クレーム対応》電話・マニュアル・仕方・基本・手紙文例・事例・病院・製品

クレーム対応のページ。クレームとは主に苦情のことをさします。ここでは特にショップ(販売店)、飲食店、企業、団体などのビジネスの現場で取扱うクレームの事例を紹介し、各クレームの対応例をご紹介します。実際の現場で扱うクレームは多岐にわたるため、その対応はますます難しくなっています。今後は対面ではなく、インターネット上でのクレーム対応も必要となってくるでしょう。
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[関連ページ]
謝罪文(お客様に返金する場合の書き方)>
詫び状の書き方と文例>
接客のクレームについてのお詫び状>

■ クレームへの備え

クレームにきちんと対応できる体制を整えるためには、ふだんからの練習や備えが必要です。下記に主なものをあげてみます。
[クレーム処理のために備えたいこと]
▼ メーカー、製造元が備えるべき内容
項目説明
1.サンプルの保存
 ロットごとにサンプルを保存しておき、クレームや事故が発生したときに分析、検査、調査ができるようにしておく
2.検品
 検品体制を強化しておき、クレームや事故が発生したときにすぐに原因を追跡できるようにしておく。
3.原料チェックおよび保存
 表示問題に備え、原料は産地や成分等をチェックしておく。
また、 原料サンプルを保存しておき、クレームや事故が発生したときに分析、検査、調査ができるようにしておく
4.各種試験
 保存試験(経時変化、紫外線照射、温度変化ほか)、強度試験、輸送試験、使用テスト、耐久性試験、安全性試験などの各種試験を行ない、データを蓄積しておく
▼ 社内で備えたいこと
1.クレームのデータベースを作る
 ・情報を収集し、分類する

・社内で情報を共有する
2.クレーム対応のマニュアルを作る
 ・それぞれのクレームに対し、どのように対応するかのマニュアルと、社内での情報共有のマニュアルを作る

・消費者や利用者に重大な損害や健康被害を与えるような事象が発生した場合、関連する担当官庁、保健所、その他所轄の役所関係への届け出が必要かどうかの判断のためのフローチャートを作成しておく。

・組織の上層部への報告系統を整備しておく。
3.クレーム対応の練習をする
 社員研修などにおいて接客応対・電話応対について、実際に練習をする
4.クレームに対応する文例を作っておく
 コールセンターや、カスタマーサポートなどの部署では、お客様のクレームに対する返答の文例を作っておく
5.法律的な対応ができる体制を作っておく
 ・法律・法務の担当者とも連携をとり、万一の保証や賠償ケースに備えておく。
・お詫びの場合の文言などについても法律的な面からチェックを受けておく。
・必要に応じて、社外の法務顧問とも契約を結んでおく(弁護士との顧問契約締結などが一般 的)。

・会員登録の際の約款や、個人情報の取り扱いについても社内への指示を徹底させる役割を担う。
▼ 可能なら、実施したいこと
1.クレーム対応の専門チームを作る
 カスタマーサポートの中で、クレーム対応の専門チームを作る。困難な問題の場合の調査や対応にあたる。

・消費者や利用者に重大な損害や健康被害を与えるような事象が発生した場合、関連する担当官庁、保健所、その他所轄の役所関係への届け出が必要かどうかを判断する。

・組織の上層部への報告をする。
2.セキュリティーに関するチームを作る
 個人情報を扱う場合には、セキュリティーチームを作り、社員が扱う個人情報の管理や、ネット上からの情報流失、ウィルス対策やハッキング体策などを行なう。また問題が発生したときには、すぐに専門的に調査や対策が行なえるようにしておく。

■ クレーム対応の仕方・方法(クレームの種類と対応)

 クレームの対応で最も難しいのは、最初にそのクレームを受けた者の態度や応対と、その件での責任者の対応です。通信販売を行なっている企業や、製造業のうちの一部のメーカーなどでは、クレーム対応を専門に行なう部署を設けている企業もあります。
 マニュアル通りの対応では細かい要望には応えられないこともあるのですが、それでもやはりある程度の練習・訓練と、マニュアル作りは不可欠です。

ビジネスシーンでのクレームを大きく分けると、
A.商品に対するもの、
B.サービスに対するもの、
C.待遇に関するもの、
D.商品やサービスの提供に伴って二次的に発生するもの
に大別されます。

[1.飲食店などでの代表的なクレーム応対の例]
分類想定されるクレームの内容クレーム対応例(仕方・方法)対応をする際の注意

A.商品に対するもの(飲食店の場合、料理・食べ物に関するもの)

●異物混入
・髪の毛が入っていた
・虫が入っていた
・ゴミ、吸い殻が入っていた
など
 クレーム対応例(仕方・方法)対応をする際の注意
●必ず現物を目で見て確認をする。

●すぐにお詫びをする。
「申し訳ございません」
「すぐに新しいものと交換いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか」


●(商品を出す)
大変お待たせいたしました。先ほどは申し訳ございませんでした。

【その場で判断】
●場合によっては責任者が商品をお出しし、その際にお詫びをする。

●必要に応じて商品の代金を無料にし、その際にお詫びをする。
●本物のクレームと、ごくまれに嫌がらせや損害賠償を目的としたものとがある。

●異物の内容を良く確認する必要がある。
(ありえない長髪、あり得ない色の髪、考えられないような異物の混入などをチェックする)

●嫌がらせの場合の方が対応が難しい。
●健康被害
・腹痛、下痢、嘔吐、吐き気
 クレーム対応例(仕方・方法)対応をする際の注意
【お店で食事をしてすぐに具合が悪くなったとき】
●必ず健康状態を確認する。

●どの程度具合が悪いのかを確認する。
「申し訳ございません」
「どのようなお加減でしょうか」
「よろしければお薬をお持ちしましょうか?それとも病院にお連れした方がよろしいでしょうか」

※著しく具合が悪い場合にはお客様にお尋ねせずにすぐに病院へ。更に、必要に応じて救急車を要請すること。


【その場で判断】
●緊急を要する場合には救急車を要請する。但し救急車の音や外観は近隣に対して非常に目立つため、本当に必要と判断した場合のみ出動要請をする。

●必要に応じて代金を無料にし、その際にお詫びをする。健康被害が重篤な場合には改めて責任者がお詫びに伺う。
●本物のクレームと、ごくまれに嫌がらせや損害賠償を目的としたものとがある。
●健康被害の内容をよく把握する必要がある

●嫌がらせの場合の方が対応が難しい。
つづく
[1.飲食店などでの代表的なクレーム応対の例]つづき
分類想定されるクレームの内容クレーム対応例(仕方・方法)対応をする際の注意

A.商品に対するもの(飲食店の場合、料理・食べ物に関するもの)つづき

●製品不良
・商品の不具合
・料理の加熱不十分(生煮え)、腐敗・変敗、破損など
 クレーム対応例(仕方・方法)対応をする際の注意
●必ず現物を目で見て確認をする。

●すぐにお詫びをする。
「申し訳ございません」
「すぐに新しいものと交換いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか」

●(商品を出す)
大変お待たせいたしました。先ほどは申し訳ございませんでした。

【その場で判断】
●場合によっては責任者が商品をお出しし、その際にお詫びをする。

●必要に応じて商品の代金を無料にし、その際にお詫びをする。
●本物のクレームと、ごくまれに嫌がらせや損害賠償を目的としたものとがある。

●健康被害の内容をよく把握する必要がある

●嫌がらせの場合の方が対応が難しい。
分類想定されるクレームの内容クレーム対応例対応をする際の注意

B.サービスに対するもの(飲食店の場合、接客態度などに関するもの)

●オーダーミス
・注文と違うものが出た
・注文したものが出ない
・注文した品数に対し、個数が合わない
 クレーム対応例対応をする際の注意
●必ず現物を目で見て事実を確認する。

●すぐにお詫びをする。
「申し訳ございません」
「すぐにお持ちしますので、少々お待ちいただけますでしょうか」


●(商品を出す)
大変お待たせいたしました。先ほどは申し訳ございませんでした。

【その場で判断】
●場合によっては責任者が商品をお出しし、その際にお詫びをする。

●必要に応じて商品の代金の一部を無料にしたり、あるいはサービスで珈琲をつける、デザートをサービスするなど。その際に必ずお詫びの一言をそえる。
●必ず事実を確認してから対応をすること。

※このタイプのクレームは、注文時に内容を確認することで防げる。ふだんからの社員教育とマニュアル作りが大切
●会計
・レジの打ち間違い
・レジの混雑
 クレーム対応例対応をする際の注意

●必ず事実を確認する。

●すぐにお詫びをする。
「申し訳ございません」

●(やりなおす)
「大変お待たせいたしました。先ほどは申し訳ございませんでした。 」

●必ず事実を確認してから対応をすること。

※レジを不慣れなスタッフが担当している際にも起こりうるクレーム。
必要な場合にはレジ要員を交代したり、レジ周辺の接客整理をするために一時的に応援要員をつける。
分類想定されるクレームの内容クレーム対応例対応をする際の注意

B.サービスに対するもの(飲食店の場合、接客態度などに関するもの)つづき

●待ち時間
・待ち時間が長い
・後から入店した人のほうにかなり早く料理が出た
・同じグループで、一人だけ異常に待たされる
 クレーム対応例対応をする際の注意
●すぐにお詫びをする。
「申し訳ございません。確認してまいりますので少々お待ち下さい」

●(すぐにテーブルに戻る)
「大変お待たせいたしました。間もなく出来上がりますので◯分ほどお待ち頂けますでしょうか。」

【その場で判断】
●場合によっては責任者が商品をお出しし、その際にお詫びをする。

●必要に応じて商品の代金の一部を無料にしたり、あるいはお食事券を渡す、サービス券を渡す、サービスで珈琲をつける、デザートをサービスするなど。その際に必ずお詫びの一言をそえる。
●説明や言い訳をせずにすぐにお詫びをする。

※クレームの内容が、お店に落ち度があるとは言えない場合には丁寧にお詫びをすることで理解を得られるはずですが、中には腹に据えかねるお客様もいらっしゃるはずです。こうした場合、お詫びのしるしとして代金を値引きするよりも、珈琲をつける、デザートをサービスする、食事券を渡す等の方が望ましいでしょう。

※このタイプのクレームを防ぐために、「オーダーの内容によってはお出しする順番が前後することがあります」とメニューやテーブル上の小POPなどに明記したりする。 また、フロアに目配りをするスタッフを配置するとかなり違ってくる。
●接客態度
・言葉遣い
・料理の出し方
 クレーム対応例対応をする際の注意
●すぐにお詫びをする。
「申し訳ございません。」

(必要に応じて責任者からもお詫びをする)
●説明や言い訳をせずにすぐにお詫びをする。

※クレームの内容が、お店に落ち度があるとは言えない場合には丁寧にお詫びをすることで理解を得られるはずです。教えて頂いてありがとうございますという言葉を添えるとさらに良いでしょう。
●予約ミス
・予約が入っていない
・予約内容が間違っている
 クレーム対応例対応をする際の注意
●すぐにお詫びをする。
「申し訳ございません。すぐに確認を致しますので少々お待ち頂けますでしょうか」

お店側のミスであれば無理をしてでも席を確保するのが筋(すじ)「まことに申し訳ございませんでした。ただいまご用意いたします」
(必要に応じて責任者からもお詫びをする)
 
[2.電話などでの代表的なクレーム応対の例]
分類想定されるクレームの内容クレーム対応例対応をする際の注意

A.商品に対するもの

●異物混入、異味・異臭、沈澱、凝固など。
 クレーム対応例対応をする際の注意
【事実確認】
●すぐにお詫びをする。同時に事実確認をする。
「申し訳ございません」
「現在の様子を詳しく教えて下さい」

【調査・分析のための現品入手】
「原因を調査したいのですが現品は今お手元にございますでしょうか?」
(商品を入手する)
●まことに恐れ入りますが、お手元の商品を着払いで私共あてにお送りいただけませんでしょうか?
あるいは
●まことに恐れ入りますが、そちらに担当者を伺わせますので詳しいお話をお聞かせ願えますでしょうか?

【調査・分析のための情報入手】
(相手の住所、氏名、連絡先を尋ねる)
●まことに恐れ入りますが、ご住所、お名前、ご連絡先を教えて頂けますでしょうか?
●「恐れ入ります。調査のためにいろいろとお尋ねしてもよろしいでしょうか?お買い求めになった店舗はおわかりでしょうか?いつ頃お買い求めになりましたか?」

【その場で判断】
●廃棄してしまった、消費してしまったと言われる場合もある。その際には、空容器、パッケージなどが残っていないか、製造日や製造ロットがわかる手がかりなどはないか尋ねる。

●調査や検査をし、改めて報告を差し上げますと伝え、連絡先住所氏名を尋ねる。必要に応じて改めて調査報告をする。
●本物のクレームと、ごくまれに嫌がらせや損害賠償を目的としたものとがある。
●事実内容を良く確認する必要がある。

●調査や分析をした結果 は必ずお客様に報告をする。同時に関連部署にも通知をする。
(科学的な分析、微生物的培養、経時変化観察等を含む)

●嫌がらせの場合の方が対応が難しい。

※通常は、(特に食品メーカーでは)製造ロットごとにサンプルを保管している。保管品についてもチェックをする。
●健康被害
・腹痛、下痢、嘔吐、吐き気
 クレーム対応例対応をする際の注意
【事実確認】
●すぐにお詫びをする。同時に事実確認をする。
「申し訳ございません」
「お身体の具合はいかがでしょうか?」「お加減はいかがでしょうか?」「どちらの病院に入院しておられますか?」
【調査・分析のための現品入手】
● 「原因を調査したいのですが現品は今お手元にございますでしょうか?」●まことに恐れ入りますが、お手元の商品を着払いで私共あてにお送りいただけませんでしょうか?
あるいは
●「まことに恐れ入りますが、そちらに担当者を伺わせますので詳しいお話をお聞かせ願えますでしょうか?」

【調査・分析のための情報入手】
「恐れ入ります。調査のためにいろいろとお尋ねしてもよろしいでしょうか?お買い求めになった店舗はおわかりでしょうか?いつ頃お買い求めになりましたか?」
(相手の住所、氏名、連絡先を尋ねる)
●「まことに恐れ入りますが、ご住所、お名前、ご連絡先を教えて頂けますでしょうか?」


【その場で判断】
●廃棄してしまった、消費してしまったと言われる場合もある。その際には、空容器、パッケージなどが残っていないか、製造日や製造ロットがわかる手がかりなどはないか尋ねる。

●調査や検査をし、改めて報告を差し上げますと伝え、連絡先住所氏名を尋ねる。必要に応じて改めて調査報告をする。

●同様のクレームや被害届が複数出ている場合には保健所などに届け出る必要がある。
●本物のクレームと、ごくまれに嫌がらせや損害賠償を目的としたものとがある。
●健康被害の内容をよく把握する必要がある

●嫌がらせの場合の方が対応が難しい。
●製品不良
・商品の不具合
 クレーム対応例対応をする際の注意
●すぐにお詫びをする。同時に事実確認をする。
「申し訳ございません」
「ご連絡を頂きまことにありがとうございました。恐れ入りますが、商品はいまお手元にございますでしょうか?」


●できれば 交換または補修・修理などをする
「誠に申し訳ございません。すぐに新しいものと取り替えます。お住まいはどちらでいらっしゃいますか?」
「恐れ入りますが、着払いで現品を当社までお送りいただけませんでしょうか」など。
●本物のクレームと、ごくまれに嫌がらせや損害賠償を目的としたものとがある。
●製品不良の内容をよく把握する必要がある

●嫌がらせの場合の方が対応が難しい。
[2.電話などでの代表的なクレーム応対の例]つづき
分類想定されるクレームの内容クレーム対応例対応をする際の注意

B.サービスに対するもの

●オーダー関連
・注文と違うものが届いた
・注文したものが届かない
・注文した品数に対し、個数が合わない
●配達日時
・指定日時に配達されない
●請求
・二重請求
・架空請求
・請求ミス
 クレーム対応例対応をする際の注意
● まずはお詫びをし、事実関係を確認する。
「このたびはご迷惑をおかけしてまことに申し訳ございませんでした。すぐにお調べしますのでお名前、ご住所、ご連絡先、ご注文番号(ご注文内容)をお聞かせ願えますでしょうか」

●お詫びの例
「 お調べしたところ、確かにご注文いただいているようでございます。ご注文翌日の◯月◯日に出荷しておりまして、現在◯◯運輸の配送センターに商品が保管されている状態でございました。何度かお届けに上がったのですがご不在だったようでございます。ご迷惑をおかけしてまことに申し訳ございませんでした。 」
●電話での応対の場合、たらい回しにされたり、相手を待たせたりすると余計に相手の気分を損なうことになる。
なるべく電話を受けた者が自分で対応できるように日頃から訓練をしておくだけでなく、できるだけ迅速に調査・回答を行なう。
●応対の態度
・言葉遣い
・対応のしかた
 クレーム対応例対応をする際の注意
● まずはお詫びをし、事実関係を確認する。
「本当に申し訳ございませんでした。教えていただいたおかげで、気づくことができました。お電話をいただきましてありがとうございました。これからも何かお気付きの点がございましたらいつでもご連絡下さい。今後もご指導のほどよろしくお願い申し上げます」
●電話での応対の場合、たらい回しにされたり、相手を待たせたりすると余計に相手の気分を損なうことになる。
なるべく電話を受けた者が自分で対応できるように日頃から訓練をしておくだけでなく、できるだけ迅速に調査・回答を行なう。
●個人情報の漏洩
 クレーム対応例対応をする際の注意
● まずはお詫びをし、事実関係を確認する。
「このたびはご迷惑をおかけしてまことに申し訳ございませんでした。すぐにお調べしますのでお名前、ご住所、ご連絡先、ご注文番号(ご注文内容)をお聞かせ願えますでしょうか」
「個人情報に関しましては弊社内でセキュリティーを専門に扱っている部署がございます。すぐに調査に入りたいと存じますが、結果 をお調べする間、少しお時間を頂戴してもよろしいでしょうか?」
●クレームの中でも特に注意が必要な内容。社内への報告のほかに、場合によってはカード会社、銀行などへの連絡も必要となる。さまざまなケース・事例を想定してマニュアルを作っておく必要がある。
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