訪問のマナーのページ。相手の家(または事務所、事業所)などを訪れることを訪問といいます。訪問先でのマナーは、例えばビジネスシーンでも入室のときの作法や、和室での会食の際の靴の脱ぎ方などで役にたちます。 訪問の際は、訪問先の相手の都合を再優先に考えましょう。迷惑にならないよう、指定がない限り忙しい時間帯は避けるようにします。急に訪問する場合やすぐに済む用件であれば、玄関先でおいとまします。 |
目次
1.訪問の準備 |
相手先を訪問する際には、必ず事前に連絡をします。先方でもおもてなしの準備などに手間のかかることですから、必ず約束をしてから出掛けましょう。訪問先で気持ちよく過ごすために、事前の準備も必要です。 |
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訪問する際の準備とマナー | ||
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訪問の約束をする | ||
ポイント | 備 考 | |
●個人宅であれば、訪問を希望する日の2〜3週間前に、電話をする。 訪問する目的や、人数を伝えて了解を得たら、日時を指定してもらう。こちらの都合で決めないこと。 | ●食事どきや、忙しい時間帯は避ける。個人宅なら午後1〜3時がベスト。 ●最寄り駅からの道順も、同時に 聞いておく。 | |
●ビジネスの用件であれば、できるだけ前日までに電話で時間を決める。契約の締結や会議などを目的とする長時間の訪問の場合や、見学を伴う訪問の場合にはできるだけ一週間以上前に 訪問する目的や、人数を伝えて日時を指定してもらう。こちらの都合で決めないこと。 | ||
身だしなみ | ||
ポイント | 備 考 | |
●露出が多すぎる服、派手すぎるヘアスタイルや化粧、強い香水などは避ける。 ●足まわりのチェックを。靴下の穴やストッキングの伝線はもちろん、靴が汚れたり、いやな臭いがしないか等の点検を。 | ●雨の日であれば替えの靴下を持参して、訪問先に迷惑をかけないように(床を汚さないように)。 ●正式な場への訪問であっても、レインコートやレインシューズは着ても構わない。 玄関の前で水を拭き取ること。 | |
手みやげ・手土産 | ||
ポイント | 備 考 | |
●手土産は、お菓子やお酒などの、いわゆる「消えもの」が無難。 先方の家族の人数を考えて買うが、特に親しい場合以外は自分たちの人数は入れない。 ●人によって好き嫌いがあったり調理に手のかかる食品や、置き物、ファッション関連のものなどはかえって迷惑になることがあるので避けること。 | ●いかにも急に気付いたという印象を与えるので、手土産を先方の近所では買わないこと。 ●ショートケーキなどは、家族の人数より2〜3個多めに買う。ホールケーキも無難。 ●ふろしきで包むのが正式だが、買った店の紙袋でも良い。 | |
急用で訪問できない場合は | ||
ポイント | 備 考 | |
●すぐに電話で、伺えないこととお詫びを伝える。 忙しい中、時間をさいてもらったのだから、先方が納得できる理由を丁寧に話し、理解してもらう。 | ●数日中に、お詫びと、経過についての報告の手紙を出す。 | |
遅刻しそうな時は | ||
ポイント | 備 考 | |
●早めに電話で遅刻することを相手に伝え、お詫びする。 | ●事情と、あとどのくらいで着くのかについても手短に伝える。 |
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2.訪問先でのマナー |
訪問先でお茶やコーヒー、お菓子などをすすめられたら、おもてなしを有難くいただきましょう。遠慮しすぎるのは、かえって失礼になります。また、用件が済んだら早めにおいとまするのが好印象です。 訪問先でのマナーは、例えばビジネスシーンでも、取引先を接待するときに和室、懐石料理の料亭などでの入室のときの作法や、くつの脱ぎ方などで役にたちます。 |
部屋の中で(洋室) | ||
ポイント | 備 考 | |
●部屋に通されたら、座る前に、しっかりとあいさつを。 「お忙しいところを、お招き頂きありがとうございます」 「お忙しいところ、お時間を頂戴して申し訳ございません」 「お忙しいところお時間を頂きましてありがとうございます」 など、感謝の気持ちを表し、その後で「よろしければ、皆さんで召し上がってください」などの言葉を添えて、手みやげを渡す。 ●席はすすめられた場所に座る。指定がなければ、下座に座るのがマナー。 座ったら背筋をまっすぐに、足は下品にならない程度に自然に流す。 ●小さなバッグはソファの上、大きいバッグは足元に置く。 【席順】参照 | ●手土産が溶けやすいものや生ものなら、玄関で渡してしまっても良い。 ●手土産を手渡すときに、のしがあれば相手から見て正面になるようにする。ふろしきにつつんであれば、相手の目の前でほどくようにする。 【のし袋】参照 | |
部屋の中で(和室) | ||
ポイント | 備 考 | |
●部屋に通されたら、まず部屋の 隅か下座に座り、軽く会釈を。 席をすすめられたら、座布団の 左横に座って「お招きいただき まして有難うございます」など のあいさつを述べ、おじぎを。 ●あいさつの後に、手土産を渡 す。相手の目を見ながら「おい しいと聞いておりましたので」 など、気持ちが伝わる言葉を添 える。 ●敷居や、畳のへりを踏まないように。おじぎの時も、へりに手がかからない所で。 【席順】参照 | ●座布団を踏んだり、ひざで歩かない。すすめられたら、少し前に両手をついてひざを滑らせてにじり寄るように進み、正座する。おりるときは、この逆で。 ●座布団を引き寄せたり、裏返したりするのもタブー ●バッグは横、または少し後ろに置く。 ●和室でのおじぎは、背筋をまっすぐに、指先をそろえて手のひらを畳に付け「ハ」の字形に置く。そのまま、上体を45度位倒す。 |
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訪問先でのマナー つづき | ||
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飲み物を出されたら(飲みものが出たときのマナー) | ||
ポイント | 備 考 | |
●お茶は、左手を茶わんの糸底にあてて飲む。茶たくはテーブルの上に置いたままで。置かれた所が遠いようなら、茶たくを両手で持ってひきずらないように寄せる。 ●コーヒーや紅茶の場合、テーブルが低かったり遠かったりしたら左手にソーサー、右手にカップを持って飲む。 ●グラスに入った飲み物は、底に手をあてて顔を少しはす向きにして飲む。 【食事】参照 | ●お茶やお菓子をすすめられたら遠慮せず、残さないようにいただく。 ●ふたのある茶碗は碗のふちで滴をきって、両手で裏返し、茶たくのふちにかませておくと転がらない。飲み終わったら、ふたは元に戻す。 ●後片付けのお手伝いは、あらたまった場などではかえって迷惑になるが、親しい間柄なら進んで手伝って構わない。それほど親しい訳でなければ、勝手に行動せず、一言申し出てみる。 | |
おいとまする時、退出する時、帰る時 | ||
ポイント | 備 考 | |
●用件が済んだら長居をせず、おいとまを。 引き止められても、丁重に辞退する。 ●椅子を立ったり、座布団を外した時に、おもてなしのお礼を述べる。 ●コートは玄関の外で着るが、すすめられたら、室内で着てもよい。 帽子・手袋は外でつける。 | ●スリッパの脱ぎ方は、まず歩いてきたままの方向に脱ぎ、相手に背を向けずにしゃがんで元の向きに返して、隅に寄せる。靴を履く。 ●帰路を気づかっているようであれば、帰宅してから電話を。数日以内に礼状を書くと、より丁寧に。 【手紙】参照 |
3.和服で訪問するときのマナー |
お正月のあいさつ回りなどで、普段着なれない着物に気を取られてぎこちない動作にならないためのポイントを紹介します。足を崩せない着物では「しびれ」も気になりますが、足袋のこはぜを1つ外しておくと、予防できます。 |
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和服で訪問するときのマナー | ||
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ショールの着方・外し方 | ||
ポイント | 備 考 | |
●ショールを着けるときは、二つ折りまで広げて片手で後ろに回し、両手で各々の端を持つ。片方づつ、すべらせるように肩に掛ける。衿あしがきれいに見えるように、ゆったりと合わせる。 ●ショールを外すときは、両肩から後ろに滑らせてゆっくり片側ずつ後ろに下ろす。両手で1つにまとめ、四つ折か八つ折に。 | ●着るとき、外すときとも、玄関に荷物を置かせてもらい、落ち着いて脱ぎ着するとスマートに見える。 ●あまり大きな動作にならないように気を付ける。 | |
訪問先で部屋に通されたら | ||
ポイント | 備 考 | |
●和室に通されたら隅に座って、あいさつを。上前がしわにならないように押さえながら座り、手をついてあいさつを述べてからおじぎをする。お年賀や手みやげをふろしきで包んでいれば開けてふろしきをたたみ、横に置く。紙袋に入っていれば、取り出す。品物は、相手に正面を向けて渡す。 | ●敷居や畳のへりを踏んだり、手をついたりしないように気を付ける。 ●おじぎは上体を30度位倒す。 | |
座布団の座り方 | ||
ポイント | 備 考 | |
●着物の裾を両手で10センチ位 持ち上げ、上前を伸ばしながら座布団の手前の端にひざを先につく。両手を少し前について支えながら、ひざで中央までにじるように進み、正座する。 | ●座布団を踏んだり、裏返したりするのはタブー。 ●畳の上であいさつを済ませ、すすめられてから座布団をあてること。 【席順】参照 |
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4.訪問のあとで(お礼状など) |
訪問のあとで、忘れがちなのがお礼の言葉やお礼状です。 例えば、結婚相手の実家を初めて訪問した後などは、すぐにお礼状を出す心配りが大切です。 下記ではビジネスマナーも一緒に紹介します。 |
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訪問の後のマナー | ||
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初めての訪問のあとで | ||
ポイント | 備 考 | |
●お礼状を出す | ●忙しい中を時間を割いて頂いたことへのお礼を述べます。 できれば訪問後一週間以内に先方に届くようにします。 | |
営業先への初訪問の後で | ||
ポイント | 備 考 | |
●お礼のメールまたはお礼状を出す | ●大切な取引先への訪問の後ではお礼状を出すのが正式なビジネスマナーですが、どうしても堅苦しくなったり、先方に届くまでに時間がかかったりします。先方との間柄や相手先担当者の年齢によっては、お礼メールでも良いでしょう。 ●メールは、当日または翌日には送信します。お礼状は、訪問後一週間以内に先方に届くようにします。 | |
子供が、お友達のお宅にお邪魔したあとで | ||
ポイント | 備 考 | |
●親がお礼の電話を入れる | ●「ありがとうございました。」「ご迷惑をおかけしたのではないでしょうか?」「子供が大変喜んでおりました」といった一言をそえます。 ●電話は、当日(または翌日)にはかけるようにします。 |
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