書類送付状とは、書類や資料を郵送する際や、書類をFAXで送信するときに、その内容を説明する目的で一緒に送る書面をさし、送付状、送り状、添え状、送付案内状、書類送付書などとも呼ばれます。ビジネスマナーとして、仕事上欠かす事のできない書類の一つです。
また、最近では個人から会社に書類を送るときにも広く使われ、会社・個人を問わず書類や資料送付の際に簡単な送付状を添えるのが慣例となっていています。
ここでは、書類送付状の書き方の見本を示しながら文例をご説明します。
[参考ページ] |
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・FAXを送るときの送付状は>>> |
・就活のとき履歴書や職務経歴書と一緒に送る送り状/送付状は>>> |
1.書類送付状とは? |
書類送付状とは、書類や資料を郵送する際や、書類をFAXで送信するときに、その内容を説明する目的で一緒に送る書面をさし、送付状、送り状、添え状、送付案内状、書類送付書などとも呼ばれます。 書類を郵送する際のマナーとして、会社、個人を問わず使われます。 |
(1)書類送付状はどんなときに使う?・役所に書類を郵送する際に一緒に送る
・税理士に経理資料や領収書を郵送するときに一緒に送る
・会社や個人に契約書や書類を郵送する際に一緒に送る
・会社や個人に申込書、申請書などを郵送する際に一緒に送る
・入社が内定した新入社員に必要書類を送る際に一緒に送る
・退職した社員に源泉徴収票、離職票などを郵送するときに一緒に送る
・FAXで書類を送る時に一緒に送る(FAX送付状、FAX送付案内状)
・就活や転職の際、履歴書や職務経歴書などと一緒に送る
(2)書類送付状を一緒に送る目的は?①通知する
通知する主な内容には下記のようなものがあります。
a.用件や目的を知らせる
b.送る書類や資料の内容を知らせる。
c.送付する書類の枚数、数量を知らせる。
d.書類の送り主、担当者、連絡先を知らせる。
e.申込書や提出書類の場合には、送り先、締切日等を知らせる。
②相手が内容を確認するのを助ける
実際に届いた内容に過不足がないか、同封漏れや誤送信がないか、などを相手がチェックするための手助けとなります。
③補足説明をする
同封書類に書けなかった内容や、記入できない内容を付け加える。
送付状はパソコン等で作成する場合が大半です。パソコンで作成する方が手直しも簡単で効率的ですが、すでにあるフォーマットに枚数や内容、宛先の部分だけを手書きで書いて使用することも失礼にはあたりません。
また、個人が作成する場合には手書きの書類送付状が使われることもあります。
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2.書類送付状の例文(使いやすい例文) |
書類送付状(送り状)の使いやすい例文をご用意しました。ExcelやWordなどでテンプレートを一つ作っておくと大変便利です。手作りする際のポイントを解説します。
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(1)書類送付状の見本を見ながら書き方をチェックしよう |
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一般的な書類送付状の例文です。
⑦の「送付内容」の部分を書き換えるだけで、様々な用途に使えます。
書き方を解説しますのでこの画像の必要な箇所をクリックしてご覧ください。
用紙はA4コピー用紙が一般的ですが、記載する内容が少ない場合にはA5サイズ、B5サイズも用いられます。 |
(2)項目ごとに書き方を見てみよう |
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日付 日付を入れます。「送る日」「記入日」「相手に届く日」などを、都合や必要に応じて書き入れます。
例文では和暦の「令和◯◯年」を紹介していますが、西暦でも構いません。
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送付先(宛名・宛先) 相手先を書きます。
②-1[送り先が会社の場合]
このように、会社名の後に「御中」をつけます。サンプル物産株式会社 御中
②-2[会社名と部署名しかわからない場合]
担当者名がわからず、先方の部署あてに送る場合があります。そんなときは、部署名の後に「御中」をつけます。
・◯◯株式会社 ◯◯部 御中 ・◯◯株式会社 ◯◯部 ◯◯課 御中
・◯◯市役所 ◯◯部 ◯◯係 御中
などとなります。
別の書き方としては、部署名の最後に「ご担当様」と書くのもOKです。
・◯◯株式会社 ◯◯部 ご担当様
・◯◯株式会社 ◯◯部 ◯◯課 ご担当様
・◯◯市役所 ◯◯部 ◯◯係 ご担当様
②-3[役職・肩書がある相手の場合] 役職などの肩書がある相手の場合には以下のように「肩書き、役職名」を氏名の前に書きます。
・見本物産株式会社 代表取締役 見本太郎様
・見本物産株式会社 営業部 部長 見本花子様
(見本太郎社長様、見本花子部長様などのように役職名につづけて様と書くのはNGです。)
[書き方見本]
実際に書く場合には、会社名や部署名のキリの良いところで改行します。
2段め以降は1文字あけてから書いても良いでしょう。ただし一行の文字数が多くて長くなる場合には、1文字空けずに書くこともあります。
サンプル物産株式会社
営業部 御中 サンプル物産株式会社
人事部 御中 サンプル物産株式会社
総務部 採用ご担当様 福袋市役所
財政局税務部法人税務課
特別徴収係 ご担当様
肩書がある相手にはサンプル物産株式会社
営業部 営業二課
課長 見本太郎様 |
差出人 送り主の住所、会社名、連絡先、担当者名などを書きます。
一行あたりの文字数が長くなりすぎないように、キリのよいところで改行します。
個人の場合には、住所、氏名、電話番号を書きます。
いずれの場合にも、必要に応じてFAX番号やメールアドレスや携帯電話の番号を書くことがあります。
福袋市宝船1丁目1−1 〒000-0000
サンプル物産株式会社
Tel.000-000-0000 FAX.000-000-0000
営業部営業2課 担当:寶田 〒000-000
福袋市招猫5丁目6−19−505
見本 太郎
tel.090-0000-0000
E-mail: eee@sample.com |
表題 中央に少し大きめの文字で表題を入れます。代表的な例を挙げます。
「書類送付状」「書類送付のご案内」「送付状」など。
内容に応じて以下のような表題も使われます。
「◯月度 請求書送付のご案内」「経理資料送付のご案内」など。 |
つづく |
挨拶文 書類送付状(送付案内状)の書き出しには、挨拶を簡単に入れます。
・会社あての送付状の場合には、頭語と結語を用います。
[拝啓]ではじまり、[敬具]で終わる組合せが良く用いられます。その他には、「謹啓」+「敬具」なども用いられます。
・時候の挨拶は不要です。
・ビジネスマナーとして、書き出しには下記のような挨拶文を使います。
[ビジネス挨拶文の書き出しの例文]
・拝啓 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。 ・拝啓 平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼を申し上げます。 ・拝啓 このたびは弊社の商品をお買い上げ頂きありがとうございました。 ・拝啓 平素は大変お世話になっております。
・拝啓 貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
・拝啓 時下ますますご清栄の段、心よりお慶び申し上げます。
・謹啓 貴社におかれましては益々ご清祥のことと心よりお慶び申し上げます。
上記の文章に続いて以下の文章を書き添えます。
[書類を送ることを伝える文章の例文]
・下記の書類をお送りします。ご査収の程、宜しくお願い申し上げます。
・下記の書類をお送りします。ご査収の上、よろしくお取り計らい下さいますようお願い申し上げます。
・下記の書類をお送りします。ご査収の上、期限までにお振込み頂ますようお願い申し上げます。
・下記の書類をお送りします。内容をご確認の上、所定のお手続きの程宜しくお願い申し上げます。
など。 |
記書きのしるし 書類の中央によく書かれている「記」という一文字は、記書きのしるしです(=「きがき」のしるし)。
挨拶文の中で出て来る「下記の(かきの)書類をお送りします…という一文とセットで使われ、下の方に記した(しるした)通りの書類を一式お送りしますという意味になります。
「記」の字のあとは、箇条書きで内容を示すことが多いため、わかりやすく簡潔に伝えるように心がけましょう。 |
つづく |
送付内容 会社あての場合には特に上記の⑥「記書き」のあとに書くことが多く、箇条書きが使われます。
・内容 枚数
・書類のタイトル 枚数
といった体裁が取られます。 [送付内容の例文]
・納品書 1 枚
・請求書 1 枚
—- ・申込書 1 部
・返信用封筒 1 枚
—-
・◯月分 経理資料 1 式
・◯◯報告書 2 部 など。 |
補足 この欄は必須項目ではありません。
補足説明を必要としない場合もあり、補足欄は無くても全く問題はありません。
・送付文書に関する補足説明があれば、この備考欄に書きます。
・営業担当者が書類を送る場合は、この添付状に手書きでコメントを書き添えても良いと思います。 [補足の欄に書く例文]
・今月から担当が変わりました。引き続き宜しくお願いします。
・ギリギリになってしまい申し訳ありません。宜しくお願い申し上げます。
・お電話にてアドバイスを頂きありがとうございました。今後とも宜しくお願いします。
・お問い合わせ頂きましてありがとうございました。何かご不明な点がございましたらいつでもご連絡下さい
・ご不明な点がございましたらお手数ではございますが上記担当者までご連絡賜りますようお願い申し上げます。今後とも宜しくお願い申し上げます。
など。 |
以上 「今回送付する内容はここまでです」という意味で書きます。
⑥の「記書き」のときに、内容を箇条書きしたあとで、「以上」で締める形となります。 |
3.書類送付状の例文(個人から会社に書類を送るとき) |
個人から会社あての書類送付状(送り状)の使いやすい例文をご用意しました。 履歴書を送付するときや、賃貸契約をするとき、申込書を送るときなどに使えます。会社以外にも、役所あてに書類を送る際に参考になさってください。 |
(1)書類送付状(個人から会社へ)の書き方をチェックしよう |
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個人から会社に書類を送るときの、書類送付状の一般的な例文です。
②と⑦の
「送付先・宛先」と
「送付内容」
の部分を書き換えるだけで、様々な用途に使えます。
書き方を解説しますのでこの画像の必要な箇所をクリックしてご覧ください。
用紙はA4コピー用紙が一般的ですが、記載する内容が少ない場合にはA5サイズ、B5サイズも用いられます。 |
(2)項目ごとに書き方を見てみよう |
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日付 日付を入れます。「送る日」「記入日」「相手に届く日」などを、都合や必要に応じて書き入れます。
例文では和暦の「令和◯◯年」を紹介していますが、西暦でも構いません。 |
送付先(宛名・宛先) 相手先を書きます。
②-1[送り先が会社の場合]
このように、会社名の後に「御中」をつけます。サンプル物産株式会社 御中
②-2[会社名と部署名しかわからない場合]担当者名がわからず、先方の部署あてに送る場合があります。そんなときは、部署名の後に「御中」をつけます。
・◯◯株式会社 ◯◯部 御中 ・◯◯株式会社 ◯◯部 ◯◯課 御中
などとなります。
別の書き方としては、部署名の最後に「ご担当様」と書くのもOKです。
・◯◯株式会社 ◯◯部 ご担当様
・◯◯株式会社 ◯◯部 ◯◯課 ご担当様
②-3[役職・肩書がある相手に出す場合]
役職などの肩書がある相手の場合には以下のように「肩書き、役職名」を氏名の前に書きます。
・見本物産株式会社 代表取締役 見本太郎様
・見本不動産株式会社 福袋支店 支店長 見本愛美様
・福袋高等学校 校長 見本一朗様
・福袋南中学校 教諭 見本花子様 ・福袋大学 教育学部 教授 見本拓哉様
見本太郎社長様、見本花子部長様、見本太郎先生様 などのように肩書や役職名につづけて様と書くのはNGです。 部長、課長、社長、先生、教授などの役職や肩書はそれだけで敬称とされており、「〜先生様」「〜教授様」「〜社長様」と書くことはありません。 もし「先生」や「社長」などをどうしても後につけて書きたい場合には、以下の例のように〜先生 〜教授 と書きます。この場合は、後に様をつけません。) ・福袋南中学校 見本花子先生 ・見本物産株式会社 見本太郎社長 ・福袋大学教育学部 見本拓哉教授
実際に書く場合には、会社名や部署名のキリの良いところで改行します。
2段め以降は1文字あけてから書いても良いでしょう。ただし一行の文字数が多くて長くなる場合には、1文字空けずに書くこともあります。
福袋不動産株式会社
福袋支店 御中 サンプル物産株式会社
人事部 御中 サンプル物産株式会社
総務部 採用ご担当様 肩書がある相手にはサンプル不動産株式会社
福袋支店
営業部長 見本太郎様 福袋高等学校
3年B組担任 静岡愛子様 |
差出人 送り主の住所、氏名を書きます。
必要に応じて電話番号も書きますが、できれば携帯電話など、すぐに連絡がつく番号が望ましいでしょう。
就職先に必要な書類を送る送付状には、メールアドレスも記載します。
必要に応じてFAX番号の番号を書くこともあります。
差出人の欄を作るときには、左右の幅や文字の長さのバランスに配慮し、キリの良いところで改行ましょう。 〒000-000
福袋市招猫5丁目6−19−505
見本 太郎
tel.090-0000-0000
E-mail: eee@sample.com 宝船市招猫5丁目6−19−505 〒000-000
見本 太郎(福袋大学 理工学部応用化学科3年)
tel.090-0000-0000 E-mail: eee@sample.com |
表題 中央に少し大きめの文字で表題を入れます。代表的な例を挙げます。
「書類送付状」「書類送付のご案内」「送付状」など。
その他にも、内容に応じて以下のような表題も使われます。
「応募書類の送付について(ご案内)」「契約書送付のご案内」など。 |
つづく |
挨拶文 書類送付状(送付案内状)の書き出しには、挨拶を簡単に入れます。
・会社あての送付状の場合には、頭語と結語を用います。
[拝啓]ではじまり、[敬具]で終わる組合せが良く用いられます。その他には、「謹啓」+「敬具」なども用いられます。
・時候の挨拶は不要です。
・書き出しには下記のような挨拶文を使いますが、個人から会社に出す場合には使いにくい例文もあります。相手先によって使いやすそうな文章を選んでください。
なお、もし書き出しに頭語「拝啓」をつける場合には、文末に結語「敬具」を必ずつけます。
[個人から会社あての書き出しの例文]
・拝啓 貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
・拝啓 時下ますますご清栄の段、心よりお慶び申し上げます。
・謹啓 貴社におかれましては益々ご清祥のことと心よりお慶び申し上げます。
・拝啓 このたびは大変お世話になりありがとうございました。
・拝啓 先日は大変お世話になり、ありがとうございました。
・拝啓 先日はご多忙中にもかかわらず大変お世話になりありがとうございました。 拝啓 いつも大変お世話になっております。
・いつもお世話になっております。
上記の文章に続いて以下のような文章を書き添えます。[書類を送ることを伝える文章の例文]
・下記の書類をお送りします。ご査収のほど宜しくお願い申し上げます。
・下記の書類をお送りします。ご査収の上、よろしくお取り計らい下さいますようお願い申し上げます。
・早速ですが、以下の書類をお送りします。何卒宜しくお願い申し上げます。
・早速ではございますが、以下の通り応募書類をお送りします。ご高覧のほど宜しくお願い申し上げます。
・下記の書類をお送りします。ご査収の上、期限までにお振込み頂ますようお願い申し上げます。
・下記の書類をお送りします。内容をご確認の上、所定のお手続きの程宜しくお願い申し上げます。
など。 |
記書きのしるし 書類の中央によく書かれている「記」という一文字は、記書きのしるしです(=「きがき」のしるし)。
挨拶文の中で出て来る「下記の(かきの)書類をお送りします…という一文とセットで使われ、下の方に記した(しるした)通りの書類を一式お送りしますという意味になります。
「記」の字のあとは、箇条書きで内容を示すことが多いため、わかりやすく簡潔に伝えるように心がけましょう。 |
つづく |
送付内容 会社宛の場合には上記の⑥「記書き」の形式を使うことが多く、箇条書きが使われます。
・内容 枚数
・書類のタイトル 枚数
といった体裁が取られます。 [送付内容の例文]
・履歴書 1 枚
・職務経歴書 1 枚
—
・申込書 1 部
・住民票(写し)1 枚 — ・契約書 1 部
・◯◯証明書(写し) 1枚
など。 |
補足 この欄は必須項目ではありません。
補足説明を必要としない場合もあり、補足欄は無くても全く問題はありません。
・送付文書に関する補足説明があれば、この備考欄に書きます。
・個人から会社あてに書類を送る場合は、この添付状に手書きでコメントを書き添えても良いと思います。 [補足の欄に書く例文]
・先日はありがとうございました。今後とも宜しくお願い申し上げます。
・お電話にてアドバイスを頂きありがとうございました。今後とも宜しくお願いします。
・◯◯証明書のみ、別便で後日お送りします。何卒ご了承ください。
・上記の◯◯のコピーが大変薄く、わかりづらいようです。もし不都合がございましたらご連絡ください。
・同梱する証明書の発行日がギリギリ3ヶ月以内です。もし不都合がございましたらご連絡ください。
・送付内容に不備がございましたらいつでもお電話ください。連絡先は携帯090-0000-0000です。宜しくお願いします。
・恐れ入りますが、もしご不明な点がございましたらご連絡賜りますようお願い申し上げます。 |
以上 「今回送付する内容はここまでです」という意味で書きます。
⑥の「記書き」のときに、内容を箇条書きしたあとで、「以上」で締める形となります。 |