お通夜の流れとマナー》挨拶・参列する時・服装の作法など紹介

 お通夜は、故人の亡骸と共に最後の夜を過ごす儀式です。近親者が死者と共に一夜を過ごすことで邪霊の侵入を防ぐと言われる事から、遺族や親族、親しい人が集って行います。故人との最後の別れを惜しむための儀式となっています。
 このページでは通夜のマナー(いつ行う、いつ伺う、お悔やみの言葉、服装、持参するものなど)および通夜見舞いの知識について説明します。

1.通夜について(御通夜について)

 通夜では、遺族や親族、故人と直接親交のあった知人や友人が参列して、故人の冥福を祈ります。

[お通夜と葬式・葬儀・告別式]

都合で葬儀や告別式に出席・参列できない時には、葬儀や告別式に参列できない代わりに通夜に弔問しても良いでしょう
(どうしても葬式葬儀に出席・参列できない時には、それほど親しくなくても通夜に弔問して構いません)。
 以下は仏式の場合の【通夜】ですが、神式では「通夜祭」と、それに続いてとり行われる「遷霊祭」という神事がそれにあたります。キリスト教式でも、通夜の儀式を行います。いずれも参列者が一同に揃って行われます。

[お通夜に香典を持参する時のマナー]

 香典は、お通夜または葬儀葬式・告別式のいずれかに持参します。お香典を入れるのし袋は宗教によって異なるため注意して下さい。宗教がわからない場合は「御霊前」と書いたものであればたいていの宗教に用いることができます。また「御霊前」は通夜・告別式のいずれにも使えます。
なお、香典については別ページでご紹介しています。
※香典のマナー>>>
なお、喪主の挨拶や弔辞文例は別ページでご紹介しています。
※喪主挨拶>>>  ※弔辞・お悔み挨拶文例>>>
葬儀・告別式について…葬式のページへ】  

・通夜はいつ行う? 友引の場合の通夜について

亡くなってから少なくとも24時間が経過するまで火葬をすることは認められていません。最短での日程は以下の通りになります。
【日程を決める前に】
・仏滅などの六曜を確認する

友引は縁起が悪いから葬儀を行わないという俗説がありますが、実際には火葬場が友引に休みであるため、葬儀は行いません。但し通夜は友引でも行います。
葬儀が友引にあたってしまう場合には1日ずらして一日目を「仮通夜」とする場合もあります。仮通夜は近親者のみで執り行います。
・火葬場の予約状況を確認する。
葬儀社に頼んで火葬場の予約状況を確認します。
【最短の場合の日程】

死亡してから葬儀までの日程

1日目(死亡当日)納棺
2日目(翌日)通夜
3日目(翌々日)葬儀・告別式・火葬(初七日の法要までこの日に行う家も多い)

通夜に参列する時のマナー

【通夜が行われる時間】
●お通夜の儀式は、午後6時頃〜9時・10時頃まで行われます。
●弔問に伺う際には、早すぎても、逆に遅すぎても迷惑になりますので、始まる時間の10分前に着く位が良いでしょう。
【受付での作法】
●受付では、一礼してお悔やみの言葉を手短に述べます。
[受付で述べる挨拶の例]…
「このたびはご愁傷さまです。」
「大変お気の毒でございました。」
「お寂しゅうございますね。」
「お悪うございました。」など。
軽く黙礼のみでも良いでしょう。
●通夜と告別式の両方に参列するなら、香典は通夜の時に出します(もし通夜で香典を出した場合には、告別式では記帳のみをします)。
香典を出す際には、ふくさごと受付の台に置いて目の前で開けます。香典の向きを相手から見て正面になるようにして、両手で差し出します。
もし 受付が無い時には、遺族か世話役に手渡すか、拝礼の後、霊前に供えます。
※参考ページ香典の作法>>>
[お通夜の会場でのマナー]につづく
通夜に参列する時のマナー つづき
[お通夜の会場でのマナー]
◎式場で話す時は小声で、言葉少なく。あいさつも目礼する程度にします。
[お通夜の参列を終えたら]
◎一般の弔問客は焼香をすませ次第退席しますが、通夜ぶるまいに招かれたら、なるべく応じるようにします。
(※通夜ぶるまい=弔問客に食事、夜食を用意して、感謝の気持ちを表すもの。)
[お通夜と数珠]
◎数珠には短い略式のもの(一連になっているもの)と、長い二重念珠があります。
訃報を聞いてかけつける通夜の場合、数珠は(持参するのが望ましいのですが)持っていなくても会葬者として失礼になることはありません。
◎数珠は房の部分が下の方にくるように持ちます。
焼香の際には数珠は左手にかけます。また僧侶が読経している際には、数珠は左手の親指と人さし指の間にかけて両手ではさむように手をあわせるか、または人さし指と親指とではさむようにして自然に両手を合わせます。
[お通夜と暦]
◎通夜は暦を問わない(通夜は友引の日でも行なわれる)のですが、葬儀は暦が「友引」の日には行なわないのが一般的です。
葬儀日程を決める際は寺、斎場、火葬場などの空きを確認し、調整する必要があるので葬儀社に段取りをお願いする方が良いでしょう。
(※なぜ友引の日には葬儀を避けるの?…友引には「友を引く」とされ、不幸なことが続くのを避けたいという思いから縁起を担ぐ人も多く、一般的な慣習として葬儀を行わないことが多いようです。友引の日は火葬場が休みのため葬儀をしないという地域もあります。
しかし、「絶対に友引には葬儀をしてはいけない」ということではなく、地域によっては友引でも葬儀をすることがあります)
 …葬儀社の見積りは、料金に何と何と何が含まれているかを細かく確認することをおすすめします。
 

通夜の流れ

●遺族は役割分担を決める。
  受付係、接待係、駐車場係など
[通夜のながれ]
  受付準備(弔問客の受け入れ準備をする)
→ 受付開始
→ 着席
→ 僧侶到着・入場
→ 開式
→ 読経
→ 焼香
→ 僧侶退場
→ 閉式
→ 通夜ぶるまい
→ 夜とぎ
 …親族は交替で、通夜の一晩中線香の火を絶やさぬようにします。

通夜の服装の作法

●女性の通夜の服装
女性は、かっちりとしたシルエットのオーソドックスな、肌を隠すデザインの服を。バッグや靴、ストッキングなども黒で統一する。
 アクセサリーは光るものは避け、パール、ブラックパール、黒珊瑚などをつける(立場によってはつけないことも)。
◎ハンカチは、白か地味な色の無地のものを。傘やコート類も、できれば黒、なければグレーなどに。
◎長い髪は、まとめて清潔で上品な印象に。ヘアアクセサリーも派手なものはNG。
◎靴はヒールのある黒いパンプスを。エナメルや爬虫類の革のものなどは避ける。サンダルもタブー。
◎和服を着る場合には略礼装の「色喪服」(弔問や法事などで用いる、藤色、ねずみ、紺などの色無地三つ紋、又は一つ紋に、帯と小物を黒で統一したもの)を。
◎地域によっては、しきたりの異なる場合も。心配であれば、周りの人に確かめる。
●男性の通夜の服装
男性は、基本的に黒の礼服となるが、会社から行く場合は紺やグレーのダークスーツでも可。
◎ネクタイは黒の無地を。また、金時計など光るものは外し、ネクタイピンも用いない方が良いが、パールなど光らない物ならOK。カフスボタンとお揃いで。
◎ワイシャツは白でボタンダウン等は避ける。
●子供の通夜の服装
小学生以下の子供は、白いシャツに紺やグレーの服を合わせる。制服があれば、それを着せる。

2.お悔やみの言葉について

お悔やみの言葉は、手短かに心を込めて述べましょう。忌み言葉を使わないように気を付けます。下記に通夜で述べるお悔やみのことばをいくつか紹介します。
なお、通夜の席では言葉遣いに気をつけるだけではなく、大声で話をしたり、大声で笑ったりするのもNGです。更に、子供たちが走り回るのも見苦しいものです。保護者が注意するようにしましょう。

受付での挨拶(弔問客の言葉)

「このたびは御愁傷さまです」
「大変お気の毒でございました」
「お寂しゅうございますね」
「お悪うございました」など。
「このたびは…」と言葉を濁し、軽く黙礼しても良い。
●一礼してから述べる。

受付で(受付係の言葉)

●お忙しいところをわざわざおこし頂きましてありがとうございます。
●(香典を頂いたら)ご丁寧にありがとうございます。早速霊前に供えさせて頂きます。
●定刻には始めたいと思いますので、あちらの席でしばらくお待ち下さい。
●一礼してから述べる。

忌み言葉について

●以下の言葉は「忌み言葉」とされます。会話の中で使わないように気を付けましょう。
◎不幸が重なるという「重ねる」「かさねがさね」「くれぐれも」「再三」。 ◎不幸が再び来るという「また」「たびたび」。
◎苦を思わせる数字の「九」や、死の直接的な言葉である「死ぬ 」「死亡」など。
●大げさな表現も避けること。

3.通夜見舞いについて

 地域によっては通夜見舞いという風習が残っています。
通夜見舞いとは、通夜の晩、故人に夜通し付き添う遺族を気遣って飲食物や菓子等を差し入れすることです。差し入れする飲食物やお菓子の金額のめやすは2,000円〜3,000円程度です。のしなどは不要で「お通夜見舞です」と告げてお届けするのが習わしです。
届け先の近くのお花屋さんが 直接手渡しでお届け。 ★当日配達もOK!
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