「アルバイト・パート」就職・求人・配偶者特別控除・有給休暇・雇用保険

 アルバイトとは、学生や本業を持っている人が、学業や本業のかたわら別の仕事をすることをさします。パートとは、パートタイム(part-time)「時間制の」「非常勤の」労働者のことをさし、短時間勤務の労働者を「パートタイマー」と呼びます。
 このページでは、これから転職や就職を考えているあなたのために、アルバイト、パートの仕事の長所、短所、特長、注意点などをご紹介します。
…このページの内容…
1. アルバイト・パートってなに?
2. アルバイト・パートタイム労働のメリット、デメリット
3. 正社員の有給休暇の日数、アルバイト・パートタイム労働者の有給休暇の日数
4. 有給休暇の取り方のマナー
↓下記は別ページでご説明しています
※ パートタイム労働者と 労働保険(雇用保険と労災保険)社会保険(健康保険、厚生年金)
 雇用保険に加入するのに必要な要件は
 厚生年金に加入するのに必要な要件は

■1.アルバイト・パートってなに?

求人広告を見ると「アルバイト、パートのお仕事」という文字が並んでいます。
「アルバイト」と「パート」ってどう違うの?ふだんなんとなく違いがわかっているような、でもきちんと違いを説明するのが難しいようなこの2つの言葉は、厳密には異なる意味を持ちます。
・アルバイトとは、学生や本業を持っている人が、学業や本業のかたわら別の仕事をすることをさします。ドイツ語のArbeitからきています。
・パートとは、パートタイム(part-time)「時間制の」「非常勤の」労働者のことをさし、こちらは英語からきています。短時間勤務の労働者を「パートタイマー」と呼びます。
このページでは、これから転職や就職を考えているあなたのために、アルバイト、パートの仕事の長所、短所、特長、注意点などをご紹介します。

■2.アルバイト・パートタイム労働のメリット、デメリット

正社員で働く場合と比較して、アルバイトやパートタイム勤務の仕事につく場合、どんなメリット、デメリットがあるのでしょう。下記に主なものを挙げてみました。
アルバイト・パートタイム勤務の特性

メリット

勤務時間
 ◎自分の都合に合わせて働くことができるケースが多い
仕事の内容
 ◎近年は、パートタイマー労働者であっても、積極的に戦力化している企業が増え、正社員と同様にやりがいも大きくなってきている。
その他
 ◎以下の範囲で収入を増やすことができる
 めやすは下記のとおり

1)本人の住民税の非課税範囲

   (年収100万円以下)

2)本人の 所得税の非課税範囲

   (年収103万円以下)

3)夫の所得から、配偶者控除が受けられる範囲

   (年収103万円以下★)
 ★103万円=65万円 +基礎控除38万円
(課税対象者がもともと持つ【給与所得控除】65万円に、基礎控除額を合わせて考える。)
※【配偶者特別控除】(年収38万円以上76万円未満)より、
もし 103万円を超えても、76万円−38万円=38万円の増額までなら(=つまり141万円までなら)配偶者特別控除が受けられます。

4)健康保険の被扶養者の範囲

   (年収130万円未満)

5)厚生年金の被扶養者の範囲

   (年収130万円未満)
※ただし、4)健康保険、5)厚生年金といった社会保険については、年収130万円未満であっても、勤務時間が一定の要件を満たせば、パート勤務者自身が健康保険、厚生年金に加入することになります。
アルバイト・パートタイム勤務の特性(つづき)

デメリット

勤務時間
 ●勤務時間を増やしたり減らしたりが、事業主の事情に左右される可能性がある
雇用
 不安定●事業主の事情で、リストラ解雇される可能性がある
●期間の定めのある場合には、労働者に引き続き働きたいという意志があっても期間の延長が難しいこともある。
仕事の内容
 ◎責任範囲や業務内容は正社員と同様なのに、残念ながら待遇に関しては正社員との間に格差がある事業所もある。
その他
 ●勤務時間などの要件によっては、社会保険(健康保険、厚生年金)に自ら加入できない(扶養家族として加入)
●勤務時間などの要件によっては、労働保険(雇用保険)に加入できない。
アルバイトやパートタイマーのような短時間労働者の 社会保険と労働保険の加入要件については、他のページで、詳しく説明しています。
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■3.正社員の有給休暇日数、アルバイト・パートタイマーの有給休暇日数

アルバイトや・パートタイム労働者であっても、下記の条件を満たせば有給休暇を取得することができます。基本的には、勤続6ヶ月未満の場合には、有給休暇は付与されません。
実際には有給休暇を与えることが難しい事業所もあるかもしれませんが、参考までにご紹介します。
 
労働基準法第39条では、年次有給休暇について下記のように定めています。

第1項(年次有給休暇の付与)

採用の日から6ヶ月間継続して勤務し、かつ、6ヶ月間の全労働日の8割以上出勤した労働者に対しては少なくとも10日の年次有給休暇を与えなければなりません。
休暇は、連続して与えても、分割して与えてもどちらでも構いません。
 

第2項(年次有給休暇の加算)

年次有給休暇は、勤務年数が増えるのに合わせて、下記のとおり一日ずつ加算されます。ただし、各1年単位 ごとの出勤日が8割以上であることが必要です。最高付与日数は20日です。
通常の勤務を行う社員の 有給休暇早見表
勤務年数6ヶ月1年6ヶ月2年6ヶ月3年6ヶ月
有給休暇日数10日11日12日14日
通常の勤務を行う社員の 有給休暇早見表
勤務年数4年6ヶ月5年6ヶ月6年6ヶ月以上 
有給休暇日数16日18日20日 

第3項(短時間労働者の有給休暇の比例付与)

アルバイトやパートタイマーの場合は、通常の労働者の所定労働日数と比較し、比例付与という形で日数をきめます
アルバイト、パートタイマーの 有給休暇早見表  ※この表の見方へ>>>
所定労働日数勤務年数
 6ヶ月1年6ヶ月2年6ヶ月3年6ヶ月
 または1年間有給休暇日数
4日169〜216日 7日8日9日10日
3日121〜168日5日6日6日8日
2日73〜120日3日4日4日5日
1日48〜72日1日2日2日2日
 
アルバイト、パートタイマーの 有給休暇早見表  ※この表の見方へ>>>
所定労働日数勤務年数
 4年6ヶ月5年6ヶ月6年6ヶ月以上
 または1年間有給休暇日数
4日169〜216日 12日13日15日
3日121〜168日9日10日11日
2日73〜120日6日6日7日
1日48〜72日3日3日3日
※下記のいずれかに該当する場合には、パートタイマーであっても、第二項と同一条件の有給休暇が与えられます。
 ただし、勤続6ヶ月以上で、全労働日の8割以上出勤した労働者に限ります。
(1)1週間の所定労働時間が30時間以上の労働者
(2)1週間の所定労働日数が5日以上の労働者
(週以外の期間で所定労働時間が定められている場合には、1年間の所定労働時間が217日以上の労働者)

第4項(年次有給休暇の取得時季)

労働者は、いつでも自由に年次有給休暇を取ることができます。ただし、一度に多くの労働者が同じ時季に休暇を取り、代わりの人の配置も困難な場合など、「事業の正常な運営を妨げる場合」に限り、会社は時季変更権を行使し、その取得を認めないことができます。

第5項(年次有給休暇の計画的付与)

使用者は、労働者の過半数で組織する労働組合の代表者または、労働者の過半数を代表する者と書面 による協定を結べば、年次有給休暇のうち5日を超える部分については時季を定めて計画的に年次有給休暇を与えることができます。 (しかし年次有給休暇のうち少なくとも5日間は、労働者が自由な時季に取得することができます)

第6項(年次有給休暇中の賃金の支払い)

使用者は、有給休暇の期間中は、所定労働時間労働した場合に支払われる賃金を支払わなくてはなりません。
この場合、パートタイマーは、ふだんの勤務日に働く時間相当分の平均賃金などが支払われます 。
 

繰り越しについて(年次有給休暇の請求権の消滅について)

年次有給休暇の請求権は、2年間で時効によって消滅します(労働基準法115条)。
従って、今回取得できなかった有給休暇は次年度までは繰り越しができます。
 
※注意)上記は法律の原文をそのまま掲載したものではなく、分かりやすい言葉に書き換えています。 原文はこちらでご確認ください「労働基準法」(厚生労働省/電子政府データベースシステム)
 
有給休暇早見表の見かた
・例えば正社員の場合、勤続6ヶ月が経過し、全労働日の8割以上勤務している場合には、10日間の有給休暇が与えられます。
通常の勤務を行う社員の 有給休暇早見表
勤務年数6ヶ月1年6ヶ月2年6ヶ月3年6ヶ月
有給休暇日数10日11日12日14日
 
通常の勤務を行う社員の 有給休暇早見表
勤務年数4年6ヶ月5年6ヶ月6年6ヶ月以上
有給休暇日数16日18日20日
この10日間の有給休暇は、6ヶ月プラス1日目から、1年6ヶ月目の日までの1年間のうち、原則としていつ取得しても構いません。
さらに1年6ヶ月プラス1日目には、これとは別に新しく11日が付与されます。
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■4.有給休暇の取り方のマナー

皆さんが有給休暇を取得する場合には、(これは有給休暇でなく、単なる休暇を取得するときにもあてはまりますが)、事前に職場の上司の許可を得ることが必要です。
その他に、「当然の権利」という立場で取得するよりも、
  ・業務に支障をきたさないようにする、
  ・周囲に迷惑をかけないようにする、
  ・円滑な人間関係を心掛け、心配りや感謝の気持ちを忘れないようにする
などの配慮をすると、職場の人間関係にもプラスになります。  
有給休暇のとりかたのマナー
1. 事前に職場の上司の許可を得る
 申請は早い方が望ましいでしょう。
就業規則に「◯日前までに申請」という定めがある場合には期限を守ります。
定めがない場合には、 遅くとも1週間前くらいには申し出ておきます。
 
2. 同じ職場の人が大勢で同時期に休みを取ることは避ける
 年末年始や夏期休暇などは有給休暇とは別 です。左記には含まれません。
 
3. できるだけ、あなたの代わりにあなたの業務にあたる人の勤務状況も考える
 例えば2人しかいない担当者が同じ日に2人とも休むのはNG
 
4. 取得する前日には、周りの人にひと声かける
 「明日休みますのでよろしくお願いします」など。
 
5. 取得する前に、業務上必要な引き継ぎがあれば、伝達をすませておく
6. 取得した翌日には、周りの人にひと声かける
 「昨日はお休みを頂きありがとうございました」など。
 
本来、有給休暇を取得するときには「休暇願」「休暇届」など、各事業所で決められた所定の書類を提出して、事前に許可を得て取得するものですが、以下のような場合には、当日口頭で許可を得たのち、事後、書類上の承認を得ます。
その他の、有給休暇および休暇について
1.  本人の急病でどうしても休むとき
 当日の営業時間開始直後に必ず職場に電話をし、上司に事情を話して許可を得ます。
どうしても事情のあるときや、急な休暇が職場で許されている場合以外は、他の人に伝言してもらうのはNGです。できるだけ上司に直接話しましょう。話し中ならかけ直すくらいの誠意を見せたいものです。
2.  子どもや家族の急病でどうしても休むとき
 できるだけ避けたいのですがやむを得ない場合には休暇をとります。
この場合にも 当日の営業時間開始直後に必ず職場に電話をし、上司に事情を話して許可を得ます。
どうしても事情のあるときや、急な休暇が職場で許されている場合以外は、他の人に伝言してもらうのはNGです。できるだけ上司に直接話しましょう。話し中ならかけ直すくらいの誠意を見せたいものです。
3.  所用でどうしても急に休む必要があるとき
 できるだけ避けたいのですがやむを得ない場合には休暇をとります。
この場合にも当日の営業時間開始直後に必ず職場に電話をし、上司に事情を話して許可を得ます。
どうしても事情のあるときや、急な休暇が職場で許されている場合以外は、他の人に伝言してもらうのはNGです。できるだけ上司に直接話しましょう。話し中ならかけ直すくらいの誠意を見せたいものです。
半日休暇の制度がある職場なら、そうした制度も利用すると良いでしょう。