法事・法要のお礼状の書き方と文例・お返しの相場は?

法事のお返しとは、法事法要で頂いた香典のお返しのことをさします。法事法要(例えば四十九日、初盆、一周忌、三回忌、七回忌ほか)に出席された方や、香典を頂いた方にお返しをします。出席者を法要後に会食・お斎でおもてなしすることもお返しとなりますが、通常は更にお返しの品物を用意します。ここでは法事のお返しののしの表書き、品物の金額、お礼状の書き方、法事のお返しを頂いた場合のお礼はどうする?などについて解説します。
[関連ページ]
1. 法事法要の種類(法事とは) …前のページ
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3. 法要のお返しののし、表書き、書き方…前のページ
4. 法要のお返しの品・品物(お菓子は?商品券は?)…前のページ
[参考ページ]
法事法要の流れとマナー・服装
法事法要の流れとマナー
法事・法要での挨拶
法事の会食、お斎(おとき)
年忌法要早見表

5. 法事のお返しのマナー・法事法要のお返しの金額相場

法要のお返しの金額は、頂いた香典の金額の1/2〜1/3を目安にします。

法事のお返しの金額の目安

1. お返しの金額・予算としては、頂いた香典の金額の半額〜三分の一をめやすにします。
2. 法事当日の引出物としては、想定される金額のランクごとに、三段階ぐらいの品を用意しておくと良いでしょう。
(例えば3,000円、5,000円、10,000円の三段階、あるいは2,000円、3,000円、5,000円の三段階など)

3. 親族からは、想定した香典より余分に香典を頂いたとしても、その香典には故人への供養の気持ちや法事法要の費用の扶助の気持ちも含まれていると考えるのが自然です。お返しの上乗せを気にする必要はありません。

4. 法事・法要の当日に出席されなかった方から、香典やお花、お供物などを頂いた場合には、頂いた品物の金額の半額〜三分の一をめやすにした品を、お礼状を添えて送ります。
※この場合ののしの表書きは「志」「粗供養(四十九日以降)」「御礼」など。

6. 法要のあとの会食「お斎(おとき)

節目となるような主な法事法要のあとには会食(お斎)の席を設けます。法事の出席者を食事でもてなすこともお返しのひとつとなります。
もし法事の後でおもてなしの席を設けない場合には、折詰めの料理と酒の小壜を用意し、引出物と一緒にお渡しします。
[参考]
・おとき(お斎)のページ>>>

お斎が行われる主な法要【=太字】

初七日(還骨法要と同時に行なう)
・二七日(になのか)〜六七日(むなのか)は遺族のみで供養。お斎なし。
四十九日は、僧侶を呼んで法要、納骨、お斎を行なう
・百か日は遺族のみで供養し、お斎なし。
初盆は僧侶を呼んで法要、お斎を行なう
一周忌は、僧侶を呼んで法要、お斎を行なう
・年忌法要(三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十七回忌、三十三回忌)
  などの、主な法要のみ僧侶を呼んで、法要、お斎を行なう

7. 法事のお礼状、法要のお礼状 書き方・文例

法要の際に出席されずに、お香典、お供物、御供物料、お花(供花)を頂いた場合には、お礼状を添えてお返しをするのがマナーです。
できればお礼状を添えてなるべく早くお返しの品を送るのが望ましいのですが、同封が難しい場合には先にお礼状だけを送り、早めにお返しの品物を別送します。
のしの表書きは「志」とし、黒白、双銀などの水引きとなります。
ここでは、出席者へのお礼状と、出席せずにお香典やお供物だけ頂いた相手へのお礼状の例文・文例を下記にご紹介します。

法事のお礼状 例文・文例

【文例1】出席者へのお礼状

※ふつうは縦書きです。ページ構成の都合上、横書きにしています
 ◯◯法要のところは、「一周忌法要」「初盆」「四十九日法要」などとアレンジしてください。
拝啓 亡祖母 見本きく江儀 ◯◯法要に際しましては
ご多忙中のところわざわざご参列を賜りご芳情のほど誠に有難く
厚くお礼申し上げます
早速拝趨の上お礼申し上げるべきところ
略儀ながら書中を持ちましてお礼申し上げます
敬具  
 令和◯◯年◯◯月◯◯日
〒□□□−□□□□□ 東京都渋谷区神宮前◯−◯−◯
喪主  見本太郎
親族一同

[全体の流れ]
・故人の名前…「亡祖父 ◯◯◯◯儀」という書き方と、「故 ◯◯◯◯儀」という書き方があります。会社で行う法事の場合には後者をアレンジし、「弊社社長 故◯◯◯◯儀」といった形で使います。
・お礼の言葉…忙しい中を参列して頂いたことへのお礼の言葉を入れます。
・お礼状はあくまでも略儀…です。本来なら直接お礼を申し上げるところ、書状でのご挨拶となった旨を伝えます。
(文中の言葉「拝趨(はいすう)」…出向くという意味をへりくだって言うときに使う言葉。参上する。お伺いする。)
・差出人…施主の名前を書きます。横に「親族一同」と書き添えます。
・その他…季節の挨拶文は不要。
 頭語 「拝啓」+結語「敬具」については、両方入れるか、もしくは両方無しのどちらでも良い

【文例2】参列せずに、香典やお花、お供物だけを頂戴した場合

※ふつうは縦書きです。ページ構成の都合上、横書きにしています
 ◯◯法要のところは、「一周忌法要」「初盆」「四十九日法要」などとアレンジしてください。
拝啓 このたびは 亡祖母 見本きく江儀 ◯◯法要に際しまして
ご多忙中にもかかわらずご鄭重なるご厚志を賜り心より厚くお礼申し上げます
おかげさまで◯◯法要を滞りなく済ませることができました 
茲にご厚情に感謝申し上げますとともに、今後も変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます 
早速拝眉の上お礼申し上げるべきところ
略儀ながら書中を持ちましてお礼申し上げます
敬具  
 令和◯◯年◯◯月◯◯日
本松 一郎様
〒□□□−□□□□□ 東京都渋谷区神宮前◯−◯−◯
喪主  見本太郎
親族一同

[全体の流れ]
・故人の名前…「亡祖父 ◯◯◯◯儀」という書き方と、「故 ◯◯◯◯儀」という書き方があります。 会社で行う法事の場合には後者をアレンジし、「弊社社長 故◯◯◯◯儀」といった形で使います。
・お礼の言葉…忙しい中を温かいお心づかいを贈って頂いたことへのお礼の言葉を入れます。
・お礼状はあくまでも略儀…です。本来なら直接お礼を申し上げるところ、書状でのご挨拶となった旨を伝えます。
(文中の言葉「拝眉(はいび)」…お会いするという意味をへりくだって言うときに使う言葉。お目にかかる。)
・差出人…施主の名前を書きます。横に「親族一同」と書き添えます。
・その他…季節の挨拶文は不要。
 頭語 「拝啓」+結語「敬具」については、両方入れるか、もしくは両方無しのどちらでも良い
 

8. 法事のお返しのお礼

法事のお返しを受け取っても、お礼は必要ありません。
ただし、お返しの品を受け取ったことを相手に知らせるのはOKです。
お返しの品にはお礼の気持がこめられており、お礼に対してお礼を述べるのはお礼を重ねるため、お礼をしないのがマナーです。(=不幸事が重なるとして嫌われます)。
お返しの品が届いても受け取るだけで構わない(何もしなくても良い)のですが、お返しの品を受け取ったことを先方に知らせたい時には、お礼の言葉を使わずに「◯◯様からのお品が届き、恐縮しております」といった遠回しな表現を使うのが良いでしょう。
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※参考ページ 法事法要の流れとマナー・服装>>>
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