初盆・新盆の香典の表書き》香典袋の書き方・薄墨は使いません

初盆・新盆の香典の書き方のページ。四十九日を過ぎてから初めて迎えるお盆を初盆・新盆と言います。ここでは初盆・新盆の香典ののし袋の表書き、香典袋(初盆・新盆の法要の際に持参する、初盆香典・新盆香典)の書き方とマナーを解説します。さらに初盆法要で頂いた香典のお返し・初盆・新盆の香典返しについても解説します。

初盆・新盆の香典の金額相場については前のページをご参照下さい

 

3.初盆・新盆の香典(香典袋・のし袋)書き方・表書き

仏教の場合は、四十九日を過ぎるとのし袋の表書きが変わります。
初盆(はつぼん)・新盆(にいぼん)は、四十九日が過ぎてから初めて迎えるお盆ですので、不祝儀を送る場合には、のし袋の表書きは「御霊前」を使わなくなり「御仏前」「御佛前」になります。
地方の初盆の場合には、親族などの近親者が提灯を贈る場合もあります。
住宅事情などを考慮し、現金を包むケースが増えて来ているようですが、もし提灯を贈る場合は関東では初盆のみ白い提灯を贈るしきたりもあります。また、喪家の家紋を入れたり、絵入りのものを贈ることもあります。飾る日程を考慮し、1〜2週間前には届くように手配をしましょう。
喪家に飾る場所の都合を確認した上で、喪家の地域の仏具店や葬儀社などに依頼するとその地域の風習にそったものを用意してくれます。
お線香のあげかた、ご焼香のマナーについては別ページにて御紹介しています>>>
初盆の法要に出席する人が持参する香典の表書きは以下のとおりです。

初盆・新盆 香典の表書き
書き方とマナー

1.お香典袋の表書き(不祝儀ののし袋の表書き)

御仏前のし袋

お盆は仏教行事です。
◆のし袋の表書きは「御仏前」「御佛前」「御供物料」など。
薄墨は使わず、濃い墨で書きます。
下段にはフルネームを書きます。
◆お供物を品物で用意する代わりに現金を包むのが「御供物料」です。お供物料はお香典の「御仏前」の代わりに持参しても、あるいは「御仏前」とは別に包んで持参しても構いません。もちろん現物の品物を持参または送っても良いものです。
◆ワンポイント「薄墨」について
…初盆の香典には薄墨は使いません。
薄墨は通夜・葬儀などで使われ「突然の悲しみに、涙で墨がにじむほどです」という気持ちを表すとされますが、四十九日の忌明けを過ぎると薄墨は使わずに濃墨で表書きを書きます。
初盆・新盆は四十九日を過ぎてから迎える初めてのお盆ですので、薄墨は使いません。
2.連名の場合ののし袋の書き方
御仏前のし袋ご夫婦の場合は、夫の名前だけでも良いのですが、故人とのご縁が深かった場合には連名にします。夫の氏名を中央に書き、妻の名前だけをその左側に書きます。
3.職場などでまとめる場合ののし袋の書き方
御仏前のし袋【職場で香典をまとめる】
職場などで少しずつ出し合って香典をまとめる場合には表書きは見本画像のようになります。
香典を出した人のリストはのし袋の中に入れます。遺族がお礼状を出しやすいように住所と氏名を明記したリストとなります
【お返しを辞退する場合】
各自が出し合った金額が少額であれば個別のお返しを辞退することもあります。 お返しを辞退する場合にはその旨を香典袋の中に入れる紙に一筆書き添えます。
[例文]
「故人にこれまでお世話になったご恩に比べれば本当に心ばかりでございます。恐縮ながらお返し等のお心遣いはご辞退申し上げます」
「些少ですが故人の墓前にお供え下さい。恐縮ながらお返し等のお気遣いは謹んでご辞退申し上げます」など。
こうした場合には文末に職場の住所や部署名もしくは代表者名だけを記載しておくと、お礼状は職場あてに届きます。
初盆・新盆 香典の表書き
書き方とマナー (つづき)
4.水引き
黒白あるいは双銀、藍銀、黄白(主に関西地区)の結び切りの水引きのものを用います。
5.熨斗袋へのお金の入れ方とお金の向きに関するマナー

◆新札を使うのはNGとされます。
◆のし袋に入れる場合のお札の向きに関しては、本当に諸説あります。
(人によって考え方が異なるので、事務局ではこのように考えています) 以下のようにすれば、失礼にあたることはありません。
「二枚以上になるときは、お札の向きが同じになるように揃えて入れる」
「新札は不祝儀には向かないという考え方が根強いので、もし新札を使う場合は2つに折って折り目をつけてから袋に入れる。」
「あまりにも汚いお札やヨレヨレのお札は、むしろ失礼にあたるので使わない」
お札の枚数は4枚、9枚といった枚数が「死、苦」を連想させるとして嫌われます。
香典の札の入れ方にはいろんな考え方がありますので、「故人を敬う気持ちを表し、相手に不快な思いをさせなければ良い」と事務局は考えます。ただし、のし袋を選ぶ際には、中に入れる金額にふさわしい熨斗袋を選ぶようにします。
(袋だけが立派になりすぎないようにします)
※のし袋の中包みの入れ方や、袋への金額記入例、不祝儀袋の中袋の書き方(文字)などは、こちらで画像入りで説明しています。>>>

6.お供えものを手配する場合
香典の代わりにまたは香典とは別にお供え物を持参または送ります。
お供え物ののし紙の表書きは「御供」など。
水引きは、双銀、藍銀、黄銀、黄白の結び切りです。
7.盆提灯について「御提灯代」とは

【親族のみが包む「御提灯代」】
盆提灯は、お盆に霊が迷わず戻って来られるように、目印として飾ると言われています。 盆提灯には、初盆・新盆用の「白提灯」と、それ以降に用いる「絵柄の入った提灯」の二種類があります。
盆提灯は親族が購入するのがならわしでしたが、住宅事情や飾るスペースなどを考慮し、不祝儀袋に「御提灯代」として現金を遺族に渡し、遺族が必要な個数を購入するようになってきています。
※詳細は「盆・初盆」のページで解説しています。>>>

4.初盆・新盆の香典のお返し

初盆・新盆で頂いた香典のお礼やお返し(香典返し・返礼品)としては以下のようなものがあります。

●初盆・新盆の法要に出席された方には、会食でおもてなしをし、引出物をお持ち帰り頂く
●初盆・新盆の法要に欠席され、香典のみ頂いた方には、お礼状を添えて、お返しの品(香典返し・返礼品)を送る

初盆・新盆の香典のお返し

引出物の手配
・当日お渡しする引出物はお盆の法要の参列者へのお返しの一部と考えられます。法要のあとで会食を行なう場合には、その会食もお返しの一部となります。
・のしの水引きは、黒白または双銀の結び切りにします。
・引き出物としては、石鹸や洗剤、タオルなどの実用品や食品等が良く用いられます。遠方からの方もいらっしゃるので、かさばるものは避けます。最近はカタログギフトも増えました。予算は@2,000〜5,000円程度が一般的です。
・引出物ののしの表書きは、「粗供養」「志」などとし、水引きは黒白か銀の結び切りを用います。
・法事の後、おもてなしの席を設けない場合には、折詰めの料理と酒の小壜を用意し、引出物と一緒にお渡しします。
初盆・新盆の香典のお返し (つづき)
返礼品の手配
・初盆・新盆の法要に香典だけを送って頂いた方に送るお礼の品(お返し・返礼品・香典返し)です。
・のしの水引きは、黒白または双銀の結び切りにします。
・品物としては、石鹸や洗剤、タオルなどの実用品や日持ちのする調味料、缶詰、お菓子、コーヒーや紅茶、お茶、乾麺などの食品等が良く用いられます。最近はカタログギフトも増えました。予算は頂いた香典の半額〜1/3とされていますが@2,000〜10,000円程度が一般的です。高額の返礼品ほどカタログギフトが多いようです。
・お返しの品ののしの表書きは、「粗供養」「志」などとし、水引きは黒白か銀の結び切りを用います。
●お返しの時期初盆法事のあと、なるべく早く1カ月以内をめどに
●予算費用のめやすは、頂いた金額の半分〜1/3程度です。
●どんな品物を不祝儀のお返しなので、お茶や石鹸などのあとに残らないもの(消えて無くなるもの)が良いとされます。他には、実用品としてタオルやハンカチなども良く用いられます。
最近では高額なお香典へのお返しにカタログギフトが良く用いられます。

初盆・新盆の香典のお返しに添えるお礼状・お礼の手紙

・初盆・新盆の法要に香典だけを送って頂いた方に送るお礼の品(お返し・返礼品・香典返し)です。お礼の手紙を添えて送ります。
・のしの水引きは、黒白または双銀の結び切りにします。
・品物としては、石鹸や洗剤、タオルなどの実用品や日持ちのする調味料、缶詰、お菓子、コーヒーや紅茶、お茶、乾麺などの食品等が良く用いられます。最近はカタログギフトも増えました。予算は頂いた香典の半額〜1/3とされていますが@2,000〜10,000円程度が一般的です。高額の返礼品ほどカタログギフトが多いようです。
・お返しの品ののしの表書きは、「粗供養」「志」などとし、水引きは黒白か銀の結び切りを用います。
【文例】
※ふつうは縦書きです。ページ構成の都合上、横書きにしています
参列せずに、香典やお花、お供物だけを頂戴した場合
 ◯◯法要のところは、「初盆法要」「新盆法要」などとアレンジしてください。
拝啓 このたびは 亡祖母 見本きく江儀 ◯◯法要に際しまして
ご多忙中にもかかわらずご鄭重なるご厚志を賜り心より厚くお礼申し上げます
おかげさまで◯◯法要を滞りなく済ませることができました 
茲にご厚情に感謝申し上げますとともに、今後も変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます 
早速拝眉の上お礼申し上げるべきところ
略儀ながら書中を持ちましてお礼申し上げます
敬具  
 令和◯◯年◯◯月◯◯日
本松 一郎様
〒□□□−□□□□□ 東京都渋谷区神宮前◯−◯−◯
喪主  見本太郎
親族一同

[全体の流れ]
・故人の名前…「亡祖父 ◯◯◯◯儀」という書き方と、「故 ◯◯◯◯儀」という書き方があります。 会社で行う法事の場合には後者をアレンジし、「弊社社長 故◯◯◯◯儀」といった形で使います。
・お礼の言葉…忙しい中を温かいお心づかいを贈って頂いたことへのお礼の言葉を入れます。
・お礼状はあくまでも略儀…です。本来なら直接お礼を申し上げるところ、書状でのご挨拶となった旨を伝えます。
(文中の言葉「拝眉(はいび)」…お会いするという意味をへりくだって言うときに使う言葉。お目にかかる。)
・差出人…施主の名前を書きます。横に「親族一同」と書き添えます。
・その他…季節の挨拶文は不要。
 頭語 「拝啓」+結語「敬具」については、両方入れるか、もしくは両方無しのどちらでも良い
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※別ページ…法事の礼状・法要礼状は法事のページへ
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