メタボリック症候群(メタボリックシンドローム)ビジネスマンの健康管理

 メタボリック症候群とは、内臓脂肪型肥満に、高血圧、高血糖、高脂血症といった病気が2つ以上合併した状態をさします。メタボリック症候群については、2008年4月から40歳以上の被保険者・被扶養者に対して 特にメタボリックシンドロームに着目した生活習慣病予防のための健康診断、保険指導が実施されることになりました。このページではメタボリック症候群と特定検診、および特定保健指導についてご説明いたします。
このページの内容
1. 2008年4月から特定検診、特定保険指導が始まりました。
メタボリックシンドロームとは?1-1. メタボリック症候群に着目した特定健康診査の項目
メタボリックシンドロームとは?1-2. メタボの保険指導対象者 3段階のグループ分けとは?
メタボリックシンドロームとは?1-3. メタボリック症候群対象者への標準的な保険指導
メタボリックシンドロームの判断基準 前のページへ>>>

■1.2008年4月から特定検診、特定保険指導が始まりました。

メタボリック症候群とは、内臓脂肪型肥満に、高血圧、高血糖、高脂血症といった病気が2つ以上合併した状態をさします。
放置しておくと、脳卒中や、心疾患(心筋梗塞等)、糖尿病合併症などに進展しやすいグループというわけです。
こうした病気を未然に防ぐ為に注目されているメタボリック症候群について、2008年4月から、40歳以上の被保険者、被扶養者に対して 特にメタボリックシンドロームに着目した生活習慣病予防のための健康診断、保険指導が実施されることになりました。
医療保険者(国民健康保険、政府管掌健康保険、健康保険組合、共済組合など)が、この特定検診を実施し、検診の結果、メタボリック症候群に該当する人については、その程度に応じて3段階に分けられ、それぞれ栄養指導や運動指導を含めた保険指導を受けることになります。
もともと、この特定検診は医療費抑制を目的として新設され、企業と社員(被保険者、被扶養者)が協力し、ある一定の期間にメタボ対象者およびその予備軍を減少させることをめざしています。
将来的には、国の定めた減少率の目標を達成できなかった企業、各健康保険組合に対する保険負担金のペナルティーも検討されている(現在はまだ、そうした規定はありませんが)…というものです

1-1.メタボリック症候群に着目した特定健康診査の項目

特定健診の必須項目
1.質問票・服薬暦
・喫煙歴 など
2.身体計測・身長
・体重
・BMI(
・腹囲
3.理学的検査・身体診察
4.血圧測定 
5.血液検査
 ・脂質検査…中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール
・血糖検査…空腹時血糖またはHbA1c
・肝機能検査…GOT,GPT,γーGTP
・検尿…尿糖、尿蛋白
BMI判定について……肥満度の判定法法のひとつ。体重を身長の二乗で割ります。
体重(kg)/身長の二乗(m2)
例:体重70kg、身長170cmの人は、70/(1.7×1.7)=24.22となります。
めやすはBMI 25。BMIが25を超えたら、生活習慣病にかかりやすくなります。
BMI
18.5未満やせ
18.5以上 25未満標準
25以上 30未満肥満度1
30以上 35未満肥満度2
35以上 40未満肥満度3
40以上肥満度4
●詳細な検診の項目
1.心電図検査 
2.眼底検査 
3貧血検査・赤血球数、血色素数、ヘマトクリット値
注)一定の基準の下、医師が必要と認めた場合に実施
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1-2.メタボの保険指導対象者 3段階のグループ分けとは?

・内臓脂肪の蓄積量に着目してリスクを判定するステップ1
・血液検査 、血圧、喫煙歴などに着目して判定するステップ2
をもとに、 以下のように対象者をグループ分けします。
メタボの保険指導対象者をグループ分けする方法
ステップ1 内臓脂肪に着目
(1)腹囲
男性85cm以上
女性90cm以上
(2)腹囲
男性85cm未満
女性90cm未満
  かつ、BMI 25以上(
下記ステップ2(1)で説明下記ステップ2(2)で説明
メタボの保険指導対象者をグループ分けする方法 つづき
(1)腹囲 男性85cm以上、 女性90cm以上 のグループ
ステップ2 健康診断の結果と喫煙歴に着目
以下の項目をチェック
1.血糖・空腹時血糖100mg/dl以上、
 またはHbA1c 5.2%以上、
 又は薬剤治療を受けている場合
2.脂質・中性脂肪150mg/dl以上、
 または
  HDLコレステロール40mg/dl未満
 又は薬剤治療を受けている場合
3.血圧・収縮期血圧130mmHg以上、
 または拡張期血圧85mmHg以上、
 又は薬剤治療を受けている場合
4.喫煙歴あり・上記1〜3のリスクが1以上の場合にのみ、4の喫煙歴をカウント
スッテップ3 グループ分け判定
上のステップ2のうち該当するものの数が
なし情報提供 レベル (※1
1つ動機づけ 支援 レベル (※2
2つ 以上積極的 支援 レベル (※3
メタボの保険指導対象者をグループ分けする方法 つづき
(2)腹囲 男性85cm未満 女性90cm未満   かつ、 BMI 25以上(
ステップ2 健康診断の結果と喫煙歴に着目
1.血糖・空腹時血糖100mg/dl以上、
 またはHbA1c 5.2%以上、
 又は薬剤治療を受けている場合
2.脂質・中性脂肪150mg/dl以上、
 または
  HDLコレステロール40mg/dl未満
 又は薬剤治療を受けている場合
3.血圧・収縮期血圧130mmHg以上、
 または拡張期血圧85mmHg以上、
 または、薬剤治療を受けている場合
4.喫煙歴あり・上記1〜3のリスクが1以上の場合にのみ、4の喫煙歴をカウント
スッテップ3 グループ分け判定
上のステップ2のうち該当するものの数が
なし情報提供 レベル (※1
1つ または 2つ動機づけ 支援 レベル (※2
3つ 以上積極的 支援 レベル (※3

1-3.メタボリック症候群対象者への標準的な保険指導

…対象者は、「情報提供」「動機づけ支援」「積極的支援」の3つの段階に区分されます。
各段階別に保険指導が実施されます。
筆者がためしに調べてみたところ、特定健康診査を実施する医療機関のほとんどで、この特定保険指導を受けることができます。検診の結果 、各段階に区分された場合にはそのまま保険指導を受けると良いでしょう。
各段階ごとの標準的な保険指導は以下の通りです
1.情報提供レベル
支援形態
 ●検診結果に合わせて、情報提供用紙を送付する。
●IT等を活用している対象者であれば、個人用情報提供画面を利用してもらう、など。
支援内容
 ●検診結果や、検診時の質問票から、対象者故人に合わせた情報の提供が必要。
●特に問題とされることがない者に対しては、検診結果の味方や健康の保持増進に役立つ情報を提供する。
●検診結果の見方や、対象者個人の健康状態や生活習慣から重要度の高い情報を的確に提供する、など
2.動機付け支援レベル
支援形態
 ●初回面接…以下のいずれか
 ・1対1の面接で、1人につき20分以上(個別支援)
 ・グループ面接で、1グループ80分以上(グループ支援)
●6ケ月後支援…以下のいずれか
 ・個別支援、グループ支援、電話、メール
支援形態
 ●生活習慣と、検診結果の理解、
●メタボリックシンドロームや生活習慣病に関する知識、
●栄養、運動など、生活習慣の改善に必要な実践的指導
●体重、腹囲の計測方法の説明
●行動目標、行動計画の作成
●6ケ月後の振り返り、確認チェック。
3.積極的支援レベル
支援形態
 ●初回面接…以下のいずれか
 ・1対1の面接で、1人につき20分以上(個別支援)
 ・グループ面接で、1グループ80分以上(グループ支援)
●3ケ月以上の継続的な支援
 ・個別支援、グループ支援、電話、メール
 (継続的な支援については、最低限必要な時間や回数およびその上限が決められています)
●6ケ月後支援
 ・個別支援、グループ支援、電話、メール
支援形態
 [初回]
●生活習慣と、検診結果の理解、
●メタボリックシンドロームや生活習慣病に関する知識、
●栄養、運動など、生活習慣の改善に必要な実践的指導
●体重、腹囲の計測方法の説明
●行動目標、行動計画の作成
[3ケ月以上の継続支援]
●積極的関与(生活習慣の振り返り、行動計画の実施状況の確認、支援。栄養運動等についての実践的指導)
●励まし(行動計画の実施のため励ましと賞賛を行なう)
●6ケ月後の振り返り、確認チェック。
身体状況、生活習慣の変化について確認
・このように、メタボリックシンドロームをはじめとする生活習慣病の予防について、各自治体、医療保険者(勤務先企業など)、被保険者本人、被扶養者が連係して取リ組んでいくことになります。
・「私はメタボリック症候群には縁がなさそう」という方はぜひ、ワンランク上の健康への取りみとして食生活の見直しをしてみてください。食事バランスガイドについて説明しているページへ>>>
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