家賃督促状・家賃の督促状の書き方

家賃督促状のページ。このページでは、未払い家賃(滞納された家賃)の請求・回収のプロセスと必要な手続きについて説明しています。実際に法的措置をとる場合には専門家に相談されることをおすすめしますが、 基礎知識として家賃滞納の督促のそれぞれのプロセスで必要となる催告書の書き方や、内容証明書(内容証明郵便)についての基本的な知識の紹介と回収方法、合わせて、時効や少額訴訟についても情報を提供しています。
………このページの内容………
1. 未払いの家賃を請求・回収するための方法(督促のプロセス・流れ)
2. 未払い家賃の督促状を出す時期
3. 家賃の支払い督促状を作ってみよう
4. 家賃滞納の督促状の書式(文例、例文)
5. 家賃滞納が続き、明け渡しを催告する場合の文例
(1)内容証明書の書式の決まりと規定(内容証明郵便の書式)
(2)催告状の文例(内容証明郵便内容証明・内容証明書)

■1.未払い家賃を請求するために(督促状のプロセス・流れ)

[家賃滞納の対応について]


このページでは、未払い家賃(滞納された家賃)の請求・回収のプロセスについてご説明いたします。
あくまでも相手がいる上で発生する話ですので、強制的に取り立てをするかどうかや、明け渡しを請求するかどうかについては、債務者(未払い者)の対応や、人柄・性格、家族構成、生活・仕事・収入、社会的地位 、資産、保証人、といった背景に左右され、慎重な検討が必要となります(安易に強制退去や立ち退きを要求するのはトラブルのもとになることもあります)。

実際に法的手段をとる場合には専門家に相談されることを強くおすすめしますが、法律相談や法的措置はレベルに応じて費用が発生することになります。
まずは依頼する前に予備知識として頭に入れておく、くらいのつもりでお読みください。
考えられる滞納家賃の請求・督促のプロセス(例)と方法
1. 家賃の再請求をする
  ハガキや封書など、文書により家賃の再請求をします
電話や訪問などにより、直接、家賃の再請求や督促をします
2. 3ヶ月以上経過しても家賃の未払いが解消されない場合には、
借主に、「支払いがなければ、連帯保証人に対し家賃の請求をする」という告知をする
  いきなり連帯保証人に請求するのではなく、円満に債権を回収するためにも、まずは借主に「支払わなければ保証人に請求しますよ」と知らせます。

3ヶ月というのは、法律で定めがあるわけでは無く、あくまでも目安です。
但し、滞納期間がかなり長期になってしまってから連帯保証人に請求すると、金額もかさみ、連帯保証人が支払わない例もあります。トラブルを避けるためにはあまりにも長期間が経過してからというのも考えものです。
3. 連帯保証人に対し、家賃の請求をする
  入居者の家賃滞納を報告し、未払い分を請求する
4. それでも家賃が未払いの場合に、住宅の明け渡し請求をする
  1)いきなり建物や部屋を明け渡すように要求するのではなく、まずは「○月○日までに支払わなければ契約を解除します」という催告書を、内容証明郵便(俗に言う内容証明、または内容証明書)の形で、配達証明つきで借主に送ります。
2)それでも家賃が未払いであれば、住宅の明け渡し請求訴訟(裁判)をします/その後、強制執行となります。
場合によっては、借主が占有権を別の人に譲ることを防ぐために、あらかじめ占有権移転禁止の仮処分を申請した上で上記を行なうこともあります。
3)住居を明け渡してもらった上で裁判所での和解による分割納入などを依頼する形になります
[ミニ知識1]少額訴訟
少し面倒ですが、もしもご自分で法的手続きをやってみようとお思いの場合は、少額訴訟という手続きがあります。請求金額に応じて裁判所に支払う手数料が上下しますが、1万円前後です。ただし裁判所は双方が折り合いをつけるような円満な解決をすすめますので、すぐに取り立てができるかどうか、また、立ち退きや強制退去になるかどうかは不透明です。
下記は裁判所のホームページから引用します。
少額訴訟 筆者による補足
少額訴訟とは 1人の人が同じ裁判所で利用する少額訴訟は、年に10回まで、と制限されています。
  民事訴訟のうち、60万円以下の金銭の支払いを求める訴えについて、原則として1回の審理で紛争解決をはかる手続きです。
注意点 証拠となる書類や証人は、審理の日に用意(持参)しなくてはなりません。家賃の督促の際に送った内容証明郵便(配達証明つき)は証拠として利用できます。
  1回の審理で即時解決をはかるため、証拠書類や証人は審理の日にその場ですぐに調べることができるものに限られます。
特徴1 1回の期日で審理を終えて判決をすることを原則とする、特別 な訴訟手続きです。 普通、裁判は何度も裁判所に足を運ばなければならず、何日も日数がかかります。
特徴2 60万円以下の金銭の支払いを求める場合に限り、利用することができます。  
特徴3 原告の言い分が認められる場合でも、分割払い、支払い猶予、遅延損害金免除の判決がされることがあります。 (ケースにもよりますが)一般的に、裁判官は、双方が折り合いをつけるような形で和解などをすすめます。
特徴4 訴訟の途中で話し合いにより解決することもできます いわゆる「和解」です
特徴5 判決書または和解の内容が記載された和解調書に基づき、強制執行を申し立てることができます。 「強制執行」は、勝訴の判決を得たり、和解が成立したにもかかわらず、相手がお金を払ってくれなかったり明け渡しをしなかったりする場合に、債権者の申し立てに基づいて裁判所が強制的に請求権を実現する手続きです。
特徴6 少額訴訟の判決に対する不服申し立ては、異議の申し立てに限られます。 判決に不服であっても「控訴」はできません。
[ミニ知識2]時効
いつまでたっても家賃が支払われない場合、ずっと放置しておくと時効になってしまいます。

民法169条には「年またはこれより短い期間によって定めた金銭その他の物の給付を目的とする債権は、5年間行使しない時は、消滅する」と定められています。
わかりやすい言葉になおすと「一年ごと、またはこれより短い期間(月額払いなど)によって定めた債権(ただし、ここでいう債権は、金銭その他のものの給付を目的とするもの)は、5年間行使しないときは消滅する」ということです。
まだ少しわかりづらいですね。もう少しかみくだいて書き直します。
「月額や年額で定めている、金銭やその他のものの給付を目的とする債権(例えばアパートやマンションなどの賃料を請求する権利)は、5年間行使(請求)しなければ消滅します」=家賃を滞納されても、5年で時効になってしまうということです。

■2.督促状を出す時期

不動産管理会社との契約内容によっては、家主(オーナー)さんにかわって督促業務を行なったり、未払い家賃を立て替えた上で代金回収業務までしてくれるところもあります。
ここでは、こうした契約のない家主(オーナー)さん、または管理会社の立場での催促、督促の方法についてご説明いたします。

まずは、先方が最初に契約書に記載した期限を守らなかった場合には、すぐに催促をします。
電話でも、書面でも構いません。ただし、郵送する場合には「本状と入れ違いにご入金の場合はご容赦下さい」と、明記します(何らかの事情や手違いが原因だった場合には、入れ違いに支払われるケースも実際に良くあることです。失礼がないように一言添えるのが催促時のビジネスマナーです)。
しかしさらに催促状を送ったあとも、何ら入金も連絡もない…という場合には電話をし、督促状を出します。可能であれば直接集金に出向くということもできます。マンションなどの場合、こちらが名乗ると入居者が居留守を使う場合もありますので注意してください。
督促のタイミングに決まりはありませんが、10日間〜遅くとも1ヶ月後までには、何らかの行動をおこすことをおすすめします。
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3.督促状を作ってみよう(督促状の書き方、文例、例文)

下記にご紹介するのは、督促状の代表的な文例、例文です。

■4.督促状の書式

下記の画像の 青数字をクリックすると説明にジャンプします。
※電話番号は忘れずに記載しましょう。

督促状の記載内容の説明


1. 宛先
「会社」対「会社」の取引の場合は、宛先を会社名にする場合が多いようです。
先方の支店名、部署名まで記載する場合もあります。
  ・個人あての場合… □□□□様
・会社名の場合…… □□□□□株式会社御中
・社長あての場合… □□□□□株式会社
代表取締役□□□□様
2. 発行日または提出日.差出人および担当者を明記
・督促状の発行日または提出日は必ず記載します。
もし、こうした督促業務が多いようでしたら、可能なら通 番を入れます。先方からお詫びの電話や支払日の連絡があった場合等にも、どの督促状に関する連絡なのかを特定することができて便利です。

・社名、社長名や、家主名(オーナー名)を明記します。会社名で出す場合には、社判(請求業務に使用しているもの)と代表者印を捺印して郵送します
3. 表題「督促状」
・この督促状は、先方が最初に請求書に記載した納入期限を守らず、さらに、催促したあとも何ら入金も連絡もない場合に出します。

・「督促」という言葉自体にインパクトがありますよね。
4. 支払いの期限
・支払者(債務者)に、何月何日までに支払うように、具体的に指示をしています。参考になさってください。
通常の督促状でしたら、ポスト投函日の5日後〜14日後くらいの間の任意の日で良いでしょう。
5. 未払いを確認した日を明記
・今回の督促状が、いつの時点での督促なのかを明確にします。
6. 物件の所在地、建物名、部屋番号を明記
・物件を特定するために必ず記載してください。
7. いつの分の家賃を請求するのかを明記
・債権を特定するために「□年□月分」「□年□月〜□月分」など、請求する期間を必ず記載してください。年度もわすれずに記載します。
8. 金額を明記
・この督促状だけをみてすぐに支払いができるように、金額も記載します。
9. 振込先
・ここでは回収方法を「振り込み」にしています。
・単に「すぐに支払って下さい」と要求するだけでなく、督促状だけを見ればその場で支払金額、振込先がすべてわかるように、振込先も明記しておくことをおすすめします。
10. 法的手段の告知
・もし、今回の督促状でも支払いがない場合には法的手段に訴える可能性があることを告知しています。
 本来であれば、再請求にかかった費用(通信費や書類の作成費用)、延滞利息を加算することができます。

 ※延滞利息については、契約時で明記(あるいは毎月請求書を発行するシステムであれば、請求書に明記)しておくことをおすすめします。

・法的手段に訴える場合には「内容証明」という書面 を別途作成し、送付します。
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■5.家賃滞納が続き、契約解消と明け渡しを催告する場合の書面「催告書」

再三にわたる督促にもかかわらず、家賃の滞納が所定の期間以上続いた場合には、契約を解消し、建物や部屋の明け渡しを要求することになります。
普通は、いきなり建物や部屋を明け渡すように要求するのではなく(いきなり退去をしてもらうことはできません)、まずは「○月○日までに支払わなければ契約を解除します」という催告書を、内容証明郵便(俗に言う内容証明書)を、配達証明つきで借主に送ります。
これでも支払われない場合には、その後、裁判所に訴えをおこし、強制執行などの法的手続きへと至ることになります。内容証明郵便は、裁判の際に証拠として有効になりますので、規定に基づいたものを作成しましょう。

裁判には費用がかかりますが、裁判所を通じた手続きをせずに強制的に退去させること(無理矢理に荷物を撤去して追い出すこと)は法律に触れる行為となります。

(1)内容証明書の書式の決まりと規定
 (内容証明郵便の書式)

内容証明郵便は、全く同じものを三通 作成します。
 一通は郵便局に保管されます。
 一通は相手方に対し配達証明付きの書留郵便で送ります。
 一通は手元に控えとして保管します。
郵便局から出す内容証明郵便

[1] 行数と文字数

・縦書きの場合には、
一行20字以内、一枚につき26行以内。

・横書きの場合には、
一行13字以内で一枚につき40行以内。または
一行26字以内で、一枚につき20行以内。または
一行20字以内で、一枚につき26行以内

先方の住所氏名、差出人の住所氏名も、この中に入れます。

※ここで説明しているのは、郵便局から出す内容証明郵便についての規定です。
電子内容証明郵便(=インターネットを通 じて24時間受付)の場合は、上記のような行数や、文字数の規定が特にありません。ただし、文字の大きさや余白に規定があります。詳細は別 ページ「内容証明書の書き方」で説明しています。内容証明書の書き方へ>>

[2] 枚数



枚数制限なし
・ 2枚以上になる場合はつづり目に契印を押します。

[3] 文字

・ 句読点「、」「。」も一文字として数えます。基本的に日本語のみ使用できますが、社名など固有名詞なら英字もOKです。

・注意が必要なのは、文字数の数え方のうち、マルで囲んだ数字などですが、それぞれ数字+枠というふうに数えます。アンダーラインの線は字数に数えません。

1字+枠1で2字
2字+枠1で3字
1字+枠1で2字
3字+枠1で4字
2つで1字。
もし2行にわたる場合には、前の行の字数に数える。
2字
1字

[4] 捺印

・ 捺印して送付するケースが一般的です。捺印は必ず必要というものではありません。
但し、謄本を訂正する場合には訂正印が必要です。
また、[2]で述べたように、枚数が複数に及ぶ場合に、つづり目には契印が必要です。

(2)催告状の文例(内容証明郵便)

内容証明郵便で催告状を送付する場合の作成例(但し、電子内容証明を使わずに作成する場合の作成例)をご紹介します。
行数、文字数の規定に基づいて作成しました。
(※ 必ず三通作成してください。 一通は郵便局に保管されます。 一通は相手方に対し配達証明付きの書留郵便で送ります。 一通は手元に控えとして保管します。)

下記はあくまでも参考例です。事例によって異なりますので、実際にはできるだけ早期に弁護士などの専門家にご相談されることを強くおすすめします。
(ケースごとに対応が異なります。なるべく早期に連帯保証人に連絡・連絡をする、明け渡し訴訟に先立って占有移転禁止の仮処分の申し立てをする、などのアドバイスを得られるものと思います)

冒頭にも述べておりますとおり、まずは依頼する前に予備知識として頭に入れておく、くらいのつもりでお読みください。
郵便局から出す内容証明郵便(催告状)の例
[1] 住所氏名
・ 受取人の住所氏名、差出人の住所氏名は文中に必ず必要です。
 
[2] 支払先
・ 上記の文例では、持参して支払うようにしていますが、振込みをして欲しい場合には、銀行名、口座名、口座番号、名義などを書きます。
 
[3] 捺印
・ 捺印して送付するケースが一般的です。捺印は必ず必要というものではありません。
但し、謄本を訂正する場合には訂正印が必要です。
また、上で述べたように、枚数が複数に及ぶ場合には、つづり目には契印が必要です。
 

(3)内容証明書の送り方(内容証明郵便の書式)

内容証明郵便は、郵便局で、内容証明料金と、書留+配達証明料金などを支払って送付します。
(速達や、本人限定受け取りなどのオプションもあります)
料金などの詳細は別ページで詳しくご説明しています。>>

(4)その他

債権回収を専門に行なってくれる企業があります。例えば退去者に対して家賃の収納業務を委託する場合など、信用できる業者(安心して依頼できる業者)を探す場合の選定基準として、参考までに一例ですが県庁から委託を受けて県営住宅の退去者から家賃の収納業務を依託されている企業等があります。いわゆる取り立てに関するトラブルを避けるためには安心できる業者に依頼するのも一案です。但し、こうした外部業者に依頼するに際しては回収額の○○%の成功報酬制といった委託経費が必要となります。
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 ※法律的な手続きを踏む必要がある場合には、弁護士などの専門家にご相談されることをおすすめします。