社会人の基本マナー「コーヒーの出し方」

コーヒーの出し方のページ。お客様にお出しするコーヒーやお茶には、わざわざ足を運んで来てくださったお客様に、のどの渇きを癒して頂き、くつろいで頂く、ほっとしていただくというおもてなしの心がこめられています。
また、会議や打ち合わせの時のコーヒーやお茶には、議論によって乾いたのどを潤す水分補給の他に、気分転換や、カフェインによって脳を活性化する意味もあります。このページでは接客マナーとして「コーヒーの出し方」とビジネスマナーについてご説明します。
………このページの内容………
1. コーヒーと接客、コーヒーと会議
2. コーヒーの出し方の作法(接客マナー、上座・下座)
3. コーヒーの出し方についてのビジネスマナーQ&A
  [1] コーヒーとお茶、どちらを先に出す?
  [2] アイスコーヒーの出し方
[参考ページ]
おいしいコーヒーの入れ方(コーヒーの淹れ方)と手順(別ページ)

1.コーヒーと接客、コーヒーと会議

お客様にお出しするコーヒーには、わざわざ足を運んで来てくださったお客様に、のどの渇きを癒して頂き、くつろいで頂く、ほっとしていただくというおもてなしの心がこめられています。

また、会議や打ち合わせの時のコーヒーには、議論によって乾いたのどを潤す水分補給の他に、気分転換や、カフェインによって脳を活性化する意味もあります。
ビジネスシーンでのコーヒーの役割
コーヒーの役割 補足説明
▼来客へのおもてなしとして ●のどの渇きを癒して頂き、くつろいで頂く
●暑い季節はアイスコーヒーを提供し、涼をとって頂く
▼お茶の代わりとして ●来客との面談が長引いた時などに、お茶に代わる2つめの飲み物として
▼会議や議論などに集中させるため ●カフェインによって脳を活性化させる
▼乾いたのどを潤す ●水分補給のため
▼気分転換のため ●会議や講演の休憩時間などに気分転換をして頂く
▼眠気ざましのため ●朝の眠気ざまし、長引く会議の眠気ざまし

2.コーヒーの出し方の作法(接客マナー 上座,下座)

正しいコーヒーの出し方(接客マナー)の基本となるポイントは以下の5つです。

※なお、ベースとなる「おいしいコーヒーの入れ方」は別ページで手順をご紹介しています(おいしいコーヒーの入れ方>>>)。
2-1.正しいコーヒーの出し方の5つのポイント
(1)温度に留意する
●ホットコーヒーは温かいままで、アイスコーヒーは冷たいままでお客様にお出しします。
(2)上座の人から先に出す
●座席の中で最も上座にあたる席の相手から出します。応接室では来客から出します。社内の会議の場合には、最も上役にあたる人から出します。

[※ビジネスマナーの参考ページ…応接室での席順、会議室での席順(上座、下座)のページ「席次・席順」へ>>>
(3)スプーンの位置、持ち手の向きに注意する
●スプーンは手前に置くのが基本です。スプーンは柄(え)の部分が右に来るようにします。

●カップの 持ち手の位置については、諸説あるのですが、コーヒーをブラックで飲む人がカップを持ってすぐそのまま飲めるように右側に来るようにするという考え方が主流のようです。
※ちなみに、正しいコーヒーの飲み方は、まずはミルクもシュガーも入れずにブラックでコーヒーそのものの味を味わってから、好みに応じて砂糖やミルクを入れる…とされます。まずブラックで飲むことを想定し、カップにワンポイントがないデザインの場合には、右側に来るようにするのが無難でしょう。

下記の優先順位に従って持ち手の向きを決めて下さい。

[コーヒーカップの向きはカップの絵柄を最優先]
カップの内側にワンポイントや絵が描かれている場合には、その絵が飲む人の正面に来るようにする。(絵柄が正面に来るようにすると持ち手が右側に来るカップが多いようです)
どちらが正面とも言えないカップ ワンポイントありのカップ
持ち手の向きについては、諸説あるが、コーヒーをブラックで飲む人がカップを持ってすぐそのまま飲めるように右側に来るようにするという考え方が主流

スプーンはすぐに持つことができるように柄(え)が右側に来るようにセットする。
カップの内側の絵柄がお客様の正面に来るようにする。

スプーンはすぐに持つことができるように柄(え)が右側に来るようにセットする
[しきたりに従う]
喫茶店などでは、スタッフに持ち手の向きを決めて指導しているところもあるようです。
例えば「持ち手が左側にくるように」という店では、ミルクやシュガーを入れるときにお客様が左手でカップを固定し、右手にスプーンを持ってかき混ぜたあと、持ち手をぐるりと右に持って来て「持ち手が左に来るようにし、スプーンは持つ部分が右に来るように」と統一しているお店もあるようです。
 
2-1.正しいコーヒーの出し方の5つのポイント つづき
(4)できるだけ相手の正面に。資料がある時は右側に置く
●(机の位置関係や、会議の際の机の上の資料の位置などにもよりますが)基本的には相手の正面にコーヒーを出します。

●着席している人の正面に資料などがあるときには、右側に置きます。
(但し、空きスペースに注意し、テーブルの端になる場合や、資料にかかる場合には「こちらでよろしいでしょうか?」と声をかけるなど臨機応変に。)

● お茶菓子やケーキと一緒にコーヒーを出す時には菓子やケーキを先に正面に出し、後から、コーヒーを右側に出します。
(5)カップには適量を入れる
●カップにコーヒーを入れる場合には、なみなみと入れるのはNG。7〜8分目の間ぐらいが上品です。
 
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2-2.コーヒーの出し方の手順

手順と説明

(1)お盆の上に、コーヒーカップとソーサーをセットします。
・コーヒーカップは、1/3〜1/2くらいまでお湯を入れて温めておきます。コーヒーのドリップが終わったら、カップの湯を捨てながらコーヒーを入れます。
カップの外側や底が濡れていないかチェックしながら清潔な布巾やペーパータオルなどで拭き取ります。

・コーヒーカップにコーヒーを入れる場合には、なみなみと入れるのはNG。7〜8分目の間ぐらいが上品です。
・トレーにソーサーをセットしておきます(お盆の上にコーヒーの受け皿をセットしておきます)。
・コーヒーを入れたカップを、ソーサーの上に並べます。

・コーヒーカップの持ち手の位置については、諸説あるのですが、コーヒーをブラックで飲む人がカップを持ってすぐそのまま飲めるように右側に来るようにするという考え方が主流のようです。
・スプーンはカップの手前に、柄(え)の部分が右に来るように置きます。
・シュガー(砂糖)がスティックタイプの場合にはスプーンと二本揃える形にして、ソーサー(受け皿)の上に置きます。
角砂糖や、ピラミッドタイプのシュガーの場合には、スプーンの左側または手前に置きます。シュガーポットの場合については後述します。

・ミルクがポーションタイプ(一回分ずつ小さな容器に入っている小分けタイプ)の場合にはスプーンの左側または手前側の空きスペース、ソーサーの上に置きます。ミルクポットを使う場合については後述します。

・カップの数が多い場合には、左の見本画像のようにお盆に載せて運びます。
場所をとるソーサー(受け皿)を重ねることでカップを沢山運ぶことができます。
(注:お客様に出す時点でカップ&ソーサーをきちんとセットします。※後述)

2-2.コーヒーの出し方の手順  つづき
(2)お盆を持つときは、いつでも片手が自由になるようにする。
【オフィスでコーヒーを出す場合】
●例えば応接室や会議室にコーヒーを出す場合を考えてみましょう。
ドアをノックしたり、ドアを開けたりするためには、いつでも片手が自由になるようにしなければなりませんね。
人数が多くコーヒーの数が多くて重いお盆では、両手でお盆のふちを支えている場合、ドアをあけるときに片手を離してもう一方の手だけで支えるのは大変むずかしくなります。
こうした場合には、あらかじめ持ち方を変えてお盆を運んで行きます。

●このイラストをご参照ください。
左の手のひらをひろげて上に向け、お盆の中心あたりに底から左手を置くと、お盆を左手だけで片手で持つことができます。この状態でもう一方の手でお盆のふちを持ち、安定させます。
応接室や会議室の前までは、胸の高さにかかげて持って行きます。

この状態なら、会議室や応接室のドアをノックする時やドアをあける時に右手を離すことができますね。
※バーテンさんがやるように、底から手のひらが離れるように指をたててやる必要はありません。手のひらをべったりお盆の底につけるほうが安定します。また、異動時(ノックする時やドアをあける時以外)には、必ず右手をお盆のふちにそえて安定させた状態で運びます。

●片手でお盆を持つのは、慣れるまで難しいかもしれません。練習しておきましょう。

★ポイント…
カップ&ソーサー、スプーン、シュガーの他に、清潔な布巾を一緒に持参します。
(3)ノックして声をかける
●お盆を片手で持ち、空いている手で応接室や会議室のドアをノックします。
控えめにノックするよりもむしろ、中にいる人にきちんと聞こえるようにはっきりノックしましょう。

[左手でお盆を持つという前提で解説します]
[1]左手だけでお盆をもち、右手でドアをあけます。
[2] お盆に右手も添え、安定させた状態で「失礼します」と言っておじぎをしてから部屋に入ります。
[3]左手だけでお盆を持ち、右手でドアをしめます。

●ドアをあけた瞬間は、中にいる人を見て「失礼します」と声をかけます。おじぎの時は、コーヒーを見て、こぼさないように注意します。
(4)お客様から見て右側に持ち手 がくるようにコーヒーを出す。

[A]カップの数が少ない場合 
[B]カップの数が多い場合 

●上段の[A]のように、人数が少ない場合にはそのままコーヒーをお出しします。
下段[B]のようにカップの数が多い時には、一旦部屋に入ってから作業スペースを利用してカップをソーサーにセットします。

★ポイント…
1. 応接室や会議室に、サイドテーブルがあれば、それを利用します。
2. サイドテーブルがないときは、下座側のテーブルの端の方を作業台にします。
3. テーブルが低いタイプのときは、前屈みよりで作業をするよりも腰をおとして作業をした方が動作が美しく見えます。

[カップの数が多い場合の出し方]
お盆を一旦サイドテーブルに置き、運搬中にコーヒーがこぼれていないかチェックする意味も兼ねて、カップの底を清潔な布巾(クロス)で拭きながらソーサー(受け皿)にセットします。
※注意:この時の布巾(クロス)が不潔だとかなりのマイナス印象になるので要注意

●下記の画像をご覧ください。コーヒーカップには、正面が決まっているものと、向きが関係ないものがあります。見本[B]のように絵柄が一ケ所にあるデザインのカップは、お客様から見て、絵柄が正面に来るように出します。
 

[A]

基本的には持ち手がお客様の右または左のいずれかに来るように出します。
ただし“持ち手が右側に来るように出す”のが最近の主流のようです。
右か左かについては諸説ありますが、良いコーヒーはまずブラックで一口味わうのが美味しい愉しみ方であり、ブラックで飲む方が向きを変えずにそのまま飲めるようにということでしょう。
[B]

絵柄がカップの一方だけについているカップ、あるいは、カップの内側の絵やワンポイントが、一方からしか見えないタイプのデザインのカップは、絵柄がお客様の方から見て正面になるように出します

●部屋の上座の人からコーヒーを出します。
相手の右側または右後ろから一客ずつ部屋の席順について、このページの次の項で簡単に説明します。

※参考…ビジネスシーンでは和室でコーヒーを出す機会は少ないと思いますが、もし和室の場合には、お盆を一旦畳の上に置きます。テーブルの上には乗せません。
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2-3.コーヒーの出し方と席順

手順と説明

上座のお客様からコーヒーを出す
●コーヒーを出す順番は、来客が先で、自社の社員が後です。
また、来客の中でも上座におられるお客様に一番先にコーヒーをお出しします。
(※お出しする順番はお茶の出し方のマナーと同じです。)

●各部屋には上座があります。上座におられるお客様からコーヒーをお出しします。
自分の会社の社員については役職が上の人から順番に出します。

部屋タイプおよびレイアウト図/  説明

[A.応接室の席順]

●入り口から最も遠い席が上座となります。
[B.会議室の席順]
●本来は、入り口から最も遠い席が上座となりますが、4人掛けよりも多い人数の場合は、左の図のようにまん中に座る方が上座となります。

●相手の右後方に回り、右側からコーヒーを出します。 「どうぞ」、「失礼します」などと声をかけながらお出しします。ただし、打ち合わせや商談が始まっている場合には、声をかけず目礼だけにすることもあります。

[片手でコーヒーを出すとき]
・片手でコーヒーを出す時は、相手の右側からコーヒーを出す際には右手を使って出すのがマナーです。必ず「失礼いたします」と声をかけながらコーヒーを出します。

[狭くてお客様の後方に回れないとき]
・やむを得ず相手の前から出す時は「前から失礼いたします」と声をかけながらコーヒーを出します。

[ケーススタディー]
 例えば、左[A.応接室の席順]の画像の例では、「狭い」「応接イスの背もたれが連結している」という理由から、左手奥の最も上座 ① の人の右後ろからコーヒーを出しにくいレイアウトになっています。
 こうしたケースでは、もし左側の来客椅子の後ろを通ることができるのなら、②の左側からコーヒーを出します。
或いは、まだ打合せの資料がテーブルの上になければ「前から失礼します」と声をかけて、来客側の下座にあたる②の右横から、手を伸ばしてまずは①の分のコーヒーを出し、次に②の分のコーヒーを出します。

 その後、自社のスタッフの分のコーヒーを③、④の順に出します。
[コーヒーを置く場所が少し狭いとき]
・コーヒーを置くスペースが少し狭い時があります。「失礼いたします」と声をかけ、コーヒーを置くスペースを先に作ってからコーヒーを出します。

[書類をテーブル一杯に広げて打ち合わせをしているとき]
・コーヒーをお持ちしたものの、図面などを広げた状態で打ち合わせが進行中だったりして、むしろコーヒーが邪魔になることもあります。そんなときは、最初に自社の一番下座の社員に「コーヒーをお持ちしたのですが、お出ししてもよろしいでしょうか?」と、小声で声をかけてみます。
「そうだね。一旦ここに置いて」と指示をしてくれたり、「みなさん、ちょっと中断しましょうか」など、声をかけてくれたりします。

★ポイント…
打ち合わせや商談を邪魔しないようにします。


※参考…上座、下座についての詳細は、席順のマナーのページへ>>>
▼会釈して退出
●コーヒー出しが済んだら、お盆を左脇にかかえ、ドアの前まで進みます。
向きを変え、お客様の方をむいて会釈をします。
空いている方の手でドアを開け、身体が外に出たら、もう一度室内を向いて会釈をしてからドアをしめます。
(ドアを閉める前、会釈の時に「失礼します」と言ってドアをしめても良いでしょう。)

★ポイント…
1.来客を長くお待たせしているような場合には、「もう少々お待ち下さい」などと声をかけてから退出しても良いでしょう。
▼その他
1. 応接室などで、お客様だけをお待たせしているような場合は、新聞や雑誌などを一緒に出すこともあります。

2.コーヒーの出し方は、お茶の出し方のマナーと共通する部分が沢山あります。参考になさってください。お茶の出し方>>>
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3.コーヒーの出し方についてのビジネスマナーQ&A

筆者が社員研修の指導をした際に、良くわからないという声が多かったものを挙げてみます。
[1] コーヒーとお茶、どちらを先に出す?
ポイント

▼決まりはないが、最初に出す飲み物はお茶が一般的。
ただ、最近は最初にコーヒーを出す場合も増えて来ている。

補足説明
●お茶以外のものを出す時には
「コーヒーでよろしいですか?」
とお尋ねすると丁寧な印象になります。

●来客の際、まずはお茶をお出しして、一定の時間が経過した場合には、お茶→コーヒーなどのように、別の飲み物を出します。
お出しするタイミングは、最初の飲み物をお出ししてから60分〜120分くらい経過してからです。むしろ放置されて2時間以上経つと社員教育が徹底していないという印象をあたえます。お茶の湯のみは2つめの飲み物をお出ししながらお盆に引上げます。
[2]アイスコーヒーの出し方
ポイント 説明
▼お出しする順番
  ●上座のお客様から順番に出します。これはホットコーヒーと同様です。
上座→下座の順、
お客様→自社の社員の順、
上司→部下の順です。
 
▼テーブルに置く順番
  ●コースター→アイスコーヒー→ストロー、ミルク・ガムシロップの順です。まずはコースターを置いてから、グラスを乗せます。
 
▼人数が多い場合や、テーブル上のスペースが限られている場合には?
  ●来客や会議などで人数が多い時、飲み物を出すのにあまり時間がかかるのも見苦しいものです。下記がそんな場合のアイディアです。
ガムシロップやミルクのポーション容器は手が汚れることがあり、できれば紙ナプキンや使い捨てのおしぼりなどを添えるとさらに心配りが感じられます。

[案1]ストロー、ミルク、ガムシロップを1人分ずつ小さいカゴや専用の器などに入れ、人数分のセットを作ってから会議室や応接室に持って行きます。
コースター→アイスコーヒー→上記のセットを1つずつ、上座の相手の席から置いていきます。
※案1の場合には、空いたガムシロップやミルクの容器がそれぞれの器に入れてもらえるため、机の上が汚れずにすみます。

[案2]コースター→アイスコーヒー→ストローの順に出し、ミルクとガムシロップは小さいカゴや専用の器、なければ小鉢や背の低いロックグラスのような器に入れて、テーブル上の何ケ所かに分けて置いても良いでしょう。
  
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