頭語と結語の組み合わせ・手紙の書き方とビジネス文例・例文

頭語と結語
頭語・結語のページ。手紙やはがきで冒頭に用いる「拝啓」「謹啓」などの言葉を頭語(とうご)と言います。
いきなり本文(用件や本題)に入るのを避けて、前文として「拝啓 盛夏の候」といった表現を用います。さて、この頭語(とうご)は、必ず結語(けつご)とペアで用いられます。
 例:「拝啓(頭語)」+「敬具(結語)」
このページでは手紙の書き方および頭語と結語についてご説明いたします。

1.頭語と結語(読み方=とうごとけつご)

手紙やはがきなどの文章で冒頭に用いる「拝啓」「謹啓」などの言葉を頭語(とうご)、結びに用いる「敬具」「敬白」などの言葉を結語(けつご)と言います。
いきなり本文(用件や本題)に入るのを避けて、ふだんの会話の中で「こんにちは。毎日暑い日が続いていますね」というのと同じように、「拝啓 盛夏の候」といった表現を用います。
ただし「頭語」が「こんにちは」と同じ意味というわけではなく、むしろこうした単なる挨拶の言葉とは異なる点として、相手に対する尊敬の気持ちや、自分をへりくだって表現する気持ちがこめられている一面があるでしょう。
挨拶文で「謹んで申し上げます」「取り急ぎ申し上げます」といった表現をする代わりに漢字ニ文字で表記していると理解してください。
なお、ここで紹介した前文の例「拝啓 盛夏の候」において、「拝啓」は頭語ですが、「盛夏の候」は、時候の挨拶にあたります。時候の挨拶も同じように前文に用いますが季節によって使う言葉が変わるという特徴があります。別ページでご説明いたします>>>
さて。
この頭語(とうご)は、必ず結語(けつご)とペアで用いられます。
例:「拝啓(頭語)」+「敬具(結語)」
このページでは頭語と結語についてご説明いたします。
・頭語は、必ず手紙やはがきの文章の冒頭に用い、一行目の一番上から書きます。作文のときのように一文字下げたりはしません。
・結語は、必ず文章の最後に用い、全体の文章の下のラインから一文字〜二文字下げて書きます。
頭語と結語は必ず一対(ペア)で用いられます。手紙の種類によって用いる言葉が変わってきます。
 例えばお礼状などを書く場合に、相手に対する敬意をより強く表わしたい時には「謹啓」を用いたりすると良いと思います。
以下に代表的な例をいくつかご案内いたします。
※当方には、頭語を(あたまご)、結語を(むすびご)と読むと思っていたスタッフもおりました。読み方にご注意ください。

頭語と結語のペアの例
(頭語と結語の正しい組み合わせの例)

手紙の種類
頭語結語
頭語の意味・挨拶文としての意味結語の意味・挨拶文としての意味
一般的な手紙 
頭語頭語の意味・
挨拶文としての意味など

結語結語の意味・
挨拶文としての意味など
拝啓謹んで申し上げます敬具謹んで申し上げました
拝呈謹んで申し上げます拝具謹んで申し上げました
丁寧な手紙、目上の人あての手紙
頭語頭語の意味・
挨拶文としての意味など

結語結語の意味・
挨拶文としての意味など
謹啓謹んで申し上げます
(拝啓よりも敬意が高い)
敬白
または謹言
謹んで申し上げました
(拝啓よりも謹啓の方が敬意が強いので、目上の人あての手紙や、お礼状などに用いると良いでしょう)
粛啓謹んで申し上げます
(拝啓よりも敬意が高い)
謹言
または敬白
謹んで申し上げました
粛呈謹んで申し上げます
(拝啓よりも敬意が高い)

頓首再拝、
または再拝

頭を下げ敬意を表します(敬具よりも敬意の度合いが強い)
頭語と結語のペアの例 つづき
(頭語と結語の正しい組み合わせの例)
急ぎの手紙
頭語頭語の意味・
挨拶文としての意味など

結語結語の意味・
挨拶文としての意味など
急啓とり急ぎ申し上げます草々
または
敬具
◎草々…急ぎ走り書きをし、申し訳ありません。
◎敬具…謹んで申し上げました
急白
急呈
略式の手紙
頭語頭語の意味・
挨拶文としての意味など

結語結語の意味・
挨拶文としての意味など
前略冒頭の時候の挨拶を省きます草々、匆々(そうそう)
または 不一、不尽、不具、不悉(ふしつ)、不宣
◎草々…急ぎ走り書きをし、申し訳ありません。
◎不一、不具、不悉、不尽、不宣
…気持ちを充分に言い表わしていません、という意味
冠省
返信の場合
頭語頭語の意味・
挨拶文としての意味など

結語結語の意味・
挨拶文としての意味など
拝復謹んでお返事申し上げます
答えて申し上げます
敬具、または謹言、拝答など謹んで申し上げました
謹んでお返事差し上げました
啓復

その他の、手紙に使われる言葉

同じ手紙の中に使う言葉
再啓=追伸。追白。
本文のあとでさらに書き加える文
追啓
一般的な手紙
書き出しに使う意味
終わりに使う意味
   かしこさようなら
(女性のみ用います。)
一筆啓上(男性(男子)が書状の書き出しに使う決まり文句)
お手紙を差し上げます
   
前略(冒頭の時候の挨拶などを省略するときに使う)いきなり本題・用件に入る。
[文例]
前略 
先日はお世話になりました。〜以下略〜
草々 
前略 一筆申し上げます
(この2つの語を一続きで使う場合)
お手紙を差し上げます   

2.手紙の構成・手紙の書き方

手紙の構成には、およその決まりがあります。
頭語、時候の挨拶、相手の健康を気づかう言葉、
本文、
変わらぬおつきあいをお願いする言葉、
相手の健康や発展を祈る言葉、
結語、日付、宛名、差出人となります。
具体例を下記に示します。
順序
[前文]
前文とは…冒頭に書く時候の挨拶や、 健康状態や安否を尋ねる部分を前文と言います。
(※参考) 「前略」とは…前文を省略すること。冒頭の時候の挨拶などを省略し、いきなり本文に入るときに使う。
1-1.頭語
 ●頭語は、手紙やはがきの書き出しの一行目の一番上に書きます。
一文字下げる必要はありません。
1-2時候の挨拶
 ●頭語のあと、自分の言葉で季節感を述べます。
2.健康状態や安否を尋ねる
 ●相手の身体を気づかう言葉を述べます。
上記の文例では「◯◯様におかれましてはお元気でお過ごしのこととお慶び申し上げます」の部分。
その他の文例
「お変わりなくお過ごしでしょうか」「お元気でいらっしゃいますか」 など。
本文 へつづく
[本文]
3.4.本文
 3.●この例はお礼状なので、まずはお礼の言葉を述べる
上記の例文では
「このたびはお心遣いを頂きましてありがとうございました」の部分。
4.●用件や気持ちを伝える部分。なるべく具体的に
5.おつき合いや支援をお願いする言葉
 ●おつき合いや支援をお願いする言葉を入れます。
※例文
「今後ともよろしくお願いします」
「これからも御指導のほどよろしくお願いします」
「変わらぬご交誼のほどよろしくお願い申し上げます」など。
[後文]
6.結びの挨拶 相手の健康を気づかい、幸せを祈る言葉
 ●相手の健康を気づかう場合が多い。
●あるいは「ご健勝とご活躍(ご発展)をお祈り申し上げます」といった相手を激励する言葉なども加える。
7.(お礼まで)
 ●本例は、礼状のため、この言葉を入れました。
お礼状だけでお返しの品はありませんという意味です。 通常の手紙なら、不要です。
8 日付
 ●本文よりも少し下げて漢字で書きます。
9 差出人名
 ●縦書きなら 行の一番下のほうに。
 横書きなら 行の一番右のほうに。
●妻が夫の名で手紙を書くときは、
  縦書きでは 夫の名の横、
  横書きでは 夫の名の下に、
 小さく「内」と書く。
10 相手の名
 ●本文の高さと合わせる。
●便箋の最後の行は一行あまるように
 日付や差し出し人名の行を調整する
11. 結語
 ●結語は、手紙やはがきの文章の最後に書きます。
文章の一番下の線より1〜2文字下げて書き出すのが正しいマナーですが、ハガキや便箋のスペースの都合で、書き出しを下げるのが難しい場合には、その行の一番下に合うように書きます。

3.時候の挨拶とは 

時候の挨拶とは…
日本には四季を表わす美しい言葉があります。
手紙やはがきで本文の前にくる「時候の挨拶」は、天気や気候や季節の移り変わりや寒暖を表わす挨拶の言葉であるのと同時に、相手の健康を気づかう意味もあります。
季語とは…
時候の挨拶の語句の中に盛り込まれることが多いものに、季語があります。季語は俳句に用いられる言葉です(俳句には必ず季節を表わす言葉を盛り込まなくてはなりません。これを季語と言います)。
下記にはほんの一例をご紹介します。
※もっと詳しい時候の挨拶は別ページ「時候の挨拶」…>>>
※参考ページ…「季語」>>>
なお、時候の挨拶を省略し、いきなり本文に入るときには「前略」という言葉を用います。
1月厳寒の侯
お正月気分も抜けてますます寒さが厳しくなってきました。
松もとれましたが、あいかわらず寒い日が続いています。
2月余寒の侯
立春とは名ばかりでまだまだ寒い日が続いております
節分を過ぎましたのに、あいかわらず寒い日が続いています。
3月早春の侯
桃の節句を過ぎ、ようやく春めいて参りました。
寒さの中に春の気配を感じる頃となりました。
4月陽春の侯
桜の花のたよりが聞かれる頃になりました。
花の色が美しい季節になりました。
5月新緑の侯
鯉のぼりが気持ちよさそうに泳いでいます。
新緑の香りがすがすがしい季節になりました。
6月梅雨の侯
梅雨に入り、うっとうしい毎日が続いています。
あじさいの色が美しく映えるころとなりました。
7月盛夏の侯
暑中お見舞い申し上げます。
降りしきる蝉の声に夏の盛りを感じるころになりました。
8月残暑の侯
立秋とは名ばかりの厳しい暑さが続いています。
土用あけの暑さひとしおの侯
9月初秋の侯
コスモスが風に揺れ、朝夕はしのぎやすくなって参りました。
燈火親しむ頃となりました。
10月秋冷の侯
菊の花が香る季節となりました。
さわやかな秋晴れの日が続いております
11月晩秋の侯
朝晩はめっきり寒くなって参りました。
庭の草木も日ごとに色づいて参りました。
12月初冬の侯
今年もおしつまって参りました。
師走に入り、あわただしい毎日が続いております。

4.ビジネス文書で用いる頭語と結語の例

普通は手紙の中で用いる「頭語」「結語」ですが、下記のような場合にはビジネス文書の文中にも登場します。
・書類を送る時に、その書類と一緒に送る送付状
   (送り状、添え状などとも言います)
送る書類についてのリストと、あいさつを兼ねた案内文を簡単に書きます。 この案内文のところに頭語と結語を用います。 
[ビジネス文書での使用例]
拝啓 貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます〜
拝啓 時下ますますご清栄の段 心よりお慶び申し上げます〜
謹啓 貴社におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます〜 など。
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