商品売買契約書

商品売買契約書の書き方のページ。商品売買契約書とは、売り手と買い手の間の商品の売買に関する約束事[取引や支払いの条件等=いつ、何を、どれだけ(量、サイズ)、いくらで売るのかなど]を書面にしたものです。
事前にお互いが合意した売買の条件を明確にし、合意の上で取引をすることを目的とします。商品売買契約書の作り方やポイントについてご説明します。
………「商品売買契約書」のページの内容………
1.商品売買契約書とは?
2.商品売買契約書を作ってみよう…商品売買契約書の書式の見本
3.収入印紙(印紙税)
4.商品売買契約書 作成・締結の際の注意点
 ※参考ページ…売買契約書>>>
 ※参考ページ…契約書の作り方と印鑑>>>

1.商品売買契約書とは?

商品売買契約書とは、売り手と買い手の間で取り決めをした商品の取引や支払いの条件等を記載した書面をさします。
商品売買契約書に記載する主な内容
記載する項目 解説
売り手・売り主誰が売るのかを記載します。
買い手・買い主 誰に売るのかを記載します。
商品名 何を売るのかを記載します。
数量 いくつ売るのかを記載します。
価格 いくらで売るのかを記載します。
納期・時期 いつまでに納品するのかを記載します。
納品場所 どこに納品するのかを記載します。
支払い方法 どのように支払うのかを記載します。
振込み、現金、手形といった支払方法だけでなく、一括・分割および利息が必要な場合には利率や利息の金額も記載します。
契約日 契約を締結した日付を記載します。
以下のの項目は、簡単な契約書の場合にはいくつかの項目が省略されることがあります。
の項目の省略が想定されるケース]
・商品の仕様が確立しかつ安定ている場合。
・数量や取引金額が少ない場合
・恒常的な取引、または信頼できる取引先・取引内容の場合

など。

商品の仕様・規格 どんな商品なのかを記載します。
検収・検品・検査 検査や検品の有無およびその内容を記載します。
商品交換の条件 商品を交換する場合の条件を記載します。
契約変更の条件 契約を変更する場合の条件を記載します。
契約解除の条件 契約を解除する場合の条件を記載します。
機密保持 双方が機密を保持する必要がある内容を記載します。
記載のない事項の解決方法 想定外の事項が発生した場合の解決方法、この取引に関する紛争が発生した場合の解決法と、管轄する裁判所を記載します。
紛争の解決方法
管轄裁判所
[その他]
1.例えばソフトウェアの売買契約の場合には、以下の項目もあります。
・操作方法の指導の期間、人員、および費用

2.契約によっては収入印紙貼付が必要な場合があります>>

2.商品売買契約書を作ってみよう
 (商品売買契約書の書式の見本)

それでは、商品売買契約書を作ってみましょう。下記に書式を紹介しながら書き方を解説します。
商品売買契約書の見本・例
書式の見本・雛形
下記にご紹介するのは、売買契約書の代表的な文例、例文です。
書き方の雛形として紹介しますので不要な箇所は削除し、必要な箇所を用いて下さい。
売買契約書
委託者◯◯◯(以下「甲」という)と受託者□□□(以下「乙」という)とは、別紙記載の商品(以下「商品」という)の売買に関し、以下のとおり契約を締結する。
(目的)
第1条 甲は、商品を乙に売り渡し、乙はこれを甲から買い受ける。
(仕様)
第2条  商品の仕様は別紙に定めるとおりとする。
(売買代金)
第3条  商品の売買代金は、◯◯◯,◯◯◯円とする。
(支払方法)
第4条  乙は、商品受領後◯◯日以内に甲指定の口座に振込みにて代金を支払う。
  2  前項の規定において、商品納入時の検品において直ちに不合格が判明した場合には、商品を修正した上で再納品に要する日数を支払期限に加算するものとする。
(商品の引き渡しおよび検収)
第5条  甲は、乙指定の場所に◯◯年◯◯月◯◯日に商品を納品する。乙は納品後直ちに(または◯日以内に)検収を行なう。
  2  前項の検収の結果、商品が不合格となった場合は、乙が指定する期間内に甲は乙の指示に従って修正し、再検収を受けなければならない。
(瑕疵補修)
第6条  商品の引き渡し日から◯年間は、甲は乙に対して商品の瑕疵に関する一切の責任を負うものとし、補修に関する費用は甲が負担するものとする。
  2  前項の規定は、乙が商品を第三者に転売したときには適用しない。
(商品の修理・交換)
第7条  商品が事前に指定した仕様と異なるときは、甲は商品を無償で修理、交換しなくてはならない
(報告・調査)
第8条  商品の使用によりトラブルが発生したときは、乙はただちに甲に報告し、甲は原因の究明に努め、甲は調査結果 を随時乙に報告するものとする。その場合の調査費用は甲の負担とする。
  2  前項の規定は、乙が商品を第三者に転売したのちに発生したトラブルについても適用される。

  3

 乙が商品を第三者に転売したのちに商品にトラブルが発生した場合の回収費用については、甲乙協議の上その都度定める。
(機密の保持)
第9条  甲及び乙は本契約の遂行において得た商品に関する技術情報、および双方の営業情報、顧客情報、ノウハウを他にもらしてはならない。
  2  前項の規定には、以下は含まない。
(1) 既に公知の情報
(2) 契約締結以前に双方が得ていた情報
(3)法律、法令により開示を義務付けられた情報
(4)安全、衛生等の理由により機密情報から除かれることを甲乙協議の上確認した事項
(5)甲及び乙が機密情報から除くことを相互に同意確認した情報
(契約内容の変更)
第10条  天災その他の不可抗力、又はその他、甲の責に帰すことができない理由により期間内に業務を完了することができないときは、乙は甲に対して遅滞なくその理由を明らかにした書面により納期の延期をもとめることができる。この場合の延長日数は、甲乙協議の上書面によりこれを定める。
  2  乙は、必要があるときは、商品の仕様または数量等を変更することができる。この場合において、納品日または売買代金を変更する必要があるときは、甲乙協議の上、書面によりこれを定める。
  3  前項において、甲が損害を受けた時は、乙はその損害を保証しなければならない。この場合における賠償額は、甲乙協議の上、書面によりこれを定める。
(契約の解除)
第11条  甲が◯◯◯◯したときは、乙はただちに本契約を解除できるものとする。
  2  前項において、乙は甲に書面によりこれを知らせる。
  3  乙がその責に帰すべき理由により、業務委託料の支払いが遅れた場合においては、乙は遅延日数に応じ、◯◯◯◯の割合を乗じて計算した額の利息を甲に請求することができる。
(専属的合意管轄裁判所)
第12条  本契約について訴訟の必要が生じた場合には、◯◯◯地方裁判所を専属的合意管轄裁判所とする
(その他)
第11条  本契約は、日本国法に準じて解釈される。
  2 この契約書に定めのない事項については甲乙協議の上これを定める。
 
 本契約の証として本書2通を作成し、当事者記名押印の上、各自一通を保有するものとする。
平成◯◯年◯◯月◯◯日
  住所  
  氏名
   
住所  
  氏名
 

※ワンポイント知識
[記名と署名の違い]
・署名は自筆(手書き)で氏名を書くことですが、記名は社名や氏名の箇所にゴム印を使ったり、契約書自体にパソコンで印字したりすることをさします。

契約書に記名する場合には(つまり社名や氏名の部分にゴム印を使ったり、あらかじめ社名や氏名を印刷した場合には)、印鑑を押印・捺印することが不可欠とされ

ますが、署名の場合には捺印・押印は必要ないとされます。但し実務上は押印・捺印される場合がほとんどです。

なお、印鑑を押す時に使う捺印・押印についてはどちらも同じ意味(=印鑑を押すこと)として用いられます。

3.収入印紙(印紙税

契約書の中には、印紙税が課せられるものがあります。売買契約書には印紙税がかかるのかどうかを解説します。

商品の売買のみが書かれた契約書であれば、非課税(収入印紙は不要)
通常の売買契約の場合には収入印紙を貼る必要はありません。
こうした収入印紙を貼る必要がない契約の場合(=通常の契約場合)、売買契約書に記載されている内容は、商品の内容、代金、支払方法、支払期日などです。

継続的取引の場合には課税(収入印紙が必要)
売買契約書に「手付け金として◯◯を受領しました」「代金を受取りました」というような代金を受取ったことに関する内容が書かれていれば、17号の課税文書(印紙税法)とみなされ、収入印紙を貼付しなくてはなりません(印紙税のページを見る>>>)。

また、商品の売買であっても、取引が継続して行なわれる場合には、「継続的取引の基本となる契約書」(7号の課税文書)とみなされるため、印紙税がかかります(課税額4,000円)いちおう、下記に印紙税額一覧表の7号の箇所を記載しておきます。
継続的取り引きとは、契約期間が3ヶ月以内でかつ、更新の定めのないものは除きます。

[継続的取引に関わる売買契約書と収入印紙]
※継続的取引の基本となる契約書には、収入印紙を貼らなくてはなりません。 印紙を貼る位置は、一般的に「◯◯◯◯契約書」というタイトルの右側などです。

同じ契約書を複数作る時には、1通ごとに収入印紙を貼らなくてはなりません。通常は、相手方と自分とで2通になりますので、印紙もそれぞれに必要です。

※契約当事者のうち、少なくともどちらか一方が営業者でなければ印紙を貼る必要はありません。営業者とは利益を得る目的で同種の行為を反覆的・継続的に行う者(営利目的で同種の行為を行う者)をさします。
個人商店などの経営者は営業者に該当しますが、商法における商行為に該当しない医師、弁護士、司法書士等は営業者に該当しません。詳細は国税庁のページを参照して下さい(国税庁のページ。別ウインドウ)>>>

・課税物件表(抜粋)は下記のとおりです。印紙税額の欄に書かれている金額は、いわゆる印紙代です。
商品売買契約書は17号( 但し代金を受け取ったことが記載されているもののみ印紙税が課税されます)、 7号(但し取引が継続して行われるもの)の箇所に該当します。
17号(代金を受け取ったことが記載されているもの)、
7号(取引が継続して行われるもの)
下記は該当箇所の印紙代のみを抜粋します。 その他の各号については、印紙のページを参照してください。印紙のページへ>>

印紙税額の一覧表(抜粋)[平成25年4月1日現在]
17号
文書の種類 印紙税額(1通または1冊につき)
[売上代金に係る金銭又は有価証券の受領書]

〈注〉1 売上代金とは、資産を譲渡することによる対価、資産を使用させること(当該資産に係る権利を設定することを含む。)による対価及び役務を提供することによりことによる対価をいい、手付けを含みます。

(注)2  株券等の譲渡代金、保険料、公社債及び預貯金の利子などは売上代金から除かれます。

(17号文書に該当する例)
商品販売代金の受取書、不動産の賃貸料の受取書、請負代金の受取書、広告料の受取書など
記載された受取金額が
3万円未満 非課税
100万円以下 200円
100万円を超え200万円以下 400円
200万円を超え300万円以下 600円
300万円を超え500万円以下 1千円
500万円を超え1千万円以下 2千円
1千万円を超え2千万円以下 4千円
2千万円を超え3千万円以下 6万円
3千万円を超え5千万円以下 1万円
5千万円を超え1億円以下 2万円
1億円を超え2億円以下 4万円
2億円を超え3億円以下 6万円
3億円を超え5億円以下 10万円
5億円を超え10億円以下 15万円
10億円を超えるもの 20万円
受取金額の記載のないもの 200円
営業に関しないもの 非課税
7号
文書の種類 印紙税額(1通または1冊につき)
[継続的取引の基本となる契約書]

〈注〉契約期間が3ヶ月以内で、かつ、更新の定めのないものは除きます。

(7号文書に該当する例)
売買取引基本契約書、特約店契約書、代理店契約書、売買契約書、銀行取引約定書など
4千円
※ワンポイント知識
[収入印紙はどこで買う?]
収入印紙は郵便局や法務局で買うことができます。
その他にも「収入印紙売りさばき所」の指定を受けたコンビニで買うことができます(目印は郵便マークの〒の下に収入印紙と書かれた看板またはステッカー)。
印紙代は、印紙税と同額です。

4.商品売買契約書 作成・締結の際の注意点

上記では商品売買契約書の作り方について解説してきました。ここではさらに、作成・締結時の注意点について解説します。

1.全ての条文をチェックする
契約書を締結する際には、まずは売り主側、買い主側のいずれか片方が作成する事が多いものです。
相手方が作成した場合でも、必ずすべての条文をチェックするようにします。

もちろん、ごく一般的な契約書(雛形とされているもの)を使う場合でも同様二、必ず全ての条文をチェックします。
2.自社に不利益となる条文がないかチェックをする
想像力をフルに働かせ、商品の納入から支払いまでのあらゆる場合を想定してみましょう。
その上で、一方的に相手方に有利な条文自社に不利益となる条文が無いかチェックをします。
3.売り主は代金の回収方法や時期について念入りに確認する
売り主が最も心配なのは代金の回収です。支払いの方法や時期は本当にそれで良いのかを確認しましょう。また、万一支払い側(債務者)に何らかのトラブルが発生したときの代金の回収方法についても条文に入れておくと安心です。

[ワンポイント]
期限の利益の損失」というフレーズがあります(読み方:きげんのりえきのそんしつ)。期限の利益の損失とは、支払う義務のある側(債務者)が破産したり、担保を減失,損傷,減少させたり、担保を供する義務がある場合においてそれを供しない時などに、支払いまでの猶予期間(=期限の利益)を主張することができない…という民放の規定をさします。
4.買い主は商品などの内容に瑕疵があった場合の規定を確認する
買い主は、商品が納入された時には契約書に基づいて遅滞なく検品を行いますが、数量のチェック、一目で分かる外観のチェックなどの「すぐにわかること」以外に、通常の検品等ではわからない瑕疵があった場合にどうするのかを取り決めえいておくと安心です。

[ワンポイント]
瑕疵担保責任」というフレーズがあります(読み方:かしたんぽせきにん)。瑕疵担保責任とは、買い主が商品などを受け取った時に一般的な検品をしても知り得ない瑕疵(=通常なら本来有すべき性能や品質に不具合や欠陥)がある場合に、商法では6ヶ月以内であれば損害賠償や契約解除などを売り主に請求できます(526条)

5.トラブルを想定してチェックをする

もちろん売り主、買い主ともに善意をもって誠意ある取引をすることが前提ですが、万一予期しなかったことが発生した場合でも、自社に不利益が発生しないよう、あらゆるトラブルを想定して条文を作ることが大切です。
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