一周忌とは、故人が亡くなってからちょうど一年めの命日をさします。亡くなった日と同月同日は祥月命日(しょうつきめいにち)と言います。一周忌には法要を行い僧侶による読経のあと焼香が行われ、最後に食事がふるまわれます。ここでは一周忌に行う主な行事の解説と、一周忌の準備と流れ、服装とマナー、香典袋の表書きなどの常識や作法についてご説明します。
なお、キリスト教式、神式にも一年目の節目に行う儀式があります。それぞれについて、法事・法要のページでご説明しています>>
なお、キリスト教式、神式にも一年目の節目に行う儀式があります。それぞれについて、法事・法要のページでご説明しています>>
目次
1.一周忌とは 一周忌の意味について |
亡くなってから七日ごとに法事・法要があります。四十九日までの法要を「追善法要」と言い、 その後一年ごとの法要を「年忌法要」と呼びます。 なかでも、亡くなってからちょうど一年めの命日を「一周忌」と呼びます。(亡くなった日と同月同日は「祥月命日(しょうつきめいにち)」と言います。 一周忌の意味 一周忌には、故人亡きあと過ごしてきた一年をふりかえりつつ、亡くなった人を偲び、改めて冥福を祈るという意味があります。 一周忌には、親族以外にも知人・友人などを招いて行なわれます。 |
一周忌に行なわれる主な行事 |
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お墓参り |
お墓参りには決まった時期があるわけではありませんが、命日、祥月命日、お盆などの時期にお墓参りが行われます。 一周忌は亡くなって一年目の祥月命日であるため、お墓参りが行われることが多いようです。 |
納骨式 |
納骨式は四十九日に行なわれる場合が多いようです(次に多いのが百箇日法要です)。 遅くとも三回忌までに納骨をします。 |
一周忌法要 |
このページで解説します。 |
お斎 (おとき) |
法要の際に、僧侶による読経のあと焼香が行なわれ、最後に食事がふるまわれます。この食事を御斎(お斎とも書く・おとき)と呼びます。お斎は僧侶や参列者へのお礼の気持ちをこめたお膳であると同時に、一同で故人を偲ぶための行事です。 |
・なお、 法事の日程を決める際、法要の日が平日にあたる場合には、直前の土曜日か日曜日にずらすのが一般的ですが、一周忌法要についてはできるだけ同月同日に行ないます。 ・法事のあとの会食をお斎(おとき)と呼びます。別ページで詳細に説明をしています。 ・亡くなってからの日数の数え方については、百か日までの追悼法要は、亡くなった日を含めて数えるのが一般的です。 また、一周忌法要だけは満1年目におこないますが、それ以降の一年ごとの年忌法要は年数−1年(年数マイナス1年)で行ないます。 |
一周忌の服装と準備 |
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[服装] ・遺族は、三回忌までは喪服が基本です。七回忌以降は略式喪服や地味な色の服装で構いません。 ・参列者は、初七日〜四十九日法要は略式喪服を着用します。一周忌以降の年忌法要の場合は略式礼服または地味な服装で。七回忌以降は、地味であれば平服でも構いません。 [用意するもの] ・施主は引出物を用意します。引き出物には、おもてなしの土産というほかに参列者が持参する香典に対するお返しの意味もあります。 僧侶に読経を依頼する場合には、お布施も用意します。自宅で法要を行なう場合にはお布施の他にお車代なども用意します。 (準備や引き出物の手配など詳細は法事・法要のページにて>>>) ・参列者は、御供物料、御仏前、 御香料などを持参します。 ・遺族、親族、参列者などがお供えや供花などを手配します。 |
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↓下記に年忌法要を御紹介します。49日法要などの、一年に満たない日数で行う追悼法要の日程や詳細については法事のページをご参照下さい。法事のページへ>>> |
年忌法要 一覧表 | ||
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法要の名称 | 時期 | 法要の内容 |
一周忌 (いっしゅうき) | 満1年目 | 遺族、親族、友人、知人などが参列。僧侶による読経のあと、一同で焼香・会食(お斎)をします。 |
三回忌 (さんかいき) | 満2年目 | 遺族、親族、友人、知人などが参列。僧侶による読経のあと、一同で焼香・会食(お斎)をします。 |
七回忌 (ななかいき) | 満6年目 | 遺族、親族で供養するのが一般的です。 一般的に、七回忌の頃から、法要の規模を縮小していきます。 |
十三回忌 (じゅうさんかいき) | 満12年目 | 遺族だけで供養するのが一般的です。 |
十七回忌 (じゅうななかいき) | 満16年目 | 遺族だけで供養するのが一般的です。 省略する場合もあります。 |
二十三回忌 (にじゅうさんかいき) | 満22年目 | 遺族だけで供養するのが一般的です。 省略する場合もあります。 |
二十七回忌 (じゅうななかいき) | 満27年目 | 遺族だけで供養するのが一般的です。 省略する場合もあります。 |
三十三回忌 (さんじゅうさんかいき) | 満32年目 | 遺族だけで供養するのが一般的です。 ※三十三回忌は弔い上げ(とむらいあげ)とも言われます。仏教では死者は33年目にはどんな人でも無罪になって極楽浄土に行くと言われています。 仏壇から戒名を記した位牌を片付け、これ以降は「◯◯家先祖の霊」の位牌を祀ります。 ※地方によっては、五十回忌をもって弔い上げとする地方もあります。 |
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2.法事・法要の準備 |
日程を決め、お寺の手配、引出物の手配、食事の手配などを行ないます。 |
一周忌法事・法要の準備(遺族) | |
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項目 | 一周忌に準備するもの |
1.日程を決める | |
・百か日までの追悼法要は、亡くなった日を含めて数えるのが一般的です。 また、一周忌だけは満1年目におこないますが、それ以降の一年ごとの年忌法要は年数−1年(年数マイナス1年)で行ないます。(例:三回忌は満2年) ・法事・法要の日程を決める際、平日にあたる場合は、直前の土日に行なわれる場合が一般的です。 | |
2.場所を決める | |
・自宅、お寺、ホテルなどのいずれの場所で行なうのかを決めます。 | |
3.料理の手配をする | |
・読経の場所と、法事の後の会食の場所を変える場合もあります。必要に応じて仕出し料理やお店などの予約をします。 ・おめでたい伊勢海老や、鯛などの献立は避けた方がよいので、予約の際には「法事で利用します」と、利用目的を告げましょう。 | |
4.お寺への連絡 | |
・場所、日時が決まったら、なるべく早く菩提寺に連絡をします。 ・菩提寺とは、先祖代々の墓をお願いしているお寺をさします。霊園、墓地などを利用している御家庭では、葬儀の際に世話になったお寺に依頼すると良いでしょう。 | |
5.案内状の手配 | |
・親族・親戚だけで行なう場合には電話での連絡でも良いでしょう。 ・会社関係などで執り行う場合には、往復ハガキや返信用のはがきを同封した封書などで、案内状を用意し、出欠をたずねます。 ※一周忌法要の挨拶状、一周忌法要案内状の文面などは「法事の案内状」のページへ>>> | |
6.引出物の手配 | |
引き出物には、おもてなしのお土産というほかに、参列者が持参する香典に対するお返しの意味もあります ・のしの水引きは、黒白または双銀の結び切りにします。 ・引出物としては、石鹸や洗剤、タオルなどの実用品や食品等が良く用いられます。遠方からの方もいらっしゃるので、かさばるものは避けます。最近はカタログギフトも増えました。 ・引出物の金額相場 予算は@2,000〜5,000円程度が最多価格帯 (2,000円〜1万円くらいまでが一般的です。一周忌に参列するのは、遺族、親族が中心となります。) ※お斎(=おとき。会食)の予算は上記引出物とは別に考えます。 ・引出物ののしの表書きは、「粗供養」「志」などとし、水引きは黒白か銀の結び切りを用います。 ・法事の後、おもてなしの席を設けない場合には、折詰めの料理と酒の小壜を用意し、引出物と一緒にお渡しします。 | |
7.につづく |
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一周忌法事・法要の準備(遺族)つづき | |
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項目 | 一周忌に準備するもの |
7.お布施などを用意しておく | |
・僧侶にはお礼をお渡ししなくてはなりませんが、僧侶が法要のあとのお食事(お斎)に同席して下さる場合には、御布施または御経料、お車代の2つを用意します。 もし、僧侶がお斎を辞退されたら、御布施または御経料、お車代のほかに、御膳料を加えた3つをお渡しします。 お布施の金額相場 ・金額の目安をご紹介します 御布施または御経料は、3万円程度。 お車代は、5千円〜1万円くらい。 御膳料は、5千円〜2万円くらい。 ・お金を入れる袋の表書きは薄墨ではなく普通の墨で書きます。 半紙の中包みに入れ、奉書紙で慶事の上包みの折り方をするのが最も丁寧な形ですが、市販の白い封筒で構いません。郵便番号欄の無い無地の封筒を用います。 ・直接手渡しせず、小さなお盆などに載せてお渡しします。お盆も用意しておきましょう。 | |
8.墓石、墓地 | |
一周忌法事と納骨を同じタイミングで行なう場合もあります。お寺、墓地、石材店への手配と、日程を確認しておきましょう。 | |
9.供花、お供え | |
・供花、お供えは遺族をはじめ、親族、参列者などが前日までに手配をします。 ・お供え、供花、花輪などは連名で贈ることもあります。 ・お供えは無難なお線香のほかに、一周忌法要が終わった後に参列者で分けられるものを選ぶことも多くなっています。 人気のあるお供え物は、お線香、果物、お花などです。故人が特にお好きだった場合には、お酒、ビールなどをお供えすることもあります。 ・供花は前日までに葬儀社もしくは花屋に一周忌法要の時間と場所、目的を伝えて手配をしておきます。 |
3.法事・法要の流れ |
法事・法要の流れには決まりはありませんが、代表的な例をご紹介いたします。 施主が行う一周忌法要挨拶も、下記にて紹介しています。 |
法事・法要の流れ、法事の仕方 | |
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項目 | 法要の仕方、仏式の作法など |
1.僧侶入場 | |
仏壇の前に僧侶の席をしつらえておきます。 遺族は故人との血縁の濃い人が前の方に席をとります。仏壇中央の僧侶のすぐ後ろには施主が座ります。 僧侶が到着したら、仏壇前の正面中央に案内します。 | |
2.施主の挨拶 (一周忌の挨拶) | |
[施主挨拶の例] 「本日はお忙しい中をお集まり頂きましてありがとうございます。それではこれより◯◯◯◯(戒名)の一周忌の法要を始めさせて頂きます。 (僧侶の方を向いて) それではよろしくお願いします。」 というように、ごく簡単に挨拶をします。 | |
3.僧侶の読経 | |
4.焼香 | |
施主から順番に、前の方に着席している人から焼香をしていきます。 | |
5.法話 | |
6.僧侶退場 | |
僧侶にはお礼をお渡ししなくてはなりませんが、僧侶が法要のあとのお食事(お斎)に同席して下さる場合には、この時点での退場はありません。お斎の後でお渡しします。 もし、僧侶がお斎での接待を辞退されたら、お布施、お車代、御膳料の3つを包みます。 お食事に同席される場合は、お布施、お車代の2つをお渡しします。 直接手渡しするのではなく、小さなお盆に載せて僧侶の方に向けて差し出します。 | |
7.墓参り | |
墓地が遠い場合には省略されます。 | |
8.施主の挨拶 (一周忌挨拶) | |
施主の挨拶のあと、会食(御斎)になります。 [施主の挨拶の例] 「本日はお忙しい中をお集り頂きましてありがとうございました。おかげさまで母の一周忌の法要も無事終えることができ、母も安心していることと思います。 これからも変わらぬご支援のほどよろしくお願い申し上げます。 粗宴ではございますが、別室にてお膳をご用意いたしました。お時間の許す限り、どうぞごゆっくりなさっていってください。本日はまことにありがとうございました。 |
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