香典返しに良く使われる品物と添えるお礼状・お礼は必要か?

葬儀に参列していただいたら、お礼状(会葬礼状)はなるべく早く出します(葬儀の際に渡す場合がほとんどです。郵送する場合もあります)が、それとは別に香典やお供物を頂いた方には忌明けの頃にお礼状(忌明けの挨拶状)を添えてお返し(お香典返し)をします。
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[参考ページ]
※四十九日 香典返しに添える挨拶状>>>
※香典返しを辞退したいとき>>>
※職場、会社の香典返し>>>
※香典の金額 相場>>>
※香典の金額 相場(祖父・祖母)>>>
※香典の金額 相場(兄弟姉妹、兄弟姉妹の義父義母)>>>
※ 香典の金額 相場(親戚、甥姪、嫁の祖母・祖父)>>>
※ 香典の金額 相場(おじおば、伯父,叔父,伯母,叔母)>>>
※ 香典の金額 相場(いとこ,いとこの配偶者,いとこの子)>>>
※香典の金額 相場(友人)>>>
※香典の金額 相場(友人の親)>>>
※ 香典の金額 相場(ご近所)>>>
※ 香典 金額の書き方 漢字一覧表>>>
※ 香典 金額の書き方 三千円、五千円、一万円、二万円、三万円ほか>>>
※香典袋の種類>>>

5.香典返しに良く使われる品物

香典返しは、不祝儀のお返し・お礼なので、縁起を担いで石鹸やお茶などの「あとに残らないもの(不幸が繰り返さないように、“消えて無くなるもの”)」が良いとされます。他には、実用品としてタオルやハンカチなども良く用いられます。
頂いた金額別に三段階くらいのものを用意し、それぞれの金額に合ったものをお返しします。
金額別のカタログギフトなども利用されているようです。また、地域によっては商品券が用いられることもあります。
※高額のお香典を頂いた場合
…高額の香典を頂いた場合には、品物だけでお返しをせず、香典返しの品物に添えて商品券をお渡しすることもあります。また、カタログギフトも比較的高額の物が揃っているようです。
  その他に、一部の地域では高額なお香典をいただいた場合には、半返しや1/3返しをする代わりに、社会福祉団体に寄付をすることもあります。一般的な金額の品物と一緒に、以下のような一文を書いたお礼状を添えます。「お気持ちをありがたく頂戴し、一部を香典返しに代えて◯◯◯に寄付をさせていただきました」と報告を差し上げるかたちになります。
香典返しは必ずお礼状と一緒に送ります。
香典返しに添えるお礼状については、このページの別項目でご説明しています……>>
なお、弔電だけをいただいた方には、お香典返しは不要です。
葬儀が終わったあとできるだけ早い時期に手書きのお礼状を送ります。この場合のお礼状は、文例・例文・例を会葬礼状のページで紹介しています。
※参考/会葬礼状のページへ……>>
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6.香典返しに添えるお礼状
 (香典返しの挨拶状・挨拶文・手紙)

本来は先方にお伺いし、お目にかかった上でお礼を申し上げるのがマナーなのですが(香典返しに限らず、お礼は直接申し上げるべきものなのですが)、直接伺ってお礼を申し上げることができないかわりに、お礼状を添えて品物を送ります。
お香典返しに添えるお礼状(挨拶状・挨拶文)の文中では、句読点の「、」や「。」は用いません。なぜ句読点を用いないのかについては、おおむね以下の3つの説があります。
1.もともと書状は毛筆で書かれていました。毛筆の書状には近世まで「、」や「。」を用いていませんでした。だからお礼状、挨拶状にも「、」「。」は用いないのが正式、という説。
2.葬儀や法事がとどこおりなく流れますようにという意味や、つつがなく終わりましたというをこめて、文章が途切れるような「、」「。」は用いません。冠婚葬祭に関する案内状や挨拶状全般も、式や行事が滞りなく流れるように、「、」「。」は用いません、という説。
3.「、」や「。」は読む人が読みやすいようにつけられたものであり、読み手の補助をするものと考えられます。あらかじめ句読点をつけた書状を送るのは読む力を充分に具えた相手に対して失礼であるという、読み手に対する敬意から「、」「。」はつけない、という説。
それでは、下記に香典返しに添えるお礼状(挨拶状・挨拶文)の、一般例をご紹介します。
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香典返しに添えるお礼状(挨拶文・手紙)の例文・文例

※ふつうは縦書きです。ページ構成の都合上、横書きにしています
拝啓
先般 亡祖父◯◯◯◯儀 葬儀に際しましては
ご多用中にもかかわらずわざわざご会葬を賜り且つご鄭重なる御厚志を賜り有難く厚くお礼申し上げます
葬儀の際は取り込み中にて万事不行届きにて申し訳なく存じております
お蔭をもちまして◯月◯日に四十九日の法要を滞りなく済ませることができました
つきましては供養のしるしに心ばかりの品をお送りいたします 何卒ご受納賜りたくお願い申し上げます
茲に生前のご厚情に感謝申し上げますとともに、今後も変わらぬご指導ご厚誼を賜りますようお願い申し上げます
本来であれば拝眉の上お礼申し上げるのが本意ではございますが略儀ながら書中を持ちましてお礼かたがたご挨拶申し上げます
敬具  
 令和◯◯年◯◯月◯◯日
〒□□□−□□□□□ □□市□□□町□−□−□
喪主   見本太郎
親族一同
[全体の流れ]
故人の名前…「故 ◯◯◯◯儀」「亡祖母 ◯◯◯◯儀」「弊社社長 故◯◯◯◯儀」「弊社 代表取締役社長 故◯◯◯◯儀」といった形で使います。
お礼の言葉…忙しい中を葬儀告別式に参列して頂いたことへのお礼と、香典を頂戴したことへのお礼の言葉を入れます。
お礼状はあくまでも略儀…本来なら直接お礼を申し上げるところ、書状でのご挨拶となった旨を伝えます。
(文中の言葉「拝眉(はいび)」…会うという意味をへりくだって言うときに使う言葉。お目にかかる。お会いする。)
差出人…社葬の場合には、葬儀委員長の名前を筆頭に書きます。その横に喪主、親族が続きます。
その他…季節の挨拶文は不要。
 頭語の 「拝啓」と結語「敬具」については、両方入れるか、もしくは両方無しのどちらでも良いでしょう。

※さらに沢山の文例は、別ページ「忌明けの挨拶状」でご紹介しています……>>

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7.香典返しをもらったら(香典返しのお礼は必要?)

香典返しも、最近は手渡しではなく宅配便で配送されることが多いのですが、お香典返しを受け取った場合でも、お礼の電話やお礼状は不要です。
基本的には香典返しのお礼状は不要ですし、お礼の電話はかけなくても構いません。ただ、日頃からおつきあいのある関係なら、届いたことを知らせるために「その後いかがお過ごしですか。本日ご丁寧なご挨拶の品が届きペンをとりました。」といったさりげない表現のはがきや手紙は出しても良いでしょう。
また、親しい間柄なら「もうそんな時期なのですね」とさりげなく電話で励ましてあげても良いと思います。
※参考ページ…香典返しのお礼>>>

8.香典返しを辞退されたら(香典返し不要の場合)

 例えば、一家の主が亡くなった時、「遺された家族や遺児の為に少しでも役立てて下さい。香典返しは謹んでご辞退申し上げます」という手紙が添えられていたり、或いは、「故人に今までお世話になったご恩に比べれば本当に心ばかりの香典です。香典返しをご辞退申し上げます」といった手紙が添えられていたり、という話を聞きます。
 香典返しは、忙しい中を時間を割いて故人のために葬儀に参列していただいたことへのお礼であったり、故人が生前受けた恩に対するお礼であったり、故人の死に際して相手から受けた温かい励ましに対するお礼であったりするため、基本的には辞退された相手にもお礼状を添えて香典返しを差し上げるのが本来のマナーです。ただ、上記で紹介した「遺児の学費、生活費に」といった主旨でご辞退されるような場合には、お気持ちをありがたく頂戴し、丁寧にお礼状を出すのが良いかもしれません。
※ 地方によっては香典返しそのものを差し上げる風習がほとんどない地域もあります。
その他に、お香典返しの代わりに社会福祉団体に寄付するということもあるようです。そうした場合には、辞退された相手にはお礼状を送り、お気持ちをありがたく頂戴し、香典返しに代えて◯◯◯に寄付をさせていただきましたと報告を差し上げるかたちになります。  
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9.キリスト教式の追悼・神式の霊祭

仏式以外の、追悼行事についてご紹介します。
◆キリスト教式
・キリスト教式の場合の法要は、追悼ミサと呼ばれます。
・ 3日目、7日目、一ケ月目、(場合によって、1年後も)に行なわれます。
◆神式
・神式の場合の法要は、霊祭と呼ばれます。
・主な霊祭は、10日後、50日後、1年後、三年後、五年後、十年後に行なわれます。
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キリスト教式の場合の追悼ミサ

 追悼ミサ(ついとうミサ)
名称時期内容
追悼ミサ
(ついとうみさ)
3日目教会で記念の式典が行なわれます。
遺族、親族、友人、知人などが参列します。牧師による祈りや、聖歌斉唱のあと、茶話会が行なわれることが多いようです。
茶話会は、ふつう、教会の別室などで執り行われます。
ミサの規模は1年後の命日に行なわれる記念ミサが最大となります。
7日目
追悼ミサ
プロテスタントでは
昇天記念日
1ケ月目
記念ミサ1年目
  万霊節(ばんれいせつ)
名称時期内容
万霊節
(ばんれいせつ)
All Soul’s Day
毎年
11月2日
万聖節の翌日である11月2日に行なわれる死者の記念日を万霊節といいます。
教会に信者が集まり、これまでに召されたすべての信者を追悼するミサを行ないます。ミサが終了したら、お墓に花をお供えします 。
※ ちなみに、11月1日の 万聖節は、All Saints’ Dayと呼ばれ、天国にいる全ての聖人に祈る祝日です。

神道の場合の霊祭

忌中は、家庭にある神棚には、白布や白半紙をかけ、神棚へのお供えや参拝はお休みします。
正月の参拝も、門松やしめ飾りも遠慮します。
50日を過ぎれば、神棚、御霊舎あるいは粗霊舎などに貼った白半紙や白布をはずし、御霊舎に御霊をお祭りします。
仏教でいう仏壇にあたるのが、御霊舎、あるいは粗霊舎。
仏教でいう位牌を霊璽(れいじ)と呼びます。
 斎日
 名称時期内容
霊祭
 十日祭10日目遺族、親族、友人、知人などが参列。
神職による祈りのあと神職をお食事でもてなします。
五十日祭50日目この日をもって忌明けとされ、神職と奏楽隊などを迎えて盛大に行なわれます。自宅または墓前、もしくは斎場で行なわれます。
御霊は、五十日祭のお払いのあと御霊舎に移されます。もし祖先の御霊があれば合祀祭を行ないます。
百日祭100日目遺族、親族などが参列します。
神職による祈りのあと、神職を食事でもてなします。
十年目以降は省略される場合が多いようです。
 式年祭
祖霊祭
 一年祭
三年祭
五年祭
十年祭

二十年祭
三十年祭
四十年祭
五十年祭
各年の命日遺族、親族などが参列します。
神職による祈りのあと、神職を食事でもてなします。
十年目以降は省略される場合が多いようです。
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