香典袋の種類、選び方と書き方を宗教別に解説します

通夜や葬儀で使う香典袋には沢山の種類があります。主な香典袋の種類は、水引の色による違い(黒白・黒✕白、黄白・黄色✕白、双銀・銀色✕銀色)をはじめ、宗教による違い(蓮の絵有り・無しなど)、包む金額が多い少ないなど金額別に使い分けるためのものなどがあります。また、通夜・葬儀用(御霊前)と四十九日や一周忌などの法事用(御仏前)もあります。
このページでは香典袋の種類を解説します。
[参考ページ]
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1.香典袋の水引の色

香典袋の種類

香典袋には色々な種類があります。水引の色を見るだけでも黒、白、黄色、銀色などさまざまです。
ここでは香典袋の種類についてまずは水引の色から見てみましょう。
結び切り
結び切り

通夜や葬式・葬儀、あるいは法要の際に使う香典袋にはこのような水引が使われています。
水引きの結び方は、二度と繰り返したくないことに用いる結び方を用います。例えば上の3種類の香典袋のようなあわじむすび(あわびむすびとも言います)や、この見本画像のような結び切りが使われます。

水引の本数は>>>

香典袋の水引の色の種類

種類用途見本画像
黒白(黒✕白)
 用途見本画像
通夜、葬儀、法事・法要の香典を包む際に用います。
地域によってはお布施を包む際にも用いられることがあります。
また、神道の場合の香典(玉串料、榊料、御神前など)を包む際にも用いられることがありますが、仏教の四十九日に相当する五十日祭、一年祭まで用い、それ以降は使えません。
香典袋(黒✕白)
青白(青✕白、青✕灰色)
 用途見本画像
用途は上記に準ずるもので、水引が印刷されているタイプでは黒の水引が青色っぽく印刷されることがあります。 香典袋
黄白(黄色✕白)
 用途見本画像
主に関西で用いられます。関西エリアで、一周忌以降の法事・法要の香典を包むほか、お布施を包む際にも用いられることがあります。
(※関西で黄色✕白の香典袋を用いるのは一周忌からで、四十九日までは黒白の香典袋を用いるのが一般的です。)
また、神道の場合の香典(玉串料、榊料、御神前など)を包む際にも用いられることがあります。
香典袋(黄白)
双銀(銀色✕銀色)総銀と表記することも。
 用途見本画像
 通夜、葬儀、法事・法要の香典を包む際に用います。
地域によってはお布施や戒名料を包む際にも用いられることがあります。
比較的包む金額が多い際に用いられます。
また、神道の場合の香典(玉串料、榊料、御神前など)を包む際にも用いられることがあります。
香典袋(双銀)

香典袋の水引の本数

水引きの本数に関して、ポイントは以下のとおり。

・基本となる水引の本数は5本。格式を重んじる場合は7本に。

これは陰陽陰陽五行説(おんようごぎょう)からきているという説があります。陰陽説では奇数が重んじられることから5本、7本が用いられますが、9本は苦につながるため用いません。左側に薄い色(陽)、右側に濃い色(陰)が来るようにするのも、陰陽説からとされます。格式を重んじ、丁寧にする場合は7本となります。
[ワンポイント知識]
ちなみに、婚儀(結婚式など)では10本の水引きのものを用いますがこれは偶数と捉えるのではなく「5本が重なる」と捉えるそうです。

2.香典袋の種類と宗教(蓮の花の有無、十字架など)

香典袋には、無地のものと、表に蓮の絵などが書かれたものなどがあります。
市販品には、御香典などの文字が書かれた短冊が入っているものもあります。これは使用者の手間を省く目的のもので、使用しても構いません。

香典袋の種類と宗教

種類用途見本画像
蓮の絵付き仏教の場合にのみ使える。
仏教の通夜・葬儀葬式または、仏教の法事法要の香典を包む。

御霊前

蓮の絵が描かれている。見本画像は御霊前の例。
十字架付きキリスト教の場合のみ使える。香典としての御花料を包む。
水引のない、封筒タイプのものが用いられる。

御花料

十字架が描かれている。見本画像は御花料の例。
無地のもの宗教を選ばずに、どんな宗教でも香典袋として使える。
喪主の宗教がわからないときにも使える。

香典袋

十字架が描かれている。見本画像は御花料の例。

3.香典袋の種類と金額(包む金額と香典袋の種類)

香典袋には、以下の3つのタイプがあります。中に包む金額に応じて使い分けます。
包む金額が多いときには立派な香典袋を。金額が少ない時には袋だけが立派にならないように、金額にふさわしい香典袋を使うようにします。

香典袋の種類と金額

種類包む香典の金額見本画像
印刷 封筒タイプ(封筒の形。水引が印刷されたもの)
 包む香典の金額見本画像
1,000円〜5,000円。
ただし、郵送時に使う場合は金額を問わない。

香典袋

封筒に水引が印刷されたもの。
中袋がついていないものもある。
この見本画像は、水引が結び切りになっている例。
印刷 多当折りタイプ(多当折りの形。水引が印刷されたもの)
 包む香典の金額見本画像
10,000円以下
ただし、郵送時に使う場合は金額を問わない。

香典袋(印刷多当)

多当折り。水引は印刷してあり、中袋がついている。
多当折り水引かけ、につづく
香典袋の種類と金額(つづき)
多当折り水引かけ(多当折りの形。外側から水引をかけたもの)
包む香典の金額見本画像
10,000円以上

香典袋(黒✕白)

多当折り。中袋がついている。
神道の場合の香典(玉串料、榊料、御神前など)を包む際にも用いられることがありますが、仏教の四十九日に相当する五十日祭、一年祭まで用い、それ以降は使えません。
10,000円以上

香典袋(黄色✕白)

多当折り。中袋がついている。
関西エリアで、一周忌以降の法事・法要の香典を包むほか、お布施を包む際にも用いられることがあります。
(※関西で黄色✕白の香典袋を用いるのは一周忌からで、四十九日までは黒白の香典袋を用いるのが一般的です。)
また、神道の場合の香典(玉串料、榊料、御神前など)を包む際にも用いられることがあります。
30,000円以上

多当折り。中袋がついている。
また、神道の場合の香典(玉串料、榊料、御神前など)を包む際にも用いられることがあります。
【ワンポイント】

[多当折りとは](=たとうおり)
多当折りとは、「たとうし」の折り方のこと。たとうしは、「畳紙」(たたみがみ、から変化した「たとうし」)からきている。「畳紙」は懐紙の一つでもあると同時に、帖紙として、献上品や大切なものを包むのに使われた紙で、これを折りたたむ折り方が、たとう折り。現代では「多当折り」という字を用いるようになっている。
多当折りの折り畳み方は各種あるが、一般的な市販品は、水引を抜き取り上包みを開いて中央に中袋を置き、おもて側の正面からみて左、右の順に中袋の上に折りかぶせるタイプが多い。
裏面は下記の見本のようになっている。
水引きは、上から下に畳んだのちにかける。

[水引のかけかた]後ろから見た図

弔事

①後ろから見て上から下にかぶせる

香典袋の裏側

②水引きは、上から下に畳んだのちにかける。

4.香典袋の種類と用途(郵送する時に使う香典袋)

やむをえない事情で通夜・葬儀に参列できなかったり、訃報を後になってから知った場合に香典を郵送することがあります。
書留封筒に入れる場合には、水引がないタイプの香典袋を使うと便利です。

郵送するときに使える香典袋

香典袋

封筒に水引が印刷されたものを使いましょう。
水引きが邪魔にならずに、現金封筒に入れることができます。
現金書留専用の封筒は郵便局で販売されています。
そのまま現金書留封筒に入るサイズの香典袋を選ぶと良いでしょう。

5.香典袋の種類と通夜・葬儀〜法事・法要(御霊前と御仏前)

香典の表書きは通夜・葬儀葬式のときと、法事・法要のときとでは異なります。香典袋の種類に合わせて表書きを見てみましょう。

香典袋の種類と通夜・葬儀〜法事・法要

(1)通夜・葬儀の香典の書き方
黒白の水引きの香典袋
【宗教がわからないときの香典袋】
●表書きは「御霊前」など。
・薄墨で書きます。左記は「御霊前」の香典袋への書き方例です。
●香典袋の種類…水引きは白黒、双銀(金額が多い場合)などの結び切りのものを用います。
【参考情報】
●蓮の絵つきのものは、仏教のときのみ使えます。
●十字架のついた封筒はキリスト教の時に使います。キリスト教式の場合に使う香典の表書きは「御霊前」「御花料」
●神道のときには「御玉串料」「御榊料」「御神前」などです。
(2)法事・法要の香典の書き方
四十九日(仏教)
黒白の水引きの香典袋
【仏教の香典袋】
●表書きは「御仏前」「御佛前」など。
・濃い墨で書きます。左記は「御仏前」の香典袋への書き方例です。
●香典袋の種類…水引きは白黒、双銀(金額が多い場合)などの結び切りのものを用います。
【参考情報】
●神道でも四十九日に相当する五十日祭があり、黒白の水引きのものを使います。表書きは「御玉串料」「御榊料」「御神前」などです。
一周忌(仏教)
黒白の水引きの香典袋
【仏教の香典袋】
●表書きは「御仏前」「御佛前」など。
・濃い墨で書きます。左記は「御仏前」の香典袋への書き方例です。
●香典袋の種類…水引きは白黒、双銀(金額が多い場合)などの結び切りのものを用います。
【参考情報】
●神道でも四十九日に相当する五十日祭があり、黒白の水引きのものを使います。表書きは「御玉串料」「御榊料」「御神前」などです。
黄白の水引きの香典袋(黄色✕白)
香典袋(黄色✕白)

【黄色✕白・き白の香典袋】
関西エリアで、一周忌以降の法事・法要の香典を包むほか、お布施を包む際にも用いられることがあります。
(※関西で黄色✕白の香典袋を用いるのは一周忌からで、四十九日までは黒白の香典袋を用いるのが一般的です。)
【神道の場合】
神道の場合の香典(玉串料、榊料、御神前など)を包む際にも黄色✕白の香典袋が用いられることがあります。
ちなみに神道の場合、の香典(玉串料、榊料、御神前など)を包む際に黒✕白の香典袋は仏教の四十九日に相当する五十日祭、一年祭まで用い、それ以降は使えません。一年祭は黒白、黄白いずれも使いますがそれ以降は黄白になります。