身だしなみのマナー 女性》社会人として基本の三原則も解説

身だしなみとは、身につけておくべき教養や趣味といった意味と、相手に不快感を与えない服装、場所や立場・地位 にふさわしい服装といった意味があります。このページではオフィスや、接客、営業、外交などのビジネスシーンにふさわしい女性の服装について説明します。清潔感と節度があり、かつ仕事がしやすい服装を基本とします。新社会人の方、転職を考えている方、インターンシップの予定がある方、どうぞ参考になさってください。

■1.オフィスでの女性の服装

ビジネスシーンにふさわしい、女性の服装について説明します。新社会人の方、転職を考えている方、インターンシップの予定がある方、どうぞ参考になさってください。
基本は以下の3つと心得てください。

[身だしなみの基本・身だしなみのマナーの三原則]

 1. 清潔感があること (清潔感)
 2. 相手に不快感を与えないこと (品位)
 3. 仕事がしやすい・動きやすいこと (機能性)
更に、身だしなみには以下のような意味があります。
単なる「服装」というよりもビジネスの場における「衣装」「戦闘服」とでも言える意味合いがあります。
[身だしなみの意味]
1. 仕事ができそうな外見、能力がありそうなイメージをつくること
  (営業、管理職など)
2. 相手に好感を持たれること、親しみやすい印象を与えること
3. 仕事にふさわしいセンスを持っていることを印象づけること
  (デザイン、ファッション関係)
衣装や戦闘服という意味で服装を考える場合、メガネなどのアイテム、髪型、口紅のカラーなどは印象を変えるのに非常に立ちます。

・ひとくちで女性の服装と言っても、クリエイティブな仕事、営業的な仕事、事務的な仕事、人と接する仕事など、仕事の内容によってさまざまです。

・下記に、ビジネスシーンにふさわしい女性の服装を挙げてみました。
記載したのはほんの一例で、基本的には一般企業でのお仕事を想定しています。介護の仕事、子どもと接する仕事などの場合、動きやすい、明るい色づかい、汚れても良い洗濯しやすい素材、などがふさわしくなるでしょう。また、制服がある職場や業務の場合は、通勤時と勤務時とで服装を着替えるため、比較的自由がきくと考えられます。
ビジネスシーンにふさわしい服装
営業的なお仕事の場合
●社外の人と接する機会が多い場合には、あなたの印象(身だしなみ等)が会社の印象を決めます。スーツ、ジャケット+スカート、ジャケット+パンツを基本にします。

●商談をする相手の年齢や性別によって、服装の意味合いが変わってきます。「仕事ができそうな装い」「親しみやすい印象の装い」など、使い分けて下さい。

● 客先との面談も二回目以降の面談であれば、相手の役職や取引・おつき合いの内容や年齢に合わせてシャツ+パンツ、ブラウス+スカートなど、季節に合わせたお洒落でも良いでしょう。肌の露出の多いものはNGです。

● シャツやブラウスの柄は、無地、ストライプ、ドット(水玉)などはgood。花柄なども、小花ならもちろんOK。ある程度派手な柄でもジャケットのインナーとして個性を出すアイテムになるでしょう。ヒョウ柄などは着用しない方が無難です。

●襟や袖口は清潔なものを。また、きちんとアイロンがけ(またはクリーニング)したものを着用しましょう。

●素足(生足)は避け、ストッキングの色や柄もビジネスシーンにふさわしいものを心掛けましょう。
ビジネスシーンにふさわしい服装 つづき
事務的なお仕事の場合
●新入社員の場合は、入社してからしばらくはスーツ、ジャケット+スカート、ジャケット+パンツを基本にします。大切な会議や、重要な顧客と合う時にもきちんとした服装があなたの印象をアップさせます。

●翌週からは、上記の服装にとらわれずに、ブラウス+スカート、シャツ+パンツ、ワンピースなども取り入れて良いでしょう。肌の露出の多いものはNGです。

●おじぎをしたときに胸が大きく開いてしまうようなデザインもNGです。また、ノースリーブもあまり好ましくありませんし、タンクトップなどは必ずジャケットをはおるようにします。

●空調は男性の服装を基本にしているため、暑いとき、寒いときに調整がきく服装が良いでしょう。職場用に、カーディガンやひざかけなどを用意するのも良いと思います

● シャツやブラウスの柄は、無地、ストライプ、ドット(水玉)などはOK。花柄なども、小さな花ならもちろんOK。ある程度派手な柄でもジャケットのインナーとして個性を出すアイテムになるでしょう。ヒョウ柄などは着用しない方が無難です。

●襟や袖口は清潔なものを。また、きちんとアイロンがけ(またはクリーニング)したものを着用しましょう。

●ストッキングの色や柄もビジネスシーンにふさわしいものを心掛けましょう。 素足(生足)は基本的にはおすすめしませんが、職場によってはOKのところもあるようです。先輩女性たちの服装を見て判断してみてください。

●ミニスカートや短パンは原則として不可でしょう。

●パンツ類のうち、ジーンズについては、きちんとしているものなら「可」のケースが多くなってきているようです。上半身に襟のあるものを着用するだけでもぐっと印象が違ってきます。ジーンズに穴を空けたり、脱色したり、ダメージ加工の強すぎないものが良いと思います。ただし、初めて着用する前には、先輩女性たちの意見を聞いたり、先輩女性たちの服装を見て判断してください。

●派遣などで働く場合には、派遣先の職場の雰囲気に合うことが大前提です。ブラウス+スカート、シャツ+パンツにジャケットを合わせる等、きちんとした服装が好ましいと思います。心配な場合には最初の打合せの時にある程度質問しておくことをおすすめします。
ビジネスシーンにふさわしい服装 つづき
クリエイティブなお仕事の場合
●一般的にクリエイティブなお仕事の場合には、服装の自由度が高い職場と言えます。とはいえ、他の人に不快感を与えない服装を心掛ける必要があります。

●肌の露出の多いものはNGです。おじぎをしたときに胸が大きく開いてしまうようなデザインもNGです。また、ノースリーブもあまり好ましくありませんし、タンクトップなどは必ずジャケットをはおるようにします。

●空調は男性の服装を基本にしているため、暑いとき、寒いときに調整がきく服装が良いでしょう。職場用に、カーディガンやひざかけなどを用意するのも良いと思います

●襟や袖口は清潔なものを。また、きちんとアイロンがけ(またはクリーニング)したものを着用しましょう。
●ミニスカートや短パンは原則として不可でしょう。
その他…余談ですが、ある会社にお邪魔するとお茶を出して下さる女性の方がいつもかなりかさばるマフラーを巻いている…という企業がありました。男性はスーツを着て、ネクタイをしている職場なのですが、接客用のお茶を出す女性が、幅広の、アゴが半分くらいまでかくれそうなマフラーをしてお茶を出す様子がどうにも気になって仕方がありません。
 ご本人はファッションのつもりかもしれませんが、その職場での身だしなみとして合格とは思えませんし、あごがかくれる状態でお茶を出すのは接客時の身だしなみとしては失礼な服装だと思いましたし、運ばれるお茶やコーヒーが不衛生な感じすらしました。もし弊社の取引先なら口に出して教えてあげたいところですが…。
 一般的に、職場や職種によっては、マフラーを巻いて仕事をするのは相応しくないとされているケースもありますのでぜひ注意して下さい。

■2.職場でのメイク(化粧)、アクセサリー、髪型

ビジネスシーンにふさわしい(身だしなみ)、メイク(化粧)、アクセサリー、髪型について説明します。
基本はやはり以下の3つと心得てください。

[職場でのメイク、アクセサリー、髪型の三原則]

1. 清潔感があること (清潔感)
2. 相手に不快感を与えないこと (品位)
3. 仕事がしやすい・動きやすいこと (機能性)
・下記はほんの一例で、基本的には一般企業でのお仕事を想定しています。調理や介護の仕事、子どもと接する仕事などの場合、爪は短く切り、マニキュアも塗らない方が良いでしょう。
ビジネスシーンにふさわしい化粧、アクセサリー、髪型とビジネスマナー
お化粧
  ●厚すぎるお化粧、派手な口紅、濃すぎるマスカラはNGです。きりっとした「知的で清潔感があるお化粧」を心掛けましょう。

●職場でのノーメイクは別に不可ではありません。ただ、人と接する仕事をする人の場合は、ノーメイクよりも清潔感のあるお化粧や、印象に残るお化粧をきちんとすることをおすすめします。また、紫外線によるダメージを防ぐためにもノーメイクよりはメイクをしたほうが良いでしょう。

●顔色が悪い場合には、お化粧をしたほうが少し健康的で明るい印象になる場合もあります。
「あのこはいつも元気で頑張っている」「ぜひ彼女と一緒に仕事をしたい」「彼女は明るくてとても感じがよいから、ぜひ仕事を依頼したい」と周囲や取引先から思ってもらえるようにしたいものです。

●お化粧直しは化粧室で行ないます。自分の席でコンパクトを空けるのはマナー違反です。食後に口紅をなおすのも、リップクリームを塗るのも、化粧室で行ないます。

ネイル、マニキュア
  ●マニキュアも、つけ爪などによる派手なものは避け、無地や淡いピンク系、肌色系のおとなしいものにします。指先が清楚で女らしい印象になります。

●職場によっては、ラメやパールや色付きのマニキュアを禁止しているところがあります。色付きのものをつける場合には、職場の先輩女性たちの指をよく観察してからにしましょう。

●仕事の内容によっては、マニキュアを塗らない方がよいでしょう。商品を取り扱うときに、商品に傷をつけたり、食品を扱うときに不潔な印象になったりするのはマイナスイメージです。きちんと切りそろえた清潔な爪は、働き者の印象を与えます。

●自分の席でマニキュアを塗り直したりするのはもちろんNGです。
アクセサリー
 ●派手なイヤリング、大きなものなどはビジネスシーンでは不可です。揺れない小さなピアスなら、OKの職場が多いでしょう。
また、 スーツに合うきちんとしたイヤリングやピアスも、清潔感のあるものならOKの職場が多いと思います。揺れない小ぶりのものをおすすめします。

●派手なネックレスは不可です。コサージュやブローチは、服装に合っていればある程度OKでしょう(保険の外交など、人と接するお仕事の方などは顔の周りが華やかになるのでお使いになることも多いようです)。

● アクセサリーは、年齢によってOKのボーダーラインが異なってきます。若い人はできるだけ清楚を心掛けてください。また、役職によってもOKの範囲が変わってきます。アクセサリーには表情の印象を柔らかくしたり、顔だちを明るく見せる働きもあるので、効果的に利用しましょう。

●ベルトについても、ビジネスシーンではあまり派手なベルトや大きなバックルは避けましょう。

●指輪は、デスクワークをする際に邪魔にならないものが基本です。人や備品に傷をつけてしまいそうなデザインや、打合せの時に目を奪われるような大きな石のもの、派手なものは不可です。

●腕時計は、節度のある範囲で、比較的自由です。「超」のつく高級品は安全上の面からも職場に持込むのはあまり好ましくありません。

●一般的にクリエイティブなお仕事の場合には、服装の自由度が高い職場と言えます。アクセサリーもほとんど自由でしょう。節度のある使い方であれば、OKだと思いますが、入社したばかり、転職して職場に入ったばかりのあなたは、先輩の女性スタッフを良く観察したり、意見を聞いてみたりすることをおすすめします。

■3.ビジネスシーンに合う靴、バッグ

ビジネスシーンにふさわしい、靴やバッグについて説明します。

制服のある職場の人は、着替えることができるので私服は比較的自由でしょう。
女らしい美しい歩き方や美しいしぐさのためにも靴やバッグはとても重要です。
ビジネスシーンに合う靴・バッグとビジネスマナー
  ●営業的なお仕事の場合は、基本はパンプス。バックベルトのサンダル、ベルト有りのミュールなど。
かかとの無いサンダル履きや、かかとのベルトのないミュールはNG。トングミュールもビジネスシーンにはふさわしくありません。

●ホテルなどに勤務する接客業の人はお客様の靴をみてその人の格を判断する、と良く言われます。きちんと磨いて手入れをしておくこと、同じ靴を連続してはかないこと、だらしない靴を履かないこと、この3つを守るだけで、ずいぶんあなたの印象が異なってきます。

● 歩くことが多い場合にはヒールが太く、かかとの高さはあまり高すぎない方が疲れません。

●社内靴に履き替える事務所では、サンダルなどを利用する方も多くいらっしゃると思いますが、トングミュールなどは職場にはふさわしくありません。また、コツコツと靴音が響き過ぎるタイプも、職場によっては周りに不快な印象を与えます。

●業務の内容によっては、ナースシューズ、運動靴なども賢く利用しましょう。運動靴も最近はずいぶんお洒落なスニーカーが沢山出ています。
バッグ
  ●営業の業務の女性は、携帯電話、化粧品、手帳、A4の書類、筆記用具、ハンカチ、ティッシュー、その他……こうしたものがスッポリ入るタイプのバッグをお使いになる方が多いようです。

● 書類用のアタッシュケース、ブリーフケースといったものと、私物を入れる自分のバッグは別にし、2つ持ち歩くという方もいらっしゃいます。確かにアタッシュケースだけでは、見た目にもあまり女らしさは感じられませんね。
収納力と共に重要なのが、本体の重さ(重量)です。持ち歩くときに重いだけでなく、服装がシワになったり、姿勢がくずれたり、裾のこすれや、靴の不均衡な減り方の原因となります。購入する場合には必ず重さもチェックすることをおすすめします。

●普通の業務の方の場合は、通勤用のバッグのデザインは比較的自由に選ぶことができます。満員電車の中でお財布などをすられたりしないようにきちんと閉じられるバッグで、丈夫なもの、定期券などの出し入れをしやすいもの、できれば、内ポケットなどがいくつかあり、携帯電話などの収納や出し入れがしやすいもの…といった基準で選んでください。