会葬礼状の書き方と例文》マナーとポイントを紹介

会葬礼状のページ。会葬礼状とは、葬儀(または通夜)の会葬者にお礼状としてお出しするものです。葬儀(または通夜)当日に会葬者にお渡しするものであり、忌明けの頃に香典返しに添えて送る「忌明けの挨拶状」とは別ものとなります。最近は形式にとらわれない自由なものを用いるご遺族もいらっしゃるようです。このページでは会葬礼状のマナーとポイントのほか、例文・文例をご紹介します。
合わせて弔電や香典のお礼状も紹介しています。

 葬儀に参列して頂いた場合のお礼状のマナーとポイントは?

▼会葬礼状のマナーとポイント
会葬礼状とは喪主が、参列者ひとりひとりにお礼を申し上げる代わりにお礼状にしてお渡しするものです。
ほとんどの場合、お清めの塩を入れた小袋とセットになっています。

会葬礼状の準備とマナー

原稿と印刷手配
 ●故人との続柄は、喪主からみた関係を書きます…「亡父」「亡祖父」など。
●葬儀の際に手渡しする場合には、宛名は書きません。
●およその数を把握し、会葬予定者の数よりも多めに手配をします。
渡す・手渡す
 ●葬儀の参列者が記帳をして下さった時に、お渡しします。香典を頂いてもいただかなくても、会葬して下さったことへのお礼としてお渡しします。
送る・郵送する・送付する
 ●葬儀に参列できずに弔電を下さった方には、お礼状を送ります
●葬儀に参列できずに、供花、お供物などを下さった方にも、お礼状を送ります。
(できれば会葬礼状とは文面を変え、手書きで。葬儀が終わってからなるべく早く出します。このページの別の項目参照…>>
▼お返し(香典返し)について

お返し(香典返し)の準備とマナー

葬儀に参列していただいたら、お礼状(会葬礼状)はなるべく早く出します(葬儀の際に渡す、または郵送)が、それとは別にお返し(香典返し)をします。
●香典返しの時期
 忌明けの四十九日の頃
●予算
 費用のめやすは、頂いた金額の半分〜1/3程度を目安にします。 香典で頂戴した金額のランクに合わせて3段階くらいの品物を手配すると良いでしょう。
●どんな品物を
 不祝儀のお返しなので、縁起を担いで石鹸やお茶などのあとに残らないもの(消えて無くなるもの)が良いとされます。他には、実用品としてタオルやハンカチなども良く用いられます。

会葬礼状・葬儀のお礼状の文例
(文例集・例文)

ほとんどの場合、決まった文面となります。
一番大切なのは、すぐにお礼の気持ちを伝えることです。
最近は形式に捉われない自由なタイプのお礼状を用いるご遺族もいらっしゃいますが、ここでは一般的なタイプをご紹介します。
なお、弔電のみを頂いた方にもお礼の手紙を出しましょう(このページの別の項目参照…>>)。

[会葬礼状の文例1] 個人が出す会葬礼状の文例

※ふつうは縦書きです。ページ構成の都合上、横書きにしています  
拝啓 亡祖母 見本きく江儀 葬儀に際しましては
ご多忙中のところわざわざご会葬を賜りご芳情のほど誠に有難く厚くお礼申し上げます
早速拝趨の上お礼申し上げるべきところ
略儀ながら書中を持ちましてお礼申し上げます
敬具 
 令和○○年○○月○○日
〒□□□−□□□□□ 住所
喪主  見本太郎
親族一同
[全体の流れ]
故人の名前…「亡祖父 ○○○○儀」という書き方と、「故 ○○○○儀」という書き方があります。社葬の場合には後者をアレンジし、「弊社社長 故◯○○○儀」といった形で使います。
お礼の言葉…忙しい中を参列して頂いたことへのお礼の言葉を入れます。
お礼状はあくまでも略儀…です。本来なら直接お礼を申し上げるところ、書状でのご挨拶となった旨を伝えます。
(文中の言葉「拝趨(はいすう)」…出向くという意味をへりくだって言うときに使う言葉。参上する。お伺いする。)
差出人…喪主の名前を書きます。横に「親族一同」と書き添えます。
その他…時候の挨拶、季節の挨拶文は不要。
     頭語 「拝啓」+結語「敬具」については、両方入れるか、
     もしくは両方無しのどちらでも良いでしょう。

[会葬礼状の文例2] 社葬の場合の会葬礼状

※ふつうは縦書きです。ページ構成の都合上、横書きにしています
弊社 代表取締役社長 故◯○○○儀 葬儀に際しましては
ご多用中にもかかわらずわざわざご会葬を賜り且つご鄭重なる御厚志を賜り有難く厚くお礼申し上げます
早速拝趨の上お礼申し上げるべきところ
略儀ながら書中を持ちましてお礼申し上げます
敬具 
 令和○○年○○月○○日
〒□□□−□□□□□ 住所
サンプル商事株式会社
葬儀委員長 取締役社長 ○○○○
喪主   見本太郎
親族一同
[全体の流れ]
故人の名前…「弊社社長 故◯○○○儀」「弊社 代表取締役社長 故◯○○○儀」といった形で使います。
お礼の言葉…忙しい中を参列して頂いたことへのお礼の言葉を入れます。
お礼状はあくまでも略儀…です。本来なら直接お礼を申し上げるところ、書状でのご挨拶となった旨を伝えます。
(文中の言葉「拝趨(はいすう)」…出向くという意味をへりくだって言うときに使う言葉。参上する。お伺いする。)
差出人…社葬の場合には、葬儀委員長の名前を筆頭に書きます。その横に喪主、親族が続きます。
その他…季節の挨拶文は不要。
     頭語の 「拝啓」の結語「敬具」については、両方入れるか、
     もしくは両方無しのどちらでも良い

[会葬礼状のレイアウト例]

はがき用として実際に縦書きに作成した場合のレイアウト
会葬礼状の文中では、句読点の「、」や「。」は用いません。なぜ会葬礼状に句読点を用いないのかについては、おおむね以下の3つの説があります。
1.もともと書状は毛筆で書かれていました。毛筆の書状には近世まで「、」や「。」を用いていませんでした。だから会葬礼状でもお礼状の文面中に「、」「。」は用いないのが正式、という説。
2.葬儀や法事がとどこおりなく流れますようにという意味や、つつがなく終わりましたというをこめて、文章が途切れるような「、」「。」は用いません。冠婚葬祭に関する案内状や挨拶状全般も、 式や行事が滞りなく流れるように、「、」「。」は用いません、という説。
3.「、」や「。」は読む人が読みやすいようにつけられたものであり、読み手の補助をするものと考えられます。あらかじめ句読点をつけた書状を送るのは読む力を充分に具えた相手に対して失礼であるという、読み手に対する敬意から「、」「。」はつけない、という説。

下記に、実際のはがき用の縦書きのレイアウトをご紹介いたします。
印刷用のテンプレートを作る際に参考になさってください。

会葬礼状はがき

★作成のポイント
故人の名前
「亡祖父 ○○○○儀」という書き方と、「故 ○○○○儀」という書き方があります。 社葬の場合には後者をアレンジし、「弊社社長 故◯○○○儀」といった形で使います。
お礼の言葉…忙しい中を参列して頂いたことへのお礼の言葉を入れます。
お礼状はあくまでも略儀…です。本来なら直接お礼を申し上げるところ、書状でのご挨拶となった旨を伝えます。
(文中の言葉「拝眉(はいび)」…お目にかかるという意味をへりくだって言うときに使う言葉。お会いするという意味。)
差出人…喪主の名前を書きます。横に「親族一同」と書き添えます。
その他…季節の挨拶文は不要。
頭語 の「拝啓」+結語の「敬具」については、両方入れるか、もしくは両方無しのどちらでも良いでしょう
上記はハガキ用のレイアウトの例ですが、2つ折りのカードの形にしたり、一枚のカードに印刷して封筒に入れたりすることもあります。
[テンプレート作成のヒント]
例えば、ご長寿で天寿を全うされた方のご葬儀の場合には、用紙やレイアウトにこだわった会葬礼状をお作りになり、文章中に天寿を全うされたという意味の文言をお入れになっても宜しいのではないでしょうか。

葬儀に参列せず、弔電または香典(供花、お供物)だけを頂いた場合のお礼状

一番大切なのは、すぐにお礼の気持ちを伝えることです。
会葬礼状とは文面は別にし、できるだけ手書きのものをお出しします。
[お礼状の文例]弔電や香典だけ頂いた場合
※ふつうは縦書きです。ページ構成の都合上、横書きにしています。作成の際は縦書きにしてご利用下さい
 

(例1)香典、供花、お供物を頂戴した場合

拝啓 このたびは 亡祖母 見本きく江儀 葬儀に際しまして
ご多忙中にもかかわらずご鄭重なるご厚志を賜り心より厚くお礼申し上げます
おかげさまで葬儀を滞りなく済ませることができました 
茲に生前のご厚情に感謝申し上げますとともに 今後も変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます 略儀ながら書中を持ちましてお礼申し上げます
敬具 
 令和○○年○○月○○日
本松 一郎様
〒□□□−□□□□□ 住所
喪主  見本太郎
親族一同

(例2)弔電を頂戴した場合

拝啓 
このたびは弊社 代表取締役会長 故見本創一郎儀 葬儀に際しまして
ご多忙中にもかかわらずご丁重な弔電を賜り厚く御礼申し上げます
おかげさまで葬儀告別式は滞りなく済ませることができました
茲に生前のご厚情に感謝申し上げますとともに 今後も変わらぬご指導ご厚誼を賜りますようお願い申し上げます
早速拝眉の上お礼申し上げるのが本意ではございますが略儀ながら書中を持ちましてお礼かたがたご挨拶申し上げます
敬具 
 令和○○年○○月○○日
本末物産株式会社
代表取締役  本松 一郎様
〒□□□−□□□□□ 住所
サンプル商事株式会社
葬儀委員長 取締役社長 ○○○○
喪主   見本太郎
親族一同
[全体の流れ]
故人の名前…「亡祖父 ○○○○儀」という書き方と、「故 ○○○○儀」という書き方があります。 社葬の場合には後者をアレンジし、「弊社社長 故◯○○○儀」といった形で使います。
お礼の言葉…忙しい中を弔電や香典などの配慮をして頂いたことへのお礼の言葉を入れます。
お礼状はあくまでも略儀…です。本来なら直接お礼を申し上げるところ、書状でのご挨拶となった旨を伝えます。
(文中の言葉「拝眉(はいび)」…会うという意味をへりくだって言うときに使う言葉。お目にかかる。「鄭重(ていちょう)」=「丁重」)
差出人…喪主の名前を書きます。横に「親族一同」と書き添えます。社葬の場合には、葬儀委員長が差出人になり、次に喪主、親族となります。
その他…季節の挨拶文は不要。
     頭語 「拝啓」+結語「敬具」については、両方入れるか、
     もしくは両方無しのどちらでも良い

生前葬の会葬礼状

[アート風にしたり、手作り風にしたり自由な発想で]
生前葬におこし頂いた方に会葬礼状を送る場合には、普通の会葬礼状のようなグレーの縁取りの地味なものを用いる必要はありません。
生前葬の場合には、会葬礼状の用紙もレイアウトも自由です。明るい色調のものを使ったり、印刷する用紙にこだわったり、二つ折りにしても良いでしょう。
アイディア案…ご自身の顔の似顔絵を入れたり、絵手紙風のイラストを用いたり、押し花を添えたり、香りをつけたり、アート風に故郷(ふるさと)の景色の画像を取り入れたりしても。
本人が生きているうちに催す葬儀です。亡くなってからでは出すことのできないお礼状ですから、自由な発想で作成してください。