不祝儀の際に用いられる表書きのひとつに「御仏前(読み方=ごぶつぜん)」があります。「御仏前」という表書きは仏教でのみ用います。
葬儀、告別式を終えると、遺族は一定の期間ごとに法事・法要を行います。一般的に四十九日以降の法要の時に持参する香典袋(不祝儀袋)の表書きは、通夜、葬儀・葬式のときの「御霊前」とは異なり、「御仏前」という表書きを用います。 このページでは御仏前の書き方やマナーについてご紹介します。
葬儀、告別式を終えると、遺族は一定の期間ごとに法事・法要を行います。一般的に四十九日以降の法要の時に持参する香典袋(不祝儀袋)の表書きは、通夜、葬儀・葬式のときの「御霊前」とは異なり、「御仏前」という表書きを用います。 このページでは御仏前の書き方やマナーについてご紹介します。
目次
1.御霊前と御仏前(御佛前)について |
仏教の葬儀や法事において香典とは、線香・抹香や花の代わりに死者の霊前に供えるものです。中でも御霊前や御仏前という表書きを良く目にしますが、この2つの表書きの使い方には違いがあります。「御仏前」という表書きは仏教でのみ用います。 葬儀、告別式を終えると、遺族は一定の期間ごとに法事・法要を行います。 法事・法要とは、故人の冥福を祈り、供養をするための仏教行事です。 御霊前は、通夜、葬儀、告別式、初七日に使用され、四十九日以降の法事では、御仏前という表書きが使用されます。 このページでは御仏前の書き方やマナーについてご紹介します。 ※キリスト教、神教の法要・法事については、 こちらで詳しくご説明しています。>>> |
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御霊前と御仏前の違いとポイント | |
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●遺族、親族ならびに故人と特に親しかった人は法事にも参列します。 法事の招待状を受け取ったら、やむを得ない事情がある場合を除き、なるべく出席するようにします。 ●下記の表をご参照下さい。仏教の場合、葬儀のあと初七日以降は忌日ごとに、あるいは命日ごとに法事・法要があります。 四十九日の法要は、忌明けまたは満中陰とも呼ばれ、この日をもって忌中最後の日となります。 ● 通夜以降、持参する香典は「御霊前」という表書きが使えますが、四十九日からは、それ以降の法事・法要に参列するときに持参する香典は、「御佛前」「御仏前」「ご仏前」という表書きを使います。 | |
追悼法要 /忌日法要 | |
日数の数え方 | |
初七日は葬儀当日に行なわれることが多い儀式です。 | |
法要の名称 | 時期 |
初七日(しょなぬか) | 7日目 |
追悼法要 /忌日法要(つづき) | |
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日数の数え方 | |
法要の名称 | 時期 |
下記は亡くなった日を含めて日数を数えます。 | |
ニ七日忌(ふたなぬか) | 14日目 |
三七日忌(みなぬか) | 21日目 |
四七日忌 (ししちにち) (よなぬか) | 28日目 |
五七日忌(ごしちにち) (いつなぬか) 三十五日 (さんじゅうごにち) | 35日目 |
六七日忌(ろくしちにち)(むなぬか) | 42日目 |
七七日忌(しちしちにちき)(なななぬか) 四十九日(しじゅうくにち) | 49日目 |
百か日忌(ひゃっかにち) | 100日目 |
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年忌法要 | ||
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今回の命日が何周忌にあたるの? というとき、三周忌からは数え方が異なり、なくなってからの年数マイナス一年となります。 以下の一覧表で「年数の数え方」をご覧ください。 | ||
法要の名称 | 時期 | 年数の数え方 |
一周忌 (いっしゅうき) | 満1年目 | 一周忌は、亡くなってから満1年めの祥月命日(しょうつきめいにち)に行ないます。 |
三回忌 (さんかいき) | 満2年目 | 三回忌以降は、 亡くなってからの 年数マイナス1年で 行ないます。 例)三回忌は満二年目。 |
七回忌 (ななかいき) | 満6年目 | |
十三回忌 (じゅうさんかいき) | 満12年目 | |
十七回忌 (じゅうななかいき) | 満16年目 | |
二十三回忌 (にじゅうさんかいき) | 満22年目 | |
二十七回忌 (にじゅうななかいき) | 満26年目 | |
三十三回忌 (さんじゅうさんかいき) | 満32年目 | |
仏教の年忌法要・法事に参列するときに持参する香典は、「御佛前」「御仏前」「ご仏前」または 「御供物料」という表書きを使います。 なお現代では、一周忌や初盆を過ぎると、主な法要以外は次第に出席者も遺族のみや親族のみに絞られていくケースが増えているようです。 |
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2.法事・法要の連絡がきたら(招待状を受けたら) |
親族以外であっても、故人や遺族とのおつきあいが深い場合には、四十九日や一周忌などの主な法要に招かれることがあります。 相応の理由がない限りはできるだけ参列することが望ましいでしょう。 招待状を受け取った場合、遺族側は引出物や料理の準備がありますので、出欠を知らせる返信ハガキは早めに返事を出すようにします。 法要に参列できない場合には、お詫びの言葉を添えて生花や果 物、御供物、御供物料などを送ると良いでしょう。また、法要の日以外の都合のつく日に改めてご供養に伺う形でも良いと思います。 |
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法要に伺う場合のマナー | |
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ポイント | 備 考 |
●仏教の場合、四十九日以前は御霊前、四十九日後は、 「御仏前」または 「御供物料」といった表書きの 香典袋(不祝儀袋)を持参するとされます。 四十九日当日は御仏前とされますが、浄土真宗では四十九日の前後に関わりなく「御仏前」と書きます。 ● 宗教によって不祝儀袋の表書きが違うので注意しましょう。 「御仏前」が使えるのは仏教のみです 。 【のし のページへ】 ●法事の開始10分前には式場に行くのが礼儀です。 【法事・法要 のページへ】 | ●神式や、キリスト教でも、仏教における法要と同じような儀式があります。呼び方や命日からの日数が異なりますので、詳細はこちらをご確認ください。>>> |
法事に参列できないとき | |
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ポイント | 備 考 |
●法事に出席できない時にはお詫びの手紙を添えて生花や御供物を送ると良いでしょう。 現金で御仏前や御供物料を送る場合には、現金書留を利用します。 【香典を送る・郵送時のお香典の入れ方】 現金を香典袋に入れ、表書きを通常の不祝儀袋と同様に書きます(例えば上段を御供物料、下段を佐藤一夫)。そのまま現金書留の専用封筒に入れます。便箋にお悔やみの手紙を書き、これも現金書留の封筒に入れ、郵便局の窓口などから送ります。 【遺族への手紙の書き方文例(お悔やみの文面)】 ご連絡ありがとうございます。遠方のためご法要に参列できず申し訳ございません。 など 心ばかりですが同封のもので故人がお好きだった果物でもお供え下さい。私も遥かな地より故人をしのびたいと存じます。 | ●法事についての服装やマナーはこちらのページで紹介しています。 【法事のページへ】 ●御仏前や御供物料のお返し……参列者には料理や引出物がお返しになります。現金やお花を送っていただいた方にはお礼状を添えて法事の引出物などを送ります。目安は頂いた金額の1/2〜1/3程度です。 【会葬礼状の文例へ】 |
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3.「御仏前」を持参する時のマナー |
不祝儀の表書きの書き方は宗教によって変わるので最も難しいといえます。 どうしても法要に出席できずに郵送で御供物料を贈る場合は、現金書留で送ります。必ずおわびの言葉を書いた手紙を添えましょう(郵送のしかたは、上の項でご説明しています)。 ●熨斗袋の書き方は、下記にてご説明いたします。 のし袋の下段には会葬者のフルネームを書きます。 ● ご夫婦で会葬する場合、夫の氏名だけでも良いのですが、故人とご縁が深かった場合には連名で出します。 ●夫の出張などで、妻が代理で会葬する場合には、山本一郎内のように、「内」を小さく書き添えます。会葬者名簿にも同じように書きます。縦書気の場合には「内」を書く位置は夫の氏名の左下です。 ●会社などで、上司の代理で会葬する場合には、山本一郎代のように、 「代」を小さく書き添えます。会葬者名簿にも同じように書きます。 もし上司の名刺を預かっていれば、その名刺の右上に「弔」と記し、左端か下隅に「上司の代わりにご会葬をさせて頂きます。鈴木花子」と小さく書き添えて受付に渡しましょう。 |
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宗教がわからないときの香典 | |||
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香典の書き方とポイント | |||
●先方の宗教に合わせて香典袋の表書きを書きます。仏教の場合、四十九日後の法事法要では、御仏前、御供物料などと書いた不祝儀袋を持参します。 ※1)但し、初七日の法要では御霊前となります。 ※2)浄土真宗の場合には、四十九日前でも御仏前を使います。 ※3)宗教がわからないときにはどんな宗教でも通夜葬儀葬式で使えるのは「御霊前」とされます。通夜葬儀の際に宗教を確認します。 ※4)一般的に四十九日までは薄墨を使うとされます。 ●通夜でも葬儀では先方の宗教がわからないときに、どんな宗教でも使える表書きは「御霊前」です。御仏前は仏教の場合に限り49日を過ぎてから用います。 【御仏前】表書きの書き方
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備考 | |||
●新札はNG 香典袋・不祝儀袋に入れるお金は新札は使わないという習慣が古くからあります。 現代ではこだわらないという考え方もありますが、ご遺族の中には年輩の方もいらっしゃいますので旧習に従ったほうが無難でしょう。 新札しか持ち合わせがないときには軽く折り目をつけてから香典袋にいれます。 なお、あまりにもクシャクシャのシワシワのお札を用いるのはむしろ失礼にあたります。 ●香典袋のお金の入れ方は? 香典(御仏前、御供物料その他)の熨斗袋の包み方、お金の入れ方やお金の包み方、中包みの漢数字での金額の書き方は、こちらののし袋のページで、画像入りで詳しく説明しています。 【香典のお金の入れ方】 ●水引の色は? 水引きの色については、黒白または双銀が一般的です。関西地域では黄白を用いる地域もあるようです(また関西では三回忌以降に黄白の水引を用いるという地方もありますが、あまり堅苦しく考えなくてもよいでしょう)。 金額が少ない場合には黒白の水引き(目安は5,000円くらいまで)、金額が多い場合には水引の色は双銀となります。また、水引きも印刷されたタイプの香典袋は金額が少ない場合にのみ用います。 ★薄墨について…通夜葬儀の香典(御霊前)では薄墨を使い、四十九日などの法事法要では、濃い墨を使うという考え方もあります。 御仏前は濃い墨でも良いでしょう。 市販の香典袋の中には表書きが印刷されたものもあります。表書きが袋に印刷された香典袋を使う場合には、 上段と下段を同じ墨色になるようにしましょう。 |
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御仏前や、御供物料の渡し方のマナー(香典袋の渡し方) | ||||||
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渡し方とポイント | ||||||
●受付がある場合には受け付けでお悔やみの言葉を述べ、記帳するときに香典もわたします。 受付がない法要の場合には、ふくさから出し遺族に直接手渡します。 香典の渡し方のマナーを下記にご紹介します。 ●受け付けでのお悔やみの言葉の例と香典の渡し方
●場合によっては、記帳と香典を渡す順序が前後します。
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備考 | ||||||
●どうしても法要に出席できずに郵送で御供物料(香典袋)を贈る場合は、現金書留で送ります。 必ずお詫びの言葉を書いた手紙を添えましょう(郵送の仕方は、このページの上の方の項でご説明しています)。 |
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4.供物・供花(お供え物)を贈る |
霊前にお供えする果物やお花などを「供物」「供花」といいます。 「供物」としては線香、ろうそく、果物、お菓子など。 「供花」は生花、花輪などがあります。 ふつう、花輪は会社や団体などが贈るものです。個人で花を贈るときは生花を贈ります。 こうしたお供物にも、宗教によってそれぞれ決まりがありますのでご紹介します。 下記にはモノを贈る場合の贈り方をご紹介しますが、最近ではモノよりも現金で御供物料を贈るのが一般的です。 |
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供物を贈る | |
ポイント | 備 考 |
●仏教では故人が好んだ食べ物「果実」「菓子」を贈るほか、「線香」「ろうそく」を供物として贈ることができます。「肉」「魚」などの生ものはNGです。 ●神式でも使える供物は「果実」「菓子」「酒」など。「食べ物」は全般的にOKですが、線香やろうそくはNGです。 ●キリスト教では生花以外はだめ、と覚えてください。 ●仏教では供物は正式には奉書紙で包み、双銀か白黒の水引きで結び切りにします。表書きは「御供物」「御供」。 | ●仏教の場合、果物や菓子を贈る場合のの「のし」の表書きは「御供物」「御供」となります。 ●現金を用意 して熨斗袋の表書きを「御供物料」「御花料」とし、遺族に「故人の好きだった食べ物を供えてください」「故人がお好きだったお花を供えてください」などと渡しても良いでしょう。表書きに「供花料」とは書きません。 ●神式では食べ物の他にお酒を供えることもありますが、供え方や飾り方にはしきたりがあるので現金を包むほうが無難でしょう。 表書きは「御玉串料」となります。 【のし袋】参照 |
生花を贈る | |
ポイント | 備 考 |
●生花は宗教を問わずお供えとして使えます。 自分で持参しても、葬儀社や花屋などに頼んで手配をしても良いでしょう。 白黒や黒のリボンをかけたり、水引きをかけたりします。 原色の生花は避けるのが普通です。 | ●法事、法要の前日までに間に合うよう手配する。 |
供花を贈る | |
ポイント | 備 考 |
●祭壇の横に供える贈り主の名札つきの生花を供花と言います。 ●供花も、自宅や式場によっては、並べる場所の都合があるので喪家や斎場の意向を確認してから葬儀社に手配を依頼すると良いでしょう。 ●葬儀社などに手配を依頼した場合の代金は「御花代」「お花代」として白封筒などに用意します。 | ●法事、法要の日の前日に間に合うよう手配する。 【はみだし知識】 ・キリスト教式では、葬儀、法要のときの不祝儀袋の表書きを「お花料」「御花料」と書きます ・現金を用意 して熨斗袋の表書きを「御花料」とし、遺族に「故人がお好きだったお花を供えてください」などと渡しても良いでしょう。表書きに「供花料」とは書きません。 |
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5.御仏前、お供物料の相場 |
香典の金額は、故人とのおつき合いの深さや、贈り主の年齢によって異なります。 いちおうの目安として香典の相場金額をご紹介します。 下記はごく一般的な香典代のめやすとなる金額です。 |
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御仏前、御供物料の相場 | |
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金額のめやす | |
故人や遺族との親交の深さや、参列者の年齢によって異なりますが、中心となる金額は5,000円〜20,000円のようです。一般的には1万円くらいがひとつの目安となります。 引出物の金額も見越した金額を包むと良いでしょう。また、僧侶の読経のあと、食事がふるまわれることがあるので、食事ありの場合はその分を考慮した金額を包みます。 |
6.法事とお香典マナー |
仏教では、参列者がお供えするのし袋の表書きに「御霊前」という表書きが使えるのは、四十九日の法要までです。それ以降の50日めからは、「霊」ではなく「仏様」になります。 例えば一周忌、三回忌、七回忌…といった法事では、「御仏前」または「御佛前」という表書きを使います。その他に法事の熨斗袋の表書きに使えるのは「御香料」「御供物料」などです。 一方、遺族が、初七日〜四十九日の法要にお寺にお包みするお礼の場合の表書きは「御布施」「御経料」「御法禮」「御回向料」「お布施」などですが、これは忌明け後も用いられます。 ※ なお、上記の表書きは仏教、仏式の場合です。 ※注意/必ず先方の宗教を確認して下さい。例えば浄土真宗に関しては、四十九日前でも「御霊前」の表記は使えません。通夜、葬儀とも「御仏前」となります。 なお、事務局では全ての宗教宗派を網羅しているのではなく、一般的な知識を紹介させて頂いております。厳密には、各種の儀式やしきたりは宗教宗派あるいは地方によっても異なります。誠に恐れ入りますが、ご心配な場合にはお寺や周りの年配の方に確認して頂きますようお願い申し上げます。当サイトの掲載内容は一般的な知識の紹介であることを御了解頂いた上でご利用頂きますようお願い申し上げます。 |
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