結納の目録・結納の受書》受書とは・目録とは・書き方・セット・略式結納

結納の目録と受書のページ。結納とは、結婚が決まり婚約が成立した証しとして行われる儀式であり、結納の際には両家の間で結納品が取り交わされます。結納の目録とは納める品物を箇条書きにした納品書のようなものです。また受書とは受け取った品物を記載した受領書のようなものです。このページでは結納の目録と受書の書き方を説明します。

目次

1.結納の目録と受書

●結納とは、婚約が成立したしるしとして両家が取り交わす儀式です。結納の儀式を作法通りに行うご家庭もある一方、最近は、さまざまな面を簡略化し、略式結納を行うご家庭も増えてきています。地域によってもしきたりに大きな違いがありますので、結婚が決まった両家の間で良く相談して下さい。
●特に増えてきているのが仲人なしの結納です。本来は仲人をたてて行う儀式であり、仲人は両家の間を行き来し、結納品を納めるのですが、最近では女性宅に両家が一堂に会して仲人なしで行う略式結納が増えてきています。会場も外の会場(ホテルなど)を利用するケースもあります。
 また、結納自体を行わず、両家が揃う席を設けて、婚約の報告と顔合わせを行うお食事会などの自由な形式もあります。

★[受け書について]

受書は結納品を列挙するため、結納品を揃える側が用意する方がスムーズに式が運びます。
最もスムーズに式を進行させるためには、男性側が用意した受け書を結納前日までに女性に渡しますが、当日結納品と一緒に持参し、目録と共に女性の父に手渡して内容を確認してもらうという手もあります。
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結納の目録と受書

●結納の目録とは、納める結納品の内容を列挙したもので、縁起の良い言葉で書かれています。
 結納品の納品書のような役割を果たす、相手方に渡す一覧表です。
●結納の受書とは、受け取った結納品の内容を列挙したもので、縁起の良い言葉で書かれています。
 結納品の受領書のような役割を果たし、相手方に渡す一覧表です。
●結納飾り・結納品については、地域によって大きく異なります。
●例えば関西では各品目が別々の高台に飾られますが、関東では結納品すべてが一つの台に載せて飾られる事が多くなります。
●結納品は、関東では男性側と女性側がそれぞれ用意してそれぞれ受書を渡すため、「結納品を交わす」ことになりますが、関西では男性側が用意し女性側が受け取るだけです。そのため「結納品を納める」ことになります。
下記の書き方例では、以下のとおりとなっています。
[結納の目録と書き方例]
男性側→女性側に結納品を渡し、女性側が受書を渡す例[1]関東式
[1]-(1) 〜[1]-(3)および
[3]関西式
女性側→男性側に結納品を渡し、男性側が受書を渡す例[2]関東式
●地方によってしきたりが異なるので、男性と女性の出身地が離れている場合は、本人たちを中心にし、両家で相 談します。一般的に男性側が結納飾りを用意するために、男性の住まいの地域の風習を優先するケースが多いのですが、東西間で「結納飾り」自体の価格もかなり異なるため、良く相談して決めると良いでしょう。
目録と受書は、本来は手書きのものを両家がそれぞれ用意するものですが、結納セットを扱う店などで、代筆作成してくれることもあります。また関東式では結納セットに入っているものもあります。
ここでは、基本的な書き方をご紹介します。

2.結納の目録の書き方、受書の書き方(関東)見本

●結納の仕方や結納品は地域によって異なります。
 代表的な例として2で関東式を、3で関西式を紹介します。
●最近は仲人なしの結納や、結納の儀式そのものを省略して両家の顔合わせや食事会をすることもあります。略式の結納に応用できる目録の例は「3.略式結納の目録と受書」(4)−1、(4)−2を参照してください。
また、略式の結納に代わる婚約記念品の目録については、「略式結納」のページを参照してください。 >>>
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[1]関東式(男性から女性への結納品)

項目書き方解説書き方見本

[1]−(1)−A.男性から女性に渡す目録の例

●結納品の品目の数は「分けられない奇数」にする。
●関東では目録も数に数える
●差出人の名前は、男性の父親から女性の父親へという書き方をすることもあります。
右の画像は、男性本人から女性本人へという書き方です。
★それぞれの結納品の読みと意味は下記のとおり。

結納品の読みと意味

書き方読み方
 

意味

長熨斗ながのし
 慶事に用いられるものの代表格。おめでたい時に用いる祝儀の象徴。のしあわびから来ている。
御帯料おんおびりょう
 結納金のこと。
関東では男性→女性への結納金を「御帯料」と書く。金宝包(おたからづつみ、きんぽうづつみ)と書くこともある。
地域により書き方が異なる。他の地域では「小袖料」「帯地料」等。
勝男節かつおぶし
 鰹節のこと。勝男武士と書くこともある。
男性らしさの象徴とされたり、雄節と雌節を一組にし夫婦一対を意味したりする。関西ではあまり用いられず、代わりに「松魚料」として酒肴料を包む。
なお、「勝男節料」と書いて酒肴料のうち「肴料」を包むことがある。この場合は「家内喜多留料」が酒肴料のうち「酒料」。
寿留女するめ
 スルメのこと。
スルメは保存食なので「夫婦が長もちするように」。あるいは「長寿で、嫁として長く留まる女であれ」などという意味。
子生婦こんぶ
 昆布のこと。
「子宝に恵まれますように」という意味。
友白髪ともしらが
 束ねた麻糸のこと。「共白髪」や「友志良賀」と書くこともある。
「共に白髪になるまで長生きし添い遂げられますように」という意味。
末廣すえひろ
 扇子のこと。末広がりで縁起が良いことから用いる。
「寿恵廣」と書くこともある。
家内喜多留やなぎだる
 酒肴料のこと。「柳樽」と書くこともある。
もともとは、柳樽に入った一升の清酒を納めたのが由来。
関西では「清酒料」とも書く。
   

[1]−(1)−B.上記の場合に、女性から男性に渡す受書の例

●関東地区では受書が結納セットに付属しているものが多い。
必要な箇所だけ記載し、そのまま使う。
●差出人の名前は、女性の父親から男性の父親へという書き方をすることもあります。
右の画像は、女性本人から男性本人へという書き方。
●「受書」「御受書」どちらでも可。
●受書を自分で用意しても良い。
受書に書く内容がわからない場合の記載例は、このページの(3)へ>>

結納の目録と受書

[1]関東式のつづき(男性から女性への結納品)
項目書き方解説書き方見本

[1]−(2)−A.男性から女性に渡す目録の例(結婚指輪を書き足す例)

●結納品のセットの中に入っている目録を用いて、トータル奇数のまま、「帯料」に婚約指輪を書き足す場合の書き方の例です。

[1]−(2)−B.上記の場合に、女性から男性に渡す受書の例

●関東地区では受書が結納セットに付属しているものが多い。右記は婚約指輪を書き足す場合の書き方の
例。 必要な箇所だけ記載し、そのまま使います。
●差出人の名前は、女性の父親から男性の父親へという書き方をすることもあります。
右の画像は、女性本人から男性本人へという書き方です。
●「受書」「御受書」どちらでも可。
●受書を自分で用意しても良い。
受書に書く内容がわからない場合の記載例は、このページの(3)へ>>

結納の目録と受書

[1]関東式のつづき(男性から女性への結納品)
項目書き方解説書き方見本

[1]−(3).女性から男性に渡す受書の例(受書を女性が自分で用意するケース)

●「受書」を自分で用意する場合、書く内容がわからない際に用いる書き方。
「目録通り受け取りました」と書いたもので、どんな場合にも使える汎用タイプ。
●「受書」「御受書」どちらでも可。

結納の目録と受書

[2]関東式(女性から男性への結納品)

項目書き方解説書き方見本

[2]−(1)−A.女性から男性に渡す目録の例

●結納品の品目の数は「分けられない偶数」にする。
●関東では目録も数に数える
●差出人の名前は、女性の父親から男性の父親へという書き方をすることもあります。
右の画像は、女性本人から男性本人へという書き方です。
★それぞれの結納品の読みと意味は下記のとおり。

結納品の読みと意味

書き方読み方
 

意味

長熨斗ながのし
 慶事に用いられるものの代表格。
御袴料おんはかまりょう
 結納返しのお金のこと。
関東では女性→男性への結納返しを「御袴料」と書く。 地域により書き方が異なる。
勝男節かつおぶし
 鰹節のこと。勝男武士と書くこともある。
寿留女するめ
 スルメのこと。「長寿で嫁として長く留まる女であれ」などの意味。
子生婦こんぶ
 昆布のこと。「子宝に恵まれますように」という意味。
友白髪ともしらが
 束ねた麻糸のこと。 「共に白髪になるまで長生きし添い遂げられますように」という意味。
末廣すえひろ
 扇子のこと。末広がりで縁起が良い。 「寿恵廣」と書くことも。
家内喜多留やなぎだる
 酒肴料のこと。 関西では「清酒料」とも書く。
   

[2]−(1)−B.上記の場合に、男性から女性に渡す受書の例

●関東地区では受書が結納セットに付属しているものが多い。
必要な箇所だけ記載し、そのまま使う。
●差出人の名前は、男性の父親から女性の父親へという書き方をすることもあります。
右の画像は、男性本人から女性本人へという書き方。
●「受書」「御受書」どちらでも可。
●受書を自分で用意しても良い。
受書に書く内容がわからない場合の記載例は、このページの[1]-(3)の汎用タイプ(どんなケースでも使える受書)を参考にしてください。。差出人と受取人の欄に注意>>

3.結納の目録の書き方、受書の書き方(関西)見本

●結納の仕方や結納品は地域によって異なります。
 代表的な例として2で関東式を、3で関西式を紹介します。
●関西では特に目録を手書きするケースが多いようです。
●最近は仲人なしの結納や、結納の儀式そのものを省略して両家の顔合わせや食事会をすることもあります。略式の結納に応用できる目録の例は、関東式の(3)−1、(3)−2を参照してください。
また、略式の結納に代わる婚約記念品の目録については、「略式結納」のページを参照してください。 >>>
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[3]関西式(男性から女性への結納品)

項目書き方解説書き方見本

[3]-(1)-A.男性から女性に渡す目録の例

●関西では目録を手書きする。
結納品店やホテルなどの結納パックを利用すると代筆を依頼できるところもある。
●結納品の品目の数は「分けられない偶数」にする。
●差出人の名前は、男性の父親から女性の父親へという書き方をすることもあります。
右の画像は、男性本人から女性本人へという書き方です。
★それぞれの結納品の読みと意味は下記のとおり。

結納品の読みと意味

書き方読み方
 

意味

熨斗ながのし
 慶事に用いられるものの代表格。おめでたい時に用いる祝儀の象徴。のしあわびから来ている。
末廣すえひろ
 扇子のこと。末広がりで縁起が良いことから用いる。
「寿恵廣」と書くこともある。
小袖料こそでりょう
 結納金のこと。
関西では男性→女性への結納金を「小袖料」「帯地料」などと書く。金宝包(おたからづつみ、きんぽうづつみ)と書くこともある。
地域により書き方が異なる。他の地域では「御帯料」等。
柳樽料やなぎだるりょう
 酒肴料のこと。「清酒料」とも書く。
もともとは、柳樽に入った一升の清酒を納めたのが由来。
柳樽料を酒料、松魚料を肴料として分けて書く。
関東では「家内喜多留」などと書く。
松魚料やなぎだるりょう
 酒肴料のこと。
関西では柳樽料を酒料、松魚料を肴料として分けて書く。
寿留女するめ
 スルメのこと。
スルメは保存食なので「夫婦が長もちするように」。あるいは「長寿で、嫁として長く留まる女であれ」などという意味。
子生婦こんぶ
 昆布のこと。
「子宝に恵まれますように」という意味。
高砂たかさご
 白髪の夫婦人形[尉(じょう)と姥(うば)]のこと。関東でいう「友白髪」と同じく「共に白髪になるまで長生きし添い遂げられますように」という意味。
結美和ゆびわ
 婚約指輪のこと。縁起の良い文字で書き表わす。
   

[3]-(1)-B.上記の場合に、女性から男性に渡す受書の例

●差出人の名前は、女性の父親から男性の父親へという書き方をすることもあります。
右の画像は、女性本人から男性本人へという書き方。
●「受書」「御受書」どちらでも可。
●受書を自分で用意しても良い。
受書に書く内容がわからない場合の記載例は、このページの[1]-(3)の汎用タイプ(どんなケースでも使える受書)を参考にしてください。>>

4.略式結納の目録と受書

●古来の正式な結納では、仲人が男性側と女性側の両家を行き来して、結納品を納めます。
●現代では、例えば女性側の自宅(もしくはホテルなど)などに、両家が一堂に会して行う略式結納が多くなっています。
●結納品・結納飾りは7品を中心に5品または、9品というように奇数の組み合わせで用意します。
品数を減らすことで、略式にすることができます。
●ホテルなどで結納パック、結納プランなどいう名前のプランを用意している場合には、先方のスタッフが結納飾りのセッティングや進行のサポートをしてくれるところもあります。但し、名前が結納プランであっても、「個室で食事をするプラン」と「個室で結納の儀式を行い、そのあとで食事をするプラン」のどちらであるのかを必ず確認して下さい。事務局で調べたところ、食事だけしかないプランがある一方で、結納飾りまで用意してくれるプランもあるようです。
★[受け書について]
●受書は、結納品名を列挙するため、結納品を用意する側が(例えば男性が)目録と受書を両方とも用意する方がスムーズに式が運びます。
最もスムーズに式を進行させるためには、男性側が用意した受け書を結納前日までに女性に渡しますが、当日結納品と一緒に持参し、目録と共に女性の父に手渡して内容を確認してもらうという手もあります。なお、結納品セットに目録と受書がついているものもあります。
★[目録と受け書は必ず必要?]
●結納という儀式が略式になるにつれ、結納そのものを行わず、両家の顔合わせと会食のみ行う場合もあるようです。目録と受け書は必ず必要というものではありません。婚約記念に指輪とネクタイピンだけを交換するケースの「婚約記念品」の目録の書き方と受書は『略式結納』のページへ>>>
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略式結納の目録と受書

[4]関東式(男性から女性への結納品)

項目書き方解説書き方見本

[4]-(1)-A.男性から女性に渡す目録の例

略式結納などに応用して下さい。
●結納金と、婚約指輪と、あと一つは品目数が偶数にならないように末廣を加えた例です。

[4]-(1)-B.上記の場合に、女性から男性に渡す受書の例

略式結納などに応用して下さい。
●上記を受け取る場合の受け書の書き方の例です。
●「受書」「御受書」どちらでも可。
●受書を自分で用意しても良い。
受書に書く内容がわからない場合の記載例は、このページの(3)へ>>
結納の目録と受書 つづき
[4]関東式のつづき(女性から男性への結納品)
項目書き方解説書き方見本

[4]-(2)-A.女性から男性に渡す目録の例

略式結納などに応用して下さい。
●結納品や結納飾りを使わずに行う結納の場合に使える目録の書き方の見本です。
●結納金と、礼服と、あと一つは品目数が偶数にならないように友白髪を加えた例です。
●女性からの結納返しには、背広、腕時計、ネクタイピンとカフス、礼服などが婚約記念品として贈られることがあります。

[4]-(2)-B.上記の場合に、男性から女性に渡す受書の例

略式結納などに応用して下さい。
●上記を受け取る場合の受け書の書き方の例です。
●「受書」「御受書」どちらでも可。
●受書を自分で用意しても良い。
受書に書く内容がわからない場合の記載例は、このページの[1](3)に準ずる。差出人と受取人の欄に注意>>

5.結納飾り・結納品

結納の儀式に用いる結納品には、両家の繁栄や新郎新婦の幸せな結婚生活(食べ物やお金に困らないようになど)、長寿、子宝に恵まれるように祈る意味があります。

結納飾りの一例(関東地区)

●結納飾りには、おめでたい語呂合わせの名前がついています。関東地区では目録を一品と数えるため、下記のような品数になります。品数を減らすことで略式になります。
● 関東地区では、男性側と女性側のそれぞれから結納品を取り交わすことになります。しかし、現在では男性側からだけ結納品を納め、女性側からは下記の3品程度を納めるといった略式も増えています。
●2品多い9品のとき●標準となる7品●5品のとき●3品のとき
目録(もくろく)目録目録目録
長熨斗(ながのし)長熨斗長熨斗長熨斗
※金宝包(おたからつつみ)※金宝包※金宝包※金宝包
友志良賀(ともしらが)友志良賀友志良賀 
末広(すえひろ)末広末広 
寿留女(するめ)寿留女  
子生婦(こんぶ)子生婦  
勝男節(かつおぶし)   
家内喜多留(やなぎだる)   
※金宝包(おたからつつみ)は、金包とも言います。結納金を包むもので、男性からの結納金は「御帯料」女性からは「御袴料」と書きます。
男性からは 結納金プラス婚約指輪、もしくは結納金の代わりに婚約指輪を贈ることもあります。女性からは結納金プラス「お返しの記念品(腕時計、カフス+ネクタイピン、礼服仕立て券など)を贈ることがあります。
●結納の儀式自体を省略し、両家で会食だけをするカップルもあります。 食事会の中で、婚約記念品を交換したり、婚約の誓約書を交わすカップルもいます。
婚約記念品の主な例は、男性→女性[婚約指輪など]、女性→男性[時計、ネクタイピンとカフス、礼服スーツなど。金額は半返し〜1/3程度]
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