昔から私たち日本人には、命日やお盆やお彼岸にお墓参りをする習慣があります。 本来、お墓参りはいつ行っても構わないのですが、命日やお盆には特別な意味があるほか、仏教では春と秋のお彼岸の頃に彼岸会(ひがんえ)という法要をし、墓参りをしたりします。 このページではお墓参りの仕方(御墓参りに必要なもの)、御墓参りの時期、マナーと作法と常識(卒塔婆など)についてご紹介します。
目次
1. お墓参りの時期 |
お墓参りには決まった時期があるわけではなく、いつ行っても構わないのですが、主なお墓参りの時期には以下のようなものがあります。 なお、下記のようなお墓参りの時期以外にも、法要と合わせてお墓参りを行うことがあります。 先祖を供養し、敬う気持ちを大切にするためにもできるだけ毎年お墓参りをするようにしたいものです。 お墓参りと合わせて「卒塔婆供養(卒塔婆=そとば)」をする場合には、施主はあらかじめ寺に卒塔婆の料金を確認しておくと良いでしょう。卒塔婆についての説明は、こちらをご覧下さい>>> |
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お墓参りをする主な時期(仏教の場合) | |
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お墓参りの時期 | 内容 |
・命日 ・祥月命日(しょうつきめいにち) | |
◆命日のお墓参り ・故人が亡くなった日を命日と言います。 また、一周忌以降は、亡くなった日と同月同日を「祥月命日(しょうつきめいにち)」と呼び、毎月の同日を「月命日(つきめいにち)」と言います。 ・祥月命日には、法事・法要が営まれるほか、お墓参りをすることが多いようです。月命日には、自宅で供養をしても良いでしょう。 | |
・お盆 | |
◆お盆のお墓参り ・現在のお盆では、死者が年に一度帰って来るという信仰に基づいた儀式が各地に残っています。「精霊流し」を行なう地域や「灯篭流し」を行なう地域もあります。 お盆の時期は地方によって異なりますが、7月または8月の13日から4日間に僧侶を呼び初盆・新盆の法要をするほか、お墓参りが行なわれます。 その他に迎え火、送り火を炊く風習があります。 | |
・お彼岸 春のお彼岸=春分の日を中日とし前後3日を合わせた7日間。 秋のお彼岸=秋分の日を中日とし前後3日を合わせた7日間。 | |
◆お彼岸のお墓参り ・仏教では生死の境目にある海(または河)の向こう岸を「彼岸(ひがん)」と呼び、春と秋のお彼岸の頃に彼岸会(ひがんえ)という法要をしたり、墓参りをしたりします。 年に二回、春のお彼岸と、秋のお彼岸の時期にお墓参りが行われます。 |
お墓参りをする主な時期(神道、キリスト教の場合) | |
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宗教とお墓参りの時期 | 内容 |
キリスト教の場合 ・命日ほか | 決まりはありませんが、命日にお墓参りをすることが多いようです。 その他には、下記の通り ・カトリックの場合…万聖節の翌日である11月2日は万霊節(All Soul’s Day)とされ、教会に集まってミサが行われます。この日は死者の日としてお墓参りを行います。 ・プロテスタントの場合…故人の死後一ヶ月後の昇天記念日と、1年目、3年目、7年目の昇天記念日にお墓参りをします。 |
神道の場合 ・祥月命日、 ・月命日 ・式年祭 (一年祭、二年祭、五年祭、十年祭20年祭、30年祭、40年祭、50年祭)など | 決まりはありませんが、命日や式年祭にお墓参りをすることが多いようです。式年歳は「みたままつり(霊祭)」とも言われます。 神道では、お墓のことを「奥つ城(おくつき)」と呼びます。 神霊を祭ってあるところ、神の宮居という意味です。「つ」は格助詞ですが「奥津城」と表記することもあります。 |
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2.お彼岸とお墓参りについて |
・仏教では生死の境目にある海(または河)の向こう岸を「彼岸(ひがん)」と呼び、春と秋のお彼岸の頃に彼岸会(ひがんえ)という法要をしたり、墓参をしたりします。 |
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お彼岸のお墓参りや供養のしかた、方法 |
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・お彼岸 |
・年に二回、春のお彼岸と、秋のお彼岸の時期にお墓参りが行われます。 お彼岸に行われる「彼岸会(ひがんえ)」には僧侶の法話や厄払いの行事などをするお寺もあります。 ・春分の日を中日とし、前3日、後3日を足した7日間が春のお彼岸です。 ・秋分の日を中日とし、前3日、後3日を足した7日間が春のお彼岸です。 (春分の日は、3月20日または21日頃。年度によって異なる) (秋分の日は、9月23日頃) ・お彼岸の入り日には、仏壇の両側に一対、お団子を備えます。お団子は山型になるように盛ります。 ・お彼岸の中日には、仏壇に おはぎ(または「ぼた餅」)をお供えします。親族やご近所に配ることもあります。 ・ お彼岸のうちにお墓参りをします。お墓参りの際にはお花の他にお団子やお供えのお菓子なども持参します。 ・お彼岸の明けの日には、再び仏壇にお団子をお供えします。 |
3.お盆とお墓参りについて |
・仏教では生死の境目にある海(または河)の向こう岸を「彼岸(ひがん)」と呼び、春と秋のお彼岸の頃に彼岸会(ひがんえ)という法要をしたり、墓参をしたりします。 |
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お盆のお墓参りや供養のしかた、方法 |
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・お盆 |
お盆とは、もともとは仏教語の盂蘭盆(うらぼん)・盂蘭盆会(うらぼんえ)に由来し、死者に供物をささげ、供養をする行事です。 現在のお盆では、死者が年に一度帰って来るという信仰に基づいた儀式が各地に残っています。「精霊流し」を行なう地域や「灯篭流し」を行なう地域もあります。 お盆の時期は地方によって異なりますが、7月または8月の13日から4日間に僧侶を呼び初盆・新盆の法要をするほか、お墓参りが行なわれます。 その他に迎え火、送り火を炊く風習があります。 |
・13日…迎え火。死者を家に迎えます。 |
・お墓まで霊を迎えに行くという地方もあります。お墓参りをし、お墓で提灯に火を灯します。できればその火を消さずに提灯を自宅まで持ち帰ります。 ・迎え火として、松の割り木や麻幹(おがら)を焚きます。 ・盆提灯に火を灯します。(日中、お墓から提灯に点灯して先祖をお迎えし、持ち帰って来た場合を除く) |
・14〜15日…法要 |
・お盆期間中には、ぜひ一度は家族全員でお墓参りをしましょう。 ・初盆に僧侶を呼んで読経を行なう法要は、14日または15日に行なわれます。 ・霊が帰ってきている間は、灯明を絶やさないようにし、お水や食べ物は毎日交換します。 |
・16日…送り火。死者を送ります。 |
・また来年来て下さいという気持ちをこめてお送りします。初盆・新盆で使用した白提灯は一緒に燃やすか、菩提寺に納めます。 |
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4.お墓参りの仕方(お墓参りのマナーや作法)について |
仏教の場合は、お線香をあげます。キリスト教の場合は白いお花を、神式の場合は榊やお神酒などをお供えします。下記に詳細な作法をご紹介します。 お線香のあげかた、ご焼香のマナーについては別ページにて御紹介しています>>> |
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【1】お墓参りのしかた(仏教の場合) | |
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A 用意したい持ち物・持参するもの(準備するもの) | |
項目 | 説明 |
1.お墓および周りをきれいに掃除するためのもの | ||||||||||||
墓地や霊園に備え付けのものがある場合もあります。
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2.お参りや供養に必要なもの・持ち物 | ||||||||||||
手桶などは、墓地や霊園で借りられる場合もあります。
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B お墓参りのマナーや作法(仏教の場合) | |
項目 | 説明 |
1.墓地に入る前に、ご本堂の前で一礼 | ||||||||||
お寺の墓地の場合には、お参りの前に本堂、本尊にお参りします。 | ||||||||||
2.手を洗い浄めます。 | ||||||||||
3.手桶に水を汲み、墓地に向かいます。 | ||||||||||
手桶とひしゃくを借りられる墓地もあります。 | ||||||||||
4.自分の家のお墓の前についたらまずは一礼します。 | ||||||||||
両手を合わせて合掌します。 | ||||||||||
5.お墓と、お墓の周りの掃除をします。 | ||||||||||
・周りの雑草をぬき、墓石についた汚れをおとします。
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6.お墓がきれいになったらお線香を供え、お花やお菓子などのお供えをし、拝礼をします。 | ||||||||||
・お花、お水、お菓子などをお供えします。 ※卒塔婆については、こちらをご参照下さい>>>
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7.お墓参りの服装 | ||||||||||
納骨や初盆などの法事法要に合わせてお墓参りをする場合には喪服(礼服や準礼服など)となりますが、お彼岸をはじめ、ふだんの暮らしの中でご先祖に会いに行くお墓参りには、決まった服装はありません。 但し、他のお墓にもお参りに来られている遺族の方がいらっしゃいますので、極端に華美な服装や香りの強い香水などは避けるのがマナーです。 ※宗教・宗派によっても異なりますので、ご自身の宗教に従って下さい。 |
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