地鎮祭の挨拶》おめでとう・施主と施工者の例文・近所挨拶ほか

地鎮祭の挨拶のページ。地鎮祭とは、建物を建てたり土木工事を行う際に、工事の無事や安全と、建物や家の繁栄を神様に祈る儀式のことを言います。その土地の神様に祈る儀式ですので、とこしづめのまつりと言われることもあります。上棟式(いわゆる棟上=むねあげ)とは異なり、最初に土地を鎮めるために行われるものです。
このページでは地鎮祭のときに施主が行う挨拶の文例をご紹介しています。

1.地鎮祭とは?(地鎮祭と起工式)

地鎮祭とは、土木工事を行う際や建物を建てる際に、神様に工事の無事や安全と、建物や家の繁栄を祈る儀式のことを言います。「じちんさい」と読むほか「とこしづめのまつり」と読むこともあります。
建物を建てる土地や、土木工事をする土地の氏神様にあたる神社の神主をお招きして地鎮祭をとりおこないます。お供え物をし、祝詞をあげ、お払いをして浄め、施主が初めてその土地に鍬(くわ)や鋤(すき)を入れます。起工式と同時に行われる場合もあります。

◎もともとはその土地の氏神様を祀っている神社が地鎮祭をしていましたが、近年では氏神、産土神、鎮守の神が同一視されるようになってきており、最も近い場所にある神社に依頼することが多くなってきています。

◎儀式は、暦を見て大安または先勝(または友引)の日を選び、午前中に行います。手配や準備は施工会社に依頼するのが一般 的です。出席するのは、施主、施工会社、工事関係者、神職です。

◎地鎮祭と似たような式典に、起工式があります。
もともとの意味から言えば地鎮祭は「土地の神様に工事の無事や安全を祈る儀式」です。地鎮祭を行った日には本格的な工事は行わず周辺の住民に挨拶回りをすることもあります。
これに対し、起工式は「工事に着工するにあたって行う祝いと浄めの儀式」ですので、着工の日に合わせて行われることもあります。また、新造船着工の時は土地に関する地鎮祭という言葉は用いませんので船に関しては「起工式」という言葉を使います。
いずれも神職を招いて行う神事で、儀式そのものの流れは同じです。

【1】[地鎮祭の流れ・進行と、ご近所への挨拶まわり]

※地鎮祭の儀式の詳細と準備はこちらでさらに詳しく紹介しています>>>

地鎮祭の流れ(式次第と内容)

・神様に捧げものをし、お祓いや祝詞をあげたあと、施主、施工業者が初めての鍬や鋤を入れ、工事の無事を祈ります。
全体の所要時間は80分〜100分くらいです。  
式次第補足説明
1. 入場および開式の辞
 ・開式が宣言されます。
2. 修跋の儀(しゅばつのぎ)
 ・まずは祭壇、土地、参列者をお浄めします。
3. 降神の儀(こうしんのぎ)
 ・神様をお迎えします。
4. 献饌 (けんせん)
 ・神様にお供え物を差し上げます。
4. 祝詞奏上(のりとそうじょう)
 ・神様に祈りの詞をささげます。
5. 切麻散米(きりぬささんまい)
 ・神職が工事を行う土地を清めます。
6. 地鎮の儀(じちんのぎ)
 ・その土地に初めて鍬(くわ)や鋤(すき)を入れる儀式を行います。
・最後に神職が鎮め物を納めます。
7. 玉串奉奠(たまぐしほうてん)
 ・玉串奉奠(たまぐしほうてん)とは神前に玉串を捧げること、謹んで供えることを言います。

※玉串奉奠(たまぐしほうてん)については、別ページで画像イラスト入りでご説明しています。玉串料と玉串奉奠へ>>>
8. 撤饌(てっせん)
 ・神様にお供えしたお供え物をお下げします。
9. 昇神の儀 (しょうじんのぎ)
 ・神様にお帰りいただきます。
10. 閉式の辞(へいしきのじ)
 ・地鎮祭の終了を告げます。
11. 神酒拝戴 (しんしゅはいたい)
 ・お神酒をいただきます。供え物のお神酒や神饌をいただくという意味で「直会の儀(なおらいのぎ)」とも言います。

12. その他 につづく
(鎮めものは?)(地鎮祭が終わったら)(近所への挨拶・ご近所挨拶回り)

地鎮祭の流れ つづき
・神様に捧げものをし、お祓いや祝詞をあげたあと、施主、施工業者が初めての鍬や鋤を入れ、工事の無事を祈ります。 全体の所要時間は80分〜100分くらいです。
地鎮祭の最後にはお神酒を頂き終了です。
以下は更に細かい内容を解説します。 
式次第補足説明
12. その他
(鎮めものは?)(地鎮祭が終わったら)(近所への挨拶・ご近所挨拶回り)
 1.鎮め物は…地鎮祭で神職が納めた「鎮め物」は、一旦、施工業者に預かってもらい、適当な時期に地中に納めてもらいます。

2.地鎮祭が終わったら
(1)お供えしていた塩、酒、米、お神酒を土地の四方の方角の土の上に撒きます。果物や野菜などは施主が頂いて帰ります

(2)地鎮祭のあとの挨拶回り(ご近所への挨拶)
地鎮祭の後、施主は周りの住民の方に、手土産品として1,000〜3,000円程度の菓子折り・品物を持ってご挨拶に回ります。できれば施工会社の人と一緒に回ると良いでしょう。
※地鎮祭のあとで、近所への挨拶文例
これから工事に入ります。工事の音などでご迷惑をおかけすることがあるかも知れませんが、何卒よろしくお願いします
などときちんとご挨拶を済ませましょう。

御挨拶

手土産ののし、熨斗の表書きは「御挨拶」で、蝶結びののしを用います(右の画像参照)。
地域によってはご近所への挨拶回りに持参する手土産の熨斗に「粗品」と書く地域もあるようです。
また、一般的には粗品という表書きは商業施設の建設時などにも良く使われます。
※地鎮祭のあとで、近所への挨拶の際、留守・不在に備えて手紙を準備する場合の文例
施主名の手紙または工事責任者との連名の書面を用意します。
文中に記載したい概要は以下のとおり

【施主、工事責任者連名の場合の文例】
拝啓 近隣にお住まいの皆様におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さてこのたび下記におきまして◯◯邸(あるいは◯◯ビル)新築工事を行うことになりました。
令和◯◯年◯月◯日の完工を目標に全力で取り組んでおります。期間中は工事のため、騒音や車両の出入り、資材の搬入等で近隣の皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力のほど何卒宜しくお願い申し上げます。
敬具
【建設場所】◯◯◯◯
【作業日程】◯◯年◯◯月◯◯日〜◯◯月◯◯日
【作業時間】◯◯〜◯◯

発注者:見本 太朗     
工事責任者:サンプル建設株式会社
現場代理人:散布留一郎     
電話番号❑❑❑−❑❑❑❑     
※お供物や、儀式全体の流れと準備については「地鎮祭の流れと準備」へ>>>
(神職に支払う謝礼(=御初穂料、御玉串料)についてもご説明しています。
また、近所への引越し挨拶については、留守・不在の時、どこまで挨拶するかなどについても解説。)

【2】[地鎮祭での司会者のことば]

上記の地鎮祭における進行役としての司会者の言葉は、別のページで詳しくご紹介しています。地鎮祭の流れと準備>>>

2.地鎮祭の挨拶・スピーチ

下記にご紹介するのは、地鎮祭の挨拶・スピーチの文例、例文です。
地鎮祭を行う場合の施主として個人と法人を想定し、ケース別にあいさつ文をご紹介します。
実際にお使いになる場合には、文章をアレンジして下さい。

[2-1]施主の挨拶(例1)(例文・文例・雛形)

個人宅を想定しています。
[全体の構成]
1)出席者へのお礼の言葉
2)建物や工事の着工の喜びの言葉
3)工事の無事を祈り、関係者ならびに近隣の皆さんへの協力を依頼する言葉
 
本日はご多忙中にも係わらず私どもの新居の地鎮祭にお集り頂きましてまことにありがとうございました。
私も37歳にしてようやく念願のマイホームを建てるはこびとなりました。この十数年間、妻や家族の協力を得てコツコツとがんばって参りましたが、無事に今日の日を迎え、こうして皆様にお集りいただき、喜びもひとしおです。
さきほど地鎮祭をとどこおり無く相済ませましたので、いよいよ工事が始まります。
(ご近所の皆様には工事車両の出入りや騒音等でご迷惑をおかけすることと存じますが何卒ご理解の上お許し頂きたくお願い申し上げます。)
設計の段階から細かい注文にも親身になって相談に乗って下さった山下設計事務所様にはこの場をお借りしてお礼を申し上げます。また、建設工事一式を引き受けて下さった、信頼する匠々建設の皆様には本日より存分に力を発揮して頂くよう改めてお願い申し上げます。
私にとってここはふるさと、子どもの頃から慣れ親しんだホームグランドです。山も川も木も、きっと私たち家族を歓迎してくれていることと思います。工事の安全と建物の無事完成を祈念いたしまして、私からのご挨拶とさせて頂きます。
どうか よろしくお願い申し上げます。
[その他の、使える文例・例文]
・まずは一日も早くこの地になじんで、皆様のお仲間に加えていただきたいと存じます。ご指導ならびにご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

[2-2]施主のあいさつ(例2)(例文・文例・雛形)

法人を想定しています。
[全体の構成]
1)出席者へのお礼の言葉
2)建物や工事の着工の喜びの言葉
3)工事の無事を祈り、関係者ならびに近隣の皆さんへの協力を依頼する言葉
 
本日はご多忙中にも係わらず弊社の名古屋工場の地鎮祭(ならびに起工式)にご列席を賜り、まことにありがとうございました。
私どもにとりまして、この名古屋工場は、東海地区における製造の拠点としてだけでなく、中部国際空港へのアクセスも備えた物流の拠点としての役割と期待を背負っております。本日地鎮祭をとどこおり無く済ませまることができましたのも、ひとえに地元の皆様、各お取引先様、そしてお客様のご支援のおかげと深く感謝いたしております。また着工に先立ちまして計画段階から多くのご協力を頂いた見本設計様には改めて御礼を申し上げたいと存じます。
これより工事が始まりますので、近隣の皆様には工事車両の出入りや騒音等でご迷惑をおかけすることと存じますが何卒ご理解の上お許し頂きたくお願い申し上げます。
工事をお引き受け頂く散布琉建設様は弊社の仙台工場建設の際もお世話になりましたが、◯◯の分野においては業界でも屈指の施工実績を誇る企業であり、私どもも絶大な信頼を寄せているところでございます。
皆様にはこれから◯ヶ月(◯◯◯日間)にわたりご尽力をお願いすることになります。工事の安全と建物の無事完成を心よりお願いいたしまして、私からのご挨拶とさせて頂きます。
どうか よろしくお願い申し上げます。
[その他の、使える文例・例文]
・今後とも変わらぬご指導ならびにご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

[2-3]施主のあいさつ(例3)(例文・文例・雛形)

法人を想定しています。
[全体の構成]
1)出席者へのお礼の言葉
2)建物や工事の着工の喜びの言葉
3)工事の無事を祈り、関係者ならびに近隣の皆さんへの協力を依頼する言葉
 
本日はお忙しい中、私共のためにお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。
皆様方のおかげをもちまして、さきほど◯◯神社ご神職のご祈祷により、無事に当地の「とこしずめのまつり」をとどこおりなく相済ませることができました。
これまでは、札幌、釧路と、ずっと寒い土地ばかりでしたので、本州、しかも東京に営業拠点を設けることは我々にとっての悲願でございました。
その最初の一歩を当地に構えることができますのも何かのご縁…と、改めて感慨に浸っております。これもひとえに皆様がたのお力添えのおかげと深く感謝申し上げる次第でございます。
これより工事が始まりますので、近隣の皆様には工事車両の出入りや騒音等でご迷惑をおかけすることと存じますが何卒ご理解の上お許し頂きたくお願い申し上げます。
工事をお引き受け頂く□□建設様には、私どもも絶大な信頼を寄せているところでございます。
皆様にはこれから◯ヶ月(◯◯◯日間)にわたりご尽力をお願いすることになります。工事の安全と建物の無事完成をよろしくお願いいたします。
工事の方は専門家に一任いたしまして、我々は今日この日をスタートに全国に通 用する営業を一から学ぶ覚悟でございます。ちょっと老けてはおりますが、我々一同、体力とやる気と声の大きさだけは自信があります。どうか皆様よろしくお願い申し上げます。
これを持ちまして、私からのご挨拶とさせて頂きます。
今後ともご指導賜りますようお願い申し上げます。本日はありがとうございました。
[その他の、使える文例・例文]
・本日ここに地鎮祭も滞り無く済み、これより工事が始まるわけでございます。(このあとあいさつ文がつづく)

[2-4]施工者あいさつ、施工会社挨拶(例1)(例文・文例・雛形)

建設会社などを想定しています。
[全体の構成]
1)お祝いの言葉
2)建物や工事の着工の喜びの言葉
3)工事に取り組む姿勢や抱負を述べ、関係者ならびに近隣の皆さんへの協力を依頼する言葉
 
本日は津々テクニカ株式会社様、長野工場の地鎮祭(ならびに起工式)まことにおめでとうございます。
工事を請け負わせて頂く山本建設の山本でございます。
このたびの長野工場建設に際しましては、最新のクリーンルームの技術と、プラント設計技術の両方を持っている会社ということで、佐藤社長に直々にご来訪を賜り、今回の建設工事のご指名を賜りました。まことに有り難くまた光栄に存じます。
私共も今年、創業40年を迎えます。
今回の長野工場様の建設を一つの節目とし、後々まで弊社の社史に残る、誇れる仕事となりますよう努力して参る所存でございます。この長野の地の美しい自然景観を活かした外観と、働きやすい作業環境、製品の製造に最適なラインづくりのために、弊社の持てる技術のすべてを傾け、全力で取り組んでまいりたいと思っております。
近隣の皆様にはしばらくの間ご迷惑をおかけしますが、何卒御理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
津々テクニカ様のさらなるご発展と、地元の皆様のご健勝、ご繁栄を祈念いたしまして、私からのご挨拶と指せて頂きます。
どうか今後とも宜しくお願い申し上げます。
[その他の使える文例・例文]
・歴史と伝統ある◯◯◯◯株式会社の名を汚すことの無いよう、また、一日も早く完成、お披露目ができるよう、頑張りたいと思います。

[2-5]施工者のあいさつ、施工会社の挨拶(例2)(例文・文例・雛形)

建設会社などを想定しています。
[全体の構成]
1)お祝いの言葉
2)建物や工事の着工の喜びの言葉
3)工事に取り組む姿勢や抱負を述べ、関係者ならびに近隣の皆さんへの協力を依頼する言葉
 
本日は、まるくま記念館の地鎮祭まことにおめでとうございます。
工事を請け負わせて頂く鈴木建設の鈴木でございます。
この記念館の建設にあたりましては、地元の皆様をはじめ多くの皆様の貴重なご寄付が寄せられたと伺いました。今回ご指名を賜り、改めて当地の皆様の心の温かさに触れ、責任の重さを痛感し、身の引き締まるような思いがいたしております。
私共の得意技は「創意工夫」でございます。ドア、通路、トイレ、それぞれの一つ一つの使いやすさをめざし、皆様のご期待に添えるよう、全力で取り組んでまいりたいと思っております。
工事期間中近隣の皆様にはしばらくの間ご不自由をおかけしますが、何卒御理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
まるくま記念館というシンボルを得て、この地元の皆様のあたたかい輪がさらに広がっていきますよう、皆様のご健勝とご発展を祈念いたしまして、私からのご挨拶とさせて頂きます。
どうか今後とも宜しくお願い申し上げます。
[その他の使える文例・例文]
・安全に留意して作業をすすめて参ります。ご協力の程よろしくお願い申し上げます。