還暦祝いとは》お祝いの仕方祝い方・いつ・挨拶・プレゼント贈り物・マナー

 還暦祝いとは、満60歳を祝う長寿祝いのひとつです。定年延長や継続雇用制度の導入などにより、職場で上司や同僚の還暦祝いをする機会も増えてきました。
 六十歳になられた方に対し、長寿を祝うだけでなく、仕事上や人生においてもさまざまな経験を重ねて来たこれまでの労をねぎらい、お世話になった事を感謝し、健康や長寿を祈る会となります。このページでは還暦祝いについて説明します。
このページの内容
1. 還暦祝いとは(還暦とは?お祝いはいつ?)
2. 還暦祝いの祝い方(お祝いの仕方・贈り物・プレゼントのアイディア他)
3. 還暦祝いの会の挨拶・還暦祝いの会のスピーチ(文例・例文)

■ 還暦祝いとは

【還暦とは?】

●還暦祝いとは、満60歳を迎えたことを祝う長寿祝いのひとつです。還暦とは十二支と十干の組み合わせからなる干支が“60年で一巡してもとの干支に還る”ことからきており、暦が還ると書いて「還暦」と言われます。
●定年延長や継続雇用制度の導入などにより、職場において上司や同僚の還暦祝いをする機会も増えてきました。役職定年制度や、早期退職優遇制度を導入する企業や団体も増えている中で、職場で迎える60歳という年齢には単なる長寿祝いというだけでなく、さまざまな意味がこめられています。
●六十歳を迎えた方に対し、長寿を祝うだけでなく、仕事上や人生においてもさまざまな経験を重ねて来られたことに敬意を表し、これまでの労をねぎうとともに感謝し、更に健康や活躍を祈る会となります。
●現代の60歳はまだまだ現役の年齢です。職場によっては管理職・役職を退く人事制度を導入しているケースもありますが、基本的なマナーとして、年長者に対する敬意や節度を忘れずに接するようにしましょう。

【還暦のお祝いはいつ?】

●ほかの長寿祝いが数え年で祝うものが多い中で、還暦祝いだけは満年齢でお祝いをします。そういった意味ではお祝いの品やご祝儀、あるいは記念品のみを渡す職場の場合には誕生日が最適でしょう。
●会社や団体の規模が大きい場合には、お祝いの会を開いたり記念品を授与したりする回数が多いのも大変なので、「毎月最初の週末にお祝いの会」「毎月最初の朝礼で記念品授与」などと決め、その月に60歳を迎える人たちをまとめてお祝いをしている職場もあります。
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■ 還暦祝いの祝い方

【お祝いの仕方】

●還暦祝いを職場でお祝いする場合には、例えば職場単位で「お祝いの会」を開く場合と、記念品などを授与する場合とがあります。
◆職場での還暦祝いのお祝いの会
◆職場で還暦祝いの会(宴会)を開くことがあります。
企画・計画は職場の部下や同僚が中心となって行い、お祝いの宴会を開きます。会社主催の場合もありますし、主役以外の周囲の人が会費を出す会費制の自主的なお祝いの会もあります。
職場などで行う還暦祝いの会の一般的な流れ(進行例)
※進行順序は前後することもあります
1.開会宣言
2.お祝いの言葉、.乾杯
3.還暦を迎えた主役の一言
4.食事・歓談
(途中、数名からお祝いの言葉を頂くことも有り)
5.締めの一言、一本締め、三本締め、または万歳三唱など
6.閉会宣言

※還暦祝いの会に係わる費用を会社が負担する場合、一定の基準を満たせば福利厚生費として計上できます
◆還暦祝いの同期会(宴会)を開くことがあります。
同期入社・同期入所の人たちで、自らの還暦を祝う同期会を開くことがあります。中途退職者、早期退職者にも声をかける例もあるようです。
◆職場で還暦祝いの記念品やお祝い金を渡す

◆朝礼や集会などで、還暦祝いの記念品あるいはお祝い金を渡すことがあります。また、上述のお祝いの会(宴会)の席で花束やプレゼント、贈り物を渡すことがあります。
◆記念品やお祝い金は、会社が授与したり、従業員の労働組合や、会社の健康保険組合、或いは共済会、さらには同好会などから授与することもあります。
職場で社員たちが自主的に行うお祝いの会(宴会)の場合には、主役以外の人が出す会費から費用をねん出し、花束やプレゼントを渡すことがあります。
◆記念品につける熨斗紙・のしのマナー
右のイラストをご参照下さい。紅白の蝶結びの熨斗紙、のし紙を用います。表書きは「御還暦祝」「御還暦御祝」「祝還暦」「御祝」などです。
※還暦祝いの記念品代またはお祝い金を会社が負担する場合、現金や商品券の場合には給与として所得税の対象となります。しかし現金や商品券などではない場合、一定の基準を満たせば福利厚生費として計上できます。
◆家族で祝う還暦祝い
◆家族で還暦のお祝いをする場合には、食事会をしたり、贈り物やプレゼントをしたりします。

【還暦祝いの贈り物・プレゼントのアイディア等】

●職場で還暦祝いを計画している皆さんのために、贈り物・プレゼントのアイディアをご紹介します。
会社が出すお祝いの記念品と、職場で皆が費用を出し合って用意するプレゼントでは予算が異なると思いますので目安となる金額も記載します。
還暦祝いの贈り物・プレゼントのアイディア
◆還暦祝いには、「赤」にちなんだ贈り物
◆還暦と言えば、その呼称のとおり、60年前の(生まれた年の)干支に還ることから、赤ちゃんのような赤いちゃんちゃんこを身に着けてお祝いすることが知られています。
 宴会の席で主役に着用してもらうために用意する場合には、高級品でなくても良いと思います。
インターネット上でもちゃんちゃんこや頭巾(ずきん)などが数千円の手頃な価格で販売されています。これらはお祝いの贈り物や記念品というよりは、“お祝いの席での衣装”といった位 置付けと考えられることが多いようです。
◆「赤」にちなんだ贈り物・プレゼントのアイディア
・赤い色を中心にした花束
・赤または赤系(朱色、ワインカラー、ボルドーカラーなど)の高級カシミアマフラー(予算1〜5万円)
・赤いボディーカラーのデジタルカメラ(予算数万円〜)
・赤いボディーカラーのスチーム機能付きレンジ(予算5万円〜十数万円)
 
◆60歳だから「60」にちなんだ贈り物、
◆バースデーケーキであれば、ロウソクを60本(実際には無理ですが)となるところですが、60際という年齢にちなんだ贈り物もあります。ギフト券などを贈る場合には、のし袋に入れて渡すと良いでしょう。
◆「60」にちなんだ贈り物・プレゼントのアイディア
・ギフト券、商品券など 6万円分
・お米60kg(但し長期保存米。予算2〜4万円程度) または お米ギフト券(予算:6万円分)
(※人生の実りの時期を迎えたお祝いとして贈ります。できればメッセージカードを添えて「まさに人生の実りの時期を迎えたお祝いとして贈ります」と一言添えましょう。)
ギフト券、商品券などは6万円にこだわる必要はありません。普通 は1、2、3、5、10、20万円などの数字が一般的です。
 
◆健康にちなんだ贈り物
◆現代の還暦世代はとても若いのですが、健康への関心も人一倍高いと言えます 。ますます健康で元気でいていただくために、健康器具を贈るのも一般 的です。
◆「健康」にちなんだ贈り物・プレゼントのアイディア
・歩数計
・体脂肪計付き体重計
・スポーツサイクル(予算:数万円〜)
・電動アシスト自転車(予算:十数万円)
 
◆家族が贈る還暦祝いの贈り物 につづく
還暦祝いの贈り物・プレゼントのアイディア つづき
◆家族が贈る還暦祝いの贈り物
◆家族でお祝いをする場合には、還暦はまだまだ他の長寿祝いほど大げさなお祝いではないようです。家族全員で食卓を囲み、健康に感謝し、長寿をお祝いしましょう。
◆家族や親しい人からの還暦のお祝い
・食事会
・赤のマフラー、赤い財布(女性へ)、赤い色のライター、赤のカバーをつけたデジタルオーディオプレーヤー 
・旅行
・赤ワイン
・ウォーキングシューズ(健康づくりのために)
・ゴルフクラブ(ゴルフ好きの方へ趣味と健康作りのために)
・腕時計(今日からまた新しい時を刻むという意味で)
 
◆取引先の社長や担当者の還暦祝い
◆社外の方へのお祝いのビジネスマナー
先方が還暦を迎えることがハッキリ分かっている場合には、お世話になっている度合いに応じてお祝いをすることがあります。相手方が社長や取締役などの場合には、個人という立場でお祝いをするよりも、会社としてお祝いを贈る方が良いケースもありますので注意して下さい。
なお、社内規程等により取引先からの贈答品を受け取らないケースも増えてきていますので、メッセージカードや祝電などで祝福の気持ちを伝えるのも一案です。
 

■ 還暦祝いの会の挨拶(文例・例文)

職場などで行う還暦祝いの会で挨拶をすることがあります。
主役の挨拶(主役の言葉、スピーチ)の文例・例文をご紹介します。

(還暦を過ぎても65歳まで働き続けることができる会社・職場が多くなってきています。なるべく幅広い方面の方に使って頂ける内容にしています)

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◆還暦を迎えた主役の挨拶(スピーチ)文例1
本日は私のためにこのような素晴しい会を開いて頂きまして、ありがとうございました。また先ほどから温かい言葉を頂戴し、身の引き締まるような思いが致しております。
若い頃は「還暦」というとなんだか年寄りの入り口のような気がしておりましたが、実際に自分が還暦を迎えてみると、妙に晴れ晴れとした、むしろ清々しい気持ちがいたします。
 社会人になりたての頃には思ってもみなかったことですが、最近、「人はそれぞれその年齢にふさわしい役割があるのだ」と考えるようになりました。例えば女性の“出産”などは最もわかりやすい例で、ある限られた年齢の間にしかできない役割だと言えます。
 同様にして、知識をどんどん吸収する時期、技能を修得する時期、経験を積み重ねる時期といったものも、確かに存在すると考えます。ただその年齢の幅が、出産というものと比較すると広いというだけであり、更に個人の意欲や努力によって一層長く伸ばせるものである、と言えます。
 そしてもうひとつ、これからの私の新しい役割として加わるものが、周囲に対し、自分が得た知識や技能を教える、若い人たちが経験を積む機会を与える時期、自分の経験から得たものを若い人たちに与える時期…だと思います。
 ごく簡単な例で例えるなら、自転車の乗り方。
もちろん自分で乗ってみないと身につきませんが、どうしたら乗れるようになるのか、曲がれるのか、止まれるのかなどを自らの経験から教えることはできます。同じようにして、私がこれまで仕事上知り得た知識や技能、更には社会生活や人生経験といったものを余すことなくどんどん若い人たちに伝えていくことこそがこれからの私に課せられた役割だと思っています。
 意欲と反比例して体力や記憶力は若干怪しくなってきていますが(笑)、残された期間を最大限に活かして、私という人間が知り得た、そして経験したあらゆることを皆さんに伝えていきたいと思っています。これからもどうぞ宜しくお願いします。
 本日は本当にありがとうございました。
◆還暦を迎えた主役の挨拶(スピーチ)例文2
 本日はお忙しい中、このような会を開いて頂きましてありがとうございます。
私たちの世代は、高度成長期、バブル期、そして不況と言われる苦しい時期も含めてさまざまな時代を経験して参りました。 同期入社は約○○名ほどおりましたが、今ではわずか○名のみが大切な戦友としてわが社に残っています。こうして今日、自分が還暦を迎えるにあたり感慨もひとしおでございます。
 さて。 皆さんにとって仕事とは何ですか?
  私は還暦を控えたここ数年間、自分自身でこの問いを繰り返してきました。
自分自身を振り返ってみると、少なくとも3年前までは、まさに仕事は人生そのもの、仕事こそ生き甲斐、仕事優先・家庭は二の次……時代遅れの、ひと昔前の世代に負けないような生き方をしてきました。
 考え方が少し変わったのは、娘が結婚をしてからです。数年後に迫った定年を意識した時、夫婦二人だけの生活を考えて愕然としました。「私から仕事を取ったら一体何が残るのか」という思いがどんどん大きくなって来たのです。
 現在、私は少しだけ仕事に対する関わり方を変えて、……もちろん業務はきちんと行いますが、オフの時間を大切にすることにしました。以前から興味があった□□□□について、ぜひ本格的に学びたいと思い、通信講座を受講するだけでなく、関連するイベントにも積極的に参加するようにしました。気がつけばオフタイムが充実することによって逆にオンの時間は業務に集中できます。更に気力も充実して若返ったような気がしています。
還暦とは生まれた時の干支に還ることから名付けられたと言いますが、まさにここへきて生まれ変わったように毎日が愉しく、休みの日が待ち遠しいと思えるようになりました。
 皆さんも今のうちから、できれば少しずつ、ぜひ仕事以外の何かを見つけて下さい。趣味でもライフワークでも良いと思います。先に還暦を迎えた先輩として、今日この場で皆さんにアドバイスができることがあるとすれば、皆さんにこの話をすることだと思いました。
私生活が充実すると精神が健康になり、気力が充実して、良い仕事ができるはずです。
これからの数年、皆さんと共に、ぜひとも365日24時間を目一杯充実させていきたいと思います。これからもどうぞ宜しくお願いします。
 本日は本当にありがとうございました。