりが異なるので、男性と女性の出身地が離れている場合は、本人たちを中心に両家で相談する。
●デパートや結婚式場で「結納品」をセットで売っている。
●結納品
ポイント
●正式には、以下の7品。
 ・目録(もくろく)
 ・長熨斗(ながのし)
 ・金宝包(おたからつつみ)
 ・寿留女(するめ)
 ・子生婦(こんぶ)
 ・友志良賀(ともしらが)
 ・末広(すえひろ)
●上記に以下を加えて9品のこともある。
 ・勝男節(かつおぶし)
 ・家内喜多留(やなぎだる)
●最近は、結納の品の代りに指輪やスーツ、ネクタイピンなどを交換して済ませる場合もある。
●結納時に「家族書」(三親等くらいまでの親族の名を記したもの) を取り交わす場合もある。
●丁寧にする場合は、本人同士の「身上書」を取り交わすことも。
 
参考
●仲人が目録を読み上げ、「幾久しくお納めください」と述べると、
 女性側が「幾久しくお受けいたします」と述べる。
女性側から「結納返し」(お返しの品やお金)があるときはこれと同様のことを男性側に対して行う(詳細略)
●結納返しは半返し〜1/3返しが普通。地方によっても異なる。
 
●結納の儀式
●結納の目録の書き方、結納品、結納当日の儀式の流れ、結納の席次の詳細は「結納」のページをご参照ください>>>
●仲人をたてて行う結納では、仲人が口上を述べます。決まった言い回しがありますが、無理に決まり通りに言う必要はありません。メモを見ながらでも構いません。参考までに下記に口上(挨拶)の例を書きます。
① 仲人 一礼する。そのあと両家の両親および新郎新婦一同礼。
② 仲人挨拶(口上)「本日はお日柄も良く、この度は◯◯家御子息◯◯様と◯◯家ご息女◯◯様のご良縁が相ととのいまして、まことにおめでたく心よりお祝い申し上げます。未熟ではございますが、私がご両家のご良縁の仲立ちをさせて頂きます。」
③ 男性の父が仲人に目録を渡す
④ 仲人「ご婚約の印として、◯◯家からの結納の品を持参致しました。いく久しくお納め下さい」
⑤ 仲人は、仲人女性に目録を渡し、仲人女性が女性の父に目録を渡す
⑥ 女性の父は目録の内容を確認し、女性の母、女性本人の順で回覧する
⑦ 女性の父が お礼の口上を述べる
「大変結構な品々をありがとうございます。いく久しくお受けします。」
⑧ 女性側一同礼。
⑨ 女性の父は「こちらが結納の受け書でございます」と述べ、仲人女性に受け書を渡します。
⑩ 仲人女性は、仲人に受け書を渡します。
⑪ 仲人は、「◯◯様からの結納の受け書でございます。どうぞお改め下さい」と、男性父に受け書を渡します。
𖰰 男性の父は内容を確認し、「相違ございません」と述べます。
⑬ 仲人は「これで滞り無く両家のご縁組みが整いました。おめでとうございます。」などと述べます。
⑭ 男性の父挨拶「お仲人様(◯◯様)まことにありがとうございました。◯◯様(女性の家に対して)幾久しくよろしくお願い申し上げます。」
⑮ 女性の父「こちらこそ、幾久しくよろしくお願い致します」
⑯ 一同礼。
● 結納の儀式が一旦終了したら、新郎新婦から仲人にお礼を述べます。
「本日はお忙しい中を、私たちのためにご足労を賜りましてありがとうございました。未熟な私たちですがこれからもご指導の程よろしくお願い申し上げます。」
● 一同で祝いの膳を囲む場合は、このあと、女性の父が
「それではささやかですがお祝いの席をご用意しておりますので」
と述べ、仲人に上座に移動していただきます。座布団をすすめ、女性と女性の母は食事の用意をします。
● すべてが終了してから、仲人に謝礼(お礼)と引出物(手土産)をお渡しします。
引出物(手土産)は女性側が用意し、仲人だけでなく男性側にも差し上げます。

5.結婚

結婚式でのお仲人さんの役割は重要です。
両家の縁組みをしっかり見届けるとともに、披露宴ではお客様をお招きする側の立場に立って振るまいます。
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結婚式

●挙式・披露宴
ポイント
●結婚式の媒酌人をつとめる場合には、仲人は両家の縁組みを見届ける立場にある。
●披露宴の会場にお客様がお入りになる時は、新郎新婦や両家の両親とともにお客様をお迎えする。
●披露宴のスピーチでは、招待客に新郎新婦の人柄や仲人との交際関係、本人たちの交際の様子などを紹介するのが一般的。
●披露宴が終了したら、会場出口で新郎新婦や両家の両親とともに招待客をお見送りする。
参考
●披露宴では、挙式の立会人として結婚式の様子を出席者に報告する。
●新郎新婦の紹介時にも忌み言葉(切れる、はなれる、再びなど)は使わぬ ように注意。
 
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