マナー「ワイン」ワインの管理と保管温度・ワインセラー・コルクの開け方

ワインのページ。デートの前に少しくらいは知識を仕入れておきたいのがワイン。ここでは一般的な知識をご紹介します。
ワインを購入する際には、ぜひともお店でのワインの保管状況を細かくチェックしてください。せっかくのビンテージワインや高級ワインも、保管状況が悪ければ、台なしになります。それから重要なのは、デキャンタージュと、飲む際の温度です。

1.レストランで洋食を食べる時のお酒について
  (ワインについて)

レストランで気軽にワインをオーダーする際のマナーと、
ワインとは切っても切り離せない、温度についてご紹介しています。

とっておきの日には、良いワインを楽しみたいものです。
例えば、有名なボルドーの5大シャトーのワイン。(5つの銘柄はこのページの下の方で紹介しています)
ホテルのレストランでオーダーすると、目玉が飛び出す値段のワインも、自宅で楽しめば数万円から楽しめます。
購入する際には、ぜひともお店での保管状況を細かくチェックしてください。
せっかくの高級ワインも、保管状況が悪ければ、台なしに……。
それから重要なのは、デキャンタージュ(下記にて説明しています)と、飲む際の温度。
あとは、フランスパンとチーズさえあれば、幸せな心地になれます。

1-1. レストランで洋食を食べる時のお酒について

ポイント
●無理に食前酒をオーダーする必要はないが、もし頼むのならばウイスキーなどの強いお酒は避け、カクテルやリキュールの中でも軽いものが良い。
●ワインをオーダーする場合、一般的に食事には辛口の方が合う。
白は魚、赤は肉と特にこだわる必要はなく、
1予算、
2カップルの場合は連れの女性が甘口と辛口のどちらが好きか、
3フルボトルか、ハーフボトルかを告げ、ソムリエにおすすめを聞くと良い。
 またワインリストに載っている名前を指で示しながら、味の特徴を聞き、好みのものを選ぶようにすればもしワインの名前が読めなくても安心して注文できる。
備考
●ワインのボトルを開け、最初にテイスティングを求められるが、これは変質していないかどうかのチェック。
 きちんとしたレストランで変敗し たワインが出てくることはまずないので、「これは儀式の一つなんだ」くらい の気持ちで落ち着いて一口味わえばよい。
ゆっくりとうなずいて、一口飲んだあと、グラスをもとの位置に置けばOK。ソムリエが注ぎ足してくれます。
●レストランでは同席者のワインを注いであげるのはマナー違反。
 だまって手をあげたり、店の人と目を合わせて空のグラスを軽く持ち上げて合図する。
声を出して「 すみませーん!」などと店の人を呼ばないこと。
 

1-2. ワインを買って自宅で楽しむ。〜料理とワイン〜

ポイント

●自宅でワインを楽しむ場合、ワインをどのように保管している店で購入するのかが重要なポイントです。

高級なワインであればなおさらです
[ワインを買うならこんな店]
・きちんとしたワインセラーで保管している
・適度な温度、湿度、光をしっかりコントロールしている
こうした店で購入します。
●いろいろな料理とワイン
・「ワインにはフランス料理」と決めてかかる必要はありません。例えば赤ワインについては、赤身の魚の刺身を食べる時、ほんの少し、醤油に赤ワインをたらしてみると、ふだんのお刺身とはまた違った味わいが広がります。
中華料理でも、鶏のささ身の蒸し料理には、白ワインが結構合います。食べ物とワインの相性をいろいろと試してみて下さい。

備考
・高級ワインを買うときには、できれば販売店のワインセラーを自分の目で確認することをおすすめします。(目視確認が無理でも、売り場の人にどのように保管しているかを尋ねると良いでしょう)
デパートの地下のワイン売り場でも、お店によっては保管状況が劣悪なので、注意してください。
・プレゼントするワインも、品物によってはクール便で送付します。
 
【このページのトップへ戻る】

2.ワインを美味しく飲むためのポイント

供託されるまでの保管状況、飲む際の温度、そして食事との相性が基本となります。
デキャンターの利用でワインの味は全く異なるものへと変化していきます。
ワインを美味しく飲むためのポイントはコレ
ポイント

●おいしく飲むポイントはこの4点

1 ワインを提供する温度
2 提供する順序
3 適正な管理保存
4 デキャンターの利用
●ワインは、この下の項「ワインの管理と保管温度」にあるように、年間を通じて一定の温度、湿度のもとに保管をします。そして、飲用に供する前に、「最もおいしく感じる温度」にするために、軽く冷やしたり、室温に戻してから食卓に出します。
 

●ワインのおいしい温度の簡単な覚え方(一般的なもの)

1 甘いものは冷たく冷やして
2 辛口は冷やしすぎない
3 白は冷やし赤は常温で
 

●ワインを供する順序

1 白から赤へ
2 辛口から甘口へ
3 軽いものから重いものへ
4 若いものから熟成したものへ
5 だんだんと上質のものへ

●デキャンタージュの目的

・澱を取り除く。
・開栓したワインの酸化を促し、 覚醒させる。
・飲用に適した温度に引き上げる
・デモンストレーション効果。
・ 澱や不溶解物がはいらぬよう、上澄みを慎重にデキャンタに移し取る
   
備考
ワインを提供する温度の高い順
※グラスに注ぐとワイン温度が 1〜2度 上昇するので注意。

ワインを提供するときの温度

(ワインの提供温度、または供出温度と言います)
温度
[℃]
ワインの種類
文字の色はワインの色のイメージで作りました↓
16〜18●ボルドー赤
15〜16●黄ワイン
14〜16●ブルゴーニュ赤
●コート・デュ・ローヌ赤
10〜13●軽い赤ワイン
●こくのある上質白ワイン
8〜10●辛口ロゼワイン
7〜10●辛口白ワイン
6〜8●中辛口ロゼワイン
4〜8●シャンパーニュ。発泡酒、シャンパン
2〜6●甘口白ワイン

●デキャンタージュの補足説明……
酸化を促すため、良い赤のビンテージワインは早めにデキャンタージュします。時間がない場合でも少なくとも飲用に供す1時間くらい前には開栓すると 良いとも言われます。
なお、新しいワインは、デキャンターに移す必要はありません。
ワインデキャンタ(ワインデカンタ)は、スマートな形状のものよりも、直径の大きなもの・扁平(=へんぺい)な形状ものが良いとされています。(直径が大きい=ワインが空気に触れる表面積が広くなるもの)
ワインを空気に触れさせることをアエラシオンと言います。香りや味わいに豊かさやまろやかさが増します。

3.ワインを美味しく飲むための温度

ビールと同様、冬はワインを冷やし過ぎないように注意し、美味しく楽しみましょう。
下記は保管温度とは別です。保管温度については次項4.をご参照下さい。

ワインを美味しく楽しむための温度
(ワインの提供温度、または供出温度と言います)

温度
[℃]
ワインの種類
文字の色はワインの色のイメージで作りました↓
16〜18●ボルドー赤
15〜16●黄ワイン
14〜16●ブルゴーニュ赤
●コート・デュ・ローヌ赤
10〜13●軽い赤ワイン
●こくのある上質白ワイン
8〜10●辛口ロゼワイン
7〜10●辛口白ワイン
6〜8●中辛口ロゼワイン
4〜8●シャンパーニュ。発泡酒、シャンパン
2〜6●甘口白ワイン

4.ワインの管理と保管温度

香りや色もワインの大切な魅力の一つ。ワインセラーをお持ちでない方も下記をご一読下さい。

ワインの管理と保管温度 ポイントはコレ

ポイント
●ワインを保存するポイント
1 光と振動と異臭を避ける
2 乾燥を避け湿度70〜80%に
3 適温は10〜14℃。温度変化 が少ないこと。
4 コルクが乾燥しないように横に寝かせて保存。
備考

●ワイン保管庫がない場合
家庭でワインを保管する際にワイン専用の加湿保管庫がない場合にもやはりコルクが乾燥しないように寝かして保管します。

1)夏は乾燥しないように新聞紙等でくるんで冷蔵庫の下段に寝かします。  
2)冬は、涼しい部屋に寝かして保存します(光や乾燥を防ぐために新聞等でくるんでやるとよいでしょう)。

5.ワインの基礎知識 

有名な銘柄のワインなら、どれもこれも最高かというと必ずしもそうとは限りません。ワインには、その年の作柄によって「当たり年」というのがあります。いわゆるビンテージワインが年号によって価格に差があるのはそのためです。
もちろん「当たり年のワインは、美味しい」…だけど「当たり年のワインは高い」という傾向があります。
ワインを勉強したいというあなた
(筆者も「勉強のためには、本物を知ることこそ基本」と考えます。デキャンターと、温度計を購入して、トライしてみました。)
筆者がソムリエのY氏に聞いたところによると、シャトー・ラトゥールは、当たり年と非当たり年の差が比較的小さく、安定した品質なのだそうです。
ボルドーの5大シャトーの赤ワインをぜひ試したい、勉強のために自宅で飲んでみたいけど、高いのはちょっと…という方がいらっしゃいましたら、初心者のファーストトライにはシャトー・ラトゥールがよろしいかもしれません。

5-1. ボルドーの5大シャトーのワイン

知識

ボルドーの5大シャトーのワインと言えば以下の5つのワイン

シャトー・マルゴー
シャトー・オー・ブリオン
シャトー・ラトゥール
シャトー・ラフィット・ロートシルト
そして1973年に第一級の仲間入りをした、
シャトー・ムートン・ロートシルト。

備考

●フランス産の良質ワインは、AOC(アペラシオン・ドリジーヌ・コントーレ)法によって規制されていますが、ボルドーには、このAOCとは別 に、シャトーに格付けがされています。
中でも1855年のメドック地区の格付けによって第一級とされたのが左記のワインです。
シャトー・オー・ブリオンは、メドック地区ではなくグラーヴ地区ですが、例外的に赤ワインがメドック地区の格付け一級に認定されました。
(なお、シャトー・ムートン・ロートシルトは1973年に仲間入りしました)
 

5-2.覚えておきたい有名なフランスワイン

●レストランでオーダーする時に、ちょっと頭に入れておきたい有名なフランスワインをご紹介します。
上で述べたボルドーの5大シャトーの赤ワイン(メドック地区)は別格ですが、下記のワインも有名です。

[ボルドー]

地区名銘柄格付と説明
メドック
 銘柄格付と説明
シャトー・マルゴー、
シャトー・ラトゥール、
シャトー・ラフィット・ロートシルト
シャトー・ムートン・ロートシルト。
(※シャトー・オー・ブリオン 赤)
[第一級]
シャトー・オー・ブリオンは、メドック地区ではなくグラーヴ地区ですが、例外的に赤ワインがメドック地区の格付け一級に認定されました。
ソーテルヌ
 シャトー・ディケム(白)[特別 一級]
貴腐ワイン
クラーヴ
 シャトー・オー・ブリオン(赤)[第一級]
特別にボルドーのメドック格付け第一級に
サンテミリオン
 シャトー・シュヴァルブラン(赤)[第一級]
シャトー・オーゾンヌ(赤)[第一級]
ポムロール
 シャトー・ペトリュス(赤)[特別 一級]
特別にボルドーのメドック格付け第一級に

[ブルゴーニュ]

代表的なワイン名村名
・ロマネ・コンティ
・ラ・ロマネ
・ラ・ターシュ
・ラ・グランド・リュ
・クロ・ド・タール
 
地区名主なAOCGrand Cruほか
シャブリ
 主なAOCGrand Cruほか
・シャブリ・グラン・クリュ(白)
・シャブリ(白)
・シャブリ・プルミエ・クリュ(白)
・プティ・シャブリ(白)
 
コート・ド・ニュイ
 主なAOCGrand Cruほか
・ヴォーヌ・ロマネ(赤)・ロマネ・コンティ
・ラ・ロマネ
・ラ・ターシュ
・リシュブール ほか
・ジュヴレ・シャンベルタン(赤)・シャンベルタンほか
・モレ・サン・ドニ(赤白)・クロ・ド・タールほか
・ヴージョ・クロ・ド・ヴージョ
・シャンボール・ミュジニー・ミュジニーほか
その他 
コート・ド・ボーヌ
 主なAOCGrand Cruほか
・ラドワ
・アロース・コルトン
・ペルナン・ヴェルジェレス
・コルトン
・コルトン・シャルルマーニュ
ほか
・ビュリニー・モンラッシェ
・シャサーニュ・モンラッシェ
・モンラッシェ(白)
ほか
その他 
コート・シャロネーズ  
マコネー  
ボジョレ
 主なAOCGrand Cruほか
・ボジョレ・11月の第三木曜日からボジョレ・ヌーヴォ(ボージョレーヌーボー)、ボジョレープリムールとして出荷できる
・サンタ・ムール
・ジュリエナス
・ムーラン・ア・ヴァン
・シェナス
・フルーリー
・シルーブル
・モルゴン
・レニエ
・コート・ド・ブルイィ
・ブルイィ
・クリュ・ボジョレと呼ばれる
・11月の第三木曜日からボジョレ・ヌーヴォ(ボージョレーヌーボー)、ボジョレープリムールとして出荷できる

[その他の地区]


上記以外のフランスワインの産地名をご紹介します。
地区名
シャンパーニュ
ヴァル・ド・ロワール
コート・デュ・ローヌ
南西部
プロヴァンス
アルザス
ランドック・ルーション
その他…ジュラ、サヴォワ、コルス
AOCとは…Appellation d’Origine Controlee
アペラシオン・ドリジーヌ・コントーレは、フランス産の良質ワインを統制している認証。
このAOC法では、農業製品について 「原産地統制名称法」によって、特定の条件を満たしたものにのみ、原産地や品質を保証する。

6.ワインのコルクの開け方

レストランでソムリエにワインをあけてもらう時は、その流れるような動作と、ちょっときどった仕種も料金のうち…という感じがしますよね。じつに素敵です。
最近はスクリューキャップのワインボトルもずいぶん多くなってきていますが、やはり高級ワインを愉しむにはコルク栓の開け方をマスターする必要があります。
例えばホームパーティーなどの席でご自分でワインのコルクをあける時のワインの開け方をご説明いたします。

1.ワインオープナーについて

これからワインオープナーを買うという方へ
●ソムリエナイフは、慣れるととても使いやすいのですが、何本かのワインを実際に開けて練習する必要があり、素人(シロウト)には難しいかもしれません。
●初心者には、スクリュー部分が細いタイプのものよりも、スクリュー部分が太い螺旋状(ウイングタイプと言います)のほうが使いやすいでしょう。
スクリューの先端は鋭いものの方がコルクにさしやすいし、撒いている螺旋部分が幅太である方がコルクをしっかり掴むので、割れにくく引き抜きやすくなります。 あまりらせん部分が細いものやおもちゃみたいなものはおすすめしません。
お店で、ソムリエナイフ、ダブルコルクスクリュー、レバー式、の3タイプを見せてもらい、使い方を聞いた上で、ご自分が一番使いやすそうなものを購入して下さい。
●ソムリエナイフにはナイフの部分があり、下記で述べる(2)のキャップシールをはずす作業の際などに役に立ちます。

2.ワインの開け方

ワインをあける前に
(1) ワインをふく
 ●清潔なキッチンペーパーなどで、ボトル全体を拭きます。
(2) キャップシールをはずす
 ●キャップシールには鉛が含まれているものが多く、手ではちょっとあけにくいものです。
ナイフで、口部分の周囲に一周ぐるりと切り目を入れてから、縦方向に1本切り込みを入れ、ナイフの先をさしこんでゆっくりと剥がします。
ワインは湿度の多い保管場所に置かれるため、カビなどがついていることがあるので、そっとはがすようにしましょう。
(3)ボトルの口の回りやコルクの上をふく。
 ●コルクにワインオープナーを差し込む前に、口部分のよごれをふきとります。
コルクをあける。コルクを抜く
(4) コルクの中心位置にスクリューの先端を差し込みます。
 ●ワインオープナーが斜めに入ってしまうと非常に抜きにくくなります。
中心部分にさすのがコツです。
(5) ワインオープナーを回しながら、スクリューをなるべく奥まで差し込みます。
 ●ワインオープナーのスクリューをなるべく下まで差し込んだほうが、途中でコルク栓が折れたりせずに安定した形で力を加えることができます。
しかし、スクリューの先端がコルクを突き抜けて顔を出す程まで深くさすのはNGです。
ワインの中にコルクの粉が落ちてしまいます。
(6)ゆっくりと回しながらコルクをぬ きます。
 ●ゆっくりと引き抜くのがコツです。無理にまっすぐ引き抜こうとせず、回しながら力を加えるとうまく引き抜くことができます。
デキャンターに移す、またはグラスに注ぐ
(7)コルクを抜いたら、必ずボトルの口の回りをきれいに拭く
 ●ワインの中にコルクの粉や汚れが入るのを防ぐために、コルクを抜いた後は必ずボトルの口の回りを拭き取ります。
【冠婚葬祭マナーの表紙のページに戻る】