お歳暮の意味と由来やマナー・時期やのし・お返しとお礼など

お歳暮の時期と言えば12月上旬〜12月20日頃です。お世話になった方に感謝の気持ちを込めたり、またこれからもよろしくお願いしますという気持ちをこめて贈るのがお歳暮です。もともとお歳暮と言えば、以前はお世話になった人に贈るものが中心でしたが、近年では社会生活を営む上でお世話になった人だけでなく、親愛の情を込めて友人・知人や親族にも贈るお歳暮へと少しずつ変化してきました。
このページでは、お歳暮の由来と意味や、お歳暮のマナーとのしの書き方、お歳暮を贈る時期や、つい忙しくてお歳暮の時期を過ぎてしまった場合のマナー、御歳暮のギフトの選び方などについて説明しています。
[参考ページ]
※お歳暮の時期はいつ?>>>
※ビジネス御歳暮は?>>>
※喪中のお歳暮は(相手が喪中のとき、自分が喪中のとき)を>>>

1.お歳暮とは、お歳暮の由来と意味

 お歳暮という言葉は、もともとは年の暮れ、年末(歳暮=さいぼ。せいぼ)という意味を表わす言葉でした。
 毎年、年の暮れになると、一年間にお世話になった人に贈り物を持参してまわる習慣ができ、これを歳暮回り(せいぼまわり)と言うようになり、やがて、贈答品そのものを「御歳暮」と呼ぶようになり、現代に至っています。
 この御歳暮の習慣について、筆者がまだ学生だった頃、担任の先生から「御歳暮は、お正月に家々で飾る「年神(歳神)様」の信仰に基づくもので、祖先を敬い新しい年の豊作を祈るための供物を年末のうちに配った習慣が現代に伝わっている」と聞きましたが、筆者は今は、こうした信仰から来る習慣だけでなく下記の江戸時代の商習慣に基づいている部分も大きいと考えています。
 江戸時代、商売の基本は掛け売りであり「盆と暮れ」には半年分の請求書が来て、それをまとめて支払うことになっていました。いわゆる「盆暮れの支払い」です。この支払いをする際に、例えば長屋の大家さんに、或いは仕入れ先の大店(おおだな)に「日頃お世話になっているお礼と、新しい年もよろしくお願いします」という思いをこめて、贈り物を持参しました。この、暮れに贈り物をする商習慣と、年神様(歳神様)への供物を配る時期や習慣が重なって、「年の暮れの贈り物」として現代に伝わったものと考えています。
このページではお歳暮を贈る時期、贈り方、のしの書き方、贈る相手、お歳暮をもらったらどうするかなどについてご説明しています。

2.お歳暮のマナー

 本来はお歳暮を持参して手渡すのが礼儀ですが、現実にはデパートやお店などから送ってもらうケースがほとんどですね。
 まずは正式なマナーを知っておきましょう。持参しない場合には「送り状」を郵送します。品物が届くよりも早く「送り状」が届くようにしましょう。「送り状」には日頃お世話になっていることへのお礼や、お歳暮を送ったということをはっきり書くようにします。
お歳暮マナー

お歳暮は誰に贈るの?

ポイント
●お歳暮を贈らなくてはいけないという決まりはありません。
[お歳暮の贈り先の例]
◎いつもお世話になっている方
◎結婚している場合にはお互いの実家の両親
◎上司
◎仲人
◎結婚して間もない場合には、結婚式の時に主賓としてお招きした方
◎子どものお稽古ごとの先生
◎お礼の気持ちをあらわしたい友人、知人
◎兄弟姉妹、親戚など。
解説
●日頃お世話になっている人や、ふだん会えない人に感謝の気持ちをこめてお歳暮を贈ります。
●結婚の日取りが決まったカップルの場合には、お互いの実家から相手の実家に送ることもあります。
●学校の先生に贈るのはNGです。ピアノやバレエなど、お子さんのお稽古事の先生に贈ることはあるようです。
●上司にお歳暮を贈るケースは減ってきているようです。会社として禁止しているところもあります。新入社員の方は親しい先輩か総務部などの担当者に確認をしてみて下さい。
お歳暮マナー  つづき

お歳暮ののしの書き方は?

ポイント
●持参して手渡しするときは外のし、宅配便などで送るときには控えめに内のし、という場合が多いようです。
●お礼の品です、という体裁にしたい時には、のしの表書きも上段を「御礼」「お礼」などとします。
●上段は
「御歳暮」
「お歳暮」
● 下段は
「佐藤」
「佐藤一郎」など
解説
●ここ十年来は紙資源節約の立場から「簡易のし」と呼ばれる短冊タイプ(短冊のし)も多くなりました。
●水引きは、紅白の蝶結びのものを使います。
基本的に熨斗はつけますが、魚や肉等の生臭ものにはつけません。
●「外のし」とは、包装紙で品物を包んだ上からのしをつけること、「内熨斗」とは、品物の箱に直接のしをつけ、その上から包装紙で包むことを言います。

お歳暮の贈り方は

ポイント
●風呂敷に包んで持参するのが正式なマナーですが、遠方であったり忙しかったりとの理由から、最近は宅配便で送るケースも増えてきました。
●持参する場合
◎早朝や食事どきは避け、午前10〜11時、午後14〜16時くらいに訪問します。
◎事前に相手の都合をうかがわずに急な訪問をする場合には、玄関先で御歳暮をお渡しし、すぐに失礼するのがマナーです。
※訪問のマナー参照>>>
◎まずはご挨拶をしてから品物をの風呂敷包みを解きます。
◎お渡しするときに、風呂敷包みを解き、先方がのしを正面から読めるように品物の向きをあらためて手渡しをします。
◎デパートやお店の紙袋で持参する場合にも、お渡しする時には必ず紙袋から出し、先方が表書きを読めるように品物の向きを正して両手でお渡しします。
●宅配便で送る場合
◎やむを得ず宅配便で送る場合にも、送り状を郵送するのが正式なマナーです。品物に同封するか、または品物が届くよりも早く「送り状」が届くようにしましょう。「送り状」には日頃お世話になっていることへのお礼や、お歳暮を送ったということをはっきり書くようにします。
解説
●持参する場合
◎デパートやお店の紙袋に入れて持参しても良いのですが、正式には風呂敷に包みなおして持参するのがマナーです。
◎急な訪問の場合でも
「これからお伺いしたいのですが」
「玄関先ですぐに失礼しますので」
と電話を入れてから伺う方がベターです。
先方がお仕事をお持ちの場合は休日に伺うようにします。
※訪問のマナー参照>>>
◎例えば車に数軒分の御歳暮の品を積んで、順番に訪問するような場合には、これから訪問するお宅の分のみを風呂敷に包み、残りは社内に置いて車を出ます。
●宅配便で送る場合
◎ 宅配便で送る場合の「送り状」の文例は、挨拶状のページで紹介しています。
※挨拶状のページへ>>>
お歳暮マナー(つづき)

お歳暮とお中元は必ず両方贈るの?(お中元とお歳暮のマナー)

ポイント
●御歳暮と御中元は、必ず2つとも贈らなくてはならないというものではありません。
もし、一回で済ませたい場合には、お中元をやめてお歳暮だけにします。
解説

●お歳暮・御歳暮には、半年間のお礼と、一年間のお礼の両方の意味があります。お中元とお歳暮の両方を贈る場合には、半年ごとに感謝の気持ちを表わすことになります。お歳暮だけの場合には、一年分の感謝の気持ちを表わすことになります。

 

そろそろお歳暮を贈るのをやめたい

ポイント
●数年間にわたり贈り続けてきた相手への御歳暮は、なかなかやめにくいものです。
突然スパッとやめるのではなく、まずは「御中元をやめてお歳暮だけにする」→
「お歳暮の品物の金額を徐々におさえていく」→
「年末の挨拶状だけにする」
というように、徐々に負担を軽くしていきましょう。
解説
●昔は、仲人をしていただいたご夫婦には、ずっとお中元やお歳暮を贈る習慣もあったようですが、現代では三年くらいがめやすと言われています。
 

喪中の方へのお歳暮は?

ポイント
●御歳暮には、日頃の感謝の気持ちを表わす意味がありますので、贈り手、受け手のいずれが喪中でも問題ありません。但し、初七日が終わらぬうちや、法要の日に持参するのはやはり避けた方が良いでしょう。
解説
●デパートやお店などで相談し、外のしとして紅白の水引きの立派なのしを用いずに短冊のしなどのシンプルなのしにして頂く等の心遣いをしても良いと思います。
また、ご不幸があって間もないお宅にお歳暮を贈る場合には、時期をずらして「寒中お見舞い」「寒中御見舞」「寒中お伺い」としても良いでしょう。
ただし、年始のおめでたい時期に持参するのは避けましょう(一月七日までの松の内は避ける)。
※お歳暮の時期については、このページの次項で説明しています。
 

3.お歳暮を贈る時期(お歳暮の時期)

お歳暮を贈る時期は、地方によって異なります。
例えば、関東と関西でも異なります。下記をご覧下さい。
最近の傾向としては、エリアを問わず早めに贈る方もいらっしゃるようです(関東地区では12月に入るとすぐに御歳暮を贈る方もいらっしゃるようです)。
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お歳暮の時期(いつからいつまで)

時期のしの表書き
12月上旬〜12月20日お歳暮御歳暮
解説
●左記は関東地区を中心とした、平均的なお歳暮の時期です(本来は12月10日頃から20日頃に贈るのが正式なマナーとされています。最近は贈りはじめる時期が早くなり、12月の声を聞くと御歳暮が届くようになりました。)。
●ただし、鮭、昆布巻きなどのお正月用品は、年末ギリギリに届くようにしても良いでしょう。

4.ついうっかりお歳暮の時期を過ぎてしまったら?

 お歳暮を贈る時期については上で述べたとおりですが、この時期を過ぎてしまった場合には、のしの表書きを変えるようにします。
 たとえば相手方のお宅にご不幸があって間もない場合などには、先方が落ち着くまで少し時期をずらし、下記の寒中見舞い、寒中お伺いといった時期に贈ってみてはいかがでしょうか。
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お歳暮の時期を過ぎてから

時期のしの表書き
12月上旬〜12月20日頃
 お歳暮、御歳暮
12月20日を過ぎた頃〜年内
 寒中御見舞。寒中お見舞、寒中お伺、寒中御伺
●上段は
「寒中御見舞」
「寒中御伺」など
● 下段は
「佐藤」
「佐藤一郎」
など
1月1日(元旦)〜1月7日まで (1/1〜1/7は松の内と言います)
 御年賀、新年のご挨拶
(この表書きは喪中のお宅には使わない)
松の内過ぎたら〜2月4日(立春)頃まで
 寒中御見舞。寒中お見舞、寒中お伺、寒中御伺

5.お歳暮の選び方

 お歳暮の予算は、だいたい3,000円〜5,000円と言われています。できれば儀礼的なものではなく、喜ばれるものを贈りたいですよね。
では、どんな贈り物を選べば良いのでしょうか。

ヒント1.おすすめのお歳暮ギフトの選び方

心配りのポイント解説
家族構成をチェック
 ・例えば子どもがいる家庭には、子どもも大人も食べられるお菓子を。
・例えばお酒が好きなご主人がいるご家庭には酒の肴にもなるものを。
・例えば三世代同居のご家庭には、世代を問わずよろこばれるものを。
・例えば、大家族には、家族みんなでわけられるように数が沢山入ったものを。
季節感
 ・冬においしい蟹、牡蠣など。
・冬に喜ばれる鍋の材料を。
・お正月のおせち料理に使われる伝統的な食材を(荒巻鮭、数の子など)
・寒い冬にほかほかあたたまる入浴剤を
・燗酒がおいしい日本酒など。
※おせち料理は別ページで詳しくご説明しています>>>
イチ押し、オススメのもの
 ・あなた自身がその美味しさ、良さをぜひ先方に味わってほしいと思う品を。
・先方のために特別に取り寄せた珍しいものを。
・安心しておすすめできる有機栽培,無農薬栽培の食品や、原料,製法をはじめとする素性のはっきりした商品を。
特産物
 ・あなたが住んでいる土地の特産品を(他の地域の人には新鮮で安いものが手に入らないものや、地元の銘菓など)。
特徴づけ、印象づけ
 ・毎年同じものを贈るというのも良いでしょう。先方もきっと毎年楽しみにしてくださるはず。あなたは「毎年◯◯を贈ってくれる佐藤さん(例)」というイメージになります。
・先方が特にお好きなものを。 例えばお酒がお好きな方の場合には地元の名酒を…先方の個人的な好みを汲んだプレゼントということで、好感度アップにつながります。
無難なもの
 [相手の家族構成や好みがわからないときは無難なものを選びます]
・例えば、保存がきく調味料や、消耗品を(お茶、海苔、調味料、石鹸洗剤など)。
・先方の自由に使える商品券を(ありきたりですが根強い人気です)。

ヒント2.お店に出かける前にひと手間

送り状の代わりに
 ・親しい間柄の人に品物を贈る場合なら、送り状代わりのカードを用意して持参し、商品に同封(同梱)してもらうように依頼するという手もあります。
名刺〜ハガキくらいの大きさのものに、ひとこと言葉を添えます。
ワンポイント!…何を贈るか決めていない場合には、用意するカードの文面を無難なものにしておけば、デパートなどでどんな品物を選んでも大丈夫です)
ご無沙汰しておりますがお元気でお過ごしでしょうか。今日は心ばかりのものを贈ります。当地の特産品です。ぜひご笑味下さい
山下一郎
いつもお世話になっております。今日はほんの心ばかりのものをお贈りします。暑さはこれからが本番ですが、皆様どうぞお健やかにお過ごしください。
山下一郎

ヒント3.避けた方が良いもの

心配りのポイント解説
嗜好が分かれるもの
 ・あらかじめ相手の好みが分かっていない場合には、例えば「珍味」など、人によって好き嫌いが分かれるものは避けた方がよいでしょう。
(もちろんそれが大好物だとわかっている場合は別です)
保存のきかないもの
 ・保存がきないものを大量に贈るのは避けた方が良いでしょう。食べきれない場合の保存についても気配りをします。
絵画・インテリア
 ・絵画やインテリアは「好みがわかれる」「場所をとる」等の理由で避けた方が良いでしょう。
衣類・アクセサリー
 ・衣類やアクセサリーはパーソナルギフトの場合にはOKですが、御歳暮にはむきません。

6.お歳暮を頂いたら。御歳暮のお返しとお礼

 お歳暮をいただいても、基本的にはお返しは必要ありません。
ただし、お礼状を出します。
親しい間柄の人なら、届いたらすぐに電話でお礼の気持ちを伝えても良いでしょう。その場合でも本来はお礼状を出すのが正式なマナーです。

お歳暮を頂いたらどうすればいいか

ポイント解説
お歳暮を持参された場合には
 ・突然の訪問でなければ、できるだけお部屋に通しましょう。
挨拶の言葉の例文をご紹介します。
「暮れのお忙しい中をわざわざおこしいただきまして恐れ入ります」
・ 御歳暮の品を差し出されたら、お礼を述べて必ず両手で受け取ります。
「お心づかいをいただき、ありがとうございます。」
「ありがとうございます。遠慮なく頂戴いたします。」
お礼状を出す
 ・宅配便で御歳暮の品が届いたら、なるべく早くお礼状を出すようにします。
・ ご主人あてに御歳暮を頂戴した場合、奥様が代理でお礼状を書いても構いません。ご主人の名の横に「内」と併記します。
・基本的にお返しは必要ありませんが、おつきあいの都合上、お返しの品を贈る場合には、その品物にお礼状を添えても良いでしょう。
・なお、もし1月に入ってしまったら、お礼状に使う文面も「寒中御見舞」または「寒中御伺い」となります。
[お礼状の文例]
寒中お見舞申し上げます。
 このたびはご丁寧なお心づかいを頂き、本当にありがとうございました。めずらしい海の幸に家族全員で舌鼓を打ちました。主人もとても喜んでおります。奥様にもくれぐれも宜しくお伝えください。
 まだしばらくは厳しい寒さが続きますが体調にはくれぐれもお気をつけ下さいませ。
お礼まで 
山田太郎 
               内

※ もっとお礼状の文例が見たい方は…別ページをご覧下さい。>>>
受け取れないお歳暮が届いた場合には
 [もし、どうしても受け取れない御歳暮が届いたら]
(仕事での立場上受け取ることができないお歳暮や、常識を逸した高額な金品、もらう言われのないお歳暮が届くことがあります)
・配達時に「受け取りができません」と伝えて持って帰ってもらうというのが最も簡単ですが、宅配伝票に「受け取り拒否」と記載されると、どうしてもきつい印象となり、相手の感情を損ないかねません。
可能であれば「申し訳ありません。せっかくのお心づかいですが御遠慮申し上げます」と一筆添えて送り返したいものです。宅配のドライバーさんに、メッセージの添付が可能かどうか相談してみましょう。
・丁重にお断りする場合には、包みをあけずに、そのまま上から包装をしなおして、「申し訳ありません。せっかくのお心づかいですが御遠慮申し上げます」とカードや手紙などに一筆添えて送り返します。
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