非常時・災害時の徒歩帰宅に備える

防災対策のページです。2011年の東北大震災の際に突然現実となった「帰宅難民」。以前から大都市が被災した場合に交通 機関が機能しなくなると多くの人が自宅に帰ることが困難になるという問題が提起されてきましたが、実際には大都市そのものが被災しなくても帰宅困難者が発生する事態が目の前につきつけられました。ここではこうした非常時に備え、常備しておきたいアイテムなどを紹介します。
………このページの内容………
▼ 1.帰宅難民とは
▼ 2.常に携帯したいもの
▼ 3.職場に備えておきたいもの

■1. 帰宅難民とは?

●以前から、万一大都市が被災した場合には交通機関が機能しなくなり、多くの人が自宅に帰ることが困難になるという問題が提起されてきました。しかし実際には2011年の東北大震災による停電により大都市そのものが被災しなくても帰宅困難者が発生する事態が目の前につきつけられました。
 
●このページはこうした事態に個人でできる準備について述べます。企業などの職場単位で非常時に備えて準備しておきたい食料や水などについては説明していません。
帰宅が困難になった場合の問題と対策
問題点 対策と説明
1.交通機関が止まってしまった
・徒歩による帰宅が可能であっても、安全上問題があれば帰宅を見合わせる必要があります。
・まずは代替交通手段を検討します。
 

●帰宅が困難な状況であることを申告する。

(1)職場にいる時であれば、職場の担当者(または上司)に申告する。
(2)学校や塾にいる時であれば、先生、担当教官に申告する。
(3)外出先などであれば、担当者や係員に申告する。
 

●帰宅するのか帰宅しないのかを決めて申告する、または職場や学校や施設の指示に従う。

・あえて帰宅をするのか、それとも帰宅せずに職場、学校または指定の施設で経過を見守るのかを判断します。
 職場や学校または外出先の施設側の指示に従うこともあります。
 
2.電話連絡がつかない
・固定電話や携帯電話がつながらない、またはつながりにくいという事態も。
・あらかじめ家族間や友人間で、「非常時の連絡手段」「非常時の連絡方法」を相談しておくと良いでしょう。
 

●ネットを利用。

…ツイッターなどのサービスの中には、災害時でも接続できるものがあります。SNS(ソーシャルネットワークサービス)だけでなく、ネットを利用した手段を複数試してみましょう。

●公衆電話など、つながる固定電話を利用。

…都市圏の場合には、公衆電話を利用するのにも“順番待ちの行列”となっていることがあります。職場に公衆電話がある場合には利用しやすいでしょう。ケースバイケースで使い分けてください。

●災害用伝言板サービスを利用する。

…各携帯電話会社が提供している災害伝言板サービスを利用sるようにします。携帯電話の回線が混雑している場合でも、つながりやすいように設定されています。

●あらかじめ取り決めておいた遠方の連絡先を利用する。

…通信エリアが異なると、比較的すんなり電話がつながることがあります。通信エリアが離れた地域の人を「共通連絡先」としてあらかじめ取り決めておき、そこに家族全員が連絡をするようにします。
例えば遠方の実家を共通連絡先とし、首都圏にいる家族がそれぞれ実家に状況を伝えます。
 
3.複合的な危険の可能性
・交通機関が止まるだけでなく、停電・火災・瓦礫の散乱・河川の氾濫・水道管の破裂その他の増水・洪水、道路の寸断、橋脚の損壊など、その他の複合的な危険に見舞われる可能性もあります。
・安全上問題があれば帰宅を見合わせる必要があります。
 

●非常用アイテムを利用。

…「あえて帰宅する」と決めたら、帰宅困難となった場合を想定して用意しておいた非常用アイテムを活用します(詳細は、このページの「2.常に携帯したいもの」「3.職場に備えておきたいもの」を参照)。
 

●正確な情報を収集する。

…安全に帰宅することが可能かどうかを判断するために、正確な情報を収集することが必要となります。
・使えるのなら、以下のような手段で正確な情報の収集につとめましょう。
 ・モバイル端末による (インターネット)
 ・ツイッターなどのSNS
 ・携帯ラジオ、スマートフォンによるラジオ など。
 

■2. 常に携帯したいもの

●2011年の震災で帰宅難民となった人の多くは徒歩で自宅まで帰りました。
ちなみに事務局が都内に通勤・通学している人に聞き取り調査をした結果 では、思った以上に職場や大学もしくはその近くの友人宅などに泊まった人の割合が多かったのですが、実際に歩いて帰った人の全員が「革靴」「パンプス」での帰宅のつらさを挙げています。
 (※事務局の聞き取り調査では、過半数が当日は帰宅せず、翌日帰宅した)
  [ 聞き取り対象:大学生及び社会人(勤務先:金融、メーカー、出版、社団法人) ]
普段はおしゃれや身だしなみのためのアイテムとして選んでいる靴についても、少し見直していく必要があるかもしれません。

●下記に、通勤・通学や外出時に常に携帯したいものや心掛けたいことをピックアップしてみました。
常に携帯したいもの、心掛けたいこと
(1)歩きやすい靴を履く。
 

●2011年の東北震災以降、職場のロッカーにスニーカーを置いておく人が増えたようです。 しかし、職場以外の場所や外出先などで被災する可能性もあります。外出時はできるだけ歩きやすい靴がおすすめです。

●「オシャレなデザイン」と「歩きやすさ」は相反するのかもしれませんが、ここ数年、男性にはビジネス向けのウォーキングシューズ、女性にはコンフォートシューズが次々に発売されています。こうした靴を選択するだけでも、非常時への備えのひとつとなります。

 

(2)携帯電話
  ●非常時のためにと特筆するまでもなく、外出時の必携アイテムとなっている方が多いと思いますが、意外と盲点なのが「バッテリー」です。
予備のバッテリーを携帯する、または職場のデスクと自宅の双方に用意しておくと安心です。

●携帯電話の新しい機能として、ラジオが聞けるものがあります。下記(3)でラジオを持ち歩くことをおすすめしていますが、携帯ラジオと携帯電話の両方を持ち歩くのは面 倒という方は、ラジオが聞ける携帯電話が良いかもしれません。但し、ラジオを聞いている間も携帯電話の電池は消耗しますのでご注意を。
 
(3)携帯ラジオ
  ●非常事のために携帯ラジオを準備している人は多いと思いますが、常に持ち歩くためのものとなるとかなり悩ましくなりますね。
かさばらないものという観点から、2つに分けて考えることにします。

[自宅や職場に備えたいラジオの例]
●小型の携帯ラジオ(乾電池タイプまたはダイナモ(=手回し充電併用)タイプ)。
…手回し充電タイプの中には、機種によっては携帯電話の充電もできるものがあります。
… LED懐中電灯付きラジオ(乾電池タイプまたはダイナモ(手回し充電併用)タイプ)も販売されています。

※ラジオ、電灯(ランタンタイプや懐中電灯タイプ)と合わせた複合性能のあるマルチタイプは、さまざまな機能を使うことにより電力を使用しますので、手回し式、乾電池式いずれもその点を考慮した上で購入するかどうかを決めて下さい。

[持ち歩くラジオの例]
●小型の携帯ラジオ
上記の代わりとして携帯性を重視するなら…
●ラジオ放送の受信ができるタイプの携帯電話(高機能端末)
●ラジオ放送の受信ができるタイプの携帯型デジタル音楽プレイヤー
 
(4)コンパス・方位磁石
  ●GPS付きの携帯電話があれば良い…正直そんな風に思っていたのですが、携帯基地局が近くになかったり、携帯の電波が受信できないと携帯電話のGPS機能を使って地図上での現在位置を特定するのは難しいみたいです。そもそも、携帯基地局が近くにないと、周辺の地図をダウンロードできないようです。

 それで俄にクローズアップされているのがコンパス(いわゆる方位磁石)です。
ごく小さなものでも、持っているといざという時に非常に役立つそうです。
余談ですが、筆者は数年前風水についての本を読んだときに部屋の中の正確な方位方角を知りたくてコンパスを購入しました。かさばるタイプは自宅用にして、携帯用にミニサイズを新調したいと考えています。
 
(5)飲料(水筒に入れても可)
  ● 実際に歩いてみるとやはり飲み物は必需品だということが良くわかります。 小さな水筒も売れているようです。300mlくらいのサイズのバッグに入るものもあります。
 
(6)懐中電灯(もしくはその代わりになるもの)
  ●実際に計画停電になってみると、街中が真っ暗で本当に困ったという声を聞きました。持ち歩ける大きさ・重さのものを選ぶと同時に、電池がすぐに消耗するタイプではなく、できれば手動充電、ソーラー充電などの機能がついているものの方が繰り返し使えるようです。

●ライトは LEDライトのタイプのものが人気のようです。
 
(7)その他
  ●可能なら、飴やカロリー○イト、ソ○ジョイなどの簡易食料や携帯食料。
大げさに考えなくても、のどアメ程度なら、かさばらずバッグに入れておけるのではないでしょうか。
 
勤務先・職場などに置きたいもの
(1)歩きやすい靴
  ●2011年の東北の震災以降、職場のロッカーにスニーカーを置いておく人が増えたようです。
歩きやすい靴、底がしっかりした靴、防水性のある靴…この3つの条件を満たす靴が良いと思います。
(2)携帯電話の充電装置または、携帯電話の交換用バッテリー
  ●予備のバッテリーがあると安心ですが、非常時に備えてロッカーに置くのなら「ソーラー充電器」です。
 ちなみに 事務局では、ふだんはUSBから充電でき、いざという時にはソーラー充電もでき、ライトも付くというタイプを購入! アダプターを付け替えれば携帯電話や高機能携帯電話だけでなく、携帯型デジタル音楽プレイヤーも充電できるものです。
(3)携帯用ラジオ
  ●ラジオを持ち歩けない人は、せめて職場のロッカーに入れておきましょう。めったに使わないのであればいざという時の電池切れがないように、手動充電併用のタイプが良いと思います。
(4)地図(マップ)
  ●地図帳のようなかさばるものよりも、持ち歩けるもの(携帯できるマップ)が良いでしょう。上でも述べましたが、携帯電話の地図サービスは携帯電話の基地局が被災した場合などに使えないケースがあります。
(5)ミネラルウォーターまたは飲み物
  ●勤務先で「非常用飲料水」としての保管分がない場合には、自分で1本ロッカーに入れておくと安心です。なお、保存用の飲料水の場合も2年くらいスパンで、定期的に新しいものと交換する必要があります(商品の説明書に従って下さい)。
(6)簡易食料品
  ●勤務先で「非常用食料品」として例えばカンパンや簡易食品を用意していない場合には、自分でロッカーに簡易食料をストックしておきましょう。アメ玉 だけでも用意しませんか?

●残業が多い職場ではインスタント食品、カップラーメン、缶 詰食品などが常備されていることもあるでしょう。
(7)懐中電灯
  ●計画停電の対象外のエリアの人は、懐中電灯を持ち歩くという意識が薄いかもしれません。毎日懐中電灯を持ち歩くことが難しいという人は、せめて職場のロッカーに入れておきましょう。
めったに使わないのでいざという時の電池切れがないように、手動充電併用のタイプが良いと思います。
(8)その他
●上記の他に、勤務先に「非常用として置いておくと安心」というアイテムを紹介します。
  ●軍手
●カッター、ナイフ
●マッチ、またはライター
●新聞紙……防寒用、燃料用などさまざまな用途に
●携帯用サバイバル毛布……非常にコンパクトなサイズのものが市販されています
●下着、靴下
●生理用品
●ラップ、アルミホイル、ビニル袋……さまざまな用途に
●空きペットボトル……さまざまな用途に
●帽子……頭部を守るヘルメットや防災頭巾があれば尚可