洋食のマナー》テーブルマナー・ナイフとフォークの使い方ほか

洋食のマナーのページ。披露宴などの宴会、ホテルのレストランでの食事や、デートのときなどに意外と緊張するのがナイフやフォークを使う食事でのテーブルマナー。
 ここでは一般的なコース料理でのテーブルマナーをご紹介します(テーブルセッティング、ナプキンの扱い方、スープ、魚介料理、肉料理、ごはん・パンの食べ方、サラダ、デザート、コーヒー・紅茶などのマナーを解説します)。

1. 洋食のテーブルセッティングと基本

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洋食のテーブルセッティングの基本の大原則は、以下の3つです。
ナイフ、フォークは外側から各1本ずつ順番に使う。
食事の途中はナイフ、フォークを八の字に広げて置き、食べ終わったら2本揃えて置く。
無理に全部食べなくてもよい。残したものは皿の上でまとめて。

テーブルセッティングの例

  
 

水 用
ゴブレット

赤ワイン用
グラス
 
バターなどが
置かれるスペース
デザート ナイフG
白ワイン用
グラス

シャンパン
グラス
デザートフォークG
バターナイフコーヒースプーンH 

 




 




 




 




 









 




 



 
ディナープレート
(ベースのプレート皿)
【中 央】

 




 
 



 





 



 




 
 



 




 
 


ABDE      EDBA

食器類配置見本
●セッティングの基本は、食べる順番に合わせて、外から内側に。
●ナイフの刃は内側に向け、フォークの先は奥に向ける。    
●デザートナイフの刃は手前向き。右が持ち手。デザートフォーク
 は左が持ち手。コーヒースプーンは右が持ち手。       
      ※図中のA〜Hは下記メニューに対応       

コースの基本

ポイント

◎コース料理の一般的な順番は?(アルファベットは上記に対応)
 A 前菜1
 B 前菜2
 C スープ
 D 魚介のメイン料理
 E (口直しのシャーベット)
 F 肉類のメイン料理
 G デザート
 H コーヒー

◎コース料理を食べるときのマナーは?
●コース料理に従い、外側から順番に一本ずつナイフとフォークを使う。
◎魚介用のナイフは形が異なるので覚えておくと便利。
◎万一、間違えて使った場合も、あるいは使ってしまって良かったのかどうか心配な場合でも、店の人が料理や食べ終えた皿を下げに来た際に
「これを使ってしまいましたがよろしかったでしょうか」などと尋ねるようにすると、不足分の代替品を持ってきてくれます。落ち着いて対応すれば大丈夫です。
◎食事中のサインと、食べ終えたサインは?
以下を覚えておけば、まだ食べている途中なのに、お皿を下げられてしまったり、あるいはもう食べないつもりで残したのになかなか料理のお皿を下げてもらえなかったりがなくなります。

食事の途中はナイフ、フォークを八の字に広げて置き、料理を愉しみながらワインを飲んだりパンを食べたりする。
●一つの料理を食べ終わったら、その皿の料理を食べ終えたサインとして、そのとき使ったナイフとフォークを2本揃えて置く。
食べ終えたときは、ナイフとフォークを揃えて置く。
ナイフは向こう側に置き刃をこちらに向ける。フォークは手前で上向きに、2本揃えて置く。
●無理に全部食べなくてもよい。残したものは見苦しくないよう皿の上で一箇所にまとめて。

2.ホテル・レストランフロントで

荷物やコートは

・大きな荷物やコートなどがある場合は、ホテルではクロークに預けたり、レストランでは入り口でお店の人に「 あずかっていただけますか?」と 尋ねると良いでしょう。ほとんどのホテルではクロークがありますし、レストランでも預かってもらえる場合があります。

待ち合わせの場合は

「あとでもう一人来ます」「のちほどもう一人参ります」あるいは
「連れがおります」「待ち合わせなのですが」などと告げると、
席に案内する際にわかりやすい席を配慮してもらえたり、名前を伝えておくと連れの方をスムーズに案内してもらえたりします。
・お手洗いなどは、席につく前に済ませておくと安心です。
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3.席についたら

最も重要なのは、イスに腰掛けた時の姿勢が美しいこと。
それだけで、あなたのポイントがアップします。

席についたら

ポイント
●イスに腰掛ける際、バッグは腰の左脇に置くと良いでしょう。
 背中と背もたれの間に置くと、イスに浅く腰掛けることになり、姿勢が美しくありませんので注意しましょう。
●椅子には深く腰かけて背筋を伸ばしま す。あまりテーブルと離れて座る と猫背になるので注意しましょう。
備考
◎ホテルのレストランなどでは、バッグを置くための椅子を用意してくれるところもあります。ギャルソン(給仕)に声をかけて聞いてみるのも良いでしょう。
◎もし、どうしてもバッグの置き場所に困る場合には、椅子の背や、ひじかけにショルダーバッグをかけることがあります。フロアスタッフの動線のじゃまにならないように注意してください。

4.ナプキンはどうするか

・ナプキンは本来席についたらすぐに広げてひざにかけても良いのです。例えばグラスの水が運ばれて来た場合、グラスの表面 で結露した水がひざにおちて衣服にシミをつくるのを防ぎます。
大切なことは、落ち着いてスマートにふるまうことです。
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ナプキン

ポイント
●ナプキンは席についたらすぐに広 げて膝にかけてもかまいません。食事が運ばれる前にひざに広げておきましょう。
備 考
◎食事の途中で席を立つときはナプキンは軽くたたんで椅子の上に置きます。
◎食事が終わって店を出るときは、 ナプキンはテーブルの上に置きます。
 このときはたたまなくてもOKです。

5.お酒について

おいしいお酒は食事を引き立てますね。
知らないワインを初めて注文する際には、お店の人にアドバイスをお願いすれば、失敗のないオーダーができます。
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食前酒について

食前酒は無理に注文する必要はありません。
もしオーダーするなら、ウイスキーなどの強いお酒は避け、カクテルやリキュールの中でも軽いものが良いでしょう。

食事を食べる時のお酒について

●ワインの飲み方のマナー
ポイント
●ワインをオーダーする場合、食事には辛口のワインの方が相性が良いと思います。
赤ワインは肉料理に合う、白ワインは魚料理に合う、というふうに、こだわる必要はありません。
1. 予算、
2. カップルの場合は、女性側が甘口と辛口のどちらが好きか
3. フルボトルか、ハーフボトルか、のいずれか

を告げて、ソムリエにおすすめを聞くと良いでしょう。
ワインリストに載っている名前が、読めなくても、また、知らないワインでもあわてずに指で示しながら味の特徴を聞きましょう。説明を聞いた上で、注文すれば、安心ですね。
●目の前のグラスが空になったとき、同席者のグラスにワインを注いであげるのはマナー違反です。
 だまって、軽く手をあげたり、店の人と目を合わせて、空のワイングラスを持ち上げて合図したりします。
声を出して「すみませ〜ん!」などと店の人を呼ばないようにしましょう。
備考
◎ワインをフルボトルで注文すると、コルク栓を渡されたり、グラスに少量 だけ注がれてテイスティングを求められます。
これは、ワインが変質していないかどうかのチェックです。
きちんとしたレストランなら、変質したワインが出されることはまず無いので、「ワインを頂く前の軽い儀式の一つ」といったくらいの気持ちで、落ち着いて一口味わえばOKです。特になにも言わず、うなずくだけで構いません。
※参考…ワインのページへ
●ビールの飲み方のマナー
ポイント
●ビールの温度
◎冷やしすぎは禁物。夏期4〜6度
 冬期6〜8度
◎ビールは泡がおいしさの決め手になります。ビールを美味しく飲むためにも、次ぎ足すのは飲み干して からにしましょう。
◎グラスに口紅がついた場合は、親指など でそっとぬぐいます。
備考
◎自宅で楽しむ場合など、夏はグラスを冷蔵庫で冷やしてお くとよいでしょう。ただし、これも冷し過ぎは禁物です。
◎飲めない人も一杯目の乾杯分は注 いで、口だけはつけるまねをしましょう。
●日本酒の飲み方のマナー
ポイント
●日本酒の注ぎ方
◎お酌をするときは、徳利の胴をもち、手の甲が見える ように倒し、もう一方の手を添え るようにして注ぐ。
◎女性は杯を両手で受け、飲むとき もなるべく両手で飲むときれいです。
備考
◎手首を返してお酌すると場慣れた印象になるので注意してください。
◎もう飲めないというときは杯を伏せます。
◎空いた徳利を倒したり、立ってまで同席者にお酌をして回るのは見た目がよくありません。

6.スープの食べ方のマナー

スープは音をたてずに飲むというのが知られていますが、その他のマナーについても紹介します。
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スープの いただき方

ポイント
●基本は以下の2点
 1 スープをすくう時は手前から奥に向かって。
 2 スープは音をたてずに飲む。

●残り少なくなってきたら、左手前持ち上げ、右奥にスープをためてすくうとよい。
●上に蓋をする形でパイの乗ったポット状のスープは、左手で持ち手を持ちながら、最初にスプーンを立ててコンコンとつつき、中央を崩して穴を開ける。
 少しづつ穴の周りを崩すようにしてパイを中に落とし、スープとなじませていただく。
備 考
◎スープの途中でパンなどをいただく時はスープ皿の中にスプーンを置き、残す時はスープ皿の受け皿にスプーンを置くと「この食器を下げてください」の合図になる。
◎持ち手のついたカップのタイプはそのまま口に運んでも良い。
[事務局による追記2016年]
上記(1995年記載)にはスープを飲み終えた合図として受け皿に置く…と掲載していますが、近年は「飲み終えたらスープ皿に置く」というマナーが主流になっているようです。なお、受け皿がない場合もスプーンはスープ皿に置きます。

7.魚介料理の食べ方のマナー

肉料理よりも魚料理の方が難しいテーブルマナーも、基本をおさえておきましょう。
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魚の食べ方・魚のいただき方

ポイント
●魚料理を食べる時の基本
1 フォークで中心の骨を押さえ おもて面の身をナイフで皿の上か下の方向に寄せるようにして取る。
2 フォークで骨の左端を押さえナイフを骨の下にくぐらせ、身をはずす。骨は皿の上方の空いたところに置く。
備 考
◎ソーススプーンがつく場合はソースとからめた身をスプーンに乗せて食べる。
◎オードブルをはじめ、骨のない魚の身が出てきた場合は、普通にフォークで刺していただく。

貝・えび類 の いただき方

ポイント
●エスカルゴ
1 トングではさんで殻を傾け、 殻の渦の回転方向に素直に従 うようにフォークで皿の上に 落とすようにする。
2 フォークで刺して食べる。
●かき
1 一緒についてくるピックで殻からはずし、レモンをしぼってフォークで刺して食べる。
2 フォークがついてきた場合には、左手で殻をおさえ、右手のフォークで殻からはずす。レモンを絞ってフォークで刺して食べる。
●殻つきえび
 1 最初に殻と身の間にナイフを入れ、身を殻からはがす。
 2 身を殻から出して、皿の上で切って食べる。
備 考

◎フィンガーボールは汚れた指先を洗うためのもの。指先だけを洗い、ナプキンで拭く。
◎エビの身は殻の中で切ると、すべって失敗しやすい。
◎エビの殻は食べ終えたあとは伏せておくと美しい。

8.肉料理の食べ方のマナー

最も基本となるのがお肉料理の食べ方です。通常のコース料理には欠かせません。
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肉料理の いただき方

ポイント
●肉料理をいただくときの基本
 1 左はしから食べやすい大きさに切って食べる。
 2 骨つき肉も同様に左から切るがなるべく骨の近くにナイフを入れて切り離す。
備 考
◎最初に全部切ってしまうと冷めやすいだけでなく肉汁も出てしまうのでそのつど切る。
◎骨つき肉で骨に沢山の肉がついて残ってしまった場合は手で持って食べても良い。

9.ご飯(ライス)・パンの食べ方のマナー   

洋食の場合には、パンを食べることが多いのですが参考までにご飯の食べ方もご紹介します。
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ご飯のいただき方・ ライスの食べ方

テーブルマナーのポイント
●ライスもなるべく左手でフォークを使う。 ナイフでフォークの腹に乗せて食べる。
備 考
◎ナイフでフォークの背にライスを乗せるのは間違い。腹の側に乗せて食べる。
 また、左手に持っていたフォークを右手に持ち替えて、すくって食べるのも間違い。

パンの食べ方・いただき方

テーブルマナーのポイント
●一口大の大きさにちぎってバターをつけて食べる。
●パンは出されている間はいつ食べ ても良い。
備 考
◎パンをちぎった切り口は自分の方に向けて置く。
◎バターが各自の手元に無い場合は必要な量だけパン皿の上にバターナイフで分け取る。

10.サラダの食べ方のマナー

プチトマトなどを食べる時には、フォークを右手に持ってフォークだけで食べても構わないようです。
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サラダのいただき方

ポイント
●サラダをいただくときの基本
 1 小さなものはそのまま突き刺して食べる。
 2 食べにくいほど大きな葉は、パスタの様にくるくると巻き
   巻き終わりの葉端は突き刺して口元まで運ぶ。
備 考
◎プチトマトが丸のまま出てきた場合は半分に切ろうとするとかえっ
 て中身が飛び散ったりするので、そのまま口に入れたほうが無難。
◎深さのある器に入った葉をナイフで食べやすい大きさに切ろうとす
ると、かえって失敗しやすい。

11.デザートの食べ方のマナー 

デザートとして供されるものの例としては、フルーツ類、アイスクリーム・シャーベット類、ババロア・プリン・ムース・ゼリー類、ケーキ類などがあります。
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デザートの いただき方

ポイント
●メロンはまずナイフで皮から1〜2センチ内側に切り込みを入れ、 皮からはずれたところを一口サイ ズに切って口に入れる。
●三角形のケーキは尖った方(左端)から一口づつ切って食べる。
●崩れやすいミルフィーユなどは、 最初に半分に切ってから、端から食べやすい大きさに切り分けて食べる。
●シュークリームも最初に半分に切ってから、端から食べやすい大きさに切って食べるが、ナイフで皮 にクリームを塗り付けるようにすると良い。  
備 考
◎万一メロンが種付きで出されたら 最初に全部取って、皿の向こう側 に寄せて置く。
◎食べたあと、かけらが散っていると見苦しいので、一箇所に寄せ集めると良い。
◎ケーキについていた銀紙やセロファンは汚れたほうを内側にして畳む。この時、フォークを包まないこと。

12.コーヒー・紅茶について

コーヒーや紅茶は食後に供されます。
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奇麗に見えるいただき方

ポイント

●立食パーティーの時はソーサーを 左手に持ち、カップを右手で持つが、コース料理などでテーブルに ついて座って飲むときには、基本 的にはソーサーは手に持たない。  

備 考
◎レモンティーのレモンは入れたま まにしておかない。カップの向こう側か、あれば専用の皿に置く。

お客様をお招きして紅茶でもてなすとき

ポイント
●あらかじめポットやカップをあたためておく。
●ポットの湯を捨て、スプーンに山盛りで「人数+1」杯の紅茶葉をポットに入れる。
備 考
◎全体が均等な濃さになるように、注ぐときには少しずつ順番に注ぎ 最後まで行ったら逆に戻ってくるとよい
◎ポットの中の濃くなった紅茶を薄めるためのお湯も用意しておくとよい。このとき、湯はポットに入 れる。
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